あなたが選考中の会社に入れるかどうかは人事採用担当者と面接官が決めることです。

たとえ会社の求める人材にあなたがマッチしていても、採用担当者にとって合わないなと感じられてしまった場合、良い結果にはなりません。

就活では会社の情報を集めることは当然ですが、同じように採用担当者の視点に立って考えなければなりません。

特に技術系採用で担当者が注目しているポイントをまとめました。

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理系就活での採用担当者はこんな人  

選考の最初は文系出身者の場合も

技術系採用ではアカデミアでの研究内容や科学的知識が問われることになります。

自分の経験を初対面である採用担当者に理解してもらえるように説明しなければなりません。

ほとんどの場合、研究レポートを提出するように求められるため、それに沿った説明を考えておく必要があります。

しかし注意しなければならないのは文系出身者である人事部門の社員が一次選考を務めることが多いという点です。

人事担当者は数多くの社員を見てきた経験を元に就活生の受け答えや性格など、基本的な部分をチェックすることが役割ですが、説明力を問うために研究内容について質問してくる場合もあります。

「文系の私にも分かるように研究内容を説明して頂けませんか」と聞かれることもありますので、研究内容の説明を考える際は専門外の人に向けた場合のパターンも考えておきましょう。

技術職が選考に参加

二次選考からは技術職が選考に参加するでしょう。彼らは人事採用担当者ではありませんが、就活生がアカデミアで習得した知識を判断基準として選考に参加します。

技術職が見ているポイントは主に「①会社が求めるレベルを有しているか」、「②入社後に戦力となるか」の2点です。就活生が自分の専攻分野をどの程度理解し、自分の言葉で上手く説明できるかを見られることになりますが、レベルだけでなく会社で求められる知識や能力、行動特性(主体性など)との相性も判断されます。

専門性が高く豊富な知識を有していても社員が必要とする分野とかけ離れていた場合は落とされてしまいますので、自分の知識が入社後にどう活かせるかについても考えておくようにしましょう。

稀に新卒社員が配属される部署の職員が参加するため「③一緒に働きたいかどうか」についても見られることになります。この場合は協調性の有無が採用基準となるでしょう。

いずれにしても、人事採用担当者は自社(営利目的の集団)で成果を出して貢献してくれる人材かどうかということと、受入れ後に就業リスクがなく問題のない人材かをプラスとマイナスの両面で見ていると考えましょう。

選考が進むほど役職が上がる

面接の回数は会社によって異なりますが、一次面接は人事採用担当者、二次面接は技術職、最終面接は取締役という形の選考パターンが多く見られます。

特に二次面接は技術職と共に人事課長・人事部長が同席する事があり、選考が進むにつれて面接官の役職が上がる傾向にあります。

一般的に言われていることですが、役職が上がるにつれて率いる社員数が増えるとともに見据える時間が長くなると言われています。

新入社員であれば1日1日が大変ですが、部長になると数か月単位で時間を見据え、社長になると会社の数年後を考えながら仕事をします。

つまり最終面接の場合は会社や自分の将来のキャリアビジョンについても説明できるようにしなければなりません。

正直言えば、ひとまず志望する会社の内定をもらうことを目標としているのが就活生のほとんどだと思いますが、将来を考えていないと思われた場合、役職の高い職員からはマイナスのイメージを持たれてしまいます。

将来のキャリアビジョンについての質問がある場合には、「自分の成長の上での会社の売上や利益や技術的な優位性、事業創出などへ貢献できる人材として成長していきたい」というような内容で回答すると良いでしょう。

また、役職の高い人は会社の利益を考えるようになります。会社の売上高や営業利益、就活生の知識がどのようにビジネスに活かせるかという点まで聞いてくることもあります。

理系出身の担当者はここを見ている

アカデミアでの研究成果

技術系採用では事前に1枚の研究レポートを提出しておくか、当日に持参することになります。

理系出身の技術職に対してはこの研究レポートを使いながらアカデミアでの研究内容を説明することになります。

パワーポイントを用意するように言われることもあるそうです。

当然ながらアカデミアでの研究成果が採用の判断基準になりますが、成果と言っても実験結果の良し悪しが判断されるわけではありません。

アカデミアでの1年もしくは3年間の研究だけで企業に匹敵するような成果を出せるわけではないため、その点が期待されているわけではないのです。

判断基準としてはどのように研究に取り組んできたか、結果に対してどのように考察しているかが採用の判断指標になります。

その上で内容を上手く説明できるかについても結果を左右するでしょう。

どんなに研究努力を積み、考察し続けたとしても当日に小さい声で説明していれば、研究内容を理解していないと判断されてしまいます。

説明が苦手な人は研究室の同期にお願いして練習しておきましょう。

技術職としての能力があるか

採用において理系社員が見ているのは研究レポートだけではありません。

入社した後に技術職として働く能力があるかどうかも判断されます。

例えば企業によってはSPIや学校の成績表のほかに独自で作成したテスト若しくはレポートを課す会社もあります。

レポートの場合は事前に勉強する時間があるため問題ありませんが、テストの場合は予測するのが難しいため、アカデミアでの取り組みに自信を持って挑みましょう。

また、研究職や生産技術職などの技術職は科学的知識だけでなく、説明力や体力も必要になります。

顧客や他部門の社員へは科学的な用語を分かりやすく説明しなければなりません。

実験では重い器具や設備を動かすこともあります。技術職として必要な能力は「理系としての能力」+「社会人としての能力」です。

技術系採用だからと言って気を抜くことなく、他の能力が弱いと思われないようにしましょう。

同じ部署で働きたい人間か

技術職に限った事ではありませんが、会社に働く人間として一緒に働きたいと思われる人は企業にとって魅力的です。

研究開発では上司や同僚と相談しながら実験計画を立て、一緒に実験を行います。

生産技術職であれば新製品の試験製造時に研究部門の職員と連絡を取り合ったり、普段の製造では工場の職員とコミュニケーションをとることになります。

営業のように外に出ることも少ないため、技術職は同僚と同じ室内で働くことが非常に多い職種です。

一人で勝手に物事を進めたり、他人に協力を求めない人は実験で失敗してしまう可能性が高いでしょう。

企業の研究では性能に加えてコスト、安全性も考慮しなければいけないため、一人だけで考えていると色んな部分を見落としがちです。

協調性がありコミュニケーション能力に長けている人と思われるために、趣味などを聞かれたら人と交流するような趣味を伝えておきましょう。

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人事採用担当者に聞いた、欲しい人材 

汎用性のある人

汎用性のある人は人事採用担当者としては欲しい人材になります。

近年ではジョブローテーションという言葉も出ており、部署の異動は多くなっています。

研究職採用であっても後に開発部門に配置されたり、扱う製品が変わる場合もあります。

企業の予算・人員等の状況によって部署の需要は変化するため、それに対応できる人が求められます。

もちろん入社時に生産技術職でも良いか聞かれた場合、どうしても研究職が良いなら無理して承諾する必要はありませんが、様々な分野に興味を持つ姿勢が重要です。

また、技術職が居るような製造業の場合、工場は日本だけでなく世界各地に点在します。

英語力のある人は海外で働くことのできる汎用性のある人と思われやすいため、メリットになるでしょう。

順応しようとする人

理系の学生に多いですが、自分の専門分野や経験に固執してしまう人がいます。

このような人の場合、入社してから会社における研究の仕方や文化に馴染めなくなるでしょう。

研究職の場合、企業が蓄積した研究開発のための学問はアカデミアのそれと全く異なる場合があります。

独自の実験法や考察法を構築しており、研究設備がアカデミアと同じであっても全く異なる考え方で使用しているかもしれません。

企業のやり方が学術的に間違っている場合もあるでしょう。

しかし企業はそれまでにそのやり方でやってきたからこそ成功しているため、自分のやり方にこだわっていると躓いてしまうかもしれません。

もちろん技術職として働くにはアカデミアでの経験が欠かせませんが、入社したら新たな学問を学ぶつもりで再度勉強する必要があります。

「入社した場合は多くの事を学び、取り入れ、自分をさらに成長させたい」といった文言を付け加え、頑固な人と思われないようにしましょう。

人が好きな人

アカデミアでの研究は教授の指導の元、自分一人で実験することが多いですが、企業では常に人と協力しながら仕事に取り組みます。

前述の通り選考の際、技術職は就活生を一緒に働きたい人かどうかによって判断されるでしょう。

人に興味があり、積極的に自分から話しかけるタイプの人は同僚からの協力を得やすくなります。

同様に明るく話しかけやすい人も一緒に働くには魅力的です。

面接の際に無理に明るくする必要はありませんが、好印象は持たれるようにした方が良さそうです。

成長力のある人材

企業の役目は優秀な人材を集めて仕事をさせる事だけではありません。

社員が成長し、技術職としてより活躍していくことを期待しています。

そのため採用担当者も就活生に成長力があるかどうかを見極めようとします。

例えば、自分ができなかった事ができるようになった事に喜びを感じる人は成長力のある人と思われます。

自分の現状を謙虚に見つめ、チャレンジ精神のある人も成長力のある人と言えます。

「今までの人生における成功体験を教えてください」という形で就活生の成長力を問うことがあるため、難しいことにチャレンジし、喜びを得た経験が一つあれば良いでしょう。

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これだけは知っておきたいポイント(まとめ) 

1)面接官の異なる様々な背景に合わせた受け答えが必要

2)技術系採用は研究成果だけでなく協調性も重要

3)順応性があり成長力のある人が好まれる