こんにちは。理系就活情報局です。
製造機器や家電などの機械類、スマホ部品などの電子部品は日本の製造業の核となる製品です。
スマホ・テレビなど最終製品の市場シェアを中韓が握るようになり、日本の製造業の危機を煽る声も聞かれますが、こうした製品を作るのに欠かせない機械類や製品を構成する部品類は依然、日本がシェアを握っています。
今回は、見えないところで活躍する機械・電気電子系学生の職種についてみていきましょう。
機械系で就職したい理系就活生の方は、ぜひ参考にしてみてください!
機械系の就職先は幅広い
機械系は学んだことを活かせる進路が豊富
機械系学科は、機械の製作や運用を行ったり、インフラなどを整備したりするなど、幅広い領域を擁しています。
機械の製作や運用、使用方法だけでなく、機械力学やコンピュータのハードウェア・ソフトウェアなどについて学んだ機械系の学生は、製造業全般や各種インフラ・ネットワークなど、さまざまな業界・業種で活躍できます。
機械系が活躍できる領域としては、下記が挙げられます。
「自動車・電機・機械・精密機器・重機・ 電力・発電機・プラント・産業電子機器・ 重電機・化学・部品製造(原料加工、液晶)、電気・半導体・宇宙 など。」
機械設計者
幅広い知識を実践する仕事
機械系におすすめの仕事1つ目は、機械設計者です。
機械が動く仕組みを理解するには電気や物理、場合によっては化学の知識が必要になるため設計者は幅広い知識が求められます。
機械や電子機器製品の設計にはCADを使用して図面を設計し、コスト計算やスケジュール管理、不具合の修正まで担当します。
一口に機械といっても一般機械や精密機械、重機やプラントなど幅広く、担当する分野の専門的知識が必要です。
特に最近の機械類はIoT化が進んでいるため電子部品やシステムに関する知識も必要です。機械設計の仕事はPC上で設計するところから始めます。
様々なシミュレーションを経て、問題ないことが確認できれば試作品の製造に入ります。
試作品で欠点などが見つかれば再度設計し、改善しなければなりません。
一から機械を設計することもありますが、例えば省エネにつながる新素材が開発された場合や、既存製品に改善すべき点が見つかれば改良検討から始めることになります。
近年では無人化によってセンサー類が搭載されるようになっており、常に新技術の知識を得ておかなくてはなりません。
求められる能力
機械は力を加えて運動する物体です。機械を設計するには力学全般の知識が必要になります。
もちろん会社が扱う機械の種類によって流体力学や機械力学など重要な分野は異なりますが、幅広い知識を得ておかなくてはなりません。
初期の設計段階では実際の物ではなく画面上の設計からスタートです。図を見て動きをイメージできるような空間認識能力も必要となるでしょう。
また、機械設計はチームワークが必要な仕事でもあります。
重大な欠陥を見逃さないために数人で相談しながら設計を進めるため、コミュニケーション能力も必要となります。専門知識を中心に様々な能力が求められるのが機械設計者の特徴です。
向いている人の特徴
機械設計は、シミュレーションの段階から試作と改善を繰り返す根気のいる仕事です。
問題点が見つかった場合は冷静に分析し、改善するための工夫を考える必要があります。そのため、簡単に物事を諦めない性格の人が向いているでしょう。
また、最初のうちは大規模な機械を設計するのではなく、試作品の一部をテストしたり物性を評価し続けるなどの地味な仕事が多いかもしれません。
目新しい技術でなくても、小さい発見や小さな改善に喜ぶことができればやりがいを感じられると思います。単純な機構であっても何故そのように動くのか気になる探求心の豊富な人も向いているでしょう。
セールスエンジニア、フィールドエンジニア(技術営業)
製品知識とコミュニケーション能力を活かす仕事
機械系におすすめの仕事2つ目は、セールスエンジニア、フィールドエンジニアです。
製品の導入時や、その後の保守点検ではセールスエンジニア(フィールドエンジニア)の活躍が欠かせません。
客先で機械のトラブル発生した場合は自分だけが頼りです。
複雑な機械の場合は設計者と同じレベルの製品知識を持って修理にあたり、すぐに解決する必要があります。
また、自社製品を的確に利用いただくためのアドバイスや初期設定を行うのもセールスエンジニアの仕事です。
自社の機器、サービスについて理解をしたうえでお客様の要望に応える意味では、コンサルティングのような側面のある仕事です。
抱える顧客が多い場合は保守・点検業務で1日に何件もの現場に向かう必要があり、1日中運転し続けることもあります。
顧客の意見を聞きながら改善すべき点を把握し、自社の設計者にフィードバックすることも業務の一環で、次の製品開発のための貴重な情報源となります。
顧客から求められている機能や製品は何かを把握し、ものづくりにつなげていくうえで非常に重要な部分を担う仕事といえるでしょう。
また、トラブル解消時には問題点を的確に伝えるためのコミュニケーション能力も求められるでしょう。
求められる能力
業務では、製品自体の知識が必要になります。
そのため、業務に必要な知識は全て入社後に習得することになります。
中には、入社後数年間は機械設計者として働きながら製品知識を蓄積し、ある程度経験を積んだらセールスエンジニアとして配置するという会社もあるようです。
ミスなく修理し点検をこなすには設計者と同様に空間把握能力が必要になります。前述のように客先を何軒も回ることもあるため、体力もあると良いでしょう。
時には営業のように製品の詳細をプレゼンし、契約獲得に努めることもあります。早く資料作成する能力や、分かりやすく伝える説明力も求められます。
専門知識、コミュニケーション能力、体力といった社会人としての総合力が必要な職種で、これらを身に着けたうえで製品開発に戻るなどすると非常に良いものづくりができると考えられます。
向いている人の特徴
セールスエンジニアの職場は、基本的に客先となります。
もしあなたが周りの状況や人によって仕事の質が変わるタイプだと、セールスエンジニアとしては上手くいかないかもしれません。
どんな状況でも冷静に仕事をこなせる人が向いています。
顧客の生産活動を止めることになるため、業務では何日も作業し続けるわけにはいきません。時間を見ながらスピード感を持って仕事ができる人が適任です。
理系の中では最も外出が多い職種ですので、実験室にこもるばかりではなく外に出て仕事がしたい方は志望してみると良いでしょう。
また、専門外の学生でも理系であれば歓迎してくれることもあるので検討するとよいでしょう。
電気工事士・電気主任技術者
国家資格を要するインフラの番人的存在
機械系におすすめの仕事3つ目は、電気工事士・電気主任技術者です。
電気工事士・電気主任技術者は共に国家資格を要する職業で、現代社会には欠かせない電力インフラの整備・保守を担当します。
電気工事士は送電網の整備、建物内における電気設備の設置といった電気工事を担当する仕事です。
住宅・マンションから工場・商業施設に至るまで様々な建設現場で必要とされるため、就職や転職で有利と言われています。
電力会社に勤める場合は送電網に沿って仕事しますが、電気工事業者の場合は工事現場や客先の施設が職場になります。
一方の電気主任技術者は、電気工事及び電気設備の維持における保安の監督を行う職業です。
電気工事の監督者と勘違いされることが多いのですが、一定以上の電力を消費する施設では電気主任技術者の設置義務が生じるため、定期的な電気設備の点検保守も彼らの仕事になります。
メーカー勤務の場合は自社工場設備の保守が主な業務となり、電力関連の保安を請け負う業者の場合は客先における電気設備の点検が主な業務となります。
求められる能力
電気工事士・電気主任技術者の職務に必要な資格試験は、第一種・第二種などランクに分かれ、上位であるほど取り扱う事のできるボルト数・キロワット数が増えていきます。
下位から受ける場合は試験に受験資格はなく、実力さえあれば学生のうちから取得することが可能です。
合格率が10%と難易度の高い電験3種ですが、学生時代に取得しておくと電気関連では就活で有利になります。
もちろん就職後は、資格勉強の知識だけでなく現場で培った経験が必要になります。
あまり理論にこだわりすぎず、初心者の心をもって業務にあたりましょう。
業務では扱う道具の数が多く複雑な設備の構造を覚えておく必要があるため、記憶力が重要です。
場合によっては高所で作業したり、何時間も重い道具を持って作業することになります。
若手のうちは現場に出ることが多いため、体力も必要です。
向いている人の特徴
電気工事士・電気主任技術者の仕事は、同じパターンの工事を繰り返したり、いつもと同じルートでメーターの確認に回るなど、仕事が単調に感じられるかもしれません。
しかしちょっとしたミスを犯したり、異常を見逃してしまうと大事故につながってしまいます。
そのため電気を扱う仕事では小さい事にも気が付くような細かい性格の人や、同じことを黙々とくり返すのが苦ではない方が向いているでしょう。
作業自体にあまり派手な部分はありませんが、職場を俯瞰して見ると電力装置がどのように配置され、どのように機能しているのか理解できるようになります。
想像力を働かせるのが得意であれば、より仕事が好きになると思います。
あまり注目されるような職業ではないため、人に注目されながら仕事がしたい方は他の職種を選ぶと良いかもしれません。
電子回路設計者
国家資格を要するインフラの番人的存在
機械系におすすめの仕事3つ目は、電子回路設計者です。
システムエンジニアやプログラマーなどの情報系職種では論理的思考力が欠かせませんが、回路設計者も同様の論理性が重要になります。
回路設計ではまずPC上で回路を設計し、シミュレーションによって動作確認をします。
回路の動作は完全に論理的なため、各部品の機能を把握したうえで設計しなければなりません。
動作が上手くいかない場合は回路設計に必ずミスがあります。論理的思考力が無ければミスを発見できなくなります。
回路設計者はハードを作ることが業務ですが、設計にはハードウェア記述言語を使ったプログラミング能力が必須です。
また、近年ではAIやIoTといった技術が普及し、工場では人に代わってロボットが導入されています。
機械の安全性確保の観点から制御系設計者のニーズが高まっている様です。
求められる能力
電子回路設計者に必要な専門知識としては、電子回路や電磁気学があげられます。制御系エンジニアの場合は制御工学も重要です。
就職先の企業・部署によってどのような回路を組むかは全く異なりますが、基本の部分で共通するところがあれば入社前に見直しておきましょう。
前述のように論理的思考力が必要ですが、業務では上司や同僚と設計にあたるため論理的コミュニケーション能力も求められます。
業務を円滑に進めるには自分の考えを的確に伝え、フィードバックを得なければなりません。
最初のうちは各部品やプロセスの役割を習得する必要があるため、意識的に情報収集をすると早く一人前になれるでしょう。
向いている人の特徴
電子回路設計者は、トライ&エラーを繰り返しながら製品を作り上げるのが仕事です。
そのため、たとえミスが続いたとしても冷静に考えられる性格が設計者には向いています。
自分の先入観にハマりやすい人はミスを発見しにくく冷静に考えるのが苦手なため、向いていないかもしれません。また、電子回路は最先端技術に近い分野なので、常に知識や技術を更新し続けなければなりません。
マネジメントポジションまで出世した場合、常日頃から情報収集に励まなければならないため、頭が柔らかく吸収力のある人が向いているでしょう。
まとめ
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