日常生活でも、趣味や特技を聞かれることは多いですが、エントリーシートでも「趣味・特技」を聞かれることはよくあります。

多くの就活生は、この欄を、日常生活の延長で、単なる自己紹介の一部と捉えがちです。しかし、趣味・特技の記載は、企業にとって応募者の人柄やスキルを見極める重要なポイントです。

本記事では、なぜ企業が趣味・特技を重視するのか、そしてそれをどうアピールすればよいのかを説明します。自分らしさを伝えるエントリーシートを作成し、選考を有利に進めましょう。

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なぜ企業はエントリーシートで趣味・特技を聞いてくるのか?

なぜ企業はエントリーシートで趣味・特技を聞いてくるのか?

エントリーシートにおける「趣味・特技」は、単なる興味や特技を知るための質問ではありません。企業は、応募者の人柄や適性をより深く理解し、採用後の活躍を見据えた判断材料としています。以下では、その理由を詳しく見ていきます。

人柄や価値観を知るため

趣味や特技は、その人の価値観や性格を反映する要素です。例えば、読書が趣味の場合、好奇心旺盛で知識欲が高い人物像が浮かびます。また、サッカーやバスケットボールなどのチームスポーツが趣味であれば、行動力や協調性豊かな人であるという印象を与えるでしょう。企業は、こうした情報を通じて、応募者がどのような人柄で価値観を持ち、どのような行動を取る人物なのかを把握しようとしています。

エントリーシートと企業については次の記事でも詳しく説明しています。

企業への適性や柔軟性の評価

趣味・特技からは、応募者が企業文化や職場環境に適応できるかどうかも見えてきます。たとえば、チームスポーツが得意であれば、協調性やリーダーシップが期待されます。一方、楽器演奏やイラスト制作など個人で取り組む趣味を続けている人であれば、自己管理能力や集中力の高さが評価されるでしょう。このように、趣味・特技を通じて応募者の柔軟性や適性が判断されます。

趣味・特技が業務に活かせるかどうかの判断

特定の趣味・特技は、業務で直接役立つスキルを持つ可能性を示します。たとえば、プログラミングが趣味であれば、技術的なスキルをアピールできる絶好の機会です。また、語学が特技であれば、国際的な業務への対応力が期待されるでしょう。企業は、応募者が趣味や特技を通じて培ったスキルや経験を、仕事にどのように活かせるかを見極めています。

エントリーシートの書き方については次の記事でも詳しく説明しています。

エントリーシートでの「趣味・特技」の重要性

エントリーシートでの「趣味・特技」の重要性

エントリーシートに記載する「趣味・特技」は、単なる興味の紹介にとどまらず、企業に対して自分の魅力や強みを伝える絶好のチャンスです。以下では、趣味・特技がどのように重要な役割を果たすのかを説明します。

仕事に活かせる趣味・特技を持っていることをアピールできる

趣味や特技は、業務で役立つスキルや経験を持っていることを示す手段です。例えば、プログラミングが趣味であれば、技術的な基礎力や自己学習能力をアピールできます。また、スポーツを通じて得た体力やチームワーク、リーダーシップも、企業にとっては貴重なスキルとして評価されるでしょう。このように、趣味・特技を通じて、仕事に直結するスキルをアピールすることができます。

企業の求める人間像と一致することがアピールできる

企業は、自社の理念や文化にマッチする人材を求めています。趣味・特技を記載することで、自分の性格や価値観が企業の求める人物像に合致していることを伝えることができます。たとえば、チームスポーツを趣味とする場合、協調性やチームへの貢献意識をアピールできます。一方で、個人での挑戦を好む趣味を持つ場合、自己成長や主体性をアピールできるでしょう。

粘り強さや責任感など強みがアピールできる

趣味・特技に取り組む姿勢やエピソードを通じて、自分の内面的な強みを伝えることができます。長期間にわたる趣味を続けている場合、粘り強さや継続力をアピールできます。また、責任を伴う特技(例:部活動でキャプテンを務めた経験)を記載すれば、責任感やリーダーシップの能力が伝わります。このような要素は、職場でのパフォーマンスや信頼性を想起させる重要なポイントです。

エントリーシートにふさわしい趣味・特技の見つけ方

エントリーシートにふさわしい趣味・特技の見つけ方

エントリーシートで趣味・特技を効果的にアピールするには、自分の経験を振り返り、それを就職活動に活かす視点で選ぶことが重要です。以下に、具体的な方法を解説します。

自分の過去の経験を振り返る

まず、自分がこれまで取り組んできた活動や興味をリストアップしましょう。大学生活での研究やサークル活動、アルバイトなどの経験を思い出すと、趣味や特技に繋がる要素が見つかるかもしれません。たとえば、趣味として楽しんできたプログラミングや楽器演奏が特技としてアピールできる場合もあります。過去の経験を掘り下げることで、他の応募者と差別化できるユニークなアピールポイントを発見できるでしょう。

趣味・特技を「就活で活きる視点」で考える

趣味や特技を選ぶ際には、それが企業や仕事にどう活かせるかを考えることが大切です。たとえば、語学を特技としてアピールすれば、国際的な業務への適性を示すことができます。また、スポーツを通じて培った協調性やリーダーシップも、企業にとって価値のあるスキルです。趣味・特技を「就活での強み」として位置づけることで、採用担当者に好印象を与えることができます。

企業が求める学生像については、次の記事でも詳しく説明しています。

エントリーシートでの「趣味・特技」の書き方

エントリーシートでの「趣味・特技」の書き方

エントリーシートの「趣味・特技」で採用担当者に好印象を与えるためには次の点に注意しましょう。

簡潔で分かりやすいものを選ぶ

エントリーシートの「趣味・特技」欄は、自分の持つ多面的な魅力を伝える貴重な機会です。しかし、「読書」「映画鑑賞」など個性を感じにくい趣味だけを記載したり、逆に非常に特殊でイメージし辛い趣味について長々と説明するような記載は、かえって逆効果になる可能性があります。 簡潔かつ具体的に、あなたの趣味や特技を端的に伝えましょう。

【良い例】

  • ・旅行(バックパッカーとして東南アジアを1か月間一人旅)
  • ・料理(週に1回、オリジナルレシピで料理を作って友人にふるまうのが好き)

【悪い例】

  • ・旅行・料理 

具体的なエピソードを添えることで説得力を持たせる

趣味や特技を単に羅列するだけでなく、具体的なエピソードを加えることで、より説得力のあるアピールになります。

【例文】

  • ・「旅行」の例:バックパッカーとして東南アジアを1か月間一人旅した経験から、現地の人々とコミュニケーションを取り、異なる文化に触れることの楽しさを学びました。
  • ・「料理」の例:オリジナルレシピで料理を作る際に、食材の組み合わせや味付けを工夫することで、創造性を養うことができました。

業務に関連するスキルをアピールする

趣味や特技を通して、入社後に活かせるスキルをアピールすることも可能です。

例:

  • ・プログラミングが趣味で、個人でWebサイトを作成した経験がある。
  • ・特技は、相手のわからないところを見つけ、つまずきを解消すること。ボランティア活動で小中学生を教えているが、話を聞き出す方法を工夫した結果、どこでつまずいているかを見つけ、原因を解消した。その結果、学校の授業についていけなかった子供たちが自信をもって問題に取り組めるようになった。
  • ・プレゼンが得意でプレゼンテーション大会で入賞した経験がある。特に、専門的な内容を視覚的に分かりやすく表現することには自信がある。

エントリーシートでの「趣味・特技」の構成

エントリーシートでの「趣味・特技」の構成

エントリーシートでの「趣味・特技」を書く場合の文字数や構成について説明します。

目安は150字

限られたスペースでアピールするためには、簡潔にまとめることが重要です。逆に「サッカー」や「音楽鑑賞」のように、結論だけを書くのも、「趣味・特技」の項目を活かすことができません。150字をうまく活用して、自分の強みが伝わるように記載しましょう。  

箇条書きの場合は短い説明文を添える

複数の趣味、特技が書きたい場合は、箇条書きにするのも良い方法です。その場合も、趣味・特技だけを書くのではなく、短い説明文を加えることで、より具体的に自分自身を伝えることができます。

構成は「結論⇒根拠⇒今後」

趣味・特技が、企業でどのように活かせるかを具体的に伝えるために、以下の構成で作成しましょう。

  • ・結論:趣味・特技
  • ・根拠:結論を裏付ける具体的なエピソードや実績を書く
  • ・今後:入社後、どのように活かしたいのか、将来のビジョンを簡単に述べる

エントリーシートでの「趣味・特技」の例文

エントリーシートでの「趣味・特技」の例文

ここでは、「趣味・特技」を具体的にどのように書けばよいかを、ジャンルごとに例文を交えて解説します。自分の経験やスキルに合わせてアレンジしましょう。

スポーツ

チームワークや継続力、目標達成に向けた努力をアピールします。

【例文】

サッカーを小学生の時から10年以上続けています。中学・高校時代にはキャプテンを務め、チームの士気を高めるために積極的にコミュニケーションを図りました。この経験を通じて身につけたリーダーシップと協調性を貴社の一員として活かしたいと考えます。

アート・音楽・デザイン

芸術関係を趣味にしている人は、創造力や表現力、独自性を強調することで強い印象を与えることができます。

【例文】

趣味で水彩画を描いています。透明感のある水彩絵具を使って風景を描くのが好きなのですが、絵を描くようになって細かな部分をしっかり観察するようになりました。大学の学園祭で書き溜めた作品を展示し、多くの来場者に見てもらうことができました。この趣味のおかげで、観察眼を身につけ、独自の視点を持つ重要性を学びました。

プログラミング

プログラミングは即戦力になることをアピールできる「趣味・特技」です。

【例文】

プログラミングが趣味で、Pythonを使って3Dモデリングを行っています。大学のサークルでは、多種多様な特技を持っている人と共に話し合いながらゲーム制作を進めています。独学でBlenderを学んでいるのですが、チームで取り組むプロジェクトから良い刺激を受けています。

語学

国際性やコミュニケーション能力をアピールしたい人にとっては有効な「趣味・特技」です。

【例文】

私の趣味はインドネシア語を学ぶことです。大学1年の時、インドネシアに旅行し、ジャワの自然や文化に魅せられて学び始めました。ネイティブの方と話すチャンスを求めて在日のインドネシアの方々との交流会に参加したり、オンラインで現地の人と話をしたりしています。この経験を通じて、柔軟なコミュニケーションスキルを磨きました。

アウトドア

アウトドアの趣味は、行動力やチャレンジ精神を強調できます。

【例文】

登山が趣味で、これまでに南アルプスの北岳を始め10以上の山に登頂しました。登山ではなによりも計画を立てることが重要です。参加メンバーの経験や体力に合わせ、計画を工夫することも学びました。その他にも困難にくじけない精神力や達成感を得る喜びも、登山を通して知ったことです。

ゲーム

「遊び」というイメージの強いゲームですが、戦略的思考や集中力、分析力などをアピールできます。

【例文】

趣味でオンラインゲームをプレイしており、チーム戦ではリーダー役として戦略を考えることが得意です。この経験から、状況を分析し迅速に意思決定を行うスキルや戦略を伝えるコミュニケーション能力を身につけました。

エントリーシートで「趣味・特技」を書く場合の注意点

エントリーシートで「趣味・特技」を書く場合の注意点

エントリーシートにおける「趣味・特技」の記載は、自分をアピールする重要な部分です。しかし、記載する際には注意が必要なポイントがあります。以下に、よくある注意点を解説します。

面接で展開しやすい内容にする

エントリーシートに書いた内容は、面接で深掘りされる可能性があります。そのため、趣味や特技について自分の言葉でしっかり説明できるものを選ぶことが重要です。

【良い例】

テニスが趣味で、週末には地元のサークルでプレイしています。特に試合中の戦略を考えることが好きです。

【悪い例】

特に趣味はありません。(話が広がらず、面接官に興味を持たれにくい)  

過度にマニアックにならないように注意する

趣味や特技が専門的すぎると、面接官が理解できず、共感を得にくくなる場合があります。わかりやすく説明できるかどうかを意識しましょう。

【良い例】

写真撮影が趣味で、風景や人物を撮影しています。特に構図を考える過程が好きです。

【悪い例】

オールドレンズの収集が趣味で、〇×年製造のフィルムカメラにこだわっています。

嘘・誇張は避ける

実際には興味がない趣味や特技を記載すると、面接で話題にされた際に対応できず、不信感を与える可能性があります。正直で具体的な内容を記載することが大切です。

【良い例】

英語の勉強が趣味で、TOEICで700点を取得しました。旅行中に現地の人と会話を楽しむことが目標です。

【悪い例】

(実際には未受験なのに)TOEICで900点を取得しました。(面接で嘘が露呈するリスクが高い)

エントリーシートの「趣味・特技」は、好きなことだから工夫しよう(まとめ)

エントリーシートの「趣味・特技」は、自分の人柄や強みをアピールできる絶好のチャンスです。好きなことだからこそ、自分の言葉で具体的に説明しやすく、面接官にもその熱意が伝わりやすい項目です。

エントリーシートに記載した内容は、面接で質問されることが多い項目です。面接官に「もっと話を聞いてみたい」と思わせる内容にすることで、自然な形で自己アピールを広げることができます。そのため、面接で展開しやすい内容を意識して書きましょう。

ただし、最初から完璧なエントリーシートを目指すのではなく、周囲の人のアドバイスを参考にしながら、また本番の実践を通して上達を目指すことが重要です。

その時、企業からのオファーであれば、エントリーシートも通過しやすく、またフィードバックを得ることもできます。就活の選択肢に、ぜひ企業からのオファーを受けることを含めてください。

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