IT業界を志望する方のなかには、社会貢献を軸に志望動機を作成する方も多いのではないでしょうか。ボランティアなどの社会貢献はアピールにつながりますが、いくつかの注意点もあります。事前に注意点や書き方のコツを理解して、自分らしい志望動機の作成を目指しましょう。

本記事ではIT業界の志望動機に社会貢献を盛り込むコツや注意点のほか、志望動機の例文も解説します。これから志望動機の作成を考えられている方は、ぜひ参考にしてください。

IT業界の志望動機とは?

IT業界の志望動機とは?

まずはIT業界の志望動機を書くために、業界の詳細や志望動機の特徴を確認しておきます。初めに大まかな傾向をつかんでおきましょう。

人気のIT業界だから対策は必須

IT業界は柔軟な働き方が可能で比較的待遇も高いため、就活生にも人気の高い業界のひとつです。よって、IT業界の志望動機については、ほかの就活生との差をつけるためにも個別の対策が必要です。差別化を図らなければ採用担当に読んで貰えない場合も、少なからずあります。

経済産業省の発表によれば、2030年には79万人ものエンジニアが不足すると言われています。社会的にもエンジニアの需要は高まる一方で、高い待遇が確保されている職種です。高待遇でやりがいあるIT職種に就くために、まずは志望動機でしっかりとアピールすることを目指しましょう。

業界や企業にあわせた内容にする

IT業界と一口に言っても、IT業界は後述の5つの業界に分類されます。そのため、まずは業界ごとの特徴や業務内容など、それぞれの特徴を把握することが大切です。同時に企業研究を進めて組織理解を深め、自身の特徴や強みと絡めて志望動機を作成します。

IT業界は特に志望動機の使いまわしやテンプレのような書き方をしてしまうと、マイナスイメージにつながりやすい業界です。業界や企業を理解したうえで、具体的な内容になるよう意識することを心がけましょう。

IT業界の5つの業種

IT業界の5つの業種

IT業界は、「通信業界」「ハードウェア業界」「ソフトウェア業界」「SI業界」「WEB業界」の5つの業種にわけられます。ここではそれぞれの特徴について簡単に解説します。

「通信業界」

通信業界は、インターネットサービスの利用に必要な、通信インフラを提供する役割を担っています。通信業界の代表的な企業としては、NTT東西・NTTコミュニケーションズ・KDDI・ソフトバンク・楽天などです。5G導入など新しい技術が用いられる業界ですので、専門知識や通信技術への興味関心などが必要になります。

「ハードウェア業界」

ハードウェア業界は、パソコン本体やマウス・ディスプレイやハードディスクなど、物理的なパーツなどを扱う業界です。これまではPC周辺機器がメイン商材でしたが、近年ではIoT対応の冷蔵庫やテレビなどの家電もハードウェアの一部として考えられる傾向にあります。Apple・Google・富士通・東芝などが代表的な企業です。

「ソフトウェア業界」

ソフトウェア業界では、PCなどにインストールして活用する、さまざまなソフトを提供しています。ソフトウェアの代表的なサービスは、Microsoft officeやウィルスバスターなどです。これらパッケージソフトウエア以外に、ユーザーの要望を踏まえて開発する受託ソフトウエアもあり、扱う商材によって求められる知識や技術が異なる傾向にあります。

「SI業界」

SI業界は、情報処理サービスの略で、顧客企業のシステム開発・運用〜保守までを行っています。顧客のシステム構築などを行うシステムインテグレーター(SIer)と、エンジニアを派遣して技術サポートを行う、システムエンジニアリングサービス(SES)が連携して業務を行うのが一般的です。富士通やNTTデータ、日立製作所などが代表的な企業です。

「WEB業界」

WEB業界では、インターネット上で制作した幅広いサービスを提供しています。WEBサイトや電子書籍、通販サイトやオンラインゲーム、Webサイト制作やWeb広告代理店などもWEB業界に含まれます。

代表的な企業はAmazon、楽天、リクルートホールディングスなど。企業や部署によって求められるスキルなどは異なるため、詳しく企業研究する必要があります。

志望動機に社会貢献を盛り込む際の注意点

志望動機に社会貢献を盛り込む際の注意点

ではIT業界を目指す就活生の皆さんに向けて、志望動機に社会貢献を盛り込む際の具体的な注意点を解説します。

志望動機の使いまわしに聞こえる

社会貢献はマイナスイメージが少ないアピールポイントですが、志望動機を使い回しているようにみえる場合があるので注意が必要です。社会貢献を軸に志望動機を書く場合は、該当の企業や職種との関連性がはっきりわかるよう表現を工夫することが大切です。

仕事にどう活きるかわかりづらい

社会貢献を軸にした志望動機はビジネスと絡めにくく、仕事にどう活きるのかがわからない内容になりがちです。ボランティア経験を通して培った協調性や自主性などのスキルを軸に構成する方が、業務に活きることをイメージして貰いやすいです。

個性やアピールが弱い

社会貢献を軸にした志望動機は、いい人であるイメージを与えやすいですが、半面印象に残りづらい傾向にあります。ただ単に人柄を協調しても、別のスキルや能力を求める企業には、まったく刺さるアピールになりません。自身の特徴をしっかりとアピールできるよう、できるだけ社会貢献のエピソードや得たスキルを具体的に伝えることが良策です。採用担当者に印象を残せる表現となるよう、書き方を工夫しましょう。

社会貢献を軸にした志望動機に使える用語

社会貢献を軸にした志望動機に使える用語

ここからは、社会貢献を軸にした志望動機を作成する際に、絡めやすいビジネス用語をいくつか解説します。

SDGs

SDGsは国連が定める、環境や人権などに関する国際的な目標です。日本国内では2017年から政府がアクションプランを提示し、参加企業に対して取り組みを促しています。すべての企業が参加しているわけではありませんが、参加企業の場合はアピールにも絡めやすいテーマです。企業ごとに取り組みは異なるため、事前に調べておくと志望動機が作成しやすくなります。

CSR

CSRとは企業の社会的責任を指します。今後の社会のために企業は利益追求をするだけでなく、企業倫理を高めることで社会との共存を目指していく必要があるという考え方です。CSRをSDGsと絡めて取り組む企業も多いため、同様に注力している内容は企業によって異なります。志望企業がどんな社会貢献を目指しているのか、企業研究を通して把握しておくことが大切です。

CSV

CSVとは、経済的価値と社会的価値を両立させる経営方針を指します。自社事業自体で生み出した利益を生み出しながら、活動自体が社会課題を解決するビジネスの形です。CSV経営であるかは企業HPなどでわかりますが、言葉が置き換えられてる場合もあります。実態がわからない場合は説明会やインターンを通して確認するなど、多角的に判断しましょう。

社会貢献を軸にした志望動機の例文

社会貢献を軸にした志望動機の例文

では最後に、社会貢献を軸にした志望動機の例文を2つご紹介します。

インフラ設備関連の例文

私は貴社が提供する電気・エネルギー供給サービスを通じて多くの人の生活を支え、さらに快適な生活の実現に協力したい思いから、志望することを決めました。

私は〇〇県◯◯地域の出身で、小学生のころに大きな地震を経験しました。地震とともに起こった自然災害によって電気がストップし、いつもの環境が当たり前ではないことを痛感して電気・エネルギー設備に興味を持ちました。

災害の多い日本だからこそ、大学時代に培ったIT技術を活用し、より良い仕組みづくりに尽力したいと強く考えています。貴社のインターン参加時にも先輩方に評価をいただいた、◯◯の技術が私の強みです。入社後はインフラを支える責任と自覚を持ち、より一層成長していきたいと考えています。

クリエイティブな仕事の例文

私は、多くの人の心や生活に影響を与えるWEBコンテンツの作成を通して、社会をより良くしたい思いがあり貴社を志望致しました。

私は大学在学中に、不登校学生を保護するNPO団体に参加しており、小中学校に対しての啓蒙活動や学生の保護活動に携わっていました。活動の中で、新たな不登校学生を生み出さないことを目的に注意喚起の動画を作成し、地域の学校に配布。自身が作成した動画やWEBコンテンツが話題となったことが、この業界を目指したいと思ったきっかけです。

自身の作品は反響があっただけでなく、実際に不登校学生を減らす一因にもなりました。このような心を動かして生き方に影響を与える経験を、貴社の◯◯事業で実現していきたいと考えています。入社後はIT技術を高めることはもちろんのこと、さらに多くの人の心理を学び、心を動かせるようなコンテンツ制作ができるよう努めてまいります。

上記2つの例文の解説

社会貢献は漠然としたエピソードになりやすいですが、例文のように震災の経験やNPOなどの活動経験を絡めれば、印象的な志望動機となります。社会貢献活動を通して得たものや経験はもちろん、当時の思いが志望理由につながっていると伝えることで、違和感なく伝えられます。アピールしたい社会貢献活動などがあれば、例文を参考に一度書いてみましょう。

まとめ

今回は、IT業界の志望動機に社会貢献を盛り込むコツや注意点のほか、志望動機の例文などを解説しました。志望動機は何度か書いて、自分以外の人物に評価して貰うことでより良い内容になります。可能であれば複数面接を受けるなど、経験を積んでおくと効果的な志望動機ができるでしょう。

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