就活面接を受けるけれども、言葉遣い・服装など適切なマナーが分からず自信を持って面接に臨めない方も多いのではないでしょうか?

就活面接ではビジネスの場と同様のマナーが求められます。ビジネスの基本的なマナーを理解して、面接の場で実践するのが大切です。

今回は就活面接で求められるマナーについて、身だしなみ・受付・入退室・面接中のマナーを中心に解説します。面接時のマナーを習得し、志望企業の内定に近づきたい方は、ぜひ参考にしてください。

就活面接で求められるマナーとは?

就活面接で求められるマナーとは?

適切なマナーを身につけていないと「ビジネスの場で適切な振る舞いができないのでは?」と疑念を抱かれてしまい、マイナス評価を受けてしまうでしょう。

今回は、就活面接で求められる身だしなみ・面接会場での振る舞いを中心に適切なマナーを紹介します。

面接の身だしなみマナー5項目

面接の身だしなみマナー5項目

面接の身だしなみに関するマナーとして、以下の5つを紹介します。

  • ・スーツスタイルのマナー
  • ・面接ですべき髪型・ヘアスタイル
  • ・面接時のカバンはどうすべき?
  • ・腕時計を着用する
  • ・マスクの扱い方

スーツスタイルのマナー

面接では、ビジネススタイルのスーツを着用するのが一般的です。男性は黒・紺色のスーツに白いシャツ、無地のネクタイが基本です。

女性は、深い色のスーツに襟付きのブラウスを合わせると良いでしょう。パンツスーツ・スカートスーツのいずれでも問題ありません。

スカートの着用時は足が露出しすぎないよう、立った状態で膝が隠れるくらいの長さにしましょう。また、靴は黒の革靴が無難で全体的に清潔感を保つのが大切です。

面接ですべき髪型・ヘアスタイル

髪型も面接の印象に影響し、清潔感を出すのがポイントです。男性は短めの髪型が好ましく、女性は髪をまとめるか肩より短いヘアスタイルが適しています。

また、髪色は黒・自然な茶色であれば問題ありませんが、企業によっては髪を染めることに対して悪い印象を持たれるケースもあります。

もとの髪色が明るいなど不安を感じる場合は、大学や就活サービスのエージェントに相談しましょう。

面接時のカバンはどうすべき?

面接時に持参するカバンは、A4サイズの書類を入れられるのが理想的です。色は黒・ダークブラウンなど落ち着いた色が適しています。

ビジネスではリュックを使うシーンも増えていますが、カジュアルな印象を持たれるためビジネスバッグを選ぶのが無難です。また、カバンは汚れを拭き取るなど清潔に保ち、中身も整理整頓しておきましょう。

腕時計を着用する

面接時に腕時計は必ず着用しましょう。近年はスマホが普及しているため腕時計を身につけない学生が多くいます。しかし、ビジネスシーンでは「腕時計をつけるのがマナー」という考え方が浸透しており、着用するのが無難です。

腕時計は派手なデザイン・大きなサイズは避け、スーツに合うシンプルで控えめなものを選びましょう。

マスクの扱い方

マスクを着用する場合、面接会場に着いた時点で外しておきましょう。面接に向かう途中は問題ありませんが、受付・面接中でマスクをしていると表情が見えず失礼に当たる可能性もあります。

ただし、近年コロナの感染拡大防止のためマスク着用を義務付けている企業もあります。企業からマスク着用を指示されている場合は従いましょう。

面接で訪問時の受付マナー

面接で訪問時の受付マナー

面接で受付に訪問した時のマナーについて、以下の2点から解説します。

  • ・受付から面接は始まっている
  • ・面接会場移動時の社員に対する挨拶

受付から面接は始まっている

面接は、受付に到着した瞬間から始まっています。受付のスタッフに対する挨拶・態度・言葉遣いなども評価の対象となる可能性があり、マナーが悪いと担当面接官に伝わってしまいます。

明るく丁寧な挨拶を心がけ、自分の名前・用件をはっきりと伝えましょう。具体的には「〇〇大学の〇〇と申します。本日、〇〇時より〇〇様と面接のお約束があり伺いました。」と具体的に伝えます。また、待ち時間中も周囲に気を配り、落ち着いた態度を保つのが大切です。

面接会場移動時の社員に対する挨拶

面接会場へ移動する際は、通路で出会った社員に対しても挨拶を忘れずに行いましょう。社員からも、企業で働く人物として評価されている可能性もあります。

無理やり挨拶に出向く必要はありませんが、先方が気づいているのに無視するのはよくありません。すれ違った社員に対しては、軽い会釈でも挨拶するよう心がけてください。

面接室・会場に入場する時のマナー

面接室・会場に入場する時のマナー

面接室・会場に入場する時のマナーとして、以下5つの観点から解説します。

  • ・入室時のノックは3回
  • ・ドアを開けたら挨拶をする
  • ・正しいドアの閉め方
  • ・入室後の立ち位置
  • ・入室時に面接官が見るポイント

面接室・会場へ入場する際のマナーについて悩んだら、上記のポイントを参考にしてください。

入室時のノックは3回

面接室に入る前には、ドアを3回ノックします。2回ノックは空室確認の意味で使うため、間違えないよう気をつけましょう。

ノックの音は大きすぎず小さすぎず、適度な音量で行ってください。ノックをして「どうぞお入りください」と言われたら、ドアを開けて入室します。

3回ノックしても返事がない場合は、もう一度ノックして「失礼します」と言った上で入室しましょう。面接室のドアが開いている場合は、ノックせず一礼して入室します。

ドアを開けたら挨拶をする

ドアを開けたら、まずは明るく元気な声で挨拶をしましょう。具体的には、面接官と目を合わせながら以下の言葉で挨拶します。

「〇〇大学の〇〇と申します。本日はよろしくお願いいたします。」

正しいドアの閉め方

ドアを閉める際は、大きな音を立てず、ゆっくりと静かに閉めるのがマナーです。ドアを閉める際、手を後ろにして閉めるのはマナー違反となります。入室後に挨拶を済ませたら、なるべく背中を面接官に見せないよう体をドアの方に向けて閉め直しましょう。

入室後の立ち位置

入室後は、用意されている椅子の横(複数ある場合は、下座の椅子)に立って待ちます。面接官の指示があるまで立ったまま待つのが一般的です。

「着席してください」など面接官・案内係の方から案内がある場合は従いましょう。

入室時に面接官が見るポイント

面接官は、応募者が部屋に入った瞬間から評価を始めており、主に以下の項目をチェックしています。

  • ・ビジネスにふさわしい挨拶の仕方ができているか
  • ・ドアの開け閉め・立ち振る舞いなどに相手への気遣いがあるか

はっきりとした返事・ノックの大きさ・身だしなみの清潔感などで、相手への見え方を意識しているかチェックされます。

面接時は、常に相手から自分がどう見えるかを意識することが大切です。

面接で座る時のポイント

面接で座る時のポイント

面接で座る時のポイントとして、以下の4つが挙げられます。

  • ・座る場所の正しい位置
  • ・座るタイミングは勧められてから
  • ・椅子の正しい座り方
  • ・カバンを置く位置

座る場所の正しい位置

椅子が複数ある場合、ドアから一番手前の下座に座ります。

ビジネスシーンでは「上座」「下座」という席次の考え方があり、具体的な意味は以下の通りです。

  • ・上座:お客様・目上の人が座る席。ドア・入り口から一番奥の席。
  • ・下座:お客様をもてなす立場の人が座る席。ドア・入り口に近い席。

下座の椅子の横に立ち、指示があるまで待ちましょう。

座るタイミングは勧められてから

面接官から座るように指示されたら、ゆっくりと落ち着いて座りましょう。基本的に相手から勧められる前に着席するのはマナー違反となります。

案内係の方から「座ってお待ちください」と言われた場合は着席してください。ただし、面接官が到着した時は立ち上がって挨拶しましょう。

椅子の正しい座り方

背筋を伸ばして座り、足はきちんと揃えましょう。男性であれば拳1つ分程度、足を開いて座ります。女性は膝を閉じて揃えてください。

手の位置は男性の場合、軽く拳を握った状態で膝の上に乗せます。女性の場合は、両手を重ねて膝の上に乗せましょう。また、椅子に深く腰掛けすぎず、椅子の前方に座るのが望ましいです。

カバンを置く位置

カバンは椅子の横側に置くのが一般的です。左右どちらでも問題ありませんが、カバンを持っている手の方に置くのが自然です。

面接中はカバンを床に置くケースが多いため、自立するものを選びましょう

面接中に気をつけたい行動マナー

面接中に気をつけたい行動マナー

面接中に気をつけたい行動マナーとして、以下4つの観点から紹介します。

  • ・自分から話始めない
  • ・目を見て話す
  • ・お茶を出された場合の対応
  • ・名刺を出された場合の対応

面接中のマナーに悩んだ場合は、上記のポイントを参考にしてください。

自分から話始めない

面接では、面接官から質問があるまで自分から話し始めるのは避けましょう。面接官の質問がない状態で、いきなり話し始めてしまうと「人の話をよく聞かないのでは?」と疑念を抱かれてしまいます。

面接官が質問をし終えた時点で、回答しましょう。また、面接官が話し終えていないのに話始めてしまうのもNGです。

目を見て話す

面接官とのコミュニケーションでは、目を見て話すのが重要です。面接官の目を見て話せば、相手への敬意を示すだけでなく自信と誠実さも伝えられます。

ただし、じっと見つめすぎると不快感を与える可能性もあるため適度な目線のやり取りを心がけましょう。目を合わせるのが苦手な場合は、面接官のネクタイや口元などを意識して見てください。

お茶を出された場合の対応

面接中にお茶・水を出された場合、まずは「ありがとうございます」と感謝の言葉を述べましょう。飲むタイミングは、面接官から勧められた時のみです。勧められていないのに出されたお茶・水に対して手をつけるのはマナー違反です。

名刺を出された場合の対応

名刺を受け取る際は両手で受け取り、「〇〇大学の〇〇と申します。」と自身の名前を述べて丁寧に受け取りましょう。名刺は大切に扱い、無造作にポケットに入れないようにしましょう。テーブルがある場合は、テーブルに名刺を置いた状態で面接に臨みます。

面接室・会場から退場する時のマナー

面接室・会場から退場する時のマナー

面接室・会場から退場する時のマナーとして、以下3つの観点から紹介します。

  • ・椅子から立ち上がり一礼する
  • ・ドアの前で挨拶をして退出
  • ・退室時に面接官が見るポイント

椅子から立ち上がり一礼する

面接が終了したら、まずは椅子からゆっくりと立ち上がり、面接官に向かって一礼します。面接官への感謝を示すとともに礼儀正しさをアピールできるため、好印象を与えられます。

一礼する時は「本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。」と挨拶を述べましょう。一礼を終えたら、ドアの前まで進みます。

ドアの前で挨拶をして退出

退室する前に、ドアの前で「失礼します」と挨拶をします。そして、ドアを静かに開けて退出しましょう。ドアを閉める際も、大きな音を立てないように注意してください。

退室時に面接官が見るポイント

退室時は、入室時・面接中と態度が一貫しているかを見られています。入室時には丁寧な対応だったのに、退室時には乱暴な態度に変わってしまうと印象が悪くなります。

特に退室時は面接が終わった安心感から、挨拶を忘れるなど気の緩んだ行動になりがちです。挨拶の仕方・ドアの開け閉め・立ち振る舞いなど、入室時と変わらず丁寧な対応を心がけましょう。

マイナスな印象を与えるNGマナー

マイナスな印象を与えるNGマナー

マイナスな印象を与えるNGマナーとして、以下の7つが挙げられます。

  • ・時間に遅れる
  • ・挨拶をしない・小さい
  • ・服装がだらしない
  • ・匂いに気をつけていない
  • ・挙動不審
  • ・言葉遣いが粗い
  • ・相手の話を遮る

上記の行動をしないよう、面接中は細心の注意を払いましょう。

時間に遅れる

時間を守ることは、もっとも基本的なマナーです。遅刻は自己管理能力の欠如・非常識さを表してしまうため、絶対に避けましょう。

公共交通機関などの遅延で到着が遅れる場合は、必ず先方に連絡をしましょう。逆に面接の1時間前など早く到着しすぎるのも、先方の迷惑となります。

挨拶をしない・小さい

挨拶は、相手への敬意を示す基本的なマナーです。挨拶をしない・声が小さいと、やる気がないと判断され、面接にも影響が出てしまいます。入室時・退室時は忘れずに明るく面接官に対して挨拶しましょう。

服装がだらしない

服装は、自己管理能力と社会人としての基本的なマナーが表れる箇所です。だらしない服装をしていると、「仕事への取り組み方が乱雑なのではないか」と疑われる原因になります。

服のシワ・汚れがついていないか確認し、清潔な服装を心がけましょう。靴の汚れなども目につきやすいため、注意が必要です。

匂いに気をつけていない

体臭・口臭・強い香水の匂いなどは、周囲に不快感を与えます。面接の直前はタバコを吸わないなど、匂いには気をつけましょう。また、香水はなるべくつけず、つけたとしても控えめにするのが大切です。

挙動不審

落ち着きのない行動や神経質な仕草は、面接官に不安感を与えます。目線が合わない・オドオドしているなどの行動は「仕事に自信を持って取り組めないのでは?」と相手に疑念を抱かせてしまいます。面接官と話す時は、相手の目を見て笑顔で対応するのが大切です。

言葉遣いが粗い

言葉遣いが粗いと相手に悪い印象を与えてしまいます。特に営業・接客を志望している場合、立場や状況にあった丁寧な言葉遣いが大切です。

面接の場では友達と話しているような馴れ馴れしい言葉遣いはやめ、ビジネスで使われる敬語・丁寧語を心がけましょう。

相手の話を遮る

話を遮る行為は「話を聞いていない」という意思の表れと受け取られます。面接官が質問している間は、質問が終わってから回答しましょう。質問を遮って話出してしまうと「自分勝手な人だ」と協調性に欠ける印象を与えてしまい、マイナス評価となります。

まとめ

面接は、自己を最良にプレゼンテーションする機会です。挨拶・服装・態度・言葉遣いなどの基本的なマナーを守ることが求められます。

また、面接室への入退室時の行動や座る際のポイントも重要です。相手の目を見て話す・名刺を適切に扱うなどのマナーも意識してください。

適切なマナーを身につけ、面接での評価を向上させて志望企業の内定を勝ち取りましょう。