インターンシップに参加することは重要だとわかっていても、授業や実験で忙しい理系学生の中には「そんな時間はないよ…」と思っている人もいるかもしれません。

インターンシップには、1日だけのものや、2〜5日間のもの、さらに1か月から数か月に及ぶものと、さまざまなものがあります。Tech Offerの調査でも、多くの先輩たちが自分に合った期間を見つけて、インターンシップに参加しています。本記事では期間によるインターンシップの違いや特徴を説明します。自分の目的やスケジュールに合ったインターンシップを見つける参考にしてください。

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【期間別】インターンシップの種類と特徴

【期間別】インターンシップの種類と特徴

インターンシップは大きく分けて1dayインターンシップ、2〜5日間の短期インターンシップ、1か月から数か月にもわたる長期インターンシップがあります。最初にインターンシップの期間の種類を知り、期間ごとの特徴を見ていきましょう。

1dayインターンシップ

1dayインターンシップは、半日から1日のインターンシップです。1dayインターンシップを開催する企業の主要な目的として、「自社認知の拡大」があります。

なかでも日本企業の半分以上を占めるBtoB企業(顧客が企業であるビジネス)は、消費者の目に直接ふれにくい企業です。顧客が消費者であるBtoC企業に比べて、一般的な認知度は高くありません。自社や自社の事業を就活生に知ってもらう機会として、インターンシップを位置づけている企業が多くあります。

そのため、企業や事業についての説明が中心です。また、短時間のグループワークが行われるところもあり、短い時間であっても社員と直接コミュニケーションが取れるように工夫されています。

選考がないところも多く、特別な準備が必要ないのも特徴のひとつです。理系就活生が自分の専攻を活かせる分野や興味のある分野の仕事を現場で理解できます。

直接、採用に結びつくことは少ないですが、参加することで「インターン参加者限定」のイベントに呼んでもらえる場合もあります。

【1dayインターンシップの主な内容】

  • ・企業説明
  • ・社内(工場・研究所)見学
  • ・質疑応答・社員とのコミュニケーション
  • ・グループワーク

短期インターンシップ

短期インターンシップは、2〜5日にわたって開催されるインターンシップです。日数が多い分、企業説明に加えて職場見学や業務体験、グループワークなどさまざまな体験が用意されています。

インターンシップに参加するためには、選考を経なければならないところがほとんどです。

エントリーシートと面接のほか、SPIなどのテストや複数回の面接などが用意されているところもあります。人気企業には多くの就活生が申し込むため、本選考と同様かもしくはそれ以上の難関となるところも多いです。

通過すれば、本選考のいくつかのプロセスを免除されるなど優遇措置を受けられるところが多くなっています。また、短期インターンシップを通じて採用担当者から高い評価が得られれば、早期内定の対象者に選ばれる場合もあります。

【短期インターンシップの主な内容】

  • ・企業説明
  • ・社内(工場・研究所)見学
  • ・質疑応答・社員とのコミュニケーション
  • ・グループワーク
  • ・プレゼンテーション

長期インターンシップ

長期インターンシップは主にベンチャー企業などで行われているインターンシップで、1か月から数か月、時には1年以上の長期にわたります。週に3〜5日間、給料をもらいながらインターンシップに参加します。

長期インターンシップで携わる業務は、1dayや短期のインターンシップとは違って、正社員と同様のものです。そのため、インターンを通して実務経験を積み、仕事の適性などを把握できます。また、ベンチャー企業でのインターン経験を、「学生時代に力を入れたこと」として強力な自己PRに活用できます。長期インターンシップを通じて成長や能力が認められ、インターンシップが内定に直結するところが多いのも魅力です。

反面、長期インターンシップを開催する企業自体が少ないため、長期インターンシップの選考を通過するのは簡単ではありません。多くは書類選考と面接で行われますが、ポートフォリオの提出などを求められる場合もあります。

【長期インターンシップの主な内容】

  • ・週に3日~5日間、社員と共に業務を担う

時期別に見るインターンシップ期間

就活が本格化する3年生の夏季から4年生の春季に至る、各時期のインターンシップを整理します。

【3年生夏インターンシップ】

最も多くの就活生がインターンシップに参加する時期です。特に理系就活生にとっては、4年生から研究室に所属する大学が多いため、3年生の夏季休暇はインターンシップ参加に最適な時期といえるでしょう。

インターンシップの募集件数も最も多く、1dayばかりでなく、短期インターンシップも多く開催されます。

夏インターンの募集は5月末から6月にかけて行われます。希望企業がある場合は、早めにチェックをしておきましょう。

【3年生秋インターンシップ】

夏ほど多くありませんが、1dayを中心にインターンシップの募集が行われます。夏インターンシップが企業認知を高めることに重点が置かれているのに対し、秋インターンシップはより採用に重点が置かれる傾向です。メーカーの中には夏ではなく、秋に行う企業もあります。

【3年生冬インターンシップ】

1dayを中心に、多くのインターンシップが開催されます。冬インターンシップは、採用に直結するところも多く、冬インターンシップへの参加が本選考の条件となっている企業もあるため、情報収集しておきましょう。

採用に直結するため、1dayであっても選考が行われるところがほとんどです。9〜10月から募集が始まるため、エントリーシートなどの準備を入念にしておきましょう。

【4年生春インターンシップ】

1dayがほとんどで、企業側も採用に向けた最後の説明会という位置づけで行うことが多いインターンシップです。本選考につながるインターンシップです。

また、ベンチャー企業や外資系のコンサルタント企業など、経団連に属していない企業が、採用活動の一環として開催する場合もあります。

いずれにしても採用に直結するインターンシップであるため、選考が用意されています。

1dayインターンシップ 就活生に人気の理由は? 

1dayインターンシップ 就活生に人気の理由は? 

Tech Offerが行った「25卒夏インターンシップ攻略法~24卒理系就活生781名アンケートから読み解く~」では、「実際に参加して良かった日数タイプ」に対して半日・1dayと答えた理系就活生が最も多く、41.5%に上りました。多くの就活生が「良かった」と答えた1dayインターンシップについて、詳しく見ていきます。

1dayインターンシップ 人気の理由

1dayインターンシップが人気なのは、次のような理由があります。

  • 1日なので日程の調整がしやすい

 忙しい理系学生にとって1dayインターンシップは1日で終わるため、スケジュールの調整が比較的容易であり、他の予定との衝突を最小限に抑えられます。

  • ・志望する企業について理解できる

時間の限られる1dayインターンシップでは、企業の紹介や基本的な業務・環境の理解が中心になります。数日間を要するグループワークなどは体験できませんが、企業での実際の業務内容や雰囲気を把握し、将来のキャリア選択に役立つ基礎的な理解を得られます。

  • ・複数の企業に参加できる

1dayインターンシップは、複数の企業に参加することが可能です。異なる企業の業務や文化に触れることで、比較や選択の幅を広げられます。まだ自分の志望企業が明確でない場合も、複数の企業を経験することで自分に合った企業を見つけやすくなるでしょう。

  • ・選考がないところも多いので気軽に参加できる

1dayインターンシップはエントリーシートや面接による選考がないところも多いため、気軽に参加できます。また、参加した企業や業界が自分に合わないと気付いたら、すぐに選択肢から外せます。リスクを最小限に抑えながら、さまざまな経験を積めることも、1dayインターシップの人気が高い理由です。

1dayインターンシップは目的意識が必要

就活生にも人気のある1dayインターンシップですが、自分のやりたいことが不明瞭なまま「とりあえず」程度の意識で参加してしまうと、企業の説明を聞くだけに終わってしまいます。

1dayに参加する際には、自分なりの目的を設定しましょう。

【目的の例】

  • ・志望業界の1dayインターンシップに3社行って、志望する業界の雰囲気や文化が自分に合っているかを確かめよう
  • ・良い質問をして、名前を覚えてもらおう
  • ・他の就活生がどれくらい準備ができているかをリサーチしよう

1〜2年生は企業との接点づくりとして

インターンシップの中には、1、2年生の参加を受け付けている企業もあります。普通の学生生活やアルバイトではなかなか企業との接点を持つことはできません。企業との最初の接点や就活のイメージづくりの機会として、インターンシップを活用できます。

短期インターンシップ

短期インターンシップ

短期インターンシップは時間的な制約があるため、夏季休暇でもいくつも参加できません。しかし、就活の先輩の多くが満足が得られる経験だとしています。

短期インターンシップは内定に直結?

短期インターンシップで「良かった点」としてあげられているのは、次のポイントです。

  • 採用選考を有利に進められる

短期インターンシップは選考が行われるところがほとんどで、選考を経てインターンに採用されれば、本選考でも有利となるところが多くあります。仮にインターンに選ばれなかったとしても、エントリーシートなどを通じて自分の意欲や実力をアピールする機会となり、本選考にも良い影響が期待できます。

  • 深い企業理解と実務経験が得られる

短期間であっても、1dayインターンシップよりも長い期間企業で働くことで、より深い理解と経験を得られます。業務に取り組む時間やプロジェクトに関与する機会が増えるため、実際の業務フローを追体験できます。

  • 社員と関係構築ができる

短期間であっても数日間一緒に働くことで、社員との関係を構築する機会が増えます。印象に残る質問や、目立つ成果を上げることで、採用に有利になるだけでなく、これから社会人になる際の人間関係やコミュニケーションのスキルを養えます。

  • 実践的なスキルが習得できる

短期インターンシップでは、具体的なプロジェクトが用意されていることが多く、実践的なスキルを習得する機会が得られます。自分の専門分野に関連した業務や技術に触れることで、実践的な能力を高められます。

短期インターンシップの選考は厳しい

短期インターンシップはエントリーシート、Webテスト、グループディスカッション、面接などが課せられるところがほとんどです。人気企業は本選考よりも少ないインターン採用枠に、本選考以上の就活生が押し寄せるため、本選考よりも倍率が高くなってしまうところもあります。そのため、エントリーシート作成や面接の準備などはしっかり行いましょう。

短期インターンシップ 目的をもって臨もう

1dayインターンシップ同様に短期インターンシップでも自分なりの目的が重要です。厳しいインターンシップ選考を経てインターンシップに臨む経験を無駄にしないためにも、「自分はインターンシップを通じて何を得るつもりなのか」「インターンシップは就活全体の中でどのような意味を持つのか」など、しっかり考え、明確な目的を設定しましょう。

長期インターンシップ

長期インターンシップ

長期インターンシップのほとんどが3か月以上、給料をもらいながら勤務する形態を取っています。そのため、募集先やインターンシップの内容も、1dayや短期のインターンシップとは大きく異なります。

長期インターンシップ 限定的だが得られるものは大きい

一般的に長期インターンシップを実施しているのはIT系やマーケティング、営業職を求めるベンチャー企業が多く、インターン生であっても戦力として扱われます。実施企業が限られる分、経験者も少ないのですが、長期インターンを経験した就活生は、次のような点を「良かった点」としています。

  • 内定獲得の可能性が高くなる

長期インターンシップを経験することで、企業との信頼関係を深められます。高い評価を得られれば、インターンシップの終了後に内定を獲得する可能性が高まります。

  • 深い業務理解とスキル習得が可能になる

長期インターンシップは数か月にわたって企業で働くことを通して、業務に深く関与し、より広範な業務理解を得られます。これにより、専門的なスキルの習得や業務プロセスの理解を深められ、選考での高い評価につながります。

  • 開発などのプロジェクトに参加できる

長期インターンシップでは、開発など特定のプロジェクトに関与する機会が与えられます。自分が興味のある分野や専門に関連したプロジェクトに取り組むことで、授業では得られない実践的な経験や成果を積み上げられます。

  • チームワークとリーダーシップを養うことができる

長期インターンシップでは、チームメンバーや上司との関係を時間をかけて築けます。その中で、チームワークやリーダーシップのスキルを発展させる機会を得られるでしょう。長期間の間にプロジェクトの進行やチームの目標達成に貢献することで、自己の成長とリーダーシップ能力を養えます。

長期インターンシップは計画性が必要

3か月以上、週に3〜5日間、企業で働く長期インターンシップは、まとまった時間をインターンシップに充てる計画性が必要です。中途半端にしか時間を割けなければ、企業にも迷惑がかかります。逆に、インターンシップに専念するあまり、単位が取れないような事態に陥ることも避けなければなりません。長期インターンシップで成果を上げるためには、早い段階からの準備が必要です。

他のインターンシップでは得られない就業経験

長期インターンシップは雇用契約上はアルバイトという形態になります。企業と雇用契約を結び、給与や社会保険などの取り決めを行います。実践の場で経験を積みたい就活生にとっては、長期インターンシップは大きなチャンスとなるでしょう。

インターンシップを選ぶ場合の注意点

インターンシップを選ぶ場合の注意点

どのような期間のインターンシップを選んだら良いのか、注意点を整理します。

インターンシップ参加の目的を明確にしよう  

インターンシップに参加する前に考えなければならないことは、「自分がインターンシップを通じて何がしたいのか」「何を獲得したいのか」を明確にすることです。

上記で紹介したように、1day、短期、長期のインターンシップでは、それぞれ得られるものが異なります。自分が求めるものは何なのかが明確になれば、自分が参加すべきインターンシップが1dayなのか、短期なのか、また長期なのかも必然的に決まります。

インターンシップは長期的な就活計画の中で考えよう

目的が決まったら、自分自身の長期的なスケジュールに合わせて考えます。

【例】

  • ・学期の中でも比較的時間のゆとりのある中間試験が終わった時期に夏季の短期インターンシップに向けてESなどの準備をしよう
  • ・夏季休暇には、1dayインターンシップを3つ入れて、それぞれの企業を比較しよう

インターンシップはオファー型も選択肢に入れよう

忙しい理系就活生のなかには「インターンシップ先を探す時間もなかなか取れない」と感じている人もいるかもしれません。また、「自分にはどんな企業が合うかわからないからインターンシップに行こうとしているのに、インターンシップもどこに行ったらいいのかわからない」と悩んでいる人もいるかもしれません。

そんな就活生におすすめなのが、オファー型の就活サイトです。Tech Offerではいくつかの質問に答えるだけで、その人に合った企業からのオファーが届きます。まだの方は、ぜひ登録してください。

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インターンシップ 内定への足がかりとして活用しよう

時間が限られる中で、インターンシップは多くても数社しか参加できません。そのため、あらかじめ目的を明確化した上で、その目的を達成できる企業を選ばなければなりません。

一般に「就業体験の提供」とされているインターンシップですが、実際には何らかの形で本選考に有利になるとされています。自分に合ったインターンシップ期間と企業を選び、採用選考への足がかりとして活用しましょう。