こんにちは。理系就活情報局です。

専門性を高めること、またその為にどんな研究室を選ぶかは、理系人材の将来のキャリア形成にとても重要です。

今回は、「筑波大学大学院でどんなことを学べるか」について解説していきます。

筑波大学大学院は、2020年から大学院課程を学位プログラム制に移行。

本記事では理系の研究群を紹介し、大学院修了後のキャリア支援についても解説します。

これから筑波大学大学院への進学を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください!


数理物質科学研究群

数学学位プログラム

数学学位プログラムは、純粋数学や応用数学などの分野で、理論の構築や数学的真理を探究できるのが特長です。

また、社会的なニーズの後押しを受けて、高度な数学の知識をさまざまな分野に応用できる人材の養成にも力を入れています。

前期課程2年次修了の修士論文発表では学会での一般講演を、後期課程3年次修了時には、国際的ジャーナルへ掲載される水準の論文発表が目標の一つとされています。

(参考:筑波大学大学院「数学学位プログラム」)

物理学学位プログラム

物理学学位プログラムは、自然界の物質とその変化、素粒子・原子核・物性・宇宙・プラズマといった物理学諸分野の研究ができるのが特長です。 物理学を学び、独創性や応用力を身につけた人材育成をめざしています。

また、物理学学位プログラムでは、国際的な共同研究を数多く実施。

学生でも、海外の研究施設に滞在して研究を行ったり、国際会議で成果発表をすることが推奨されています。

(参考:筑波大学大学院「物理学学位プログラム」)

化学学位プログラム

化学学位プログラムでは、「無機・分析化学」「物理化学」「有機化学」「境界領域化学」の枠組みから、さまざまな化学物質の先進的な研究を行っています

化学の研究を行いながら、化学物質についての基礎知識から応用、高度な研究・実験手法を修得できる環境です。

(参考:筑波大学大学院「化学学位プログラム」)

応用理工学学位プログラム

応用理工学学位プログラムでは、物理学を中心とする自然科学の原理原則を自由な発想で活用することで、エネルギーや資源、地球環境などの課題解決を目指す研究を行います。

プログラムには、3つのサブプログラムが含まれます。

①計測やデバイス開発を行う「電子・物理工学サブプログラム」

②物質や材料開発を行う「物性・分子工学サブプログラム」

③物質・材料研究機構(NIMS)の研究者が研究を行う「NIMS連携物質・材料工学サブプログラム」

(参考:筑波大学大学院「応用理工学学位プログラム」)

国際マテリアルズイノベーション学位プログラム

国際マテリアルズイノベーション学位プログラムは、物質材料研究の分野で変革を導き、世界で活躍するエリート人材を育成するプログラムです。

世界各国の学生で構成された少数精鋭のプログラムで、講義は英語で行われます。

世界の大学とパートナーシップを結んでおり、国内外の大学と交流を図りながら成長できる環境です。

(参考:筑波大学大学院「国際マテリアルズ イノベーション学位プログラム」)

システム情報工学研究群

社会工学学位プログラム

社会工学学位プログラムでは、未来を構想するための「資産・資源のデザイン」「空間・環境のデザイン」「組織・行動のデザイン」を学べます。

「社会システムサイクル」と「データ解析サイクル」を基礎とした教育指標を掲げており、社会現象理解からデータ解析、制度設計や実験と提言、測定と評価を行います。

(参考:筑波大学大学院「社会工学学位プログラム」)

サービス工学学位プログラム

サービス工学学位プログラムは、新たなサービスやより良いサービスの創造のために必要な知識とスキルを身につけた、社会経済の発展に貢献する人材を育成しています。

育成される人材像としては、「サービス開発エンジニア」「ソリューション開発エンジニア」「官公庁の地域サービス振興エンジニア」「新たなサービス分野を創造する起業家」が挙げられています。

(参考:筑波大学大学院「サービス工学学位プログラム」)

リスク・レジリエンス工学学位プログラム

リスク・レジリエンス工学学位プログラムでは、適切なリスクマネジメントに基づいた安心・安全な国土と地域・経済・情報社会を支える社会システムの実現をめざしています。

そのために、高度な技術を持ち、現実社会の問題を見据えて研究成果を社会に還元できる高度専門職業人の育成を行っています。

(参考:筑波大学大学院「リスク・レジリエンス工学学位プログラム」)

情報理工学位プログラム

情報理工学位プログラムでは、「情報」の生成から利用を目的とした計算機、ネットワークやセキュリティの基盤的な技術、アプリ・UI・音声画像認識・高性能計算など、幅広い範囲で研究を行います

カリキュラムでは、「数理情報工学」「知能ソフトウェア」「ソフトウェアシステム」「計算機工学」「メディア工学」「知能・情報工学」の専門知識と研究能力を養います。

(参考:筑波大学大学院「情報理工学位プログラム」)

構造エネルギー工学学位プログラム

構造エネルギー工学学位プログラムでは、「宇宙開発」「固体・構造」「電気・エネルギー」「流体・環境」を基礎として、人間やその社会、環境の調和と資源の有効をめざす研究を行っています。

研究対象は幅広く、航空機やロケットエンジン、宇宙構造物などの航空宇宙機器、地震防災や建築構造物、河川・海岸・湖水・地盤などの環境、各種エネルギーシステムなどがあります。

最先端の技術やコンピュータシミュレーションを用いて、物理的モデルの構築や機器の設計・製作を行うのが特長です。

(参考:筑波大学大学院「構造エネルギー工学学位プログラム」)

知能機能システム学位プログラム

知能機能システム学位プログラムでは、5年間一貫した教育カリキュラムを中心に、工学分野の基礎知識と倫理観を備え、知能機能システムの専門知識と技術や研究能力を身に付けた高度専門職業人を養成することをめざしています

修了後の進路としては、電気・機械・情報通信分野の企業で製品・システム開発を行う専門技術者が挙げられます。

(参考:筑波大学大学院「知能機能システム学位プログラム」)

エンパワーメント情報学プログラム

エンパワーメント情報学プログラムは、「安全性・利便性・心の豊かさの向上」などの観点から「人の生活の質を向上させる工学システム」を創出できる人材の育成をめざしています

「人をエンパワーする」システムを創出できる人材を要請するカリキュラムは、多角的な思考力による「分野横断力」、グローバルな舞台で活躍するための「魅せ方力」、実問題の解決能力を持つ「現場力」の3点を重視して構成されています。

(参考:筑波大学大学院「エンパワーメント情報学プログラム」)

ライフイノベーション(生物情報)学位プログラム

ライフイノベーション(生物情報)学位プログラムは、真に社会で必要とされる科学技術革新を推進する人材を育成するプログラムです。

そのため、つくばライフサイエンス推進協議会に所属する民間企業や独立行政法人研究所などが協働で授業計画を立案し、産学官のそれぞれの考え方や役割を総合的に判断する能力を養成しているという特色があります。

(参考:筑波大学大学院「ライフイノベーション(生物情報)学位プログラム」)

生命地球科学研究群

生物学学位プログラム

生物学学位プログラムでは、生物学・生命科学領域の研究の基盤となる8分野の広い学識と研究能力を養成し、生物学的な視点から問題解決へのプロセスを構築できる研究者・高度職業人の育成を行っています。

8つの分野には、「系統分類・進化学」「生態学」「植物発生・生理学」「動物発生・生理学」「分子細胞生物学」「ゲノム情報学」「先端細胞生物科学」「先端分子生物科学」が含まれます。それぞれの分野が相互に補完し合いながら研究・教育を行う体制が取られている点が特長です。

(参考:筑波大学大学院「生物学学位プログラム」)

生物資源科学学位プログラム

生物資源科学学位プログラムは、人間を含む生物の生命現象とそれを支える地球環境、生物資源の保全や持続的活用に関する総合的探求を通して、生物資源に関する総合的な知識と問題発見・解決能力を持つ未来創造型の人材の育成をめざしています

カリキュラムには4つのコースがあり、自然科学から社会科学までを幅広く学ぶことができます。専門科目だけでなく、自然と向き合いながら行う実験や実習、国内外で行われるインターンシップ科目によって、専門性と問題解決能力、国際性及び社会貢献意欲を持つ人材を実践的に教育しています。

(参考:筑波大学大学院「生物資源科学学位プログラム」)

地球科学学位プログラム

地球科学学位プログラムでは、地球の自然現象を理解し、地球規模での問題解決に貢献できる知識と専門的研究能力で、世界を舞台に科学的思考力を活かして活躍できる人材育成をめざしています。

カリキュラムは、以下の2つから構成されています。

①地球環境の実態と自然科学的プロセスやメカニズムを探究する「地球環境科学領域」

②地球の深部から地表までの歴史や仕組みから未来の予測を目指した研究を行う「地球進化科学領域」

(参考:筑波大学大学院「地球科学学位プログラム」)

山岳科学学位プログラム

山岳科学学位プログラムは、日本初の山岳科学に特化した大学院です。

筑波大学をはじめ、信州大学・静岡大学・山梨大学の4大学が連携した大学院(博士前期課程)で、山岳地域の環境問題や山岳生態系の持続的管理に取り組む人材の育成をめざしています。

カリキュラムは、「山岳科学概論」「山岳フィールド実習」「実践スキル科目群」によって構成されており、修了すると「山岳科学」の学位(修士)を取得可能です。

(参考:筑波大学大学院「山岳科学学位プログラム」)

ライフイノベーション(食料革新・環境制御・生体分子材料)学位プログラム

生命地球科学研究群には、「ライフイノベーション学位プログラム」として、下記の3つが含まれています。

「ライフイノベーション(食料革新)学位プログラム」

「ライフイノベーション(環境制御)学位プログラム」

「ライフイノベーション(生体分子材料)学位プログラム」

それぞれの専門領域だけでなく、食料革新・環境制御・生体分子材料の分野を横断する俯瞰的なライフサイエンス分野の専門知識を身に付けることができます。

(参考:筑波大学大学院「ライフイノベーション学位プログラム」)

環境科学学位プログラム・環境学学位プログラム

「環境科学学位プログラム」(博士前期課程)「環境学学位プログラム」(博士後期課程)は、理系と文系の枠を超えて環境に関する自然・人文・社会科学的思考力と解決能力を備えた人材を育成するプログラムです。

前身となったのは、日本最初の環境系専門大学院としてスタートした 筑波大学の博士前期課程(修士課程)のみの大学院です。

現在では、前期・後期を通して「自然科学」「工学」「農学」「社会科学」「人文科学」「 医学」という、 多様な分野の教員から専門知識を得られる環境を整えています。

(参考:筑波大学大学院「環境科学学位プログラム・環境学学位プログラム」)

博士後期課程のみのプログラム

筑波大学大学院には、博士後期課程のみのプログラムもあります。

「農学学位プログラム」では、総合科学としての農学の知識や問題解決能力を修得できます

地球規模で「農」と「食」と「環境」課題の解決をめざす研究を行う高度専門職業人・研究者を育成しています。

「生命農学学位プログラム」では、人類を取り巻く多様な生物が持つ機能や化合物の役割を分子レベルで理解し、バイオテクノロジーの開発をすることで、食・健康・環境分野における新たな課題を解決する人材を養成しています

「生命産業科学学位プログラム」では、食料・資源・エネルギー開発と環境保全技術が関わる生命産業の創成と、その素材となる生物資源の確保や流通などにおいて、国際的視点を持って活躍できる研究者の養成を目指しています。

(参考:筑波大学大学院「農学学位プログラム」「生命農学学位プログラム」「生命産業科学学位プログラム」)

筑波大学大学院の進路サポート

これまで、筑波大学大学院が擁する多様な理系研究群を一覧化して紹介しました。

筑波大学大学院への進学を検討している方も、自分がめざすプログラムが絞られてきたと思います。

筑波大学大学院では、博士人材の教育だけでなく、キャリア支援も手厚いのが特長です。

最後に、「筑波大学大学院の進路サポート」について解説します。

研究インターンシップ

筑波大学が大学院生のために行っているキャリア支援の1つに、「研究インターンシップ」があります。

「研究インターンシップ」とは、筑波大学と産学協働イノベーション人材育成協議会(C-ENGINE)が共同で行う取り組みです。

理系大学院生(修士・博士)およびポスドクを対象としたインターンシップで、企業で研究開発の現場を体験することができます。

「研究インターンシップ」とは別に、筑波大学では博士人材向けのインターンシップ情報も公開されています。

(参考:筑波大学就職課「博士人材のためのインターンシップ」)

大学院共通科目

筑波大学が大学院生のために行っているキャリア支援の1つに、博士人材のキャリアを考える「大学院共通科目」があります。

「大学院共通科目」では、大学院修了後の進路を確かなものにすることをめざし、考え方や基礎的能力の要請を目指した科目群が組まれています。

「大学院共通科目」は、WEB上でパンフレットを閲覧可能です。

講義を担当するのは、現場の教員だけでなく、企業の指導者やそこで働く博士、キャリア教育の専門家など多岐にわたります。

筑波大学と日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)が共同で行う「世界に挑む産業界・官界トップリーダーによる連続リレー講義」など、ユニークな講義が行われていますので、ぜひ一度大学院共通科目の詳細に目を通してみてください。

(参考:筑波大学就職課「キャリアに関するカリキュラム」)

併せて、TECH OFFERを利用して内定を獲得した「筑波大学の理系学生」の体験談をご紹介します。

関連記事:【筑波大学の理系学生】条件の合う企業とマッチし内定獲得!

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これだけは知っておきたいポイント(まとめ)

この記事では、「院進して専門性を深める!筑波大学大学院の理系研究群一覧とキャリア支援」について解説してきました。

重要なポイントをおさらいします。

・数理物質科学研究群

 ①数学学位プログラム

 ②物理学学位プログラム

 ③化学学位プログラム

 ④応用理工学学位プログラム

 ⑤国際マテリアルズイノベーション学位プログラム

・システム情報工学研究群

 ①社会工学学位プログラム

 ②サービス工学学位プログラム

 ③リスク・レジリエンス工学学位プログラム

 ④情報理工学位プログラム

 ⑤構造エネルギー工学学位プログラム

 ⑥知能機能システム学位プログラム

 ⑦エンパワーメント情報学プログラム

 ⑧ライフイノベーション(生物情報)学位プログラム

・生命地球科学研究群

 ①生物学学位プログラム

 ②生物資源科学学位プログラム

 ③地球科学学位プログラム

 ④山岳科学学位プログラム

 ⑤ライフイノベーション(食料革新・環境制御・生体分子材料)学位プログラム

 ⑥環境科学学位プログラム・環境学学位プログラム

 ⑦博士後期課程のみのプログラム

・筑波大学大学院の進路サポート

 ①研究インターンシップ

 ②大学院共通科目

・活用するべき逆オファーサイト

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