様々な方が通う大学では、経済的事情や自身の目標優先などの事情から留年を選ぶ方は珍しくはありません。

中には就活を理由に、留年を選択する方もいるでしょう。

留年を選択した方にとって、気になるポイントは就活への影響です。

特に就職留年をしたことが、かえって就活に悪影響を及ぼしては本末転倒になってしまうからです。

今回は留年が就活に及ぼす影響と就活の対策法を解説します。

留年が現実的なものとなり、就活へ不安を感じている方はぜひ参考にしてみてください。

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留年とは単位不足で進級・卒業できない状態

留年とは単位不足で進級・卒業できない状態

留年した場合の対処法や考え方を解説する前に、まずは留年とは何かを解説します。

留年は単位不足により、進級や卒業ができない状態です。

進級や卒業ができないため、進路や学費の面で大きな影響があります。

本章では就職留年や就職浪人との違いも解説します。

就職留年は就活のために留年すること

就職留年とは、大学卒業まで就活を続けたものの内定を取れず、就職活動を続けるために留年することです。

就職留年は以下3つのケースが考えられます。

1つ目は、卒業に必要な単位数を満たさない場合です。

卒論がある学科であれば卒論を提出しない場合も当てはまります。

2つ目は、卒業延期制度を使う場合です。

この制度を設けているかは大学によりますが、使う場合には手続きが必要であり条件もあります。

また、就職留年での制度利用を認めていない大学もあります。

そのため、利用する場合には条件や注意点をしっかりと読みましょう。

3つ目は、休学する場合です。

休学は半学期単位となるため、卒業が半年か1年遅れることになり、学生のまま就活を続けることが可能となります。

国立は休学の際に学費免除となる場合が多いですが、私立の場合は休学費もしくは在籍費がかかる場合があり注意が必要です。

休学を考える場合は学生課に行き、制度や条件などを確認しておきましょう。

就職留年のメリット

就職留年のメリットは、主に以下の5つがあります。

  • 新卒枠で応募できる
  • ・志望企業に再挑戦できる
  • ・前年度に集めた情報と得た経験を使える
  • ・同級生から情報を得られる
  • ・時間に余裕がある

1つ目は、新卒枠で応募できることです。

新卒採用枠は多めに設定している企業がほとんどです。さらにポテンシャル採用もあるため、新卒として応募できるメリットは大きいでしょう。

また新卒として就活ができるためインターンにも参加できます。

そのため改めて業界研究・職種研究をしたい学生にとって大きなメリットでしょう。

2つ目は、志望企業に再挑戦できることです。

落ちてしまった企業に再挑戦しても、必ずしも内定をもらえるわけではありませんが、受ける以上内定を貰える確率は存在します。

落ちた時の原因はしっかり分析しておきましょう。

また、業界によっては選考時期がかなり早いものもあります。

就職留年をする前は気付いたら終わっていたという業界・企業に応募できます。

3つ目は、前年度に集めた情報と得た経験を使えることです。

前年度に企業説明会やインターンに参加していれば、志望業界に対してある程度の知識をもっているため、効率良く就活をすすめられます。

また、就活に慣れていることも大きなメリットです。

ガクチカや自己PRなど定番の質問に対する回答をスムーズに話せることは武器になります。

4つ目は、同級生から情報を得られることです。

大学の同級生が就職したということで企業のリアルな雰囲気や、どんな仕事をしているかなど気軽に聞けることも大きなメリットです。

OB・OG訪問よりも簡単に話を聞けることは就活において有利に働くでしょう。

5つ目は、時間に余裕があることです。

就職留年の場合、学校の単位を取り終えていることが多く、比較的時間に余裕があるでしょう。

就活に多く時間を割けるため、業界研究や選考対策なども取り組みやすくなります。

就職留年のデメリット

就職留年のデメリットは、主に以下の3つがあります。

  • ・学費がかかる
  • ・企業側に就職留年になった理由を納得してもらうのが難しい
  • ・精神的な負担がある

1つ目は、学費がかかることです。

就職留年の場合、半年分もしくは1年分の学費を払わなければならず、経済的な面を考える必要があります。

2つ目は、企業側に就職留年になった理由を納得してもらうのが難しいことです。

留年をしていることに対してマイナスなイメージを持つ企業もあります。

また、家族に学費を出してもらう場合は家族にも就職留年を理解してもらう必要があるでしょう。

3つ目は、精神的な負担があることです。

大学の同級生が社会人として働き始めている時期に就活を続けなければならず、同級生の後輩として入社する可能性もあります。

上記を気にしながら、就活が上手くいく保証がないことも考えると精神的な負担が大きくなりやすいでしょう。

就職浪人との違い

就職留年と就職浪人はよく似ていて混同されがちですが、違う点は大学を卒業した既卒生なのか学生のままで続けるかという点です。

就職浪人は、大学を卒業した状態で就活を続けることを指します。

就活留年は、大学に在籍したまま、つまり留年状態で就活を続けることになります。

【ケース別】留年した場合の対処法

【ケース別】留年した場合の対処法

一言に留年といっても実に様々なケースがあり、対処法も異なってくるでしょう。

本章ではケース別に留年した場合の対処法を解説します。

自身に当てはまるケースがあれば、ぜひ参考にしていただければと思います。

単位不足で進級できないケース

単位不足で進級ができない場合の対処法は実にシンプルです。

単位を落とした原因を振り返り、来年に生かしましょう。

単位を落とした授業の情報は持っているので、来年は単位が取れるように対策をしましょう。

どうしても単位を取るのが難しい授業だと感じた場合には、来年は取らないようにするという選択肢もあります。

単位不足で卒業できないケース

単位不足で卒業ができない場合も、基本的には進級できないケースと対処法は同じになります。

ただし、学生証の手続きなど事務手続きは必要になるので注意が必要です。

残りの単位数によっては、来年も厳しい状況が続く可能性があります。

まずは単位数を確認して、来年も卒業できないというケースは避けるようにしましょう。

内定ありで卒業できないケース

卒業時に留年をする方の中には、内定を持っている方もいるでしょう。

内定は卒業を前提に企業から出ているため、卒業できない場合、内定は取消になります。

来年はしっかりと単位を取っていくと同時に、就活を再度する必要があります。

一度就活をしている分、情報や対策法は分かっているので、もう一度内定が取れるように取り組みましょう。

留年や中退、休学の選択に迷った場合の考え方

留年や中退、休学の選択に迷った場合の考え方

大学を留年するとなった場合、中退や休学などの選択肢も頭に浮かんでくるはずです。

選択によって、学歴やキャリアに影響を及ぼすケースがあるため、慎重に選択する必要があります。

本章では留年や中退、休学などの選択に迷った場合の考え方を解説します。

新卒として就活がしたい場合には留年を

ジョブ型採用が注目されるなど、採用市場の風向きが変わりつつあるとはいえ、採用市場ではまだまだ新卒カードは有効です。

将来的な方向性として、新卒として就活がしたい場合には留年を選択しましょう。

大学を中退した場合、既卒扱いとなり、新卒採用のターゲットからは外れてしまうからです。

中退した場合、第二新卒の選択肢も活用できますが、新卒の方が就活はやりやすいでしょう。

留年・休学でも解決しない場合には中退も選択肢の1つ

大学生や大学院生は様々なことにチャレンジできるため、在学中に実現したい目標ができる方もいるでしょう。

大学が実現したい目標のハードルになるのであれば、大学中退も選択肢に1つになります。

例えば、在学中にベンチャービジネスをスタートした結果、大学の優先度が下がり、単位が不足して留年となったとしましょう。

ビジネスが忙しい場合、引き続き単位を取得するのは難しい状況であるため、次年度も留年となるのは目に見えています。

短期であれば、休学の選択肢もありますが、休学期間は限定的であり、また費用もかかり続けます。

留年や休学は見方を変えると、、1~3年間の時間的猶予を作り出す方法です。

就職留年の場合は、1年間という時間を新たに得ることで、進みたい就職先を目指しています。

短期的な時間を作り出したとしても、解決が難しい場合には中退も1つの選択肢といえるでしょう。

経済的に厳しい場合には休学もあり

留年するケースの方はもちろん、スムーズに進級している方の中にも、大学の学費を払い続けるのが難しい方もいるでしょう。

経済的事情から大学に通えなくなるため、中退の選択肢を頭に入れている方もいるかもしれません。

中退も選択肢の1つですが、休学という選択肢もあります。

大学によりけりですが、休学期間中は大学の学費がかからないケースや通常より少額になるケースがあります。

継続した学費の支払いが難しい場合には、休学を活用しつつ、卒業を目指すのも1つの方法です。

休学を活用した場合でも卒業をすれば、学歴と新卒カードが手に入ります。

留年で就活を成功させる対策

留年で就活を成功させる対策

留年という経歴は、企業側からすると気になるポイントです。

面接においては必ず質問される項目にもなるので、しっかりとした対策が必要になります。

本章では面接対策はもちろん、就活を成功させるために必要な対策を解説します。

説得力のある理由を説明する

就職留年をした場合、企業もどのような理由で留年に至ったか興味があります。

そのため、就職留年に至った経緯や理由を面接官の納得できる形で伝える必要があるでしょう。

曖昧な回答や表現をすると企業側からの印象に悪い影響を与える可能性があるため、回答を事前に準備しておくことが大切です。

早めに就活を開始する

時間的に余裕がある場合は、就活を早めに開始しましょう

就活早期に取り組めるおすすめの活動は、インターンシップです。

インターンシップを経験することで働くイメージをつけやすいのはもちろん、面接の場でインターンシップでの成果をアピールすれば選考においてプラス評価となる可能性もあります。

就活上有利に働くことも多いため、積極的な参加をおすすめします。

オファー型サイトを活用する

就職留年する場合は、オファー型サイトを活用するのもおすすめです

就活においてウィークポイントとなる就活留年をした場合は、自分の強みを積極的にアピールすると良いでしょう。

そのためには、大手ナビ型サイトだけでなく、理系に特化した逆求人型サイト「TECH OFFER」を利用しましょう。

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就活で留年理由を説明する際に使える3つの例文

就活で留年理由を説明する際に使える3つの例文

経歴の中に留年があると判明した場合、企業側は高い確率で留年の理由について質問してきます。

質問に対して、企業を納得させる理由が説明できれば、就活において留年はマイナスの要素とならないでしょう。

本章では留年理由を説明する際の回答例を3つ紹介します。

授業についていけないために留年した場合

授業についていけないため、留年をした場合の回答例は以下になります。

私が大学3年時に留年した理由は、大学の授業についていけなかったからです。

大学2年生までは特に対策も必要なく、単位を順調に取れていましたが、レベルが上がった大学3年時になると全く授業についていけなくなりました。

授業についていけないため、試験では低い結果ばかりとなり、単位不足で留年となりました。

次の年は前年の反省を生かして、基礎固めをしっかりとおこなうことからスタートしています。

分からない部分は教授やTAの方に伺うようにしました。

結果として、次の年は進級できました。

この教訓を生かして、御社に入社後は基礎を大切にして、分からない部分はしっかりと伺うことを大事にしていきたいと思います。

家庭の事情で留年した場合

家庭の事情で留年した場合の回答例は以下になります。

私が大学4年時に留年したのは、父親の介護で大学に行く時間が取れなかったためです。

大学3年生までは父親は健在でしたが、事故で介護が必要になりました。

私も経験のないことでしたので、父親の看護に時間を割いた結果、大学に行く時間が取れませんでした。

試験の結果はもちろん、出席の必要な抗議に出られなかったので、留年となってしまいます。

現在は市町村や民間のサービスを利用することで、時間が作れるようになったため、単位の取得は順調に進んでいます。

不測の事態であったとはいえ、周囲に助けを求めるという広い視野が欠けていた結果、留年となりました。

今回の教訓を生かすため、御社に入社後は広い視野を持つ意識を忘れず、また父のためにも全力で仕事に取り組みたいと思っております。

就職留年を目的で留年した場合

私が留年した理由は納得のいく就活ができなかったためです。

昨年の就活では、周囲に流されるまま就活をおこない、内定という結果が欲しいために就活をしていました。

大変ありがたいお話なのですが、いくつかの企業から内定をいただきましたが、納得のできるものではありませんでした。

今年は自己分析・業界研究をしっかりとおこない、自身の方向性ややりたいことを見つめ直してから就活を始めています。

自分に軸をしっかりと今年は持っているため、自信を持って就活ができています。

御社に入社後は、自身がしっかりと選んだ会社の戦力に1日も早くなれるように、取り組んでいく所存です。

まとめ

留年してしまうかもしれない……。

そんな不安を抱えている方は、自分の将来が閉ざされたように感じるかも知れません。

ですが、留年をしたとしても、就活で巻き返すことは可能です。