こんにちは。理系就活情報局です。

新製品の製造に、幅広い工程で関わりたいと考える人におすすめなのが、生産技術職です。生産工程全般に関わり、製品のQCD(Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期)を達成させる役割を担います。

技術の進歩はめざましく、製品のライフサイクルも短期化する中で、生産技術職のニーズはどの業界・企業においても高まっています。

本記事では生産技術職を検討する人のために、年収やキャリアプラン、将来性を紹介します。

▼あなたに合った企業の情報が届く▼
TECH OFFERで優良オファーを受け取る

生産技術職とはこんな仕事

生産技術職とはこんな仕事

最初に生産技術職の仕事内容を整理しておきましょう。

生産技術職が担う3つの役割

生産技術職は製造業の中で生産活動を担います。製造部が実際にものづくりを担うのに対し、ものづくりがスムーズに行えるよう、生産技術部が支えます。

生産技術職の役割は、次の3つにまとめられます。

企画・開発プロセスの準備・改善

生産技術職は企画・開発段階から新製品の開発に関与します。製品のQCDを決定したり、プロトタイプの製造を行う場合は、その工程の準備や設計を行います。

生産設備の設計・準備・改善

製品の「ねらいの品質」(製品が目標とする品質)が製品に確実に反映されるように、生産設備を準備します。また、既存の設備を使用する場合は改善を行います。

量産プロセスの設計・準備・改善

製品の量産化を行うための設計や準備を行います。既存の設備を使用する場合には、新製品の製造に合わせた改善を行います。

生産技術と製造技術の違い

生産技術は、製造プロセス全体を管理し、効率化や品質向上などを追求する役割を担います。それに対して、製造技術は直接製造に関わる技術を指します。

具体的な仕事内容も、次のような違いがあります。

生産技術

製造プロセス全体の最適化や効率化・品質管理の向上・コスト削減・リードタイムの短縮など

製造技術

製品の加工や組立工程の改善や効率化・製造機械の選定や設定・製品の品質向上・生産ラインの生産性向上など

生産技術とプロセス開発の違い

生産技術もプロセス開発も、ともに製造プロセスを扱うため業界や企業によっては区別することなく、生産技術職がすべてカバーしている場合もあります。

しかし、生産技術は既存の製造プロセスの改善と効率化に焦点を当てるのに対し、プロセス開発は新しい製品や製造プロセスの開発と最適化に重点を置いているという違いがあります。

具体的なプロセス開発の仕事内容は、以下のようになります。

プロセス開発

製造方法や工程の設計・試作品の製造と評価・製造プロセスのスケーラビリティや安定性の確認など

生産技術職については以下の記事でも説明しています。参考にしてください。

生産技術職の年収は?

生産技術職の年収は?

生産技術職の年収を紹介します。

平均年収は450万~470万円

生産技術職は業界や企業によって仕事内容も異なり、それに合わせて年収も異なります。また、地域によっても異なります。

その上で、転職サービスなどの情報から総合すると、平均的な年収額は450万円〜470万円になります。

企業規模別・年齢別平均年収  

次に、年収を企業規模別に見ていきましょう。一般に企業規模が大きくなればなるほど年収は高くなるという傾向があります。

【大企業の生産技術職の平均給与例】

トヨタ自動車の生産技術職の平均年収:805万円(参考:indeed

コマツ製作所の生産技術職の平均年収:683万円(参考:openwork

中小企業は年代もあわせて見ていきましょう。

【中小企業の年齢別平均給与】

・20代:380万円~400万円
・30代:450万円~600万円
・40代:500万円~750万円 

 (参考:タイズ

他業種の年収については次の記事でも詳しく説明しています。参考にしてください。

生産技術職のキャリアプランは?

生産技術職のキャリアプランは?

生産技術職の一般的なキャリアプランを紹介します。生産技術職を検討する際の参考にしてください。

20代(入社~5、6年目)

入社してから5、6年間は、次の点を重視し、キャリアを重ねます。

専門知識の習得とスキルの蓄積

20代は専門分野の基礎知識を獲得し、技術的なスキルを磨く重要な時期です。製造プロセスや生産設備に関する理解を深め、生産技術に必要なCADを修得したり、情報処理技術者の資格取得を目指したりします。

実務経験の積み重ね

OJT含め、最初の数年は工場の生産ラインに配属されるケースも多くあります。生産ラインやさまざまな設備の運用、生産プロセスの改善プロジェクトへの参加など、実践的な経験を積む時期です。積極的に学び、手を動かしながら経験を積み重ねます。

キャリアの方向性の確立

20代後半は自身の興味・適性・キャリアの方向性を明確にし、将来のキャリアプランを具体化する時期です。自社で生産技術職の経験を重ねるか、別の業界や技術領域で幅広い経験を積むかなどを検討します。

30代(入社10年目前後)

30代に入ると生産技術職として、現場の中心としての役割が期待されると同時に後進の育成などの役割も求められます。

専門性の深化とリーダーシップの発展

30代で、生産技術職としての実践的な深い知識と、専門的な経験を積み重ねます。プロジェクトリーダーやチームリーダーとしての役割を果たし、他のメンバーを指導・育成する機会を活用します。

プロジェクトマネジメント能力の強化

新製品の製造などのプロジェクトマネジメントや遂行に携わり、タイムラインや予算の管理、チームの調整など、プロジェクトマネジメント能力を磨きます。

キャリアの発展とリーダーシップ能力の獲得

30代後半には、マネージャーや部門責任者などのリーダーシップポジションを目指します。昇進やキャリアのステップアップを意識し、生産技術者マネジメントスキル資格認定試験(CPE試験)のB級取得を目指す技術者も多いです。

40代以上(入社20年目以降)

40代以降は、自身のキャリアの成熟期に入ります。企業内で責任あるポジションに就き、企業が発展を続ける方向性を模索します。

経営戦略の視点と組織全体への貢献

40代以上では、経営戦略の視点やビジョンを踏まえ、生産プロセスの革新や業績向上に取り組みます。

スキル継承に組織的に取り組む

新入社員や非正規社員を効果的に指導するために、指導者の育成を行います。メンターシップや指導を通じて、次世代のリーダーを育てます。

生産技術職の将来性は?

生産技術職の将来性は?

生産技術職は日本のものづくりの土台を支えるものです。将来性を次の3つの観点から見ていきましょう。

DX化の中心的役割を果たす生産技術職  

製造業界では、IoT(Internet of Things)・ビッグデータ分析・自動化・ロボティクスなどのテクノロジーを活用した生産プロセスの最適化や効率化が進んでいます。大企業から始まったDX化の流れは、中小企業にも及び、DX化を進め、生産性を高めることが最優先課題とされています。生産技術職はこれらのテクノロジーを導入し、生産ラインの改善やスマート工場の構築などの役割を担うことが期待されています。

AI時代でも生産技術職のニーズは増加

製造現場では、AI(人工知能)や機械学習などの技術が急速に導入されています。AI導入や、AIを活用した設備設計などを担う生産技術職のニーズも増加しているのが現在の流れです。AIを活用した生産プロセスの最適化や予測メンテナンス、自律型ロボットの導入など、AI時代においても生産技術職は製造業の生産性向上や競争力向上に重要な役割を果たします。

海外でも活躍できる生産技術職

製造業では、事業規模がそれほど大きくなくても、海外に生産拠点を持つ企業が多くあります。生産技術職は、海外での生産設備の立ち上げ・管理・グローバルな生産ネットワークの最適化など多様な業務を行っています。グローバル化が進む中で、今後、製造業が国境を越えたビジネス展開を行うことは一層増えていくでしょう。生産技術職は、グローバルな製造ネットワークの構築などを通じて、国際的な活動に貢献することが求められます。

生産技術職で成長し続けるために必要なもの

生産技術職で成長し続けるために必要なもの

生産技術職として成長し続けるには次の3点が重要です。

資格・スキルを身につける  

成長を続けるためには、勉強とスキルの蓄積が必要です。資格取得は成長を形にすることで、給与や役職に反映され、モチベーションを高める役に立ちます。

生産技術職のスキルアップに役立つ資格として、次のものがあります。

CAD利用技術試験

CAD(Computer Aided Design )を利用して、設計・製図を行うスキルを測る試験です。2次元と3次元があり、それぞれ1級・2級があります。

情報処理技術者

情報処理の知識・技術を備えていることを証明する資格です。13種類の資格があります。

機械保全技能検定

機械の保全に関する知識・技術を備えていることを証明できます。1級から3級まであります。

生産技術者マネジメントスキル資格認定試験(CPE試験)

製造業の多くで導入されています。CPE-B級とより上級の技能を持つことを示すCPE-ME試験があります。

TOEIC

実用英語のスキルを測る試験です。海外での仕事を目指す上で、必要な英語能力を示すことができます。

転職する

成長を目指すためには、より大きな舞台や最先端の分野で事業を行っている企業や業界に転職することも有効です。異なる企業や業界での経験は、幅広い視野を持つことにもつながります。

海外を目指す

国際的な視野を持ち、海外での経験を積むことも成長のために重要です。自社の海外拠点で勤務するだけでなく海外資本の企業での勤務経験は、日本企業とまったく異なる知識・スキル・思考法を身につける機会となります。

年収・将来性の高い生産技術職を目指そう

本記事では生産技術職での年収やキャリアプラン、将来性を紹介しました。

生産技術職は、生産分野で最も需要が高まっている職種です。技術の進化が速い製造業において、生産工法・工程を設計する生産技術職は年収の面でも高くなっています。

将来性の高い生産技術職で、さらに年収を上げていくためにも、スキルアップを続けましょう。本記事ではスキルアップの目安となる資格も紹介しました。

また、TECH OFFERに登録することで、自分に合った企業と知り合えます。日本のものづくりを支えるメーカーの中には、BtoB企業(法人を顧客とする企業)も多く、一般消費者への知名度が低くても優良なメーカーが数多くあります。

今すぐ無料登録し、生産技術職を募集している企業からのオファーを受けてください。

▼あなたに合った企業の情報が届く▼
TECH OFFERで優良オファーを受け取る