こんにちは。理系就活情報局です。

大学院に進学すると、修士課程(master’s course)では修士号を、博士課程(doctoral course)では博士号を取得します。

中には、名刺や英文メールでやり取りをしたときに、「Ph.D.」という表記を目にした方もいるかもしれません。

「何となく見てたけど、つまりこれってどういう意味?」と疑問に思っている理系学生に向けて、今回は「Ph.D.」の概要や進学するなら知っておきたい読み方を解説します!

大学院進学を検討している理系学生の方は、ぜひ参考にしてみてください!

「Ph.D.」とは博士号

「Ph.D.」を略さずに書くと、「Doctor of Philosophy」=博士号となります。
読み方は、文字通りピー・エッチ・ディーです。

博士号を取得したという英文で用いられるほかに、名前に添えることで博士号取得者であることを示す時などに使われます。

参考:デジタル大辞泉「Ph.D.」の解説

Ph.D.の語源

「Doctor of Philosophy」は、直訳すると「哲学博士」という意味です。
語源をたどると、ラテン語のPhilosophiae Doctorに行きつきます。

ラテン語は、発展する段階でギリシア語から語彙を多分に借用した言語で、ラテン語の「Philosophiae」と古代ギリシア語の「philosophia」もよく似た単語です。

古代ギリシア語「philosophia(哲学)」の原義は「知恵を愛すること」であり、哲学とは理性的による判断と内的思索によって論理的に発展させる知恵学問全般を意味することばでした。

語源をたどると、なぜ博士号取得者が専攻分野を問わず「Doctor of Philosophy」と呼ばれるのかが理解できたと思います。

参考:日本大百科全書「ラテン語」の解説/世界大百科事典内のphilosophiaの言及

日本のPh.D.保持者数

文部科学省 科学技術・学術政策研究所 「科学技術指標2021」によると、日本のPh.D. 保持者数は以下の通りです。

・男性研究者総数783,253人のうち、博士号保持者は 147,810人。
・女性研究者総数158,927人のうち、博士号保持者は 33,133人。

引用:文部科学省 科学技術・学術政策研究所 「科学技術指標2021」 2-1-13 日本の男女別研究者数と博士号保持者の状況(2020 年)

また、同資料の「日本と米国における部門別博士号所持者」によれば、日本の博士号保持者180,943人に対し、米国は540,350人と大幅に開きがあります。

こうした現状には、博士課程まで進むために必要な経済的負担や、修了後のポストが少なく安定した研究職として雇用されづらいことが影響しています。

文部科学省も、主要国の中で日本の博士号取得者数が減少傾向にあることに危機感を感じて、博士課程学生支援の施策を行っています。

これから博士課程を目指す人は、公的な支援も積極的に活用しながらキャリア形成を行っていくと良いでしょう。
(参考:文部科学省 科学技術・学術政策局「博士課程学生への支援について」)

Ph.D.・Dr.・ポスドクの違い

「Ph.D.(博士号)とは何か?」から「現在の日本における博士課程保持者数」まで、確認しました。

Ph.D.(博士号)について基本的な情報を確認したところで、よく似ている略称を把握していきましょう。

Dr. と Ph.D.はニュアンスが異なる

「Dr. 」と 「Ph.D.」は、一見同じものを指しているように見えるため、混同されやすい略称です。

「Dr. 」も博士号を示す略称ですが、この語の範囲には医者という意味が含まれます。
「Dr. 」を名乗っても間違いではありませんが、医者と混同される可能性があることを念頭に置いておきましょう。

日本で博士号を取得した場合は、Ph.D. を名乗る方が他者から誤解されることが少ないと言えます。

ちなみに、医学部医学科を修了した人の略称は別にあり、「M.D.(Doctor of Medicine)」となります。大学院博士課程を修了すると「Ph.D」を名乗るのは、医学部も同じです。

ポスドクとの違い

「Ph.D.」と「ポスドク」は、共に「大学院博士課程を修了した人」を指す略称のため、しばしば混同されます。

この2つの違いは、下記で覚え分けるようにしましょう。

・Ph.D.:博士号を取得した人
・ポスドク:博士号を取得した上で、任期制の研究職で働いている人

ポスドクの方は、大学院修了後の進路も含んだ略称になります。

Ph.D.はメールや名刺で使用する

Ph.D.は、博士号取得後、メールや名刺で使用します。

国外の研究者とやりとりすることも増えますし、メールの署名に加えておくと一目で博士号取得者であることが相手に伝わります。

(参考:東京医科大学「Business Card Guidelines」

Ph.D.の表記方法

基本的に、Ph.D.は名前の後に表記します。
名前とPh.D.の間は、ブランクもしくはカンマを挿入してください。

助教や准教授などの役職に就いている場合は、その後にポスト名を添えると分かりやすいでしょう。

(名前), Ph.D. ,(役職)

以下は、メール署名でPh.D.を使用する例です。


Aiko Tanaka,Ph.D., Associate Professor
Graduate School of ◎◎◎◎ Sciences
University
◎◎◎◎, ◎◎◎◎, 502, ◎◎◎◎, 5-1-5
◎◎◎◎,, Tokyo ◎◎◎-◎◎◎◎, JAPAN
tel. +81-4-◎◎◎◎,-◎◎◎◎,
fax. +81-4-◎◎◎◎,-◎◎◎◎,

aikotanaka@s.tech-offer.ac.jp


英語でのメールのやりとりが増えてきたら、署名を登録しておきましょう。

また、大学院以降は研究者間のやりとりのために名刺を作ると便利です。
名刺作成サービスや印刷会社のHPには、英語名刺の表記法なども記載されていますので、参考にしてみましょう。

参考:東京大学 総合研究博物館 放射性炭素年代測定室「電子メールの注意点」
参考:SPEED名刺館「名刺の英語表記」

関連記事:就活メールでの署名の書き方は?テンプレートや理系就活でのマナーも紹介!

その他の学位の英語表記

ここまで、Ph.D.を取り上げてきました。
博士号以外の学位の英語表記もご紹介します。

・理学系の学士号:B.S.(Bachelor of Science)
・理学系の修士号:M.S. (Master of Science)

大学や研究室によっては、英語表記のルールを設けていることがあります。
英語でのやりとりが増えてきたら、一度自分の署名や名刺をチェックしてもらうのもオススメです。

これだけは知っておきたいポイント(まとめ)

この記事では、「「Ph.D.」の概要や進学するなら知っておきたい読み方を解説」について解説してきました。

重要なポイントをおさらいします。

・「Ph.D.」とは博士号のこと

・Ph.D.・Dr.・ポスドクの違い
 ①Dr. と Ph.D.はニュアンスが異なる
 ②ポスドクとの違い

・Ph.D.はどんな時に使う?
 ①メールや名刺で使用する

・Ph.D.の表記方法
 ①Ph.D.の表記方法
 ②その他の学位の英語表記