「志望企業の社員に話を聞きたいものの、大学や研究室に該当する先輩がいない」「研究や実験が忙しく、OB・OGを探す時間が取れない」と悩んでいる理系就活生もいるのではないでしょうか。
OB訪問アプリを使えば、所属大学や居住地にかかわらず、興味のある企業や職種で働く社会人を探せます。本記事では3つのOB訪問アプリの違いや選び方、利用手順、安全に使うための注意点を解説します。自分に合うアプリを見つけ、企業研究や職種研究に役立ててください。
OB訪問アプリの選び方

1. OB・OGとつながりやすい
OB訪問アプリは、OB・OGと会うためのアプリであるため、つながりやすさを最優先にしてアプリを選びましょう。
同じOB訪問アプリでも、自分と出身大学が同じOBしかつながれないアプリがあり、アプリによって出会えるOB・OGの範囲が異なります。
OB訪問アプリで、志望企業で働く方の声を聞くためには以下の項目を比較して、アプリを選ぶとよいでしょう。
- ・自分が会いたい先輩を見つけられる
- ・同じ大学の先輩の登録数が多い
またOB訪問アプリによって、検索項目が異なっているため、使いやすさやOBの探しやすさも比較ポイントです。
2. 新卒向けのアプリである
OB訪問アプリの中には、社会人も使えるOB訪問アプリもありますが、新卒向けのアプリを選びましょう。
同じOB訪問アプリでも、以下のように新卒向けと社会人向けでは用途が異なります。
- ・新卒向けのOB訪問アプリ:選考対策や企業研究が目的
- ・社会人向けのOB訪問アプリ:転職時の選考対策や企業研究、人脈形成が目的
3. OB訪問アプリとして使いやすい
OB・OG訪問を実現するにあたり、頻繁にアプリを使うため、使いやすさもアプリを選ぶポイントになります。
忙しい理系学生にとって、使いにくいアプリは貴重な時間を食うだけでなく、ストレスになります。
使いやすさだけでなく、アプリとしての機能性も、選定する上で見逃せないポイントです。
たとえば、企業規模での検索や公務員など幅広い職種が検索できると、さまざまな方から話を伺える可能性が広がります。
また、OB訪問アプリとして以下の点に力が入っていると充実したOB訪問につながるため、チェックすべきポイントです。
- ・登録している先輩のプロフィール情報や経歴
- ・当日どんな話を聞けるか事前にわかる
- ・OB・OGとマッチング精度を上げるための工夫がある
他にもOB訪問とは別に、利用者限定のイベントやスカウトサービス、就活対策サービスなどがあるアプリもよいでしょう。
OB訪問だけでなく、就活全体を通してサポートしてもらえるため、就活を有利に進めやすくなります。
OB訪問アプリおすすめ人気ランキング

ここからは、就活生に人気のOB訪問アプリをランキング形式で紹介します。以下では、各サービスを横並びで判断できるように比較表を追加しました。
| アプリ | 主な特徴 | 向いている学生 | 安全対策・確認項目 | 注意点 |
| Matcher | 大学を問わず社会人を探せる | 地方学生、志望企業に大学の先輩がいない学生 | 本人・所属確認済みかをマークで確認できる | 未確認の社会人も登録している |
| ビズリーチ・キャンパス | 大学別のサービスで、オンライン訪問やスカウトにも対応 | 同じ大学の先輩や大手企業の社員を探したい学生 | サービス内で訪問依頼からオンライン面談まで完結 | 対象大学でなければ一部機能を利用できない |
| OBトーク | 選択式の初回メッセージで依頼しやすい | 社会人への連絡文を作るのが苦手な学生 | 社会人は本人・所属確認書類の提出が必須 | 社会人向けの一部機能は有料 |
なお、本記事では、以下の5項目を基準にOB訪問アプリを比較しています。
- ・所属大学にかかわらず利用できるか
- ・希望する企業や職種の社会人を探しやすいか
- ・本人確認・所属確認などの安全対策があるか
- ・オンラインでOB訪問ができるか
- ・OB訪問以外の就活支援機能があるか
登録者数だけでなく、利用条件や安全対策も確認し、自分の目的に合うアプリを選ぶことが大切です。
1位:Matcher
おすすめのOB訪問アプリ1位は、大学問わずOB訪問ができる「Matcher」です。
Matcherは、所属大学を問わず、興味のある企業や職種で働く社会人へ訪問を申し込めるOB訪問アプリです。4万7,000人を超える社会人が登録し、累計マッチング数は130万件を超えています。志望企業に同じ大学の先輩がいない学生や、地方に住んでいて大学のネットワークを利用しにくい学生にも適したアプリです。
社会人のプロフィールには、本人・所属企業の確認状況を示すマークがあります。緑色は身分証明書を提出した確認済みユーザー、グレーは未確認ユーザーとユーザー属性を判断しやすいため、初めてでも安心して利用できます。
2位:ビズリーチ・キャンパス
おすすめのOB訪問アプリ2位は、自分に合うOBとマッチする「ビズリーチ・キャンパス」です。
ビズリーチ・キャンパスは、大学別に提供されている就活・キャリア選択支援サービスです。
国内123大学と海外大学が対象で、大学ごとの専用サービスであるため、出身学部や学生時代の活動など共通点のある先輩を探しやすい点が特徴です。OB・OGの検索や訪問依頼、メッセージ、オンライン面談までサービス内で完結できます。
OB訪問のほか、企業からのスカウト・就活イベント・インターンシップ・選考対策講座なども提供されています。同じ大学の先輩から話を聞きながら、就活全体を進めたい学生に向いているでしょう。
3位:OBトーク
おすすめのOB訪問アプリ3位は、選択式メッセージで簡単にやり取りできる「OBトーク」です。
初回のメッセージは選択式になっているため、「失礼のない依頼文を作れるか不安」という学生でも連絡を始めやすいでしょう。
過去のコメントを確認できるほか、社会人は本人確認書類と所属確認書類の提出が必須です。メッセージのNGワード確認や通報内容の調査など、安全対策も設けられています。
また、短い質問であれば、実際に面談せずに投稿やメッセージで相談することも可能です。
OB訪問アプリの使い方

ステップ1. OB訪問したい人を見つける
まずはアプリを使い、会ってみたいOBを見つけましょう。
アプリの検索機能で業界や職種、相談したいことを軸に該当者を絞り込みます。
レビュー評価の機能があれば、記載されたレビューも参考に該当者を絞り込むとよいでしょう。
候補者が複数人いる場合は、「業界」「職種」「相談したい事」「レビュー評価」を基に優先順位を設定しておきます。
最優先に会いたいOBとスケジュールが合わない場合に備えて、候補者をメモしておきましょう。
希望条件に完全に一致するOB・OGが見つからない場合は、直感だけで選ぶのではなく、優先する条件を2~3つに絞って探しましょう。
理系学生の場合は、次の条件から優先順位を付けると、目的に合う社会人を見つけやすくなります。
- ・自分と同じ専攻・研究分野を経験している
- ・研究開発職、設計職、生産技術職、技術営業職などの希望職種で働いている
- ・修士・博士課程を修了している
- ・大学での研究と現在の業務が近い
- ・希望する勤務地・研究所・事業所で働いている
志望企業に該当者がいない場合は、同じ業界や職種で働く社会人まで検索範囲を広げる方法もあります。
ステップ2. OB訪問の依頼をする
会ってみたいOBが決まったら、次はOB訪問の打診を行います。
アプリのプロフィールから訪問依頼の申請を行い、OBから承認を受けるとチャットルームでのやり取りが可能になります。
社会人とのやり取りは緊張しますが、以下の項目を伝えて、シンプルなコミュニケーションを意識しましょう。
- ・簡単な自己紹介
- ・会ってみたい理由
- ・OB訪問を通じて何を教えて欲しいのか
訪問のスケジュール調整をする際は、マナーとして依頼者(学生)から進めていくようにします。
スケジュールは直近ではなく、1~2週間後を目安に日程を提示します。
ステップ3. 質問を準備する
OB訪問をより有意義なものにするために、あらかじめ質問を準備しておきましょう。
理系学生・社会人の双方とも、貴重な時間を削っているため、より身のあるものにするためにも事前の準備は必要です。
質問数は、面談時間に合わせて調整しましょう。30分の面談であれば特に聞きたい質問を5~7問程度、60分であれば8~10問程度用意するのが一つの目安です。
すべてを質問しようとすると会話が一問一答になりやすいため、必ず聞きたい質問と、時間が余った場合に聞く質問を分けておきましょう。
なお、理系学生の場合は以下のような専攻や研究経験と実際の仕事とのつながりを質問すると入社後の働き方をイメージしやすくなります。
- ・大学・大学院での研究内容は、現在の業務にどの程度生かされていますか
- ・研究開発職のテーマや配属先はどのように決まりますか
- ・修士と博士では、入社後の役割やキャリアに違いがありますか
- ・実験・学会と就職活動をどのように両立しましたか
- ・技術面接では研究内容のどこを評価されましたか
- ・研究職以外には、どのような理系職種がありますか
質問リストは事前に送付し、「特に伺いたい内容」を3つ程度伝えておくと、OB・OGも回答を準備しやすくなります。
ステップ4. OB訪問をする
調整した日程までに訪問の準備を済ませておき、実際にOBを訪ねます。
OB・OGを訪ねる際、ビジネスマナーとして時間は厳守しましょう。
早めの到着が難しい場合は、10分前には待ち合わせ場所に到着するようにします。
OB訪問がオンラインで行われる場合は、快適に打ち合わせができるように、事前に通信環境をチェックしておきます。
面談中は、「言葉遣いや目を合わせる」「適度に相槌を打つ」などマナー面に配慮しつつ、メモを取ることを忘れないようにしましょう。
ステップ5. お礼の連絡をする
OB訪問を終えた後は、お礼の連絡を送ります。
連絡のタイミングは当日中に送るのがベストであり、遅くとも翌日の午前中には送りましょう。
連絡の内容は、以下のように感謝の気持ちと面会を通じて得た気づきを記載します。
本日はお忙しい中にもかかわらず、私のために貴重な時間をお取りいただき、誠にありがとうございました。
お話を伺えたことで、業界に対する知識が深まると同時に、さまざまな疑問点が解消できました。
伺ったお話のなかでも、業界特有の働き方や業界の構造については大変勉強になりました。
今後また、ご相談させていただく機会があるかと存じますが、その際もご指導のほど、よろしくお願いいたします。
OB訪問アプリを利用する際の注意点

これまで、「OB訪問アプリの選び方」から「OB訪問アプリの使い方」まで解説してきました。
さっそくアプリを活用してOB訪問をしようと思っている方に向けて、最後にOB訪問アプリを利用する際の注意点を解説します。
自分のプロフィール欄を充実させる
OB訪問アプリを使う時に気をつけたいポイント1つ目は、自分のプロフィール欄を充実させておくことです。
会いたいOB・OGがいたとしても自分のプロフィールが空白ばかりでは、どのような人物かわからないため、先方は会う気にならないでしょう。
プロフィール欄を充実させておき、先方が自分に会いたいと思ってもらえるようにアピールします。
具体的には、訪問を通じて相談したいことや自身の人柄、就活に対する熱意を記載しておくと充実したプロフィール欄になります。
なお、理系学生の場合は、大学名や学年だけでなく専攻・研究テーマ・希望業界・希望職種も記載しましょう。
たとえば、以下のように具体的にプロフィールを書くことで、OB・OGが相談内容を判断しやすくなります。
「化学系の研究室で電池材料を研究しており、素材メーカーの研究開発職について伺いたい」
ただし、未発表の研究データや共同研究先の情報など、公開できない内容はプロフィールに記載しないよう注意してください。
OB訪問の目的を明確にする
OB訪問アプリを使う時に気をつけたいポイント2つ目は、目的を明確にしておくことです。
「いざ会ったときに何を質問するのか」「どういう話がしたいのか」がぼんやりしたままでは、ただ訪問するだけになってしまいます。
業界・企業研究、企業へのアピールなど、OB訪問の目的を明確にして、コンタクトをとることで、充実したOB訪問になります。
OB訪問では、企業の公式サイトや就職四季報を読めば分かる情報ではなく、実際に働いている人だからこそ分かる内容を質問しましょう。
理系学生の場合は、以下の点を確認すると、企業や職種への理解が深まります。
- ・具体的な仕事内容
- ・研究テーマの決まり方
- ・研究設備や開発環境
- ・部署・職種への配属の仕組み
- ・勤務地や転勤の可能性
- ・大学院での専攻と実際の業務との関係
「企業研究を深めたい」「職種の適性を判断したい」「志望動機の材料を集めたい」など、訪問の目的を1つに絞ってから質問を準備してください。
事前に質問リストを作成し、順序だてて質問する練習をしておくことをおすすめします。
相手に評価されているという意識を持つ
OB訪問アプリを使う時に気をつけたいポイント3つ目は、相手に評価されている意識を持つことです。
後輩からの訪問を、OB・OGが純粋な善意で受けているパターンもあれば、採用活動に協力する形で応じているケースもあります。
すべてのOB訪問が企業の選考に直結するとは限りません。一方で、企業公認のOB・OGや採用活動に関わる社員と面談する場合は、訪問時の言葉遣いや準備状況が印象として共有される可能性があります。
選考への影響を過度に恐れる必要はありませんが、「約束の時間を守る」「丁寧にお礼を伝える」といった基本的なマナーを意識しましょう。
OB訪問でも気を抜かず、常に評価されているという意識を持って臨みましょう。
情報を鵜呑みにしすぎない
OB訪問アプリを使う時に気をつけたいポイント4つ目は、情報を鵜吞みにしすぎないことです。
OB・OGから得た情報は、その人の所属部署・職種・勤務地・入社年度などによって異なります。
特に研究開発職や技術職は、同じ企業でも事業部や研究所によって仕事内容や働き方が大きく異なる場合があります。一人の回答を企業全体の実態として捉えず、可能であれば所属部署や年次の異なる複数人に話を聞きましょう。
なお、採用人数・選考方法・制度・勤務地などの客観的な情報は、企業の採用サイトや募集要項でも確認してください。「社員の体験談」と「企業が公表している事実」を分けて整理することが重要です。
オンライン通話や昼の時間に会う
OB訪問アプリを使う時に気をつけたいポイント5つ目は、オンライン通話を活用するか昼の時間帯に会うことです。
オンラインであれば、移動時間や交通費を抑えられるため、研究や実験で忙しい理系学生も日程を調整しやすくなります。
対面で会う場合は、昼間の時間帯に、カフェや大学内など人目のある場所を選びましょう。自宅・ホテル・カラオケルームなどの個室や、飲酒を伴う面談は避けてください。
また、次の点も意識しましょう。
- ・家族や友人に日時と場所を共有する
- ・アプリ外で必要以上の個人情報を伝えない
- ・不自然な勧誘や個人的な誘いには応じない
- ・不安を感じた場合は面談を中止し、運営へ通報する
なお、サービスごとに面談ルールが異なるため注意が必要です。ビズリーチ・キャンパスでは、一般OB・OGや内定者との面談は原則オンラインとされています。OBトークでも、個室での面談、夜9時以降の待ち合わせ、面談時の飲酒は禁止されています。
OB訪問でよくある質問

OB訪問をする必要はある?
OB訪問は、就職活動で必ず行わなければならないものではありません。
ただし、企業の公式サイトだけでは分かりにくい仕事内容・職場の雰囲気・配属・キャリアなどを確認できるメリットがあります。
特に理系学生は、専攻や研究経験が実際の仕事でどのように生かされるかを判断しにくい場合があります。研究開発職や技術職の仕事内容を具体的に知りたい人は、OB訪問を活用するとよいでしょう。
OB訪問アプリは無料?
新卒向けのOB訪問アプリは、基本的に完全無料で利用できます。
アプリの運営費は企業側や広告費で賄われています。
OB訪問できる先輩がいない時はどうすれば良い?
志望企業に同じ大学の先輩がいない場合は、大学を問わず利用できるOB訪問アプリを活用しましょう。
志望企業の社員が見つからないときは、次のように検索条件を広げる方法があります。
- ・同じ業界の別企業で働く人を探す
- ・希望する職種で働く人を探す
- ・自分と近い専攻・研究分野の人を探す
- ・大学のキャリアセンターへ相談する
- ・企業説明会やインターンシップで社員へ相談する
企業名だけに絞らず、業界・職種・専攻を軸に探すことで、就職活動に役立つ情報を得られる可能性があります。
まとめ
OB訪問アプリを利用すれば、志望企業に同じ大学の先輩がいない場合でも、興味のある業界や職種で働く社会人を探せます。
アプリを選ぶ際は登録者数だけでなく対象大学や検索機能、本人・所属確認、オンライン面談への対応なども確認することが大切です。
理系学生は、企業名だけでなく専攻・研究分野・希望職種を軸に訪問相手を探すと、大学での経験と入社後の仕事とのつながりを確認しやすくなります。
OB・OGから得た情報を一つの意見として整理し、企業の公式情報やほかの社員の話とも照らし合わせながら、自分に合う企業・職種を判断しましょう。

