就職活動でアピールする要素として「忍耐力」を検討している方は多いのではないでしょうか。忍耐力は自己PRで伝えやすい強みですが、企業側にうまく伝えるためには工夫が求められます。また、伝え方を間違うとネガティブな印象を与えるため注意が必要です。この記事では、自己PRでお悩みの理系学生の方に向け、忍耐力のアピール方法について解説します。参考にしていただける例文も紹介しますので、就職活動にぜひお役立てください。

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就活の自己PRに使える忍耐力とは

就活の自己PRに使える忍耐力とは

就活で忍耐力をアピールするためには、忍耐力の正確な意味についてイメージしておく必要があります。一般的な忍耐力の意味や、企業の採用活動において忍耐力のある応募者が求められている理由について解説します。

忍耐力の意味

まずは、忍耐力の一般的な意味について簡単に理解しておきましょう。忍耐力とは、その名のとおり「耐え忍ぶ能力」のこと。困難や逆境といったさまざまなつらい状況に耐えられる力を意味します。定義上は体力に対しても使えますが、人柄やメンタリティを指す言葉として使われるのが一般的です。

「我慢できる」とも言い換えられますが、こちらは少し受け身なニュアンスを含みます。忍耐力は状況に耐えた上で、毎日の業務や設定している目標に対し、行動し続けられる力を指して使われます。

仕事を含め、日々は順風満帆に進むことはありません。時には、大きな困難に立ち向かわなければならないこともあります。そうした状況に対してもあきらめず、やらなければならないことをやり遂げる力として、忍耐力という言葉が使われます。

自己PRで「忍耐力」はアピールしても良い?

就職活動の自己PRで忍耐力をアピールポイントとして紹介しても問題ないのでしょうか。結論から言えば、忍耐力はどういった企業でも重宝されやすい強みのため、自己PRとしてアピールできます。

企業は、一度採用した人材には、長く働いてもらいたいと期待しています。一方で、社内の業務ではトラブルが生じたり、ストレスがかかったりすることも少なくありません。忍耐力を長所としてうまくアピールできれば、採用担当者に「この就活生は長く働いてくれそうだ」と評価してもらえるかもしれません。そのためには、具体的なエピソードを準備する必要があります。

企業が求める「忍耐力」の特徴

企業が求める「忍耐力」の特徴

ここからは、企業が新入社員に求めている「忍耐力」について、より詳細に分析していきます。企業に評価される忍耐力の特徴は、主に以下の3点です。

  • ・根気強く仕事に取り組める
  • ・困難な状況でもあきらめずにやり遂げられる
  • ・柔軟な思考で物事に取り組み、改善を続けられる

それぞれの特徴について解説しましょう。

根気強く仕事に取り組める

仕事に対して根気強く取り組めるスキルは、企業が求める忍耐力のなかでも重要な要素です。あらゆる業界において業務の中心となっているのは地道な作業です。刺激的で面白みのある仕事は決して多くありません。特に新入社員の場合、会社に馴染むためにもまずは基本的な仕事に従事することになります。

根気がなければ、こうした仕事に対して前向きに取り組めないかもしれません。また、自身がイメージしていた魅力的な業務との違いから、愚痴をこぼしてしまうことも考えられます。「つまらない」と感じたとしてもひとまずはやり遂げなければ、社会人としての成長は期待できないでしょう。

企業側からすれば、業務の内容にかかわらず真剣に仕事をしてもらうことは前提となります。そのため、採用活動では、仕事に飽きたり、不平不満を言ったりしない、持続力のある人材が求められています。

困難な状況でもあきらめずにやり遂げられる

困難を克服し与えられた仕事をやり遂げられる力も、企業が求める忍耐力のなかに含まれています。どんな場面でも逃げることなく前進し、最大限の力を発揮して目標達成を目指せる人材を、多くの企業が必要としています。実際の業務では、この能力を有していなければ困難な状況に陥ることがあるためです。

会社の業務はトラブルとストレスの連続です。顧客コミュニケーションでの齟齬、厳しい営業目標など、さまざまな困難な状況が訪れます。経験したことのないイレギュラーな事態に見舞われることも少なくありません。

解決するのが大変だからといって、途中で投げ出すのは問題外です。社会人として、責任感を持って仕事を終わらせる必要があります。社員は同じような状況のなか仕事をしているので、悪口を言って雰囲気を乱すこともNGです。

そのため、困難な状況への耐性である忍耐力を持った人材には大きなニーズがあります。特に新入社員の場合はひとまず長く働いてもらうことが求められるため、この忍耐力をアピールできれば他の応募者との差別化につながるでしょう。

柔軟な思考で物事に取り組み、改善を続けられる

「耐える」という忍耐力の定義からは少し離れますが、柔軟な思考で仕事に取り組み、失敗しても改善できる人材も求められています。具体的には、失敗後もすぐに立ち直り、学びを得て成長していける人材を指します。

仕事をするなかで、失敗はつきものです。失敗は失敗として受け止め、悩みすぎず創意工夫できる点を見つけることが大切です。とりわけ新入社員の場合、ある程度の失敗は当たり前のこととして認識されています。失敗を少なくすることよりも、失敗から積極的に学ぶ考え方のほうが重要といえるでしょう。

受け身の側面が強い忍耐力において、こうした姿勢は会社に直接貢献する要素として評価されます。また、単純な作業はAIに任せられる時代になっているため、人間ならではの成長性や柔軟性を持っていることは極めて重要といえます。困難を成長に転換する能力に自身がある場合は、履歴書や面接でアピールしましょう。

忍耐力をアピールする自己PRのポイント

忍耐力をアピールする自己PRのポイント

忍耐力を効果的にアピールするためには、いくつかのポイントがあります。あいまいな印象になりがちな忍耐力を明確に伝えるため、以下のようなアピール方法を意識してみましょう。

忍耐力の根拠となるエピソードを挙げる

単に「忍耐力があります」という伝え方では、採用担当者にはその強みがわかりません。忍耐力を証明するエピソードを挙げる必要があります。

自分の経験を丁寧に振り返り、忍耐力を発揮した具体的なエピソードをノートなどに書き出してみましょう。選考書類には、PREP法などでわかりやすく整理した上で記載します。面接などで話す場合も、理路整然と伝えるために文章としてあらかじめ書き出す作業は必ず行っておきましょう。

エピソードをまとめる際は、「客観的に忍耐力を説明できているかどうか」を慎重に判断しましょう。自分が「忍耐力をアピールできている」と思っていても、相手はそう受け取ってくれないことがあります。特に、ある程度長期的な困難を乗り越えたエピソードでなければ忍耐力として認めてもらえないケースがあるため注意が必要です。

経験から得た結果や学びを伝えることも重要です。複数ある場合は、特に学びが大きかった重要なエピソードをピックアップしましょう。

なぜ困難な状況に耐えることができたのかを考える

困難な状況に対して「なぜ耐え続けることできたのか」「なぜ耐えようと思ったのか」を明確に伝えることを意識してください。苦しい状況に耐えるなかでの思考や行動について具体的に書くことで、自分がどういった人間なのかをアピールしやすくなります。

企業は、応募者がどんなメンタリティで困難に対して立ち向かっているのか知りたがっています。今後起こり得る同じような困難を乗り越えられるのかどうか判断したいためです。応募者の特徴や価値観を知る判断材料ともなります。

その時の考えを添えて忍耐力のエピソードを伝えると、説得力が増します。当時の状況を振り返りながら、考えをまとめましょう。

数字を用いて定量的に伝えるようにする

定量的な情報は、忍耐力を具体的に示す指標となります。エピソードのなかには数字を交え、結果の大きさや努力の難易度などをなるべく定量的に表現しましょう。

例として、「資格取得のために勉強した」という伝え方では具体性を欠いています。対して、「資格取得のために、毎日◯時間勉強した」という伝え方は、忍耐力を具体的に示しています。「◯◯という目標を、◯◯という期間で達成した」など、過程と結果を定量的に伝えることも重要です。

就職活動で企業側に盛り込む情報は、誰が聞いてもわかるような具体性を持たせてください。そのためには、数字をうまく活用することがコツのひとつです。

志望企業で求められる人物像を知る

忍耐力のアピール内容と、企業が求めている人物像のマッチングについて慎重に考えましょう。企業によって求めている「忍耐力」の意味は異なります。自分がどれだけ忍耐力に自信があっても、その内容は企業側が求めている忍耐力とは違うかもしれません。

志望する企業が求めている人物像を把握し、適切にアピールする必要があります。そのためには、まず詳細な企業研究を行うことが重要です。求人情報や会社のホームページ、採用ページなどを参考にして、企業が忍耐力をどのように定義しているのかイメージしましょう。

その上で、企業に対して自分のどんな忍耐力がアピールできるのか考えてください。事務職、営業職、技術職、営業職など、応募職種別にニーズのある人物像を把握することが大切です。さらに、志望動機との整合性を意識することもポイントです。自分が面接官になったつもりで、「こんな忍耐力がある人材を求めていた」と思ってもらえるようなアピール内容を目指しましょう。

忍耐力をアピールする自己PRの注意点

忍耐力をアピールする自己PRの注意点

忍耐力のアピール方法によっては、印象を下げ、逆効果になってしまうことが考えられます。そんなケースを避けるために、忍耐力のアピールでは以下のような注意点を意識してみてください。

短所として捉えられないように伝える

「忍耐力」は、「じっと耐え忍ぶ力」「我慢する力」などと言い換えられます。言い方によっては、「困難に対して、ただ何もせずに耐える力」とネガティブな印象で捉えられることも少なくありません。「ただ耐えるだけでは、自社への貢献は期待できない」と評価されてしまう恐れがあります。

そのため、主体性や周りを巻き込む力、発信力といったように、積極的な面もアピールすると良いでしょう。「困難が過ぎ去るのをただ何もせずに待っていた」という印象に終始しないように、具体的に改善へ向けて行動したエピソードを盛り込んでください。

仕事でどう活かせるか伝える

自己PRで忍耐力をアピールするには再現性が重要です。忍耐力を発揮したエピソードだけを伝えても、採用にはつながりにくいでしょう。忍耐力を発揮できた理由やきっかけをわかりやすく説明することで、再現性を持たせることができます。

忍耐力が活かされた際の状況分析や自己分析を行い、採用後に忍耐力を活かしてどのような貢献ができるのか説明できるようにしましょう。応募職種の仕事を想定し、「例えば、貴社の業務のこんなシーンで忍耐力を活かせます」と伝えるのも効果的です。

「忍耐力」の言い換え表現を使う

就職活動・転職活動で忍耐力をアピールする場合は、「忍耐力」の言い換え表現を用意しておきましょう。

以下のような表現が「忍耐力」の言い換えとして用いられます。

  • ・あきらめない
  • ・継続力がある
  • ・何事も途中で投げ出さない
  • ・意志が強い
  • ・困難な状況でも前向きに考えられる
  • ・ストレス耐性が高い
  • ・慣れない環境にすばやく適応できる
  • ・工夫しながら困難に立ち向かえる

「忍耐力」という言葉は抽象的なため、伝えたいことが企業に伝わらない可能性があります。自己PRでは、具体性を持たせられるように別の言葉に言い換えると良いでしょう。「どんな困難も乗り越えられる」「物事をポジティブに捉えられる」など、自分の特徴や応募職種で求められている適性に応じて表現を使い分けてください。

【エピソード別】自己PRで「忍耐力」をアピールする例文

【エピソード別】自己PRで「忍耐力」をアピールする例文

最後に、自己PRで忍耐力をアピールするための文章を作成してみましょう。結論→エピソード→学んだこと→入社後にどう活かすか、の順番で話題を構成するとスムーズです。

就職活動がはじめての場合は、アピール文章の作り方がわからないかもしれません。以下では、理系の学部生を想定し、ゼミ・研究室、部活動・サークル活動、アルバイト・インターンシップなど学生時代の経験で忍耐力をアピールしている例文集を紹介します。

例文①:ゼミや研究室でのエピソード

私は、研究や課題に取り組むなかで培った忍耐力を強みとしています。特に、大学の研究室で行った実験プロジェクトでは、忍耐力が重要な役割を果たしました。私が取り組んだプロジェクトは、新しい化学反応を検証するもので、何度も失敗を重ねることが予想されていました。
最初の数カ月は、理論上うまくいくはずの実験が実際には結果を出さず、幾度も実験条件を見直し、データを再解析する必要がありました。あきらめずに問題点を洗い出し、仮説を立て直して実験を繰り返すなかで、徐々に成果が見え始めました。最終的には、望んでいた化学反応を成功させることができ、その結果を学会で発表する機会を得ました。
この経験を通じて、理論と実験が一致しない時にこそ、忍耐力を持って冷静に対応し、粘り強く取り組む姿勢が大切であることを学びました。今後も、困難な課題に直面した時に、この忍耐力を活かして解決策を見つけ出し、成果に結びつけていきたいと考えています。

例文②:部活やサークルでのエピソード

私は、部活動で養った忍耐力を御社の業務で活かしたいと考えています。私は写真部に所属しており、これまで多くの撮影プロジェクトや展示会の準備を行いました。この経験を通じて、忍耐力と細部に対するこだわりを養うことができました。
特に印象的だったのは、学外の大規模な写真展の準備です。このプロジェクトでは、限られた期間内で数十点の作品を選び、展示するためのレイアウトや構成を決定しなければなりませんでした。最初は順調に進むと思われたプロジェクトも、途中で予期しないトラブルが続発しました。例えば、展示用のプリントが遅延したり、展示スペースのレイアウトが突然変更されたりしました。
これらの問題に対処するために、私たちはチーム全員で柔軟な対応を心がけました。具体的には、プリントが遅れたことで新たにスケジュールを調整し、展示スペースの変更に対応するために、最適な配置を再検討しました。また、展示準備が遅れるなかでも、落ち着いて最善の解決策を模索し続けることで、最終的には予定通りに展示を成功させることができました。
この経験を通じて、予期しない問題が発生しても冷静に対応し、粘り強く解決策を見つけることがいかに重要かを実感しました。忍耐力を持って問題に取り組むことで、結果的に成功を収めることができました。
御社でも、この忍耐力と問題解決力を活かし、技術的な課題に対しても粘り強く取り組み、プロジェクトを成功に導くために貢献していきたいと考えています。

例文③:アルバイトやインターンシップでのエピソード

私はシステムエンジニアのインターンシップを経験し、そのなかで忍耐力を大いに発揮しました。このインターンシップでは、システムの設計から実装、テストまで幅広い業務に携わり、多くの課題に直面しました。
インターンシップでは、新しい機能の追加と既存システムとの統合を行うプロジェクトに参加しました。開発初期には、仕様変更や予期しないバグが続出し、プロジェクトの進行が大幅に遅れることがありました。特に、統合テストの段階で発生した複雑なバグの修正には時間と労力がかかり、解決には幾度となく試行錯誤を繰り返しました。
このような状況で、私が特に実感したのは冷静さと粘り強さの重要性です。問題を細分化し、根本原因を徹底的に追究することで、少しずつ解決に向かうことができました。また、チームメンバーと密に連携し、日々の進捗を報告することで、チーム全体の士気を維持しました。最終的には、プロジェクトを予定通りに完成させ、クライアントからも高い評価をいただくことができました。
この経験を通じて、システム開発において直面する複雑な問題や予期しない障害に対しても、忍耐強く取り組むことの重要性を学びました。御社でも、こうした忍耐力を活かして、システムの設計やトラブルシューティングにおいても粘り強く解決に取り組み、貢献していきたいと考えています。

自己PRで上手に忍耐力をアピールしよう

忍耐力をうまくアピールできれば、採用の確率は大幅に高まります。あいまいな印象になりやすい言葉のため、自己PRでは定量的な情報、言い換えなどで明確に伝えられるように意識しましょう。説得力を持たせるためには、エピソードが不可欠です。これまでの経験から、忍耐力を伝えられるようなエピソードを選び、話をまとめましょう。

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