ほとんどの場合、一次面接、二次面接とも、面接の終わりに就活生から面接官に対して、質問する機会が与えられます。これは、「逆質問」と呼ばれます。

別に質問をしなくても、質問しなかったことで評価が下がるわけではありません。しかし、採用に大きな影響力を持つ二次面接で、せっかくのチャンスを活かさないのは、もったいないと思いませんか?

本記事では、企業がなぜ逆質問を求めるかや、逆質問のメリット、二次面接の逆質問で押さえるべきポイントや、逆質問例を紹介します。

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新卒面接|一次と二次の違い

新卒面接|一次と二次の違い

新卒面接での一次と二次の違いを整理しておきましょう。

実施目的が違う

一次面接は、多数の応募者から後に続く二次面接、企業によっては三次(役員)面接に進む候補者を選抜することが目的です。企業側は、基本的な人物像や適性、資質を把握し、次の段階に進める人材を絞り込みます。

面接形式が違う

一次面接は、人数が多いことから、1人ひとりにかける時間が限られます。場合によっては、グループディスカッション形式や集団面接が取り入れられる場合もあります。基本は同じ質問をし、応募者間での相対的な評価がなされます。

二次面接は個別面接で、応募者に合わせた質問がなされます。1人ひとりの個性や能力、長所・短所を見極め、自社に適合した就活生を見出します。20分から30分かけて、就活生をじっくり評価します。

面接官が違う

一次面接の面接官は、人事部門の担当者が中心です。全社的な視点から基本的な人物評価を行います。

二次面接では採用部門や実際の配属先の上司や管理職が面接官となることが多く、その部門に必要なスキルや適性を具体的に確認します。

一次面接と二次面接の違いは、次の記事でも詳しく説明しています。

新卒面接|企業はなぜ逆質問を求めるのか?

新卒面接|企業はなぜ逆質問を求めるのか?

面接のプロセスの中で、最後に企業が求める逆質問。その目的はどこにあるのでしょうか?ここで企業の目的を整理しましょう。

就活生の志望度を知りたいから

逆質問を通して、就活生がその企業をどの程度、本気で志望しているかがわかります。自分に引き付けて、真剣に就職先として質問しているのか、単に確認したいだけなのかで、熱意の有無が伝わります。

企業は長く自社に貢献できる人材を望むため、この点を確認したいのです。

企業文化とのマッチングを確かめたいから

逆質問の内容次第で、就活生の価値観や関心事が見えてきます。その上で企業の文化や風土と合致するかどうかを判断する材料にしたいと考えています。マッチングがよければ将来的にも活躍が期待できます。

コミュニケーション力を把握したいから

逆質問を通して、就活生の質問力や表現力、相手の反応を見る力などコミュニケーション能力を判断します。

日常でも適切な質問をするのは、意外と難しいもの。意図がきちんと伝わる、コンパクトな質問は、コミュニケーション能力の指標となります。

また、聞く姿勢、受け取った回答をまとめる能力など、逆質問は、就活生のコミュニケーション能力を端的に示します。

逆質問で得られるメリット

逆質問で得られるメリット

逆質問によって、どのようなメリットが得られるかをまとめておきます。

自分のペースで進めることができる

逆質問の時間は、就活生が主導権を握れる貴重な機会です。自分のペースで質問でき、面接官の回答を受けて重要点を確認できます。

企業側の一方的な質問に、その場でとっさに判断し、回答しなければならなかったそれまでとは違って、事前準備ができ、落ち着いて自分の言葉で質問できるメリットがあります。

意欲や企業研究をアピールできる

就活生自身の意欲の高さや企業への関心の強さをうまくアピールできます。

例えば、具体的な業務内容や、企業や業界の将来ビジョンについて、深掘りした質問をすれば、自分なりに企業研究を行い、真剣に就職を考えているという姿勢が伝わります。

面接での不十分点をカバーできる

就活生が面接のプロセスで十分に伝えきれなかった点を、質問によって補完できます。

自己PRで十分に主張できなかった自分の強みを、「このような分野は今後どのような展開を考えておられますか?」といった形で質問できれば、面接官にも良いアピールになるでしょう。逆質問は、自分の強みを再度アピールできるチャンスともいえます。

二次面接の逆質問で押さえるべきポイント

二次面接の逆質問で押さえるべきポイント

では、実際に二次面接ではどのような逆質問をしたら良いのでしょうか。押さえるべきポイントを説明します。

意図が明確に伝わる質問にする

逆質問の時間は限られているため、質問は短く、何を聞いているのかが明確に伝わるようにします。

キャリアセンターの職員や家族、友人に逆質問を聞いてもらい、「質問の意図は伝わるか?」「答えやすい質問か?」を確認しましょう。

面接官に合わせる

一次面接は人事・採用部門だけで進めていることが一般的ですが、二次面接では人事・採用部門以外に、直接の受け入れ先となる技術部門の面接官が含まれます。

二次面接では技術的な質問に答えられる面接官も含まれているので、企業研究の成果や、自分の技術面をアピールしたい場合は、二次面接で行いましょう。逆に、企業での働き方などに関する質問は、一次面接で行うようにしましょう。

初歩的な質問は避ける

企業サイトや採用サイトを見ればわかるようなことや、初歩的な用語の質問は避けましょう。

ただ、初歩的な用語の質問でも、企業の仕事の根幹に関わる質問や、具体的な事例など、そこから広がりのある質問であれば、まったく問題はありません。

刺さる逆質問をするための準備

刺さる逆質問をするための準備

適切な逆質問をするためには準備が必要です。ここでは逆質問のための準備について説明します。

入念に企業分析を行う

逆質問の内容を考える上で、企業の事業内容、経営理念、強み・弱み、将来ビジョンなどを詳細に把握しておくことが不可欠です。企業の公式サイトや決算資料、業界情報などから、幅広く企業分析を行う必要があります。そうすることで、的確な質問ができ、企業への高い関心を印象づけられます。

企業研究の方法については、次の記事で詳しく説明しています。参考にしてください。

企業が求める人物像を明確にする

質問を通して自分の人となりをアピールするため、企業が求める人物像は何かを事前に確認しておきましょう。募集要項の情報や、一次面接での質問内容から、企業が重視する能力や資質を見極め、その点にフォーカスした質問を作成しましょう。

自分のアピールポイントを見定める

逆質問を効果的に活用するには、自分の長所や強みを事前に洗い出し、どの部分を面接でアピールするかを決めておく必要があります。質問の中で自分の経験や能力を自然に織り交ぜ、企業にとってプラスとなる人材であることをうまくアピールできるように準備しましょう。

二次面接でのテーマ別逆質問例20選

二次面接でのテーマ別逆質問例20選

二次面接では、受け入れ部門の担当者が列席しているため、二次面接での逆質問は、業務内容や業界に関連する質問や、職種の内容に関連する質問が適切です。また、自己PRにつながる質問や、それ以外の分野の質問でも、専門につながる質問がふさわしいでしょう。

ここではそのような観点を踏まえ、二次面接の逆質問例を紹介します。

企業での業務内容について 

企業の業務内容について、次のような質問が考えられます。

  • ・御社の主力製品である〇〇について教えてください。今後、通信システムが進化する中で、重要な役割を果たすのではないかと考えます。今後の展開や、この製品を軸とした新規事業の計画があればうかがいたいです。
  • ・〇〇に関して、御社の強みや競合他社との差別化ポイントを教えてください。
  • ・御社は現在、アジア地域を中心に、幅広く事業を展開しておられます。今後のグローバル展開は、どのように考えておられるでしょうか?
  • ・(上記に続いて)また、海外拠点での業務経験の機会はあるのでしょうか。

業界について

業界についての逆質問例を紹介します。

  • ・〇〇業界では、現在どのような課題や変革が求められていると考えておられますか?
  • ・御社は〇〇業界を牽引しておられる企業のひとつと考えます。現在のトレンドや、今後10年のうちに起こるであろう変化について教えていただけますか?
  • ・規制緩和や新技術の進展など、この業界に大きな影響を与える可能性のある要因はどのようなものがあると見られていますか?
  • ・顧客ニーズの変化や若年層の価値観の変化など、〇〇業界は大きな変化に直面していることが新聞や雑誌などで伝えられています。御社ではそのような変化にどのように対応していこうとお考えですか?

自分の志望する職種について

志望職種についての逆質問例を紹介します。

  • ・私は〇〇の経験があり、そこで△△のスキルを培いました。このスキルは今後、御社で〜の一員として貢献できるのではないかと考えているのですが、このほかに、求められるスキルや資質は何でしょうか?
  • ・配属が想定される部門の具体的な業務内容と1日の業務の流れを教えていただけますか?
  • ・長期的なキャリアビジョンを描く上で参考にしたいのですが、御社でエンジニアとして採用していただいた場合、一般的なキャリアパスを教えていただけますか?もしいくつかパターンがありましたら、合わせてご教示ください。
  • ・〇〇として、今後御社に貢献していくためには、つねにスキルアップが求められるのではないかと思います。その準備をするには、何から始めたら良いでしょうか?

自分の強みについて

自分の強みに関連した逆質問の例を紹介します。

  • ・プロジェクトマネジメントの仕事では、ITの知識のない人のニーズをくみ取る必要があり、コミュニケーション能力が求められるのではないかと考えています。私は過去にボランティア活動で高齢者と接した経験があり、そこで培った対人スキルは役立てるでしょうか?
  • ・チームワークやリーダーシップなど、この職種で特に重視される資質は何でしょうか?サークルでは定期演奏会の広報担当として、主導的役割を担い、20人の工法チームのマネジメントも経験しました。
  • ・私は機械学習の勉強のプロセスで、問題解決力や論理的思考力を徹底的に鍛えられました。この経験はどのようなケースで実践に活かせるのか、教えていただければありがたいです。
  • ・世界各地で働く機会があると伺いましたが、語学力や異文化適応力はどの程度必要とされますか?私は1年間の留学経験があり、できればその経験を活かしたいと考えています。

その他

  • ・御社のWebサイトを拝見し、CSR(企業の社会的責任)について、明確に打ち出している点に感銘を受けました。私の志望する〇〇の分野では、今後、どのような展開をされるご予定かご教示ください。
  • ・この仕事は緊急時など、深夜であっても即時的な対応が求められたりすることが多いのではないかと考えます。プライベートと両立が難しい部分はどのようなところでしょうか?勤務しておられる方は、ワークライフバランスをどのように保っておられるのでしょうか?
  • ・今後、中小企業を中心とした技術革新やデジタル化などが進行していくと思いますが、そのような中で、御社の果たす役割は大きいと思います。御社では今後、どのように取り組まれる予定ですか?
  • ・グローバル化の影響や、海外企業との競争など、御社では今後の国際化にどのように対応される予定ですか?

逆質問をする際の注意点

逆質問をする際の注意点

最後に逆質問を行う際の3点の注意点を挙げます。

持ち時間に注意する

逆質問は、最後の残った時間に設定されることが多いため、予め質問事項を絞り込み、要点をおさえた質問をする必要があります。前置きは省き、通常の回答と同様に結論ファーストで質問を作成しましょう。また、時間配分にも気をつけ、重要な質問から優先的に行うようにしましょう。時間を超過する質問は、失礼に当たるだけでなく、ほかの人の迷惑にもなります。

福利厚生に関する質問は避ける

給与水準や残業時間、有給休暇日数など、福利厚生面での質問は避けるのが賢明です。待遇面の質問が先行すると、仕事自体への関心よりも金銭的な部分に関心が高いように映りかねません。内定が出てから具体的に確認すべき事項です。また、深く個人的な事情を尋ねるような質問も避けましょう。組織や業務内容に関する本質的な質問に絞ることが望ましいでしょう。

感謝の言葉で締めくくる

逆質問の締めは、就活生に任されています。そのため、聞きたい回答が得られたら、「よくわかりました。ありがとうございました」とお礼を言って、締めましょう。

また、面接官の方から「もういいですね?」と言われた場合も同様に、質問に答えてもらった感謝を述べます。

面接におけるマナーについては、次の記事でも詳しく説明しています。

まとめ

本記事では、新卒就活生の二次面接における逆質問について、20の例を交えて説明しました。

逆質問は、就活生のペースで進められるチャンスです。ぜひその機会を活用しましょう。

特に、二次面接では受け入れ先の技術部門の担当者も含まれるため、専門知識や自分の強みを見せる機会でもあります。限られた時間を活かすために、しっかりと準備をして臨みましょう。

また、二次面接での逆質問は、企業からオファーがあった際にも利用することができます。

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