就活では、書類の記入欄や面接などで短所について聞かれたり、書いたりする機会が非常に多くなります。
事前の自己分析などで対策はしていても、実際に選考を受けていく中で答え方に迷い、どうしていいかわからなくなることもあるのではないでしょうか。
「短所で『こだわりが強い』を伝えたい場合、どのように言えばいい?」
「マイナス評価にならないように伝えるにはどんな注意点が必要なのか?」
「こだわりが強い」という短所を自分で自覚している理系就活生に向けて、今回は短所の上手な伝え方や注意することを解説します!短所の伝え方に悩んでいる理系就活生の方は、ぜひ参考にしてください。
「こだわりが強い」は本当に短所なのか?
面接官が短所を聞く意図を再確認する
面接官が短所を聞く理由は、応募者の自己認識力や成長意欲、そして短所への向き合い方を知りたいと思っているからです。
単なる欠点探しをしたいのではなく、「どのように自分を理解し、改善しようとしているのか」を判断したいと思っています。
面接官が短所を聞くのは、決して不採用にするためではないことは理解しておきましょう。
「こだわりが強い」がもたらす誤解とポテンシャル
「こだわりが強い」ことは頑固さや完璧主義であると誤解されがちですが、独自性・責任感・専門性を生む可能性を秘めています。
大切なことは、「こだわりが強いことが何に対してなのか」です。
周囲との協調性を損なうような場合は意識的な調整が必要ですが、質の高い成果や独自の価値に繋がる「こだわり」は強みになります。
自身の「こだわり」を理解して客観的に伝えれば、面接官に誤解なくポテンシャルを示せるでしょう。
なぜ「こだわり」は理系分野で活かせるのか?
理系分野では、実験や研究における細部への徹底的な注意、データのわずかな差異を見抜く観察力、そして論理的な思考の深さなどが求められます。「こだわり」の強さは上記の要素と強く結びつきが強く、探求心や完璧主義は実験の精度を高め、本質的な課題の発見に繋がりやすいです。
また、1つのテーマを深く掘り下げる粘り強さは研究や技術職・専門職で成功につながる原動力となります。
自身の「こだわり」を緻密な分析や考察、質の高い成果へと繋げる意識を持てば、理系分野での活躍が期待できます。
【自己分析】あなたの「こだわり」を深く理解する
どんな時に「こだわり」が強く出るのか?具体的な場面を掘り下げる
研究活動における実験・データ分析
実験計画では変数の設定や手順を細部まで吟味し、再現性を追求することが多いでしょう。特に、データ分析では、わずかな異常値も見逃さず原因を深く掘り下げた多角的な検証が大切です。
考察では、既存研究との差異や新規性を徹底的に比較分析し、論理の飛躍がないかを厳密に確認するなかで「こだわり」が強く出ることがあります。
プログラミングや設計における細部への意識
プログラミングでは、変数名やインデントの統一、エラー処理の網羅性など可読性と保守性を高めるための細部に徹底的にこだわるのが一般的です。
設計でもUI/UXのわずかなズレやパフォーマンスに影響する可能性のある実装方法まで深く検討し、ユーザー体験と効率性の両立を追求する中で「こだわり」が発揮されるでしょう。
チームでの課題解決における意見の主張
チームで課題解決に取り組む際、データや論理に基づいた自身の意見を曖昧な妥協をせずに粘り強く主張する際にこだわりの強さが出ます。
他の意見も尊重しつつ、納得いくまで議論を重ねながら、より本質的な解決策を追求しようとする中で、客観的な視点と建設的な対話が求められます。
学習や情報収集における徹底的な姿勢
疑問点を徹底的に調べ抜き、表面的な理解で終わらせない姿勢や複数の情報源を比較検証して信憑性を確認する姿勢にこだわりの強さが現れやすいです。
参考文献や引用元も細かくチェックし、知識の根拠を深く理解しようと努める姿勢は時に完璧主義と思われるかもしれません。
「こだわりが強い」理由を探ってみる
過去を振り返り、「なぜそうしたのか?」と自問自答しましょう。
感情が動いた場面で、「自分が何を重視し、何を譲れなかったのか」を深掘りして周囲の人に自分の行動について尋ねてみるのも有効です。
「こだわり」によって過去にどのような成果や学びがあったか?
過去の経験で、特に「自分が納得いくまでやったこと」をリストアップしてみましょう。
その時、「どのようなこだわりがあったか」「どのような結果に繋がったか」を具体的に思い出してください。また、成功体験だけでなく失敗体験から得られた学びも重要です。
【転換戦略】「こだわりが強い」を魅力的なアピールポイントにする
「こだわり」のポジティブな側面を言語化する
「こだわり」のポジティブな側面を、以下のように言い換えるとアピールの幅が広がります。
・探求心・追求心:納得いくまで深く掘り下げる姿勢に言い換えられます。
・質の高さへの意識:妥協せず最高のものを目指す姿勢とも言えます。
・責任感の強さ:最後までやり遂げるという強い意志は、仕事を遂行する上で基本となります。
・論理的思考力:根拠に基づいた判断と行動で、成果を出せるというアピールになるでしょう。
具体的なエピソードで「こだわり」を裏付ける
以下のように、具体的なエピソードで「こだわり」を裏付けると説得力が増します。
エピソードの種類 | エピソードの例文 |
研究活動での成功事例 | 実験がうまくいかずデータが揃わない中、仮説を何度も見直し、文献を徹底的に再調査しました。微細な実験条件の差異に気づき、試行錯誤を繰り返した結果、再現性のあるデータを得て論文発表に至ったのです。諦めずに原因を追求した「こだわり」が成功に繋がったと考えています。 |
アルバイトで「こだわり」がチームに良い影響を与えた経験 | カフェでアルバイトをしていましたが、ドリンクの品質に強い「こだわり」を持ち、レシピを徹底的に見直したり、最適な抽出方法や温度管理を提案したりしました。その結果、お客様からの評判が良くなり、リピーターが増加やチーム全体のモチベーション向上にも繋がりました。 |
自主的な学習や開発での成果で「こだわり」が質の高いアウトプットに繋がった例 | 授業の課題だったプログラミング作成で、納得いくまでコードの美しさや効率性を追求しました。設計段階から細部まで徹底的に検討した結果、エラーが少なく、保守性の高いWebアプリケーションを開発でき、いい評価を得られたと思っています。 |
企業が求める人物像と「こだわり」の関連性を意識する
企業が求める人物像と「こだわり」の関連性を、以下のように意識すると効果的なアピールが可能です。
・研究開発職:専門知識の探求や、実験への粘り強さが「こだわり」と関連しているとアピールできます。
・開発・設計職:高品質に欠かせない精緻な設計、品質への意識で「こだわり」を発揮できます。
・技術営業職:顧客のニーズへの深い理解と提案で、「こだわり」を発揮することで高い成績や製薬へ戸つなげられるはずです。
【面接対策】「こだわりが強い」を効果的に伝えるための表現
短所として伝える際の注意点として謙虚さと客観性を保つ
主観的な伝え方ではなく、謙虚さと客観性を意識しましょう。一方的な見方で伝えると、面接官に「物事を多面的に見ることができない」「自己理解が足りない」と思われてしまう恐れがあります。
「こだわりが強い」をポジティブな言葉に言い換える例
「こだわりが強い」を、以下のようにポジティブな言葉に言い換えると面接官に好印象を与えられます。
・探求心が深く、物事を徹底的に突き詰めたいと考えている:技術職や研究職で、妥協せずに突き詰められると言い換えれば、高い結果を出すために努力ができると判断されやすくなります。
・質の高い成果を出すために、細部まで注意を払うことを大切にしている:高品質へのこだわりや、精度の高い成果に対する姿勢としてアピールすることが、評価へつなげるポイントとなります。
・責任感が強く、一度任されたことは最後まで納得いくまで取り組む:やり過ぎは禁物となりますが、仕事に対する強い姿勢と諦めない点に変えてアピールできれば、評価されやすくなります。
成長意欲を示す
過去の経験から学び、どのように改善しようとしているかを以下のように伝えることが求められます。
・周囲の意見を聞くことの重要性を学んだ経験:自分の「こだわり」だけでなく、仲間や先生などからの意見を聞くことで何かを変えたことをアピールすることなどが考えられます。
・状況に応じて柔軟に対応することの必要性を認識した例:「状況に応じて臨機応変に対応することでどんな結果となったのか」「こだわり過ぎたことでどんな失敗をしたのか」も織り交ぜて話しましょう。
・チームワークを意識し、自身の「こだわり」を活かす方法:自分の「こだわり」は大切ですが、強く主張し過ぎると周囲との軋轢を生みます。チームでどのように「こだわり」を活かしてきたのか、上手にアピールしましょう。
NGな伝え方は頑固さや融通の利かなさを強調しないこと
あまりにも「こだわりが強い」とアピールすると頑固な一面や融通が利かない人という印象となり、組織で働く上で不利だと判断されかねません。アピールの仕方は細心の注意を払うことが求められます。
面接で短所として「こだわりが強い」を上手く伝える構成
①どのようなこだわりの強さかを話す
どんな場面で「こだわりの強さ」があるのか具体的に挙げましょう。単に「こだわりが強い」というだけでは説得力がありません。
②こだわりの強さで失敗したエピソードを話す
どんな場面で「こだわり」を発揮して失敗したのか、具体的なエピソードを出して説明すると分かりやすくなります。
③短所を克服するための取り組みを伝える
「こだわりの強さが出過ぎないようにどんな工夫をしているのか」「何に気を付けているのか」を考え、言葉にしてみるといいでしょう。
面接官への印象をさらに高めるために意識したいこと
入社後、「こだわり」をどのように活かしたいか具体的に語る
「こだわり」を入社後、どんな場面で発揮して活かせるかを具体的に話すことが求められます。どう工夫して活かすのかを語れるかどうかが合否を分けます。
企業の理念やビジョンと自身の「こだわり」を結びつける
企業の理念やビジョンと自身の「こだわり」をうまくリンクさせることも有効です。
例えば、品質の高さにこだわっている場合は、自身の「こだわり」でさらに高品質な製品を生み出したいとアピールすると伝わりやすくなります。
熱意と誠意を持って伝える
短所がありながらも、「どう工夫して周囲と上手にやっていけるのか、仕事でどう活かすのか」を伝えるだけでなく、入社意欲を熱意と誠意をもって伝えることも大切です。
テックオファーのようなスカウト型サイトにも登録しよう

テックオファーのようなスカウト型サイトは、自分の力では出会えないような優良企業や、あなたの長所を評価してくれる企業と出会えるチャンスです。就活の効率化を考え、出会いの機会を増やすためにも登録しておきましょう。
まとめ
「こだわり強い」点を短所ではなく、長所として捉え、アピールする方法を解説しました。
短所は長所と紙一重でもあり、伝え方次第で高評価を得ることもできます。
志望企業にあわせて、うまく伝えられるようにしていきましょう。