逆質問は、かならずしなければならないわけではありません。しかし、面接は自分の持ち時間をぎりぎりまで使って、自分の強みや企業への思いをアピールしたいものです。そうであるなら、せっかくの時間を「特にありません」と流してしまうのは、もったいないと思いませんか?

本記事では逆質問の時間を効果的に使うために、逆質問は何個ぐらい用意しておけば良いのかに焦点を当て、さまざまな角度から逆質問について説明します。

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逆質問はなぜ必要?

逆質問はなぜ必要?

逆質問は単なる面接の締めくくりではなく、就活生の熱意や理解度をアピールする絶好の機会です。なぜ逆質問が重要なのか、6つの点から説明します。

企業に対する熱意をアピールできる

逆質問は、「この会社で働きたい」という強い意欲を示す行為です。仮に、自分が面接官だとして、「何か質問はありませんか?」と問いかけ、「特にありません」と流す就活生と、「〇〇についてお伺いいたします」と質問を用意してきた就活生のどちらに熱意を感じるでしょうか?

特に、しっかりと考え、入念に準備してきたことがうかがえる具体的な質問をすることで、単なる興味ではなく、深く会社のことを理解しようとしている姿勢が伝わります。

企業研究の成果を示せる

面接を突破するためには必須の企業研究ですが、面接のプロセスでは企業研究の成果が十分アピールできないこともあります。そんな時は、逆質問でその成果を活かしましょう。企業に関する具体的な質問を通して、就活生が企業について深く理解していることが面接官に伝わります。

自己PRを重ねてできる

面接の流れによっては、「これを伝えたい」と思っていた自己PRも、十分に伝えきれないこともあります。逆質問は、「ここを強調したい」というポイントを、質問という形で補足することができるため、2度目の自己PRの機会と捉えることもできます。就活生が、どうしても伝えたい強みや、成し遂げたことを、質問に託して再度アピールしましょう。

面接の不調を挽回できる

どれだけ準備をしていても、面接官が主導する面接では、うまく答えられなかったり、ここぞというポイントを流されたりするのは仕方がありません。面接官の印象に残せなかったと感じた部分があれば、逆質問で挽回できます。質問を通して、もう一度自分の魅力をアピールしましょう。

自分が主導権を取れる

面接は、基本的に面接官が質問をして就活生がそれに答えるという流れになります。「ここを聞いてほしい」というポイントが聞かれなかったり、用意していなかったポイントを追求されて、焦ってしまうこともよくあります。しかし、逆質問では、就活生が質問し、面接官に答えてもらうという形になり、面接の主導権を握ることができます。

自分が働いている時のイメージを伝えられる

仕事内容や企業文化など、具体的な質問をすることで、就活生が実際に働いている姿を面接官に想像してもらうことができます。入社後のイメージを伝えることで、面接官に「この就活生と一緒に働きたい」と思ってもらうことができます。

逆質問の評価については次の記事でも詳しく説明しています。参考にしてください。

企業は逆質問でどこを見る?

企業は逆質問でどこを見る?

通常の面接の中で、質問に答えるよりもさらに就活生のさまざまな資質を表します。企業は逆質問を通して就活生の次のような面を見ています。

コミュニケーション能力

逆質問を通して就活生のコミュニケーション能力がわかります。それは、以下のような点からです。

  • 質問の仕方

聞きたいことがスムーズに面接官に伝わるか?

  • 言葉遣い

言葉の使い方は適切か?専門用語や敬語などを適切に使えているか?

  • 聞き方

面接官の回答にしっかりと耳を傾け、お礼や、理解したことなど適切な応答ができるか?

論理的思考力

逆質問の作成や伝え方を通して、就活生の論理的思考力がわかります。

  • 質問の組み立て

質問の意図が明確で、論理的な思考に基づいているか?

  • 関連性

面接の中での話や企業情報と関連づけられているか?

  • 質問の深さ

表面的な質問ではなく、本質的な質問ができているか?

理解力

逆質問から、企業や仕事内容に対する理解力が判断されています。

  • 企業理解

企業理解に基づいた質問ができているか?

  • 業界理解

業界の動向や課題を理解し、関連性の高い質問ができているか?

  • 仕事内容の理解

興味のある仕事内容について、具体的な質問ができているか?

反応力

質問をするだけでなく、面接官の回答に対して、どのように反応するかが評価されます。

  • 即答性

面接官の回答に対して、すぐに質問を思いつけるか?

  • 柔軟性

質問の内容は面接の流れに沿っているか?面接官の回答に柔軟に対応できるか?

  • 臨機応変さ

予想外の答えが返ってきた場合でも、冷静に対処できるか?

熱意

逆質問の内容、質問の仕方、回答の聞き方などを通して、就活生の熱意が測られています。

  • 企業への関心

企業に対する強い関心が感じられるか?

  • 仕事への意欲

入社意欲が強く、積極的に仕事に取り組む姿勢が見られるか?

  • 成長意欲

困難な課題に取り組み、自身が成長したいという意欲が感じられるか?

良い逆質問とは?

良い逆質問とは?

面接官が「良い質問だ」と高く評価する質問のポイントを以下の3点から説明します。

企業研究の成果が伝わる質問

企業研究の成果が伝わる質問は、面接官に志望度合いの高さと入念な準備を示す上で非常に重要です。

  • ・具体的な情報に基づいた質問

企業サイトやニュースリリース、企業説明会やイベント、SNSや書籍などから得た具体的な情報に基づく質問は、しっかりと企業研究をしたことが伝わります。

  • 業界の動向との関連性を踏まえた質問

業界のトレンドや新しいイノベーションに関連する質問は、広く業界に関心を持っていること、自社だけでなく、広い視野を持っていることをアピールできます。

  • 企業の強みや課題に関する質問

企業の強みや課題に関連する質問は、就活生が企業の現状を深く分析していることを示します。

企業研究の詳しいやり方は次の記事でも説明しています。

自分の熱意が伝わる質問

逆質問を通してやる気と熱意が伝わる質問は、高い評価につながります。

  • ・仕事内容への興味が感じられる質問

興味のある仕事内容について、具体的な質問をすることで、その仕事に対する熱意が伝わります。

  • 企業文化への共感が伝わる質問

企業のビジョンや価値観に共感し、それらに関連した質問をすることで、企業の一員になりたいという気持ちが伝わります。

  • 自己成長への意欲が感じられる質問

入社後にどのようなスキルを身につけたいか、どのようなキャリアを築きたいかなど、自己成長への意欲を示す質問は、あなたの将来性を感じさせます。

企業とのマッチ度合いが伝わる質問

面接官に企業に合っている人材であることを示す上で、企業とのマッチ度合いが伝わる質問は重要です。具体的には、以下の点が評価されます。

  • ・企業のニーズと自分の強みがマッチすることが伝わる質問

自分の強みや経験が、企業の求める人物像や仕事内容とどのように結びつくのかを聞くことで、自分が企業にマッチする人材であることをアピールできます。

  • 企業への貢献意欲が伝わる質問

入社後、どのように企業に貢献したいか、具体的な計画を示す質問は、あなたの貢献意欲の高さを示します。

逆質問は何個用意する?

逆質問は何個用意する?

逆質問は、3〜5個を目安に用意しておきましょう。3〜5個を準備しておけば、面接官とのやり取りの中で、その場の雰囲気や流れに合わせて質問を選ぶことができます。

3~5個を目安に

なぜ3〜5個かというと、まず、逆質問の作成に準備がかかりすぎるからです。また、逆質問のストックが多いと、話の流れに合わせてどれを質問すれば良いのかわからなくなり、混乱してしまう可能性もあります。

逆に、1つしか用意していないと、面接の中でその質問に対する回答が出た場合に、質問ができなくなる可能性があります。

3〜5個用意することで、面接の流れに合わせて柔軟に質問を選ぶことができます。

自分のアピール内容に沿って用意する

面接の目的を改めて思い起こしてください。面接の本質は、企業に向けた自分の「売り込み」です。逆質問も、本質的には同じことです。あまりに自己PRとなりすぎ、質問の体を成していない質問はNGですが、質問とうまくアピール内容をリンクさせてください。

自分が最もアピールしたいことは何かを考え、その軸に沿って3〜5個の質問を用意しましょう。

面接では流れを読んで使えるものをピックアップ

面接の状況は、事前に予測することはできません。そのため、用意した質問の中から、その場の流れに合わせて使えるものをピックアップすることが重要です。

  • 面接官の回答をヒントに

面接官の回答から、さらに深堀りできる質問を考えましょう。

  • 面接の雰囲気に合わせる

面接がカジュアルな雰囲気で進んでいる場合は、より個人的な質問を、フォーマルな雰囲気で進んでいる場合は、業務内容に関する質問をするなど、状況に合わせて質問を選びましょう。

  • 準備した質問にこだわらない

面接の流れで「これは聞いてみたい」というポイントが見つかったら、そちらを優先しましょう。明らかに準備し、暗記してきたという印象よりも、自然な質問の方が好印象につながります。

面接フェーズ別逆質問例

面接フェーズ別逆質問例

ここでは一次(二次)面接、最終面接、そして各フェーズで空気が悪い時に、流れを変えることのできる逆質問例を紹介します。

一次(二次)面接の質問例

一次面接、また、最終面接ではない二次面接では、企業や仕事内容についてより深く理解した上で、質問を作成しましょう。

  • 業務内容について
    • 「御社の主力製品である〇〇についてお伺いいたします。モデルチェンジしながら10年間市場シェアトップを続けているのはすばらしいと思うのですが、後継製品についてはどのように考えておられるのですか?」
    • 「私は将来、プロジェクトマネジメントに携わりたいと考えているのですが、プロジェクトマネジメントで求められるスキルや経験は、どのようなものですか?」
    • 「御社は中国とインドをアジア地域の拠点として事業展開をしておられますが、他地域での展開は予定しておられますか?私も可能であれば、海外業務に携わりたいと考えておりますので、ぜひおうがかいしたいです」

  • キャリアパスについて
    • 「御社で〇〇エンジニアとして採用していただいた場合の一般的なキャリアパスは、どのようなものですか?」
    • 「〇〇分野の先輩社員の方々は、どのようなキャリアを歩まれていますか?」

  • 自身の強みについて
    • 「私は大学進学後、〇〇のスキルを高めようと、個人的にも勉強を続けてきて、現在、△△という資格を取得しています。このスキルを活かして、貴社の〇〇事業に貢献したいと考えています。そのためには、入社後どのような経験を積むべきでしょうか?」

一次面接と二次面接については次の記事でも詳しく説明しています。

最終面接の質問例

最終面接の質問例

最終面接では、企業の経営陣が面接官となるため、企業の経営方針や理念、会社の事業全体に関する質問や、入社後、企業の一員として働いている自分の姿がイメージできるような質問がふさわしいでしょう。

  • 企業のビジョンや今後の展望について
    • 「今後の〇〇業界は、環境への配慮と持続可能性が現在にも増して重要になると考えますが、御社の5年後のビジョンについて教えていただけますか?」
    • 「〇〇を踏まえ、新しい事業への挑戦などは考えておられますか?」
    • 「業界のトレンドを捉え、御社がどのように変化していくか、教えていただけますか?」

  • ・チームや組織について
    • 「私はプロジェクトマネジメント部署への配属を希望していますが、プロジェクトマネジメントのチームの一員として働く上で重要なことは何でしょうか?」
    • 「生産技術職は部署間の連携が必須だと思うのですが、御社の部署間の連携は、どのように行われていますか?」

  • ・働き方について
    • 「働き方改革など、働き方に関する取り組みはありますか?」
    • 「リモートワークやフレックスタイム制などの制度について、先ほどご説明をいただきましたが、そのような施策を仕組み化することでどのような効果がありましたか?」
    • 「諸先輩方は、仕事とプライベートのバランスはどのように取られていますか?」

流れを変えたい時の質問例

面接の流れが自分の予想とは違う方向に進んだり、面接官が明らかに自分に対して興味を抱いていない雰囲気のまま終わりそうになったりしたときは、逆質問で面接官の興味を自分に引き付けましょう。その場合のカギとなるのは「共感」です。面接官に呼びかけ、できるだけ面接官の共感を引き出せるような質問を試してみましょう。

  • 面接官の経験について
    • 「入社後の働き方のイメージをつかみたいのですが、〇〇様は新卒1年目、どのように働いておられましたか?」
    • 「私はこれまでのアルバイト経験から、仕事内容や職場環境によって仕事の魅力が大きく変わるのを経験しました。そこでお伺いしたいのですが、〇〇様にとって、この仕事の魅力は何だとお考えですか?」

  • 企業の強みについて
    • 「一消費者として私は御社の強みは△△製品に代表されるような、強いブランド力だと感じてきました。〇〇様はどこにあるとお考えですか?」
    • 「私は子どものころから御社の製品のファンだったのですが、社員の皆様もそんな方が多いのではないかと思っています。〇〇様はいかがでしたか?」

  • 入社後のイメージについて
    • 「最終面接まで、御社に何度か足を運び、社員の方々ともお話させていただきましたが、どの方も親しみやすいなかにも一本、筋の通った印象を受けました。〇〇様からも同じ雰囲気を感じます。そうした雰囲気を皆様はどうやって身につけられるのでしょうか?私にも可能だと思われますか?」

逆質問の注意点

逆質問の注意点

逆質問で注意すべき点を以下にまとめました。

「一緒に働きたくない」と思わせる質問はしない

企業や業務内容に対する否定的な質問や、自分のことしか考えられていないような質問は避けましょう。例えば、「残業は多いですか?」「給料はどのくらいですか?」といった質問は、企業への興味よりも、自分の待遇ばかりを気にする印象を与えてしまいます。

面接によっては質問をしなくても大丈夫

面接では必ず質問をしなければならないわけではありません。面接の状況や、すでに十分な情報を得られている場合は、質問をしなくても問題ありません。「特に質問はありませんが、御社の説明を伺い、入社したいという気持ちが強まりました」と伝えることもできます。

感謝の言葉で締める

質問の最後に、面接官への感謝の言葉を述べましょう。「貴重な機会をいただき、ありがとうございました」や「本日はお話をお伺いできて、大変勉強になりました」などの言葉で締めくくることで、面接全体の印象が良くなります。

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まとめ

社会人経験のない新卒就活生の面接は、逆質問を有効活用することで、実際に企業で働くイメージを具体化させる効果があります。

面接での逆質問はその他にもさまざまな効果があり、面接を成功させるための重要な要素です。企業への熱意、企業研究の成果、自己PR、面接の挽回、主導権、そして将来のビジョンなど、自分のアピールしたいことに合わせて3〜5個、用意しておきましょう。

ぜひ逆質問を効果的に活用して、内定獲得を目指しましょう。