こんにちは。理系就活情報局です。
理系学生にとって、就活を考える中で「食品業界の研究職に就きたい」と思っている学生もいることでしょう。
特に、専攻を活かして働きたいと思っている人にとっては、食品業界の研究職は今までの学業を存分に活かせる環境に映っているのではないでしょうか。
しかし、食品業界の研究職は非常に幅が広く、就活のためには綿密な対策が必要になります。
「絶対に食品業界の研究職に就きたい。志望動機はどうやって書いたらいい?」
「食品会社の研究職を目指して就活を進めるために、どうしたらいいのか」
「食品業界の研究職に就きたい」と思っている理系就活生に向けて、今回は食品業界の研究職を選ぶ場合に重視されるスキル・特性・具体的な志望動機の書き方について解説します!
これから就活本番を迎え、活動を本格化ささせようと考えている理系就活生は、ぜひ参考にしてください。
食品業界の研究職とは?

食品業界の研究職は、私たちが日常的に口にする食品のおいしさや安全性を科学的なアプローチで支える仕事です。業務範囲は非常に広く、新しい味や機能を追求する開発業務から、食の安全を徹底的に守る分析・保証業務まで多岐にわたります。以下では、食品メーカーの研究職が担う役割を大きく3つの分野に分けて具体的な仕事内容を見ていきましょう。
成分や効能の分析を行う
成分・効能の分析は、特定の製品・物質・食品・化粧品・薬物などに含まれる成分・物質がもたらす効果や影響を詳細に調査し解析するプロセスです。
・成分の分析
製品や物質が何からできているか、構成する個々の成分を特定します。食品の場合、たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルなどが挙げられます。製品や物質の成分を理解することで、その特性や効果を把握できます。
・効能の分析
製品や物質がもたらす影響や効果を詳細に調査します。薬物の場合、治療効果・副作用・安全性などが該当します。食品や化粧品においても、健康への影響や美容効果などが効能として評価されます。
効能分析は、製品や物質の品質管理・安全性の確認・効果の評価・消費者への情報提供などに役立ちます。研究機関・製造業者・規制機関が効能に関する情報を詳細に把握することで、製品の開発・使用において適切な判断ができるようになります。
安全性評価や品質保証
安全性評価や品質保証は製品や物質が安全であり、所望の品質基準を満たしていることを確認するためのプロセスです。
・安全性評価
製品や物質が人体や環境に対してどれだけ安全であるかを評価します。具体的には毒性評価・アレルギー性評価・生殖毒性評価などです。
薬物・医薬品・食品・化粧品・化学物質などの分野で安全性評価が行われます。規制機関が設けた基準に基づき、実験データや文献情報を活用して製品の安全性を評価します。
・品質保証
製品が一定の品質基準を満たしていることを担保するためのプロセスです。製造プロセスの管理・原材料の選定と評価・製品テストなどが挙げられます。品質保証の目的は、一貫性のある高品質な製品を提供し、消費者・利用者に対して信頼性を確保することです。
品質保証のプロセスは法的な要件や業界標準に基づいて行われ、規制機関や第三者の検査機関が監視・認証を行うことがあります。例えば、薬事法や食品衛生法などの法令、GMP・ISOなどの規格が品質管理の基準です。品質保証・安全性評価は、製品が市場に出回る前に徹底的に行われ、消費者や利用者への安全な製品提供が確保されます。
新製品開発のための研究
新製品開発のための研究は、市場ニーズを理解し、創造的なアイデアを生み出し、実現可能性や市場での成功を見込むために行われます。
・市場調査と顧客ニーズの把握
市場調査を通じて、競合状況・消費者の嗜好・需要の動向を把握します。顧客のフィードバックや意見を収集し、未来の製品に対する期待や要望を理解します。
・アイデアの発想とブレインストーミング
顧客ニーズや市場の動向を基に、新しい製品やサービスに関するアイデアを考え出します。ブレインストーミングやイノベーションワークショップを行い、異なるアプローチや視点からのアイデアを生み出します。
・技術的・経済的実現可能性の評価
提案されたアイデアが技術的に実現可能であるかどうか、また経済的な面で採算が取れるかどうかを評価します。研究開発の観点から必要な技術やリソースを明確にし、開発の実現可能性を確認します。
・プロトタイプの開発とテスト
実現可能性が確認されたアイデアに基づいてプロトタイプを開発し、試作品を作成します。この段階で製品の機能やデザインを試験し、必要に応じて改善を行います。
・市場テストとフィードバックの収集
完成した製品やサービスを限定的な範囲で市場に導入し、消費者からのフィードバックを収集します。市場での実際の反応や課題を把握し、製品を最適化する手がかりを得ます。
・製品の最終的な開発と導入
最終的な製品仕様を確定し、製品の生産を開始します。マーケティング戦略や販売戦略を立て、新製品を市場に導入します。
新製品開発の研究は多岐にわたり、マーケティング・技術開発・製造・販売の各段階での検討が必要です。徹底的な研究と計画は、製品の成功と競争力を確保する鍵となります。
食品業界の平均年収

食品業界の年収は、企業の規模や職種によって大きく異なります。有価証券報告書や大手転職エージェントが公表しているデータを参考にすると、業界全体の平均年収はおよそ465万~615万円が相場です。ただし、上記の相場は製造スタッフなども含めた全体平均であり、研究・開発職に限定すると、より高い水準になるケースが一般的です。
職種別(理系学生が想定しやすい技術系/研究系)
理系学生が目指す主な職種の年収相場は以下の通りです。
・研究・開発職(素材/化学/食品系)
研究・開発職は、専門性が高く評価されるポジションです。研究・開発職における初任給や若手時代の年収分布としては、400万~500万円台がボリュームゾーンとなります。
・食品開発技術者
食品開発技術者は新製品の企画やレシピの開発を担当する職種で、年収相場は幅広く350万〜600万円程度です。しかし、ヒット商品を生み出す実績やプロジェクトリーダーなどの役職に就くと700万~1,000万円を超える待遇を得えられる可能性があります。
・食品エンジニア(製造/工場技術系)
生産管理や製造ラインの設計を担うエンジニアの想定年収は、約470万円前後が目安です。 基礎研究・製品企画などの上流工程ほど年収設定が高くなる傾向にあり、製品開発・設計職では500万円前後が一般的な水準となっています。
年代別・キャリア段階別(食品メーカーでの平均年収推移)
食品メーカーでは、勤続年数やスキルに応じて着実に年収が上がる企業が多いのが特徴です。
・若手(20代~30代前半)
新卒から3年目程度までは、年収300万~400万円台で推移するのが一般的です。
・ミドル層(30代~40代)
ミドル層は経験を積み、係長や課長代理といった役職が付き始める時期です。大手転職エージェントの登録データなどによると、ミドル層の食品メーカー平均年収は約768万円の高い水準に達するケースも見られます。
・管理職・幹部層
課長・部長クラス、あるいは高度な専門職になると年収はさらに跳ね上がります。特に大手食品メーカー(飲料・酒類・調味料大手など)では、平均年収が1,000万円を超える企業も少なくありません。
食品業界の研究職が求められる分野

食品業界は非常に裾野が広く、扱う商材によって研究内容や求められる知見も異なります。私たちの身近にあるあらゆる食品で研究開発が行われていますが、以下では特に理系学生の採用ニーズが高い分野を紹介します。
飲料
清涼飲料水を中心に、様々な飲料分野で研究職が求められています。
私たちにとってなじみの深いジュースやお茶・コーヒーにも多くの添加物や成分が入っています。安全で安価な飲料を生み出すことは、企業にとって利益を得るためにも欠かせません。
またアルコール飲料の分野でも研究者は多く求められています。
製粉
小麦や米粉などの製粉業界も、研究職を求めています。
安全性評価や、加工することによる成分の変化など、私たちの目には触れにくい部分での細やかな研究が欠かせないとされています。
冷凍食品
お弁当に入れるなど、私たちの生活に欠かせない冷凍食品には多くの添加物が含まれています。さらに冷凍・加熱などの温度変化にさらされる食品でもあります。
安全においしさを保つために、添加物がどのような働きをしているのかなどを研究するために多くの担当者が日夜携わっています。
菓子や製パン
菓子や製パンにも、多くの添加物が使われます。
安全で安価・使いやすい添加物を見つけ、安全性評価の面で研究職は重宝されています。
味を良くするための添加物に対する知識などがあると、特に喜ばれるでしょう。
精肉や加工食品
精肉保存だけでなく、ハムやウインナーなどの加工肉の分野では添加物の情報は欠かせません。おいしく、長期間保存するための添加物だけではありません。
近年では、代替肉(大豆ミート)などの新たな分野の研究も盛んです。
健康食品(サプリなど)
健康食品は、超高齢化社会となった今伸びている業界です。
特定の成分を含んだサプリから複数の成分をうまく組み合わせたサプリまで、また特定機能を持った健康食品も多く開発されています。
栄養学などの知見を使う機会が多いと考えられます。
調味料
味の素が開発した「うま味調味料」など、業務用・一般用調味料の需要も伸びています。
日本のみならず、世界では信仰上の理由からハラール対応の調味料が重宝されるなど、今までとは違った形で需要が出てくることも考えられます。
食品業界の研究職で求められる専攻分野

食品メーカーの研究職では食品の知識だけでなく、化学や生物学、医学など多岐にわたる専門性が求められます。「自分の専攻は食品とは直接関係ないかも」と考えている方でも、実は自身の知識が現場で強く求められているケースは少なくありません。以下では、食品業界で特に需要が高い専攻分野と各知識がどのように活かされるかについて解説します。
管理栄養学
管理栄養学の知識は単なる献立作成だけでなく、商品のコンセプト設計や栄養機能の裏付けにおいて非常に重宝されます。例えば、特定保健用食品の開発では、「どの栄養素をどれくらい配合すれば健康効果を謳えるか」などエビデンスに基づく設計が必要です。また、高齢化に伴い需要が急増している介護食の開発でも、飲み込みやすさと栄養価を両立させる専門的な視点が求められます。
医学や薬学
「食と健康」の結びつきが強まる中、医学や薬学の知識は高付加価値な健康食品やサプリメントの開発に不可欠です。「食品成分が体内でどのように代謝され、どのようなメカニズムで効果を発揮するのか」を解明する研究は、薬学の領域そのものです。また、アレルギー物質の管理や新規素材の毒性評価のような安全性保証の分野でも薬理学や毒性学の知識を持つ人材が活躍しています。
生物学
生物学の知識は、食品加工の核心技術である発酵や微生物制御の分野で直結します。ヨーグルト・醤油・酒類などの醸造・発酵食品では、酵母や乳酸菌などの働きをコントロールするバイオテクノロジーの技術が必須です。
一方で、食品の腐敗を防ぎ、賞味期限を延長するための保存技術の研究にも微生物学の知識が活かされます。近年では、細胞培養技術を用いた培養肉などのフードテック領域でも生物学出身者の需要が高まっています。
分析化学
分析化学のスキルは、研究開発から品質管理まであらゆる工程で即戦力となる汎用性の高い能力です。分析機器で食品に含まれる微量成分を特定したり、残留農薬がないか検査したりする業務で中心的な役割を果たします。また、従来は感覚に頼っていたおいしさや香り、食感を数値化してデータ分析する官能評価の分野でも化学的なアプローチが重視されています。
農学
農学の知識は、製品のクオリティを左右する原料の調達・開発において圧倒的な強みを発揮します。製粉会社や飲料メーカーなどでは、加工に適した新しい品種の小麦や大豆を開発するなどのケースがあります。植物育種学や栽培学の知見を活かし、研究所と生産現場の橋渡し役として活躍できるフィールドです。
食品業界の研究職で求められるスキル

研究職として活躍するためには、大学で学んだ専門知識があれば十分なわけではありません。企業での研究開発はチームで成果を出し、最終的に商品として世に送り出すことがゴールです。
そのためには、研究に対する姿勢や周囲と連携する力などビジネスパーソンとしてのスキルも不可欠です。以下では、特に食品業界の研究職で重要視される3つのスキルについて解説します。
語学力
語学力は欠かせません。
食品業界には、グローバルに商品を展開する企業も多いだけでなく、様々な研究論文を読む機会もあるでしょう。英語力をはじめ、使用人口が多いスペイン語・中国語などができるとアピールになります。
慎重さや粘り強さ
食品は私たちの体内に取り込まれるため、特に安全性が重視されます。使用する成分や食品には細心の注意が求められるのが一般的です。
研究上では幾重にもリスク管理が求められ、慎重な判断ができる人材であることが大切にされます。
また、求める効能や機能を生み出すために粘り強く研究に取り組めることも重視されるでしょう。
コミュニケーション力
研究は多くの人たちとの共同作業で、他部署とのやりとりも多くなります。
安全性や効能をわかりやすく他部署や顧客へ説明したり、利害が異なる相手ともうまく関係を築きながらこちらの主張を伝えるなどコミュニケーション能力が求められます。
食品業界の研究職に就いた後のキャリア

研究職や開発職でスキルを積んでいくことが多い
研究職をはじめ、より業務範囲を広げた開発職も含めてスキルを積んでいくことが多くなります。
同時に市場調査・マーケティングといった分野の能力も身につけ、単純に研究するだけでなく幅広いスキルを身につけていくケースも考えられます。
企業によってキャリアデザインは違いますので、選考時に確認しましょう。
キャリアチェンジをすると一からの積み上げになることも
万が一「研究職が向いていなかった」「研究職以外のキャリアを積みたい」と考えた場合、キャリア転換するとゼロからのスタートになる可能性も考えられます。
研究職は専門職で、積み上げていくスキルや経験が特殊です。他の職種へ転換したいと思っても全く方向性が異なる可能性が高く、ゼロからキャリアを積み上げていくとなると給与水準などが下がる恐れもあります。
しっかりと就活前に考えておくことが大切です。
後から研究職に就くのは難しい
ファーストキャリアで他の職種を選び、その後研究職を希望しても叶えるのは至難の業です。研究職は長期間かけて取り組む内容も多く、専門性も高いので簡単に転職してできる仕事ではありません。
また、希望者も多く中途採用を狙う場合は研究職経験者に打ち勝つ必要もあります。
新卒だからこそ、ポテンシャルなどの可能性を見てもらえる機会を逃さず、しっかりと自分の中で納得した職種選択をするようにして下さい。
管理職やスペシャリストとして着実な年収アップが見込める
研究職のキャリアにおける大きな魅力は、専門性を高めることで着実な処遇向上が期待できる点です。食品メーカーは景気変動の影響を受けにくい安定した業界であるため、長く働き続けると定期昇給の恩恵を受けやすい傾向にあります。
また、キャリアパスとして管理職を目指すルートだけでなく、高度な専門知識を持つ人材を評価する専門職の制度を設ける企業も増えています。順調にキャリアを重ねれば、大手企業では30代後半〜40代で年収800万〜1,000万円を目指せる職種です。
食品業界の研究職を目指すためにしておきたいこと

食品業界の研究職は理系就活生の中でも特に人気が高く、非常に倍率が高い狭き門として知られています。優秀なライバルたちの中で内定を勝ち取るためには、ただ待っているだけでなく早いうちから戦略的に行動を起こすことが不可欠です。以下では、研究職を目指す上で具体的にやっておくべき準備や対策について解説します。
できるだけ高い成績を修めておく
学業面で、高い成績を修めておきましょう。
選考では、筆記試験や面接の結果で総合判断されますが、一方で学業面においていい成績を修めているかどうかを見ている場合もあります。
自信をもってアピールできるように、普段から授業にしっかり出席して好成績を撮るようにしておきましょう。
幅広い食品メーカーのインターンシップに参加する
食品メーカーと一口に言っても、会社によって取り扱う商品・事業内容が違うだけでなく、かなり幅が広い業界でもあります。
できるだけ多くのインターンシップに参加し、同じ研究職でも各企業の違いなどを知っておきましょう。
キャリアセンターで情報を早めに集めておく
キャリアセンターで、同じ進路を選択した先輩の事例や、志望企業の選考内容を確認しておきましょう。選考内容を知ることは、筆記試験や面接対策につながります。
業界研究や企業研究は入念に行う
業界研究や企業研究も、しっかり行う必要があります。
食品業界は人気がありますが、その中でも研究職は特に希望者が多く競争率が高くなりがちです。
内定を獲得する確率を上げるためには、他の志望者よりも深い業界研究や企業研究を行い、志望動機などで差別化する必要があります。
しっかりと時間をかけて、入念に対策することをおすすめします。
TECH OFFERに登録して自分の専門性を求める企業と出会う
効率的に内定に近づくためには、TECH OFFERのような理系特化型のスカウトサービスへの登録が有効です。一般的な就活ナビサイトでは、検索条件が理系や学部卒などの大きな枠組みで括られてしまいます。そのため、自分の専門性を本当に必要としている企業を見つけるのが難しいという現実があります。
TECH OFFERなら自身の研究分野のキーワードや研究概要を登録しておくだけで、専門知識を求める企業から直接オファーが届きます。そのため、知名度は低くても世界的なシェアを持つ隠れた優良食品メーカーや専攻とマッチする研究所と出会える可能性が高まります。「自分の専攻は食品業界でどう評価されるのか」を知るためにも、まずはTECH OFFERに登録してオファーを待ってみましょう。
まとめ
以上、食品業界の研究職の仕事内容や就くためにしておきたい対策などについて解説しました。
食品業界は取扱商品の範囲が広く、企業によって大きな違いがみられる業界でもあります。
しっかりと就活対策をし、納得いく結果を得られるように頑張ってください。


