こんにちは。理系就活情報局です。
建築学部で学ぶ理系就活生にとって、資格は将来を左右する大きな関心事です。
大学内でも、資格取得ための支援や授業を受けている人も多いと思います。
「とはいえ、建築関係の資格って実務経験がいるものが多いよね……」
「就活が有利に進んだり、将来の自分が困ったりしないために今から準備しておくべき?」
そんな悩みを持つ建築学生に向けて、今回は就職後も役立つ資格について紹介します!
将来を見据えて準備をしたい方は、ぜひ参考にしてみてください!
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建築業界の資格事情
実務経験が必要な資格が多い
建築関係の仕事で役立つ主な資格の多くは、受験資格に学歴や実務経験が必要です。
建築系の資格は学生時代だけで完結できないものが多いのが現状ですが、中には実務経験や学歴が不問の資格もあります。
実務経験が不要な資格なら、学生時代に取得できます。
実務の傍ら取得することもできますが、仕事に必要な資格をあらかじめ取得しておくと就職活動でも有利です。
運転免許も取得しておこう
建築系の資格ではありませんが、意外と大事になるのが普通自動車免許です。
建築系の仕事では、設計場所に出向いたり工事の会議に出席したりと、何かと外出する機会が多くあります。
調査業務で外出する際には、測量道具や脚立やカメラなど、多くの仕事道具を持ち運ぶ必要があり、自ずと車移動になります。
一見関係がないように思えますが、夏休みなどを使って運転免許を取得しておくことをオススメします。
建築業界での実務経験が必要な資格
一級建築士
実務経験が必要な建築系の資格の1つ目は、一級建築士です。
一級建築士は、国土交通大臣の免許を受けた建築士であることを示す資格です。
一級建築士の仕事の特長は、高度な技術が求められる建物や大規模な建物にも携われることです。
たとえば、二級建築士では以下の設計・工事管理を担当できません。
・木造建築物で、高さが13mもしくは軒の高さが9mを超えるもの
・RC造や鉄骨造で、延べ面積が300㎡を超えるもの
・鉄骨造で4階建て以上の建物 など
受験資格は、学歴や実務経験によって異なります。
受験資格の一例は下記の通りです。
①4年制以上の大学で指定科目を修めて卒業し、建築実務経験が2年以上ある人
②2年制短期大学または高等専門学校で指定科目を修めて卒業し、建築実務経験が4年以上ある人
③二級建築士としての実務経験が4年以上ある人
また、受験資格で必要な実務経験は「設計」「工事監理」「建築工事の指導監督に関する実務」など、細かな指定があります。
「実務経験要件」は国土交通省令で定められているので、受験を目指す前に確認しておきましょう。
(参考:「実務経験要件(令和2年3月以降に認められる実務)」)
構造設計一級建築士
実務経験が必要な建築系の資格の2つ目は、構造設計一級建築士です。
構造設計一級建築士は、一級建築士の上位資格です。
この資格を取得すれば、一級建築士では対応しきれなかった大規模な建造物の設計を担当できるようになります。
資格の取得には、一級建築士として5年以上の構造設計業務に従事したのち、指定の講習機関で行われる講習課程を修了する必要があります。
技術士
実務経験が必要な建築系の資格の3つ目は、技術士です。
技術士資格は、高度な技術力を持っていることを証明する国家資格です。
資格取得者は、高度な専門技術力を活かし、建築業界に欠かせない技術コンサルタントとして働けます。建設に関する計画や研究、設計や分析、評価に関する指導や調査など、幅広い領域を担当する仕事です。
資格取得には、一次試験・二次試験に合格する必要があります。
二次試験で必要な受験資格は、下記の通りです。
①技術士補に登録した後、指導技術士の下で4年以上の実務経験を積んだ人
②技術士補の資格取得後、職務上の監督者の指導の下で4年以上の実務経験を積んだ人
③実務経験が7年以上ある人
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建築系学生が在学中に取得できる資格【建築系】
二級建築士
二級建築士は、建築関係の道へ進む人にとって最初の目標となる資格です。
取得すると、戸建住宅などの建築物の設計や工事管理などを手がけられます。
以前は実務経験が必要でしたが、法改正によって条件をクリアしていれば大学卒業と同時に受験できるようになりました。
受験資格:大学・短期大学・高等専門学校などで指定科目を修めて卒業した人
試験方式:学科・製図
受験料:18,500円+事務手数料
(参考:公益財団法人建築技術教育普及センター「二級建築士試験」)
二級施工管理技士(第一次検定)
施工管理技士は、施工計画の作成や現場の工程管理から安全管理、品質管理などで必要な資格です。
資格取得にあたっては施工のほかにも建設業法などの法律も学ぶため、実務に直結した知識が身につきます。
資格の取得までは第一次〜第二次検定を合格しなければなりませんが、第一次検定に合格した段階で「技士補」として認められます。
また、第二次検定の受験に必要な第一次検定の合格は有効期限が設けられていないため、期限内に合格できなくても第一次検定を受けなおす必要はありません。法改正で第二次検定で実務経験が不要になったため、以前よりは取得しやすくなりました。
受験資格:17歳以上
試験方式:マークシート
受験料:5,400円
(参考:建設業振興基金「2級 建築施工管理技術検定のご案内」)
建築CAD検定
建築CAD検定は、「jw_CAD」「Auto CAD」「Auto CAD LT」のいずれかで建築用図面を描く技量を測る検定です。
業務で実践的に役立つCADのスキルを身につけたい人は、ぜひ取得しましょう。
資格取得にあたっては施工のほかにも建設業法などの法律も学ぶため、実務に直結した知識が身につきます。
資格の取得までは第一次〜第二次検定を合格しなければなりませんが、第一次検定に合格した段階で「技師補」として認められます。
また、第二次検定の受験に必要な第一次検定の合格には有効期限が設けられておらず、期限内に合格できなくても第一次検定を受けなおす必要はありません。法改正で第二次検定で実務経験が不要になったため、以前よりは取得しやすくなりました。
受験資格:なし
試験方式:PCによるCAD図面作成
受験料:准1級 14,700円 / 2級 10,500円 / 3級 10,500円
(参考:全国建築CAD連盟 「実施要項(一般受験)」)
建築積算士
建築積算士は、設計士を目指している人にオススメの資格です。
建築積算士の資格では、建築にかかわるさまざまな工程におけるコストマネジメント業務に関する知識が身に付きます。
受験資格:満17歳以上
試験方式:一次試験 四肢択一 / 二次試験 短文記述・図面作成
受験料:27,500円
(参考:日本建築積算協会認定「2022年度建築積算士試験のご案内」)
建築系学生が在学中に取得できる資格【インテリア・不動産系】
インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターは、内装・家具・照明器具・住宅設備などの幅広い商品知識をもとに、インテリアの計画や商品選択のアドバイスを行える資格です。
インテリアコーディネーターは、大手ハウスメーカーから地元の工務店まで、さまざまな会社で求人があります。インテリアショップや内装業者など、就職できる業種も広がるため、インテリアに関心がある方は取得しておくと良いでしょう。
受験資格:なし
試験方式:マークシート
受験料:同一年度内に一次・二次両方受験 14,850円 / 一次試験のみ 11,550円 / 過去3年以内に一次試験合格済み 11,550円
(参考:インテリア産業協会「インテリアコーディネーター資格試験」)
インテリアプランナー
インテリアプランナーは、インテリア空間をトータルに実現できる設計能力を持っていることを証明する資格です。
インテリアプランナーは企画や設計なども行うため、建築士の業務と共通する部分があります。取得しておくと、建築士を目指す人は業務の幅を広げることができるでしょう。
受験資格:学科試験 なし / 製図試験 学科試験合格者
試験方式:学科試験・製図試験
受験料:学科試験 9,900円 / 製図試験 16,500円
(参考:建築技術教育普及センター「インテリアプランナー」)
照明コンサルタント
照明コンサルタントは、建築設計において重要な照明について学べる資格です。
照明計画・照明コンサルティングに必要な照明技術を通信教育で学び、試験に合格すれば取得できます。受験料に学割があるので、将来を見越して大学生のうちに取得しておくのもオススメです。
受験資格:なし
試験方式:マークシートもしくはWeb / レポート提出 / スクーリング
受験料:マークシート 29,920円 / Web解答(一般) 26,840円 / Web解答(学割) 19,800円
(参考:照明学会「基礎講座のご案内」)
宅地建物取引士
「宅建」の略称で知られる宅地建物取引士は、不動産会社で働きたい人にとって必須と言える資格です。
不動産会社では資格を取得していなくとも働けますが、重要事項の説明やその説明書の記名・押印、契約書の記名・押印といった業務は、有資格者でないと行えません。
不動産関係の仕事を目指すなら、ぜひ取得しておきましょう!
建築積算士の資格では、建築にかかわるさまざまな工程におけるコストマネジメント業務に関する知識が身に付きます。
受験資格:なし
試験方式:筆記試験
受験料:7,000円
(参考:不動産適正取引推進機構「宅建試験」)
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これだけは知っておきたいポイント(まとめ)
建築系の資格は、実務経験がなければ取得できないものばかりではありません。
法改正によって、実務経験がなくてもチャレンジできる資格も増えました。
就きたい職業が明確なら、将来役に立つ資格を学生時代に取得しておくと、実務に役立つ知識が身に付きます。
大学によっては資格取得支援を行っていますので、興味がある方は一度調べてみましょう。