生成AIやビッグデータ、量子コンピューティングなど時代の最先端を行くIT業界に、多くの就活生が魅力を感じています。しかし、IT業界への就職を志望するなら、早い段階でスケジュールを把握しておく必要があります。
というのも、IT業界の多くが他の業界に比べて早い段階で選考が始まるからです。本記事ではIT業界の就活スケジュールを紹介するとともに、準備の始め方を説明します。IT業界を志望する人は、ぜひ参考にしてください。
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なぜ早い?IT業界の選考
現在の就活ルールでは、採用活動スケジュールは次のようになっています。
- ・エントリー開始や会社説明会などの「採用広報活動」は、3年生の3月1日以降
- ・面接などの「採用選考活動」は、4年生の6月1日以降
- ・正式な内定は、10月1日以降
IT企業以外の就活スケジュールについて詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
一方、IT業界では多くの企業が3年の1月ごろからエントリーの受付を開始しています。このようにIT業界の選考が早いのは、主に次の理由からです。
- ・慢性的な人材不足
- ・就活時期を決める経団連に所属していない
この2つの理由を詳しく見ていきましょう。
慢性的な人材不足
IT業界は急速な技術革新と業界の拡大に伴い、常に高い人材需要が存在します。新しい技術やプロジェクトが次々と生まれる一方で、適切なスキルや経験を持つ人材が不足しており、企業が競争力を維持するには優秀な人材を確保しなければなりません。
新卒であっても一定のスキルと経験を持つ理系就活生を採用するために、迅速な選考を行います。就活生の側も、希望する職種に内定を求めて、効率的な選考プロセスを希望する傾向があります。
就活時期を決める経団連に所属していない
日本の主要な企業や団体が所属する日本経済団体連合会(経団連)に所属しています。先述の就活ルールを定めたのは、この経団連です。2018年10月以降はこの就活ルールを主導するのが経団連から政府へ移ったものの、就活ルールは上記のものを踏襲する形で存続しています。
しかし、経団連が主導していた時代から、経団連に所属しない外資系企業や中小企業、ベンチャー企業などは、独自のスケジュールで採用活動を進めてきました。
中小企業やベンチャー企業が多く、経団連に属していない企業が多数を占めるIT業界では、独自の採用スケジュールを設定できる柔軟性があります。このため、IT業界では企業独自の採用スケジュールにのっとって選考プロセスを迅速に進め、優秀な人材を確保しようとしてきました。
IT業界の選考スケジュール
通年採用の企業も多いIT業界ですが、おおまかなスケジュールは存在します。IT企業を志望する人は、目安としてスケジュールを把握した上で、志望企業の情報収集を行いましょう。企業によって採用スケジュールは異なるため、志望企業の採用サイトは早い段階でチェックしておきましょう。
企業説明会:早期は9月頃、多くは1月頃
一部のIT企業は10月頃から説明会を始め、情報提供を行います。多くのIT企業は1月中旬ごろから企業説明会を開始します。大手企業や中小企業、ベンチャーなど、様々な企業が説明会で会社の特徴や文化、仕事内容などを学生に紹介します。気になる企業の情報収集は早めに行いましょう。
志望候補が決まったら、企業研究を行い、それとともに自己分析を行います。
エントリーシート受付開始:早期は10月頃、多くは2月中旬~
企業説明会を通じて情報収集したら、志望企業をいくつか選び、エントリーシートを提出します。志望動機や自己PR、スキルや経験などをエントリーシートに記載するためには、入念な準備が必要です。説明会が早い企業は10月頃から、多くの企業は2月中旬からエントリーシートの受付を開始します。
企業研究や自己分析を踏まえ、採用につながるエントリーシートを作成しましょう。
一次選考:早期は11月頃、多くは3月中旬~
エントリーシート提出後、一次選考が行われます。一次選考は面接やグループディスカッション、プレゼンテーションなど、企業によって選考方法はさまざまです。志望企業では何が求められるのかを調査し、準備を進めましょう。早期のところは11月中旬、多くの企業は3月末には一次選考が終了します。
本選考:早期は12月頃、多くは4月頃
一次選考を通過した学生は、本選考に進みます。面接を中心に、個々の能力や人物像をより深く把握するためのステージです。早いところでは12月中に、多くのところも4月下旬から5月には内定が出始めます。
通年採用の企業も多い
IT業界では、通年で新卒採用を行う企業もあります。通年採用は学生のスケジュールに合わせた柔軟な採用活動を意味し、企業の採用担当者が1人ひとりの就活生に向き合って、じっくりと能力を判断するのが特徴のひとつです。そのため、スキルや経験を備えた就活生を採用したいIT企業に向いた採用スタイルです。
IT業界の就活に対しては次の記事も参考にしてください。
IT業界に合わせた準備の始め方
IT業界の就活を行うには、就活準備を前倒しするとともに、IT業界に合わせた準備を行いましょう。
業界研究・企業研究
IT業界への就職を考える際、まずは業界全体の動向や特徴を理解することが重要です。3年生になったら、まずは業界研究から始めましょう。最新の技術トレンドや市場のニーズを追い、どの分野が成長しているかを知ることで、将来的な展望が明確になります。さらに、具体的な企業の特徴や文化を調査し、自身の志望企業を絞り込む手助けにすることも大切です。
自己分析
業界研究・企業研究と並行して、自己分析も開始します。自己分析を通じて、自分の強みや興味、価値観を明確に把握することで、どの分野や職種が自分に合っているのかを見極め、自分に合った志望企業を絞り込めます。自分のスキルや経験を客観的に見つめ、どの分野で自分を活かしたいかを考えると、就職活動の方向性が明確になるでしょう。
インターンシップへの参加
IT業界の理解を深めるために、インターンシップへの参加を検討しましょう。3年生の6月頃から始まる夏のインターンシップは、多くの企業が短期〜長期など幅広いインターンシップを開催しています。また、可能であれば2年生の段階から長期インターンシップに参加し、実際に業務に触れるのもおすすめです。
長期インターンシップは特に、社員と共に実際の業務を数か月から約1年、給料をもらいながら経験できます。また、企業の雰囲気や仕事の進め方も体験することで、志望する企業をより具体的に選べるでしょう。
ポートフォリオの作成
IT業界でポートフォリオがあれば、面接などの場で自分のスキルや実績を示せます。企業によってはエントリーの段階でポートフォリオの提出を求めるところもあるでしょう。
ポートフォリオはプログラミングのコードやプロジェクトの成果物、自身のブログなどをまとめて作成します。IT業界を志望する人は、3年生の夏頃までには、自分の能力を具体的に証明できるポートフォリオを作成しましょう。
オファーサイトへの登録
多くのIT企業は、オファーサイトを通じて新卒採用を行っています。自分の情報や希望条件を登録しておくことで、企業からのスカウトメールを受け取れます。オファーサイトは、自分からアプローチするだけでなく、企業からのアプローチも受けられる場です。
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IT業界に就職するために求められるもの
IT業界は人材難で、多くの企業は採用に苦戦していますが、その背景には求めるスキルや経験を備えたIT人材が少ない、という問題があります。そこでIT企業は新卒人材採用に特に力を入れているのですが、反面、誰もがIT人材に向いているわけではありません。IT業界に就職するためには、どのようなものを備えた就活生なのかを整理しておきましょう。
IT業界への適性
IT業界で適性があるとされるのは、以下の資質を備えた人材です。
- ・論理的思考や問題解決能力
- ・コンピュータへの興味
- ・新しいテクノロジーに対する好奇心
複雑な課題に対して論理的に取り組み、仮説検証を繰り返しながら粘り強く考え抜くことが求められます。また、技術の進化が速いため、新しいことに対して柔軟に対応できる意欲や能力も必要です。
IT業界トレンドの把握
IT業界は常に変化しており、最新の技術トレンドや市場のニーズを把握することが求められます。中でも、今後の成長を牽引するAIやデータ分析などの分野は、求められるスキルや知識も変化するため、常に最新情報をキャッチアップし、自身のキャリアを継続的にアップデートする姿勢が求められます。
スキル
IT業界での就職には、適切なスキルセットが不可欠です。プログラミング言語やデータベースの知識、ネットワークの基礎など、基本的なITスキルが求められます。
また、コミュニケーション能力も重要です。クライアントの困りごとを聞き、ニーズを引き出し形にするには、人の話にじっくりと耳を傾け、言語化する能力が求められます。開発などチームで取り組む仕事も多く、チームワークが必要な場面も多いでしょう。
次の記事でもIT業界で求められるものについて説明されています。ぜひ参考にしてください。
IT業界は早めの対策がカギ
本記事では一般的な就活スケジュールとは異なるIT業界の就活スケジュールについて説明しました。
IT業界を希望する就活生は、主体的に情報収集を行い、就活計画を立てることが求められます。3年生になったら、まずは業界研究・企業研究と自己分析を開始しましょう。並行して情報収集を行います。本記事で紹介したIT業界の就活スケジュールを大まかに把握した上で、自分の志望する企業の採用スケジュールを押さえましょう。
また、IT業界はオファーサイトを活用して採用活動を行う企業も多いため、まだTECH OFFERに登録していない人は、ぜひこの機会に登録してください。
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