一次面接では、コミュニケーション力と志望度の高さを中心に評価がおこなわれます。
面接を通じてのアピールが重要ですが、逆質問では両方をアピールするチャンスになります。
一方でコミュニケーション力と志望度をアピールするには、どのような逆質問をすればよいのか、わからない方も多いでしょう。
今回は新卒一次面接向けの逆質問の作り方や質問例を解説します。
一次面接に相応しい逆質問ができれば、さらにプラスの印象を与えられます。
一次面接を控えて準備を進めている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
新卒一次面接の逆質問は人事担当者・現場社員向けにする
一次面接向けの逆質問の作り方や質問例を紹介する前に、一次面接の立ち位置や逆質問が必要な理由を解説します。
新卒一次面接で逆質問が求められる理由
面接を通じて、さまざまな項目の評価をしていますが、会話の流れが企業から学生への一方通行のため、評価は十分ではありません。
学生から企業の流れで会話をしてもらうことにより、より確実に評価をするのが逆質問の狙いです。
さまざまな項目を確認していますが、特に新卒一次面接では以下の項目をチェックしています。
- ・企業に対する志望度
- ・コミュニケーション力
- ・学生の人柄
自己PRにつながる逆質問は効果のある逆質問になる
逆質問に自己PRにつながる内容を含めれば、疑問の解消+自己PRになるため、一石二鳥です。
- ・私は何でも興味を持ち積極的にやってみるタイプなのですが、御社ではさまざまなことにチャレンジする機会はありますでしょうか。
自己PRを含めると効率的な逆質問となりますが、無理やり逆質問に含めると不自然になる可能性があります。かえって逆効果となるため、自己PRは自然に含められるだけにとどめておきましょう。
入社後をイメージさせる逆質問も効果あり
逆質問は面接の最後におこなわれるため、内容によっては面接官にポジティブな印象を与えたまま面接を終えられます。さまざまな内容がありますが、入社後をイメージさせる逆質問は志望度の高さにつながるため、おすすめです。
- ・私が持つ粘り強さは、御社の業務でどのような場合に生かせるでしょうか
新卒の一次面接の逆質問例5選
一言で逆質問といっても実にさまざまな内容が考えられるため、どのような内容が良い評価につながるかで判断に困る方もいるでしょう。本章では、新卒一次面接の逆質問例を5つ紹介します。ぜひ本章を参考にして、逆質問を用意していただければと思います。
一次面接の逆質問例①:採用に関する逆質問
逆質問で「どのような学生を採用したいのか・一緒に働きたいのか」を伺うことで入社意欲をアピールできます。内定獲得へのヒントにもなるため、積極的に伺いましょう。
- ・御社では新人にどのような役割を期待していますか
- ・入社した若手社員はどのような壁にぶつかっていますでしょうか
- ・一生に働く社員に求めるものは何でしょうか
一次面接の逆質問例②:現場の業務に関する逆質問
一次面接は若手社員が登場する可能性は高く、現場の話を伺う絶好の機会です。
若手社員が経験したことと同じ経験をする可能性があるため、入社後のギャップがないように話を伺いましょう。
- ・現場の仕事で楽しかったことと辛かったことを教えてください
- ・現場の仕事でやりがいを感じるときはどのようなときですか
- ・現場の仕事で何か心掛けていることや気をつけていることはありますか
一次面接の逆質問例③:社内の雰囲気に関する逆質問
会社の雰囲気が自身と合っているかは、力を発揮するうえで重要な要素です。
どのような雰囲気が好みかは個々人で異なりますが、自身に合うのかは逆質問を通じて確認しましょう。
- ・社員の方はどのような性格・タイプの方が多いでしょうか
- ・社員同士もしくは他部署などとコミュニケーションを取る機会は多いのでしょうか
- ・HPのインタビューでは風通しがよいとの記載がありますが、全社を通して同じなのでしょうか
一次面接の逆質問例④:キャリアに関する逆質問
キャリアに関する質問は面接を受けた学生の入社後の姿を想像させるため、良い印象につながります。
また現場で働く方がどのようなキャリアを積んでいるかを伺う機会となります。
- ・現在は危険物取扱の勉強をしております。御社に入社するまでに何か勉強しておくことはありますでしょうか
- ・御社の製品開発に憧れを抱いております。入社したから、どれくらいで製品開発に携われるのでしょうか
- ・一般的なキャリアプランを教えてください。3年後・5年後で若手社員はどのようなポジションに就いているのでしょうか
一次面接の逆質問例⑤:NG例
どのような内容を伺うかは学生の自由ですが、マイナス評価につながる逆質問もあるため、注意が必要です。
調べればわかる内容や会話が広がらない内容、面接官ではわからない内容は基本的にNGとなります。
- ・御社の主力事業を教えてください
- ・御社の主力事業はガス・電力などのエネルギー関連ですか
- ・若手社員の方に質問です
御社の事業戦略を教えてください
新卒一次面接向けの逆質問を作り方
自分なりの逆質問を作るにはどうすればよいのか知りたい方もいるでしょう。
本章では新卒一次面接向けの逆質問を作る方法を3つの段階にわけて解説します。
作り方①:企業研究を欠かさない
調べて分かる内容がNGな逆質問となっているとおり、逆質問をするには企業研究が前提です。
調べてわからないことや自分なりの仮定を逆質問として、ぶつけるようにしましょう。
一方で企業研究といっても、どのレベルまで調べればよいのかわからない方も多くいると思います。
OB・OG訪問やインターンシップなどを利用した、深いレベルでの企業研究が理想的ですが、研究が忙しく難しい方もいるでしょう。
一次面接では以下の情報を調査してから、逆質問を作ることをおすすめします。
- ・企業の製品・サービス
- ・企業の所在地や事業、役員メンバーなどの基本情報
- ・企業理念
- ・就業環境
作り方②:気になる部分を書き出す
企業研究からいきなり逆質問を作り出すのではなく、まずは気になる部分をどんどん書き出します。
気になる部分が出るたびに文章化しては時間がかかり、逆質問のネタ探しの時間が取れなくなります。
疑問や気になる部分を書き出す際の注意点としては、被りは気にせずにネタ出しをすることです。
最終的なまとめは別のフェーズでするため、まずはどんどん疑問や気になる部分を出していきましょう。
作り方③:質問にまとめる
書き出した疑問や気になる部分をまとめて、文章化します。同じような内容があればひとつにまとめ、調べればわかる内容なら逆質問に採用するのはやめましょう。
用意する逆質問の数は5〜6個を目安にすると、面接時に困らずにすみます。
数多くの逆質問が用意できた場合には、面接時間が限られているため、優先順位をつけるようにしましょう。
新卒一次面接の逆質問における注意点
逆質問ではコミュニケーション力や入社意欲をアピールできる一方で、言動によってはマイナス評価を受ける可能性があります。
本章では、新卒一次面接の逆質問における注意点を4つ解説します。
せっかくのアピールチャンスがマイナス評価になるのはもったいないため、注意点に気をつけるようにしましょう。
逆質問ゼロ防止に5個以上用意しておく
逆質問がないのは入社意欲が高くないと判断される可能性が高くなるため、避けるようにしましょう。
一方で逆質問を1〜2個準備していたとしても、質問しようとした話題が面接中に出てしまえば、逆質問ができなくなります。
逆質問なしを避けるために、逆質問は5個以上用意することをおすすめします。5個以上用意しておけば、逆質問が0個になる事態は避けられるでしょう。
担当する面接官に合わせた逆質問にする
わかる人に質問をしなければ期待する答えが返ってこないように、逆質問も質問の相手を選ぶようにしましょう。
たとえば、面接官の若手社員に事業設計や採用戦略を質問しても、期待する答えが返ってくる可能性は高くありません。
なぜなら、若手社員の業務範囲や持ちうる知識に事業設計や採用戦略はないためです。
同様に、採用担当者に現場の業務内容を伺っても、リアリティのある回答は返ってきません。
担当する面接官に合わせた逆質問にしなければ、逆質問の効果は上がりにくくなります。
会話が続くような逆質問にする
質問にはさまざまなやり方がありますが、逆質問ではコミュニケーション力をアピールする必要があるため、会話が続くような質問にしましょう。
以下のような、「はい」「いいえ」で答えられる質問は会話が広がりにくくなるため、おすすめはできません。
- ・御社の主力事業はテレビ電話事業でしょうか
逆質問の後に面接をどう終わらせるかを考えておく
「終わり良ければすべて良し」との言葉があるとおり、物事は締めくくりが重要になります。面接では逆質問のフェーズが最後となるため、どのように逆質問を締めくくるかも考えておきましょう。
逆質問の終わり方としておすすめなのが、感謝の言葉を伝えて終わるやり方です。以下のように、感謝の言葉と共に面接を締めくくれば、双方が気持ちの良い状態で面接を終えられます。
- ・丁寧にご回答いただきありがとうございました。御社への理解が非常に深まりました
まとめ
今回は新卒一次面接向けの逆質問の作り方や質問例を解説しました。
今回解説した内容をまとめると、以下のとおりです。
- ・一次面接の逆質問は人事担当者・現場社員向けの内容にする
- ・一次面接の逆質問は企業研究をしているのが前提
- ・一次面接の逆質問は5~6個は用意しておく
一次面接の通過率は30%前後と、決して高くありません。
ぜひ本記事を参考に逆質問を用意し、他の学生と差別化をはかりましょう。