理系就活生の皆さんの中には、以下のような悩みもつ方もいるではないでしょうか?

「自分の専門知識を活かして、スケールが大きい仕事がしたい」

「でも、具体的にどんな企業があるのか分からない」 

機械系や工学系の学生にとって、専攻と近い会社の一つがJFEホールディングスです。本記事では、日本を代表する大手鉄鋼会社である同社を徹底的に解説します。本記事を読めば、あなたがJFEホールディングスで働く未来を具体的にイメージできるようになるはずです。

JFEホールディングスはどんな会社?

JFEホールディングスはどんな会社?

まず、JFEホールディングス株式会社の概要について以下の表にまとめました。

設立(商号変更後)2002年9月27日
本社所在地東京都千代田区内幸町2丁目2番3号
代表者(社長)代表取締役社長:北野 嘉久
資本金1,713億円(2025年3月末現在)
従業員数(連結)61,296人(2025年3月末)
従業員数(単体)55人(2025年3月末)
平均年齢(単体)47.0歳(2025年3月31日現在)
平均勤続年数(単体)22.9年(2025年3月31日現在)
売上収益(連結)4兆8,596億円(2024年度/IFRS)

グループ会社を多数持ち、売上収益が非常に大きいことが分かります。

参照:JFEホールディングス株式会社 会社概要
参照:JFEホールディングス株式会社「数字で見るJFE」
参照:JFEホールディングス株式会社「第23回 定時株主総会招集ご通知」

JFEホールディングスの事業概要

JFEホールディングス株式会社には、中核のJFEスチール・JFEエンジニアリング・JFE商事があり、他にも無数のグループ企業があります。本章では、以下主に前述の3社の情報を中心に解説していきます。

①鉄鋼事業(Steel Business)

グループ中核の事業で、鉄鉱石を原料に製鉄所で製造した鉄鋼製品を、加工・流通含めて国内外に供給。JFEスチール株式会社が高炉一貫製鉄メーカーとして原料調達から最終製品まで一貫体制をとっています。

・代表的な製品サービス

熱延薄鋼板・冷延薄鋼板・表面処理鋼板・厚鋼板・形鋼・鋼管・ステンレス鋼板・棒鋼・線材・鉄粉など。

・主な顧客用途

自動車、造船、建築・土木、家電・電機、容器・缶など、産業用途が中心です。

最終製品ではBtoCと言える家電や建材の流通・小売を伴うケースもありますが、JFE側の主販路は法人向けです。

公式サイトでは「粗鋼生産量」「国内生産シェア」なども公開されており、鉄鋼分野におけるスケールの大きさを示しています。

②エンジニアリング事業(Engineering Business)

プラント設計・調達・建設から事業運営まで手がけ、環境・エネルギー設備、橋梁・インフラなど多様な分野が対象です。鉄鋼を基盤とする「ものづくり」のノウハウを生かし、社会インフラ・環境分野のソリューション事業を展開しています。

・代表的な製品サービス

廃棄物発電プラント、上下水道施設、再生可能エネルギー発電設備、橋梁・構造物など。

・主な顧客用途

自治体、公共事業者、産業施設、エネルギー企業など。

直接の取引先は企業・公共機関であり、エンドユーザー向けサービス展開というよりはインフラ事業者向けです。

③商社事業(Trading Business)

グループ内の鉄鋼・資源・資材流通機能、グローバル商社としての役割を担っています。鉄鋼製品・鉄鋼原料・非鉄金属・資機材・船舶関連取引など幅広く手がけています。

・代表的な製品やサービス

鉄鋼製品の仕入れ・加工・販売、資源・原料調達サービス、非鉄金属製品、物流・流通サービス。

・主な顧客や用途

製造業者・建設業者・資源企業など、商社機能においてもBtoBが中心です。法人間の取引が主で、一般消費者向け販売チャネルは限定されています。

④造船・構造物・重機その他(Shipbuilding/Heavy Equipment, etc.)

公式報告書では「造船事業」なども事業概要として挙げられています。

・代表的な製品やサービス

造船(船舶建造)、海洋構造物、プラント部品など。

・主な顧客や用途

造船会社、海運会社、海洋開発事業者などが主要顧客です。

参照:JFEホールディングス株式会社「事業概要」
参照:JFEスチール株式会社「商品カタログ」
参照:JFEホールディングス株式会社「数字で見るJFE」
参照:JFEホールディングス株式会社「ビジネスモデル」
参照:JFEホールディングス株式会社「JFE GROUP REPORT (統合報告書)」

JFEホールディングスの強み

①大規模製鉄所・集約生産体制による国際競争力

JFEグループの鉄鋼事業を担うJFEスチール株式会社は、国内2製鉄所(4地区)体制により拠点を集約し、効率的な生産体制を構築しています。

国内粗鋼生産量の約28%を占め、「国内2位」の規模を有している状況です。

拠点集約・大規模体制により固定費低減、スケールメリットの活用が可能で、製造コストの抑制と競争力の強化を図っています。

今後、資源の変動・環境規制強化といった外部変化に対しても、強固な生産基盤をもとに柔軟な対応が可能である点も強みです。

②設計・調達・建設・運営までを含むエンジニアリングのトータルソリューション力

エンジニアリング事業では、設計・調達・建設から、さらに運営フェーズまで手掛ける「ものづくりノウハウを活かした事業運営力」を競争優位の源泉としています。

ただモノを造るだけでなく、運営・維持という継続収益性のあるビジネスモデルが特徴です。そのため、売って終わりではない収益構造を実現しており、安定したキャッシュフローが期待できます。

③知財・技術開発・DX活用による付加価値創出

自社サイト「数字で見るJFE」には、特許登録件数が約30,000件(国内:約15,000件・海外:約15,000件)と記載されています。

また、同社は多様な人材とDX(デジタル・トランスフォーメーション)を競争優位の源泉に挙げている点も特徴です。

特許・技術開発力があることで、ただの量産鉄鋼から、より高付加価値な鋼材やソリューション製品を生み出している点が特徴です。。そのため、価格競争からの脱却と利益率改善を図っています。

また、DXの推進により、製造プロセスの効率化、設備稼働率の向上、品質管理の高度化が進み、コスト削減・競争力強化を図っている点も特徴です。

JFEホールディングスの福利厚生

①住居サポート(独身寮・借上社宅制度)

各製鉄所・配属地近隣に独身寮を完備しています。

結婚後は借上社宅制度があり、会社が家賃の一部を負担する仕組みが整っています。採用資料では「借上社宅:家賃の75%、最大10万円/月を会社が負担」といった具体例が明示されています

ただし、配属先や職種により制度・負担割合が異なると考えられるため、確認した方がいいでしょう。

②資格取得支援・職務に直結する教育

製造現場で必要なクレーン運転士、玉掛、溶接、安全教育などの免許・特別教育を会社負担で受講できる旨が明記されています。職務に必要な国家資格や技能講習を会社が支援する制度が整っています。

③自己啓発・研修支援(eラーニング等含む)

階層別研修やJFEカレッジ等の体系的な研修、資格取得支援・eラーニングの提供など、社員の自己研鑽を支える仕組みがグループで整備されています。DXやデータ活用等の分野でも社内学習機会を拡充していると公式報告書に記載があります。

④フレックス・リモート(新しい働き方)の導入

グループ全体で在宅勤務制度の拡充(テレワーク推進)、コアレスフレックスタイム制度の導入、本社でのフリーアドレス化、Web会議ツール等の整備を推進中です。

コロナ以降に定着させたリモート勤務施策について記載があります(事業会社ごとに運用ルールが異なります)。

⑤ワーク・ライフ・バランス支援(育児・介護等)、休暇制度

育児・介護に関する法定以上の支援制度(育児短時間勤務、介護休暇、長期介護制度等)や、年休奨励日・定時退社制度などワーク・ライフ・バランス向上施策が明示されています。

⑥各種補助・福利サービス(カフェテリア・保養所等)

カフェテリア制度、従業員向けの体育施設・保養所・提携リゾートの利用優待、社員食堂補助などの福利厚生メニューが用意されています。

JFEホールディングスは、手厚い住宅補助から自己啓発支援、柔軟な働き方の推進まで、福利厚生が非常に充実していることがわかります。特に家賃補助や育児・介護のサポートが手厚い点は、ライフステージが変化しても安心して長く働きたい理系学生にとって、大きな魅力と言えるでしょう。

参照:JFEスチール「福利厚生制度」
参照:JFEスチール株式会社西日本製作所「制度・福利厚生」
参照:JFEホールディングス株式会社「人材の確保・DXの推進」
参照:JFEホールディングス株式会社「働き甲斐の向上」
参照:JFEホールディングス株式会社「働き甲斐のある職場の実現」

JFEホールディングス社風・働きがい

JFEホールディングス社風・働きがい

JFEホールディングスの社風は、「挑戦できる文化」と「風通しの良さ」が大きな特徴です。若手のうちから主体的に動ける環境で、チームワークを重視する風土があります。

社員の声から見るJFEホールディングス

①挑戦文化

採用メッセージでは「年齢や職種にかかわらずオープンに議論を進め、若手のうちからどんどん挑戦する風通しの良い環境があります」とあります。

キャリア入社アンケートでは、「仕事のやりがい」「自分の意見を持てる」という点が、志望動機・入社後に感じた魅力として挙がっているようです。

上記のような声から、JFEグループでは個人が自ら課題を捉え、手を動かしながら学び・挑戦していく文化が根付いていることが考えられます。

素材・鉄鋼・インフラという変化・競争の激しい領域であるため、変えていく・創っていくマインドが評価されています。

②風通しの良さ

営業部インタビューでは、「若手の意見にも、積極的に耳を傾けていただけるので、安心して仕事に取り組めます」との言葉がありました。

採用メッセージにも「年齢や職種にかかわらずオープンに議論を進め…」と明記されており、「挑戦。柔軟。誠実」という行動規範が裏付けになっています。

上記から、「若手も発言できる」「先輩・上司が意見を聞く」環境があることが考えられます。

風通しの良さは、個人のアイデアや改善提案が組織に反映されやすい意味でも、成長・改善サイクルを回しやすい組織文化とも言えそうです。

③チームワーク

営業部の社員インタビューにて「製造部の皆さんとも協力をいただきながら、チームとして仕事を推進している環境…自分もチームの一員として役に立っていると感じられる職場です」との記載があります。

「個人プレー」ではなく、「班・チームで役割を分担し、互いに補完しながら成果を出す」スタイルが制度・日常業務に根付いていると考えられます。

参照:JFEスチール株式会社「採用チームメッセージ」
参照:JFEスチール株式会社「社員アンケート」

JFEホールディングスのワークライフバランス

JFEホールディングスのワークライフバランス
所定外労働時間(平均/月)31.4時間/月(2024年度実績)
年次有給休暇取得日数(平均)16.7日/年(2024年度実績)
育児休業等取得率(男性)97.0%(2024年度実績)
育児短時間勤務利用者数57名(2024年度)

参照:JFEホールディングス株式会社「社会データ」

所定外労働時間が月約30時間超となっている点は、製造・インフラ系の大規模グループならではの職場・部署による差を前提に考える必要があると考えられます。

「平均16.7日」の有給取得日数の数字も、取得しやすい意味ではプラスです。

また、男性の育児休業取得率が非常に高水準である点は、男女の働き方・子育て支援の観点で強みと捉えられます。制度利用が実績として伴っているというのは評価できます。

JFEホールディングスでは、若手でも挑戦しやすく意見が言いやすい風通しの良さがあります。個人プレーよりもチーム全体で成果を出す文化が根付いているため、協調性を持ちながら主体的に働きたい人にとって、やりがいを感じられる職場環境です。

JFEホールディングスの就職難易度

JFEホールディングスの就職難易度

JFEホールディングス株式会社の就職難易度はかなり高いと考えられます。具体的な倍率は公表されていませんが、ネット上の就職難易度を検索すると、高いという声が散見されます。

大手鉄鋼・素材・インフラ分野と複数の事業基盤を持つため応募者数も多いですが、採用枠は限られており、相対的に倍率・選考ハードルが高いと想定されます。

JFEホールディングスの採用大学・採用人数

JFEホールディングスの採用大学・採用人数

JFEグループは、技術系総合職を中心に大規模な採用を行っています。難関大学の採用実績が目立つ一方、地方大学からも幅広く採用している状況です 。

JFEホールディングスの採用大学ランキング・採用大学一覧

採用実績校は以下の通りです。

大学北海道大学、小樽商科大学、東北大学、国際教養大学、筑波大学、東京大学、一橋大学、学習院大学、慶應義塾大学、上智大学、中央大学、法政大学、明治大学、立教大学、早稲田大学、国際基督教大学、横浜国立大学、山梨大学、名古屋大学、京都大学、同志社大学、立命館大学、大阪大学、大阪市立大学、神戸大学、神戸市外国語大学、関西学院大学、岡山大学、広島大学、愛媛大学、九州大学、立命館アジア太平洋大学北京大学、清華大学、復旦大学、上海交通大学、北京外国語大学、対外経済貿易大学、吉林大学、香港大学、香港中文大学、南洋理工大学、延世大学、チュラロンコーン大学、ハノイ大学
大学院北海道大学、東北大学、茨城大学、筑波大学、千葉大学、東京大学、一橋大学、東京工業大学、東京農工大学、慶應義塾大学、東京理科大学、早稲田大学、横浜国立大学、新潟大学、長岡技術科学大学、金沢大学、信州大学、名古屋大学、名古屋工業大学、豊橋技術科学大学、三重大学、京都大学、大阪大学、大阪府立大学、神戸大学、立命館大学、同志社大学、奈良先端科学技術大学院大学、岡山大学、広島大学、山口大学、九州大学、九州工業大学

参照:マイナビ2027「JFEスチール」

採用実績校には難関大学が多数含まれているため、学歴が高めの大学出身者が一定数存在すると読み取れます。一方で、地方公立・中堅私立大学からの採用実績も確認できることから、幅広い大学出身者も採用実績に含まれている構図です。

JFEホールディングスの採用人数

JFEスチール株式会社の採用数は以下の通りとなっています。

総合職現業職・一般職合計
2025年度※計画JFEスチール225名
※内訳技術系155名事務系70名
365名590名
JFEエンジニアリング220名
※内訳技術系170名事務系名
10名230名
JFE商事70名
※内訳技術系0名事務系70名
0名70名
2024年度JFEスチール228名
※内訳技術系146名事務系82名
226名454名
JFEエンジニアリング150名
※内訳技術系110名事務系40名
6名156名
JFE商事66名
※内訳技術系0名事務系66名
0名66名

参照:JFEホールディングス株式会社「JFEグループの2025年度採用計画について」

JFEグループが公式に発表した「2025年度採用計画(人材確保の強化)」によると、採用力強化の必要性が明記されており、多様な採用チャネルや待遇改善などを通じ人材確保に注力する姿勢が示されています。

また同社のサステナビリティ資料では、脱炭素・再エネ・環境関連プロジェクトの拡大や海外戦略(インド等)に伴う人員需要の増加が明示されており、増員の背景要因として挙げられます。

参照:JFEスチール株式会社「カーボンニュートラルに向けた製鉄プロセス転換支援事業に採択」
参照:JFEグループ「サステナビリティ報告書」

JFEグループは、理系学生が活躍できる技術系総合職の採用枠が非常に大きいと分かりました。採用実績校には難関大学が並びますが、幅広い大学から採用している実績もあります。脱炭素やDXなどの需要増を背景に採用にも積極的であるため、自分の専門性と熱意をしっかり準備して挑戦しましょう。

JFEホールディングスが求める人物像・活かせるスキル

JFEホールディングスが求める人物像・活かせるスキル

JFEが求めているのは、「挑戦・柔軟・誠実」の3つのキーワードを持つ人材です。理系の就活生にとっては、機械・材料・情報など自身の専門知識を活かせる職種が数多くあります 。

JFEホールディングスが求める人物像

採用ページでは、以下のようにJFEスチールの行動規範として「挑戦。柔軟。誠実。」を掲げています。(

・「社員一人ひとりの『挑戦』する想いが必要不可欠。失敗を恐れず、現状を打破し、前に進もうとする活力を持って日々の仕事に向き合うことを期待します。」(挑戦)

・「どうすればよりよくなるかを常に考え、目の前の課題に取り組むことを期待します。」(柔軟)

・「多くの人を巻き込み、個人プレーではなくチームの総合力で目的を達成するために、誠実であることを期待します。」(誠実)

・「変化の激しい素材業界において、高い志と情熱を持って挑戦を続け、会社とともに成長してくれる人財を私たちは求めています。」(採用チームメッセージ)

求める人物像を整理すると次の通りとなります。

①チャレンジ精神

現状に甘んじず「新しいこと」「改善」「変革」を自ら起こしていく姿勢。

②探求心・改善意欲(柔軟性)

変化する技術・市場・環境に対して「どうすればよりよくなるか」を自問し、課題解決に向かえる。

③協調性・チームワーク・誠実さ

大規模な製鉄所・プラント・グローバル環境の中で、多くの人・部署・設備を巻き込みながら成果を上げていくための信頼・コミュニケーション・責任感。

また、年齢や職種を問わず「若手から意見を言える」「オープンに議論を進める環境」も読み取れます。

・企業文化との関係

JFEが掲げる採用人物像は、同社・グループの文化・環境と密接に関係しています。

鉄鋼分野は、技術革新や脱炭素化などの変化要因が大きい環境に身を置くため、「挑戦・探求・改善」が重要視されています。

また、大規模設備・多人数体制・多工程が絡む仕事環境であり、個人よりチーム・部署間の連携・コミュニケーションが成果を左右します。そのため、誠実さ・協調性は必須です。す。

年次・職種を問わず「若手が発信できる」「若いうちから裁量を持てる」という風通しの良さを採用メッセージに打ち出しています。そのため、、固定の上下構造ではない文化を重視しています。

つまり、人物像と企業文化が合致しており、「この環境で成長していけるか」「変化・課題を自ら捉え、チームで動けるか」が採用側にとっての鍵です。

参照:JFEスチール株式会社西日本製鉄所「求める人物像」
参照:JFEスチール「採用チームメッセージ」

理系学生が活かせるスキルや専攻

募集要項や職種紹介ページから、特に理系学生が活かせる主な職種は以下の通りです。

1.研究開発職(新商品開発、金属材料・金属組織解析など)

2.製造技術開発職・設備技術開発職(製鉄設備の構築・改善・運用)

3.保全職・生産技術職(機械・電気・制御設備の保守・点検・運転)

①機械系・機械システム専攻

材料力学、機械設計、熱流体、動力学、加工技術のスキルを、製鉄所設備(圧延機、搬送装置、ロール機など)の設計・改良。生産技術部門での設備改善に活かしやすいと考えられます。

②金属・材料系

金属組織解析、金属材料設計、疲労・破壊試験、表面改質、めっき・コーティング技術を、製鉄設備の電気制御・計装部門。保全職(電気・制御)として大型プラントの安定運転支援に活かしやすいと考えられます。

③情報・データサイエンス系

プログラミング、データ分析、AI・機械学習、IoT、DX推進スキルを、製鉄所の運転データを用いた設備予兆保全、ビッグデータ解析による品質改善、DX部門への初期配属。職種:技術系・DX・ITコースに活かせると考えられます。

④化学・化学工学系・物理系

反応工学、物性物理、プロセス設計、分析技術、計測技術を、鉄鋼プロセス(溶解、精錬、連続鋳造、圧延)での工程研究。めっき・薄板処理・電磁鋼板の材料開発部門で活かせると考えられます。

⑤土木・建築系

構造力学、建設計画、設備設計を製鉄所・構内インフラ、プラント工事の設備設計・施工管理部門で活かせると考えられます。

参照:JFEスチール株式会社西日本製鉄所「仕事と職種」
参照:JFEスチール株式会社キャリア採用「職種を知る」

JFEホールディングスは、失敗を恐れず挑戦する姿勢と、チームで誠実に働く協調性を重視しています。理系学生にとっては、機械・材料・情報・化学など自身の専門性を活かせる職種が豊富に用意されています。「自分の研究内容がどの分野で貢献できるか」を具体的にイメージしておきましょう。

JFEホールディングスの年収・初任給

JFEホールディングスの年収・初任給

JFEホールディングスの年収は、全国平均や同業他社と比較しても非常に高い水準です。 初任給も高く設定されており、安心してキャリアをスタートできる環境と言えます。

JFEホールディングスの平均年収

下記は、JFEホールディングス株式会社の有価証券報告書およびIR・統合報告書に基づく平均年収データです。

2025年3月期約12,643千円(=1,264万円)平均年齢約47.0歳
2024年3月期約11,710千円(=1,171万円)平均年齢約47.5歳
2023年3月期約12,410千円(=1,241万円)平均年齢約46.1歳

全国の会社員の平均年収(国税庁「民間給与実態統計調査」等)では、約460万円前後が目安とされています。同業他社である日本製鉄株式会社の平均年収は約829万円(24年3月期決算)と比較すると、高い水準であると分かります。

ただし、職種や等級・評価・勤続年数によって変わるため、あくまでも目安として考えておくといいでしょう。

参照:IR BANK

JFEホールディングスの初任給

JFEホールディングスの初任給は、以下のとおりです。

JFEスチール(2025年度掲載)

・大学卒(総合職):月給300,000円

・修士了(技術系):月給316,000円

JFE商事株式会社(2025年度予定)

・大学卒・大学院卒:月給280,000円

参照:JFEスチール株式会社「新卒採用要項」
参照:JFE商事株式会社 採用情報(新卒)

なお、同業他社は以下の通りです。

日本製鉄株式会社

・大学卒:月給265,000円(2026年4月入社)

・修士了:月給290,000円(2026年4月入社)

神戸製鋼所

・大学卒:月給290,060円

・修士了:月給310,090円

・博士了:月給330,040円

参照;日本製鐵「新卒採用要項」
参照:マイナビ2026「神戸製鋼所」

同業他社と比較しても決して引けを取らない金額となっており、入社後も安心して働けるのではないでしょうか。なお、地域手当や住宅手当等が別途支給される場合もあるため、詳細は選考の中で確認しておくと安心です。

JFEホールディングスのインターンシップ情報

インターンシップ

JFEグループでは、インターンシップ参加が選考時のプラス材料として扱われる可能性があります。

具体的には、、JFEエンジニアリング株式会社のインターン募集案内に「参加者には早期選考の案内・優遇の可能性あり」と記載されています。

また、インターンに参加することで以下のようなメリットがあったとの声もあるようです。

「企業理解が深まり志望動機が明確になった」

「選考の面接でインターンでのテーマ・学びについて聞かれた」

インターンの参加は必須ではありません。しかし、企業・業界理解を深める場であると同時に志望者としての関心・適性を示す機会となっており、本選考において評価軸として活用される可能性があります。

・参加方法

グループ企業(JFEスチール等)の採用サイトからエントリーが必要です。

過去のインターンシップ内容

「ものづくりエンジニア体感インターンシップ(技術系)」「鉄鋼ビジネス体感オープン・カンパニー(事務系・総合職向け)」などが開催されています。インターンシップでは、製鉄所・研究所・工場見学、実務課題ワーク、最終発表・社員交流が組まれている状況です。

参加対象や専攻も明示されており、理系(機械・材料・電気・情報等)・文系どちらも参加可能なプログラムがあります。

企業に対する情報だけでなく、深い理解が得られるため志望している場合はぜひ参加したいところです。

参照:マイナビ2027「JFEスチール株式会社」

JFEホールディングスのエントリー方法・選考フロー

JFEホールディングスのエントリー方法・選考フロー

JFEホールディングスのエントリー方法・選考フローは、以下のとおりです。

①エントリー・事前登録

まずはグループの採用情報ページよりエントリーを行います。

②説明会・会社説明会

オンラインまたは対面で参加。ウェブ説明会や製鉄所見学を兼ねた説明会が設けられているケースがあります。

③エントリーシート(ES)提出・本エントリー

所定の応募フォーム(マイページ等)にてESを提出します。

記載内容は、自己PR・学生時代頑張ったこと・志望動機など一般的な内容です。

技術系・事務系・現業職などをES提出時に求められるケースがあるため、注意が必要です

⑤Webテスト・適性検査

ES通過後、適性検査(Webテスト)を受検します。適性検査の内容は、数学・国語・性格検査などです。技術系職種では、専門知識確認の試験・論文テーマ・研究概要提出を求めるケースもあります。

⑥一次面接→二次面接→最終面接

複数回(2〜4回程度)の面接を経て、最終では役員面接となります。

面接形式は、Web・対面いずれもあり、最終面接では本社訪問・対面の口コミもネット上であるようです。

一般的なルート以外に早期選考や学校推薦がある可能性もありますが、公表されていません。大学のキャリアセンターに情報がある場合があるため、確認してみましょう。

参照:マイナビ2026「JEスチール」

JFEホールディングスの選考を通過するためのポイント

JFEホールディングスの選考を通過するためのポイント

JFEホールディングスの選考では、「志望動機の明確化」「業界理解」「主体的な学び姿勢」が特に重視されます。

単に鉄鋼業に興味があるという一般的な動機ではなく、「なぜJFEなのか」「自分は何で貢献できるのか」まで具体化しましょう。

JFEホールディングスへの志望動機を明確にする

志望動機では、次の3ステップで論理的に整理すると効果的です。

【なぜこの業界か】

例:「社会インフラを支える基盤素材を扱う鉄鋼業に魅力を感じた」「エネルギー効率化・脱炭素に向けた技術革新に貢献したい」など、業界全体への関心を具体的にしましょう。

【なぜこの企業か】

JFEは「高炉から薄板・厚板・鋼管まで一貫製造できる体制」や、「水素還元製鉄」「高強度鋼板」などの技術的優位性があります。

また、グループでエンジニアリング・商社機能まで保有しており、「開発から社会実装まで一貫で携われる点に惹かれた」など説得力を高める要素を盛り込みましょう。

【どう貢献するか】

研究や専攻とのつながりを明確にしましょう。

例:「材料強度解析の知見を活かして軽量化技術の開発に貢献したい」「データ解析スキルで生産最適化を推進したい」など自身の選考と絡めます。

上記の3点を軸に、自分の強みと企業の方向性を結びつける志望動機を構築するのがポイントです。

JFEホールディングスのOB・OG訪問を行う

JFEは事業が多岐にわたるため、配属部門や職種によって仕事内容・風土が大きく異なります。そのため、OB・OG訪問による一次情報の収集が欠かせません。

【質問例】

「現場や開発部門で感じるやりがいは何ですか?」

「職場の雰囲気やチームでの働き方は?」

「理系として研究内容がどのように活かされていますか?」

「研究が実務にどう結びつくのか」「どの段階で成果が社会に反映されるのか」を具体的に尋ねると、より理解が深まります。

なお、実際のエントリーシート体験談は、選考突破のヒントになります。

以下の記事では、JFEホールディングスのES内容が具体的に紹介されているため、ぜひ活用してください。

関連記事:住友重機械工業株式会社 技術系1次選考通過の本選考体験談

WEBテストやSPIの対策をする

JFEホールディングスの選考では、多くの職種でWebテスト(SPI系)が導入されています。内容は、言語・非言語・性格検査が中心です。理系学生が苦手としやすい「言語分野」「資料読解」「論理問題」で差がつくことが多いため、早期に対策しておきましょう。

【対策のポイント】

「言語分野」:語彙・読解問題の演習を繰り返す

「非言語分野」:表やグラフ問題の計算スピードを上げる

「性格検査」:企業風土(誠実・協調・探求)と矛盾しない回答を意識

技術系職種では研究概要の提出や専門知識確認テストが課される場合もあるため、自分の研究を3分で説明できる練習をしておくと安心です。

JFEホールディングスに関するよくある質問

JFEホールディングスに関するよくある質問

ここでは、就活生が抱きがちなJFEに関する素朴な疑問にお答えします。ホールディングスとスチールの違いや配属先など、気になる点を解消しましょう。

Q1.JFEホールディングスとJFEスチールの違いは?

A.JFEホールディングスはグループ全体を統括する持株会社で、経営戦略・財務管理などを担います。

一方、JFEスチールはその中核事業会社であり、鉄鋼製品の製造・開発・販売を行う実働部門です。新卒採用の多くはJFEスチールで実施されています。

Q2.配属はどのように決まりますか?

A.配属は入社後の研修や本人の希望、適性、事業部門のニーズを総合的に考慮して決定されます。

特に技術系では、大学での専攻内容が大きく参考にされる傾向があると考えられます。

Q3.海外勤務やグローバル展開のチャンスはありますか?

A.JFEスチールをはじめグループ各社は世界各地に拠点を持ち、海外顧客との取引も活発です。若手のうちから海外出張や駐在の機会があり、グローバルな視点でのキャリア形成が可能です。

Q4.インターンに参加すると本選考で有利になりますか?

A.公式には「選考優遇はない」とされていますが、参加者の多くが早期に企業理解を深め、選考準備に役立てています。特に技術系では、研究内容や配属希望を具体化できるため、結果的に選考通過率が高まる傾向があります。

まとめ

JFEホールディングスは、鉄鋼・エンジニアリング・商社機能を一体で展開する総合力が強みです。

社会インフラやエネルギー分野など、人々の暮らしを支える基盤をグローバルに提供しており、脱炭素社会に向けた革新的な素材開発・生産技術にも積極的です。技術と社会貢献の両軸でキャリアを築ける環境が整っています。

JFEホールディングスが重視するのは、「挑戦心・探求心・協調性」をもつ人材です。現状に満足せず新しい技術や価値を創出しようとする姿勢、そしてチームで成果を上げる協働力が求められます。自ら課題を見つけ、改善・提案できる主体性が評価される企業です。

JFEホールディングスび選考を突破するには、まず「なぜJFEか」を明確に語ることが不可欠です。

志望動機を業界理解と結びつけ、研究・経験を通じてどう貢献できるかを論理的に示しましょう。

さらに、OB・OG訪問でリアルな働き方を知ることや、Webテスト対策の早期着手も重要です。上記を通じて、企業理解の深さと準備力を印象づけられます。

なお、挑戦できるフィールドを探している理系学生の皆さんに大切なのが、自分の専攻・経験を活かせる企業に出会うことです。まずはTECH OFFER(テックオファー)に登録し、研究分野やスキルにマッチした企業からのオファーを受け取ってみましょう。

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