「AIエンジニアって、正直どうなんだろう?」
ChatGPTや自動運転、画像認識技術など、AI(人工知能)は今やあらゆる分野に浸透しています。AIがあらゆる分野に浸透するなかで、理系学生の間で注目されているのがAIエンジニアです。
しかし、ネット上ではAIエンジニアに対して以下のような声も散見されます。
「AIエンジニアはオワコンって聞いたけど…?」
「需要はあるけど、実際に何をする仕事なのかよく分からない」
「自分の専攻やスキルで本当に目指せるの?」
結論から言えば、AIエンジニアは「今だからこそ」注目すべき職種です。本記事ではAIエンジニアの仕事内容から求められるスキル、向いている人の特徴まで理系就活生の視点でわかりやすく解説します。
AIエンジニアとは?
AIエンジニアとは、AIモデルの設計や開発、運用を担う技術者を指します。具体的には、機械学習アルゴリズムを使ったモデル構築や、データ分析、AIの実装・チューニングなどを行います。AIエンジニアは、いわばAIを動かす「頭脳」をつくる職種です。
AI(人工知能)は私たちの生活や働き方そのものを変えつつあり、中心にいるのが「AIエンジニア」という存在です。なぜ今、AIエンジニアに注目が集まっているのか?
AIエンジニアに注目が集まる理由は、大きく3つあります。
AIエンジニアに注目が集まる理由 | 概要 |
生成AIの爆発的な普及 | ChatGPTなどの登場により、AIは一般ユーザーにも身近な技術となった。企業側も「AIをどう活用すべきか?」という課題に直面し、AIエンジニアのニーズが一気に高まっている。 |
あらゆる業界でのAI活用が進行中 | AIはIT業界にとどまらず、医療・製造・金融・エネルギー・物流・教育など、あらゆる業界に広がっている。 |
AI技術が社会課題の解決手段になっている | 少子高齢化や人手不足といった社会問題への対応として、AIによる自動化や最適化への期待が急速に高まっている。国や自治体、研究機関もAI人材育成に本腰を入れはじめており、社会全体でAIエンジニアを求める流れが加速している。 |
AIエンジニアは最先端の技術で未来を形づくる仕事で、文系でもなれますが、理系の知識は大きなアドバンテージです。次のセクションでは、具体的にどんな仕事をするのか、詳しく見ていきましょう。
AIエンジニアの仕事とは
AIエンジニアの仕事と聞いて、「なんとなくすごそうだけど、実際に何をしているのかはよくわからない」という人も多いかもしれません。AIエンジニアは、単にプログラミングをするだけではなく、データの準備からAIモデルの開発・運用まで幅広い工程に携わることが特徴です。では、AIエンジニアの代表的な仕事内容について具体的に見ていきましょう。
AIの開発・学習・分析
AIエンジニアの中核的な業務は、大きく次の3つに分類されます。
1.学習データの整備と前処理
AIが正確に判断・推論するためには、膨大なデータを学習させる必要があります。そのため、まずは学習するデータの収集・整形・クリーニングといった前処理が不可欠です。たとえば、画像認識AIの場合は「猫」「犬」などのラベル付き画像を大量に集めて正しく分類できるようにします。
2.モデルの設計・開発・チューニング
次に、ディープラーニングや機械学習モデルの構築・実装を行います。自然言語処理であれば、BERTやTransformer系モデルを用いて文章の意味を理解する仕組みを開発します。業務ではPythonやTensorFlow、PyTorchといったツール・ライブラリが頻繁に使われます。
3.実運用・検証・改善
開発したAIモデルを実際のサービスやアプリケーションに組み込み、精度検証・性能改善・継続的な学習を行うのもAIエンジニアの重要な役割です。例えば、チャットボット開発では、ユーザーの問い合わせに自然な応答ができるようAIの対話精度を継続的に改善していきます。
AIエンジニアの活躍の場は多種多様──分野別の業務例
AIエンジニアの活躍フィールドは、今やIT業界だけにとどまりません。以下はAIエンジニアが活躍できる分野別の具体的な業務の例です。
業界 | 代表的なAIエンジニアの仕事 |
製造業 | 製品の外観検査における画像認識AIの導入、不良品自動検知システムの構築 |
医療 | CT画像の解析、診断支援AIの開発 |
金融 | 与信スコアリングモデル、詐欺検知システムの開発 |
小売・物流 | 需要予測AI、在庫最適化アルゴリズムの構築 |
Webサービス | チャットボット、レコメンドエンジンの実装・改善 |
教育 | 自動採点AI、個別最適化学習支援の実装 |
AI業界全体についてもっと詳しく知りたい人は、次の記事も参考になります。
AIエンジニアと他のエンジニアとの違い
AIエンジニアは他のエンジニア職と重なる部分もありますが、専門性や役割に明確な違いがあります。以下では、代表的な3職種と比較してみましょう。
◎機械学習エンジニアとの違い
AI開発の中でも機械学習アルゴリズムの設計・実装に特化しているのが、機械学習エンジニアです。AIエンジニアはより広く、データ前処理やモデル運用などAIシステム全体の開発に関わる点で役割が異なります。
機械学習エンジニアとAIエンジニアは混同されやすい隣接した職業ですが、AI開発における位置付けや担当業務の範囲に差があります。
◎ITエンジニアとの違い
ITエンジニアと呼ばれる、一見似たような職種も存在しています。
ITエンジニアは主に、業務システムやインフラの設計・構築を担います。一方、AIエンジニアはAIという「考えるエンジン」を組み込んだプロダクト設計を担当する点が特徴です。
使用言語もITエンジニアがJavaやC#を多く使うのに対し、AIエンジニアはPythonやR、C++などのデータ処理・機械学習寄りの言語が中心です。
◎データサイエンティストとの違い
データサイエンティストは膨大なデータから価値ある洞察を導き出す分析の専門家であり、成果や課題解決につながる提案を行うコンサルティングの役割が強い職種です。
AIエンジニアとは、データ解析を行うという共通点や関連性はあるものの、解析結果をもとに「実際に動くAIモデルを構築・運用する」実装寄りの役割を担います。
AIエンジニアに必要なスキル
AIエンジニアは、単にプログラムを書く技術者ではありません。データサイエンス、統計学、アルゴリズム設計など幅広い知識を組み合わせ、ビジネスや研究の現場でAIを実用化する力が求められます。以下では、AIエンジニアに欠かせない主要スキルを具体的に紹介します。
1.プログラミングスキル
AI開発において最も使われる言語はPythonです。シンプルな文法と豊富なライブラリ(TensorFlow、PyTorch、scikit-learnなど)のおかげで、機械学習モデルの開発が効率的に行えます。AIエンジニアを目指すなら、まずは以下の順番で学ぶとよいでしょう。
- ・Pythonの基礎文法(制御構文、関数、クラス)
- ・NumPyやPandasを用いたデータ処理
- ・MatplotlibやSeabornによるデータ可視化
- ・機械学習ライブラリ(scikit-learn)やディープラーニングライブラリ(TensorFlow、PyTorch)の基礎
2.数学的知識(線形代数・統計・確率)
AIモデルは数学理論に基づいて動いています。特に重要なのは以下の分野です。
- ・線形代数:行列計算、固有値・固有ベクトルはニューラルネットワークの基盤
- ・微分・積分:勾配降下法や最適化の理論理解に必須
- ・統計学・確率論:モデル評価、回帰分析、ベイズ統計など
- ・線形回帰・ロジスティック回帰:機械学習の基礎モデルを理解するための重要な概念
理系学生であれば、上記の基礎は大学の授業で触れる分野で、コードに落とし込めるレベルまで鍛えると差別化につながります。
3.データ分析・前処理スキル
AIの精度は「どれだけ良質なデータを準備できるか」に大きく左右されます。
そのため、データの収集・クレンジング・特徴量設計といったデータエンジニアリング力が必須です。
- ・大規模データの取り扱い(SQL、データベースの基礎)
- ・欠損値や外れ値の処理
- ・特徴量抽出とスケーリング(正規化・標準化など)
「Python+数学基礎+データ分析」の3点セットをまず固めることが、AIエンジニアを目指す第一歩です。
4.データベーススキル
大量のデータを扱うAIエンジニアにとって、データベースの運用スキルは重要です。代表的なデータベース言語であるSQLを活用するスキル、データモデリングやNoSQLデータベースの知識などを学んでおくと、即戦力性が高まります。
また、継続的にデータベースをバックアップ・復元するなど、セキュリティ設定を行うスキルを高めていくことも重要です。
5.自主学習
AI分野は進化スピードが速く、数か月単位で新しい技術が登場します。Kaggleなどのコンペティションに参加したり、オープンソースコードの分析・実装、ハンズオン教材を活用したりするなど、主体的に学ぶ姿勢が不可欠です。
AIエンジニアで取っておきたい資格

AIエンジニアには高度な技術が求められるため、目指すならば自分の持っている知識やスキルをしっかりアピールすることが必要です。
IT技術者としての基礎入門的な役割を果たす国家試験・基本情報技術者試験は、AIエンジニアを目指す一歩手前として、IT技術を全般的に学ぶのに適しています。
他にも、G検定と呼ばれるディープラーニングを活用における知識を証明する資格や、E資格というディープラニングを実装する技能を証明する資格など、AIエンジニアに必要な知識を証明する資格は数多くあります。
AIエンジニアを目指すにあたっては、必要な勉強をしながら資格を取得しておくと、就活において有利に働くでしょう。
AIエンジニアのキャリアパス
AIエンジニアは、スキルや経験に応じてキャリアを着実にステップアップできる職種です。
現場での実装経験を積むうちに、より高度な開発やマネジメント、研究職への道も開けていきます。以下では、AIエンジニアの典型的なキャリアパスを紹介します。
ステップ1:初級エンジニア(ジュニアレベル)
就職直後の数年間は、基礎的なデータ処理やAIモデルの実装・評価などを通じて実務の進め方を学びます。
主な業務
- ・先輩エンジニアの指導のもと、データ収集・前処理・ラベル付けを担当
- ・Pythonによる基本的なモデル実装やテスト業務
- ・既存ライブラリを使った簡単な分類・予測モデルの構築
求められる力
- ・プログラミングの基礎力
- ・チームでの開発経験(インターンでも可)
- ・学び続ける姿勢と基礎的な数学力
ステップ2:中級エンジニア(実務主力レベル)
中級エンジニアの段階では、「どう作るか」だけでなく「何を作るべきか」を考えられる力が重要になります。
主な業務
- ・課題に応じた機械学習アルゴリズムの選定と改良
- ・モデルの精度向上やデプロイ(サービスへの実装)
- ・プロジェクト内の小チームをリード
求められる力
- ・ライブラリの使いこなしと独自実装力
- ・機械学習や統計学の深い理解
- ・チーム内での技術的な意思決定
ステップ3:上級エンジニア・テックリード(専門特化レベル)
上級エンジニア・テックリードでは、会社全体のAI活用方針に関わることも増え、外部カンファレンスでの発表や論文執筆に携わるケースもあります。
主な業務
- ・モデル設計の高度化(深層学習、自己教師あり学習など)
- ・MLOps(継続運用)の設計と改善
- ・技術選定やAI戦略の立案、後進の育成
求められる力
- ・技術動向への高いアンテナと実装力
- ・システム設計・AIアーキテクチャの設計力
- ・プロジェクト全体を見渡せる視野
上級まで到達したAIエンジニアのキャリアパスは、マネジメント職とAIスペシャリストへと分岐するケースが一般的です。
分岐1:マネジメント職へ(AIプロジェクトの統括)
チームマネジメントや事業戦略への関与に関心がある場合、AIプロジェクトマネージャーやプロダクトマネージャー(PdM)といった道があります。
業務の例
- ・AIプロジェクトの進行管理
- ・ビジネス側との調整
- ・チームビルディング・育成
技術理解をベースに、組織全体の成果を最大化する立場として活躍します。
分岐2:研究職・専門特化型の道へ
一方で、技術探究を突き詰めたい人には、AI研究職やスペシャリスト職の道もあります。大学院や企業研究所、海外のラボなどで最先端技術の研究開発に携われます。
業務の例
- ・大手IT企業や通信会社のAI研究部門
- ・自動運転・自然言語処理などの専門研究所
- ・博士課程進学を経たアカデミックポスト
ChatGPTのような革新的AIを生み出すポジションも、上記に記載されているキャリアの延長線上にあります。
AIエンジニアに未経験からなるには?
「AIエンジニアに興味はあるけれど、大学では専攻していないし、プログラミングも少ししかやったことがない…」
上記の悩みを抱える理系学生でも、AIエンジニアは今から十分に目指せます。近年は、AI開発の基礎を独学で学べる教材や就活対策に直結する専門スクール・学習サイトも充実しています。以下では、未経験からAIエンジニアを目指すための現実的なステップを紹介します。
ステップ1|Python+数学の基礎からスタート
まずは、AI開発に必須の「Pythonと数学の基礎」から学びましょう。
- ・Python:AIで最も使われるプログラミング言語。文法がシンプルで初学者にもおすすめです。
- ・数学(線形代数・統計・微分積分):AIモデルの仕組みを理解する土台となります。
おすすめ教材
- ・Progate(プロゲート):Pythonの基礎をブラウザ上で学習できる初心者向けサイト
- ・Pythonプログラミング入門:東大が無料公開しているPythonの教材
- ・ドットインストール:短時間の動画でプログラミング基礎を解説
ステップ2|機械学習・ディープラーニングを実践
基礎が身についたら、AIの核である機械学習やディープラーニングを学んでみましょう。
- ・scikit-learnを使った分類・回帰・クラスタリング
- ・TensorFlowやPyTorchを用いたニューラルネットワークの実装
- ・実データを使った分析・精度改善の演習
おすすめ教材・講座:
- ・GoogleMachineLearningCrashCourse:Googleが提供する機械学習の集中講座
- ・Signate(サイネート):日本語で学べるAI学習+実践コンペサイト
ステップ3|学んだ内容を「見える化」しよう
企業が重視するのは「何を知っているか」だけでなく、「どれだけ実践できるか」です。自分で作ったAIモデルや分析ノートをポートフォリオとして公開すると、就活でも大きな武器になります。
ポートフォリオの例
- ・自然言語処理を使った感情分析モデル
- ・画像認識による手書き文字分類(MNIST)
- ・チャットボットアプリの簡易実装 など
活用できるプラットフォーム
ステップ4|スクールや就活支援サービスを活用する
「ひとりで学ぶのが不安」「就職まで見据えて学びたい」という人は、専門スクールの活用もおすすめです。近年は、大学生や社会人向けの短期集中型プログラムも増えています。
未経験者向けスクール例
- AidemyFree:未経験からAI人材を目指す人向けの無料プラン。有料でより高度な知識を学べるPremiumプランでは、就活支援もあり。
- TechAcademy:現役エンジニアからマンツーマンで学べる。多彩なコースが用意されている。
AIエンジニアに向いている人の特徴
好奇心旺盛な人
AIというのは、これからどんどん発展していきます。
そのため、発展に伴う新しい知識における好奇心や吸収していく向上心が大事です。
変化に対応していきながら、好奇心を持って最先端技術を学んでいくのが好きという人はAIエンジニアという職種はとても向いています。
問題への解決意識が高い人
次に挙げられる特徴として、問題への解決意識を高く持てる人が挙げられます。
前述したようにAIエンジニアにおいては人手不足がシビアな問題になっています。
そのため、一つの企業の中でAIエンジニアは1人だけという場面も考えられなくもありません。
そのような中でも、単独でモチベーションを失わず問題解決に取り組んでいく姿勢というのはとても大切です。
論理的に物事を考えられる人
論理的思考ができる人は、AIエンジニアに向いています。
AIエンジニアはプログラミングスキルに加え、論理的に物事を考えて、数学・統計のスキルを発揮できると有利です。
アルゴリズムの読み解きやデータ分析・処理には、データをもとに論理立てて思考できる力が不可欠になります。
AIエンジニアがやめとけと言われる理由
高度な技術が求められる
AIエンジニアがやめとけと言われる理由の1つ目は、高度な技術が求められることです。
AIの構造は複雑で、AIエンジニアとして働くためにはプログラミングスキルだけでなく、データ処理・IT関連知識・法規・高度な数学知識が必要です。
AIエンジニアは技術的な難易度が高く、職種に求められるスキルが高いため、「安易に目指すのはやめろ」という意見が見られます。
常に新しい情報を追わなければならない
AIエンジニアがやめとけと言われる理由の2つ目は、常に新しい情報を追わなければならないことです。
AI技術は技術の進歩が著しく、AIエンジニアの仕事には継続的な学習が欠かせません。
日々の仕事を行うだけでなく、自発的かつ継続的に学べる人でなければ、AIエンジニアとして続けていくことは難しいです。
人材不足ゆえに激務になりやすい
AIエンジニアがやめとけと言われる理由の3つ目は、人材不足ゆえに激務になりやすいことです。
高度な技術が求められるため、AIエンジニアとして働ける人材には限りがあり、ニーズに対して人手が足りない状態です。自ずとハードワークになりがちで、一人当たりの仕事量が多くなっている現状が、やめとけと言われる理由です。
令和6年賃金構造基本統計調査の結果を元にしたデータでは、AIエンジニアの平均年収は約628.9万円と高めですが、ワークライフバランスの取れた生活を送ろうと思うと難しいです。
AIエンジニアは将来的に不要になる?
AIエンジニアがやめとけと言われる理由の4つ目は、将来的に不要になると言われていることです。
AI技術の急速な発展、特に生成AIの台頭により、「AIエンジニアの仕事は将来的になくなるのではないか」という懸念が聞かれるようになりました。
実際に、アメリカでは生成AIの能力向上によって一部のソフトウェアエンジニアが解雇されたというニュースも報じられています。AIが自らAIを開発するような未来を想像すると、「人間のAIエンジニアは不要になるのでは」と考えてしまうのも無理はありません。
しかし、現在のAI技術はまだ発展途上にあり、万能ではありません。AIは与えられたデータに基づいて学習し、特定のタスクを実行する能力は非常に高いです。しかし、自律的に新しい問題を定義したり、倫理的な判断を下したりなど未知の状況に対応する能力は持ち合わせていません。
今後、AI技術がさらに進化したとしても以下の点でAIエンジニアの役割は不可欠であり続けると考えられます。
AIエンジニアが不可欠な理由 | 概要 |
AIシステムの設計と開発 | 「どのようなAIシステムを構築するか」「どのようなデータを用いるか」といった根幹の部分は、人間の専門知識と洞察が必要 |
AIモデルの学習と最適化 | AIが効果的に機能するためには、適切なデータの選定、モデルのチューニング、そして結果の評価と改善が常に求められる |
AIの限界とリスクの管理 | AIが誤った判断を下して社会に悪影響を与えるリスクを理解し、回避するための設計や監視は人間が行う必要がある |
新しいAI技術の研究と応用 | 未知の課題に対するAIの可能性を探り、新しい技術を社会に実装していく役割は、人間のクリエイティビティに依存する |
人間とAIの協調 | AIはあくまでツールであり、最大限に活用して人間社会に統合していくためには、人間のAIエンジニアが介在して調整する役割が不可欠 |
確かに、ルーティンワークや単純なコーディング作業の一部はAIに代替される可能性があります。しかし、上記はAIエンジニアの仕事がなくなることを意味するのではなく、より高度で創造的な仕事へとシフトしていくことを意味します。AIを脅威と捉えるのではなく、強力なツールとして活用し、自身の専門性を高めていく視点がAIエンジニアに求められるでしょう。
AIエンジニアに将来性はある?
AIエンジニアの将来性は明るい
AIを搭載した機器やIoT製品が開発・普及しつつある現在、AIエンジニアの活躍の場はどんどん広がっています。
経済産業省「IT人材需給に関する調査(概要)」でも、AI人材の需要は低位でも2030年には13.1万、平均で24.3万人に達すると言われています。
今後ますますAIをリード出来る人材のニーズが増すことが見込まれる以上、AIエンジニアの将来性は期待できるでしょう。
FAQ:よくある質問と回答

Q1.AIエンジニアの年収はどのくらいですか?
A.
新卒での初任給は一般的なITエンジニアと大きく変わりませんが、スキルや実績に応じて年収は大きく伸びます。
厚生労働省の職業情報提供サイトjob tagによると、ITスキル標準(ITSS)でレベルが上がるにしたがって、報酬が上がっていることがわかります。
【スキルレベル別給与データ(年収)】
ITSSレベル | 各レベルの目安 | 年収 |
1-2 | 実務未経験者・新入社員~一定範囲の作業なら独力でできるレベル | 420.0万円~620.0万円 |
3 | 要求された作業をすべて独力でこなし、プロフェッショナルとなるために必要な応用的知識・技能を有するレベル | 450.0万円~700.0万円 |
4 | プロフェッショナルとしてスキルの専門分野が確立し、自らのスキルを活用することによって、独力で業務上の課題の発見と解決をリードするレベル | 500.0万円~780.0万円 |
5以上 | プロフェッショナルとしてスキルの専門分野が確立し、社内においてテクノロジやメソドロジ、ビジネスを創造し、リードするレベル | 600.0万円~950.0万円 |
他業種の年収が気になる人は、次の記事で他の理系業種の年収を紹介しています。
Q2.文系でもAIエンジニアになれますか?
A.
理系出身の方が有利な面はありますが、文系出身でも十分に目指せます。実際に、文系からPythonや統計を独学し、AIエンジニアとして活躍している人も多数います。
大切なのは、数学的思考や論理的な問題解決力、そして学び続ける姿勢です。未経験者向けのスクールやオンライン講座も充実しているため、文系でもAIエンジニアにチャレンジしやすくなっています。
Q3.AIエンジニアの需要は今後も続きますか?
A.
今後も高い需要が続くと見込まれています。経済産業省の調査によれば、AIを含めたIT分野の人材は2030年には最大79万人不足するとされています。生成AIや自動運転、医療AIなどの分野拡大もあり、今後ますます社会から求められる職種です。
Q4.就活でAI関連の資格は必要ですか?
A.
必須ではありませんが、あると有利になります。特に評価されやすいのは以下の資格です。
- ・G検定(日本ディープラーニング協会):AIの基礎知識を幅広くカバー
- ・E資格:実装スキルを証明する実践的な資格(要認定講座受講)
- ・基本情報技術者試験:IT基礎力の証明に有用
資格は、就活生が向上心を持って勉強している姿勢を示す武器として活用できます。
Q5.インターンやポートフォリオは重要ですか?
A.
インターンやポートフォリオは、非常に重要です。AI分野は「自分でどれだけ動かせるか」が評価されるため、授業や教材の学習だけでなく実際にモデルを構築・分析・運用した経験があると大きなアピールになります。
- ・インターンでの実務経験
- ・Kaggleでの参加歴
- ・GitHubでのコード公開
上記のような実績は、エントリーシートや面接でも確実に評価されます。
AIエンジニアは、未来の社会をつくる仕事
AIエンジニアは、単なる流行の職業ではありません。
生成AIや自動運転、医療AIなどの技術が私たちの暮らしに浸透する中で、「社会をどう動かすか」を技術で形にしていく存在です。
特別な専攻でなくても、今からPythonや数学を学び始めれば、未経験からでも目指せます。実際に、文系からAIエンジニアとして活躍している人も増えています。土台となる数学や統計学を学んでいる理系学生は、未経験であっても有利なスタートを切れるでしょう。
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