単位取得や社会人経験の一環として中長期のインターンシップに行く人は多いと思いますが、就職にはどのような影響があるのでしょうか。今回は工学系の企業へのインターンシップのメリットについて紹介していきます。

理系就活のインターンシップのメリット

企業にアピールできる、覚えてもらえる

自分の就職したいと考えている分野の企業でインターンシップをすることで、活躍をアピールするポイントになります。また社員の方と仲良くなったりお話をすることで、覚えてもらえるきっかけにもなり、入社することになれば「インターンシップにも来ていて、実際に働いてくれる熱心な新人だな」と好印象を与えることもできます。企業側としても中長期のインターンシップをするにあたって、多くの時間とコストをかけていることから採用に繋がるよう、しっかりと学生を見ていることが多いです。

勤務先の雰囲気がわかる

資料などで調べるよりもインターンシップを通して実際に働くことが、企業の雰囲気を知る一番の近道です。社内の空気感や先輩社員の教え方、風土、休み時間の過ごし方といった働いてみないとわからないことを多く感じることができます。社員の考え方やキャラクターや仕事への姿勢やルールを知ることもでき、自身が働く環境としてミスマッチがないかを実際に退官して確認することができます。
それと同時に実際に「通勤する」ことでその会社が通いやすいのか、どのルートでいくと楽なのか、家から自席まではどのくらいかかるのか、といったこともわかります。
一方で、最近は遠隔で複数回の演習に取組む2週間などの中長期インターンシップも存在します。遠隔だとどうしても上記はわからないということがありますので、別途、社員との座談会が企画されていることもあるようです。

入社を希望している同世代と話す機会になる

インターンシップで一緒に過ごす同世代の人がいる場合にはライバルとも言えますが、同時に同じ就職期を頑張っている仲間でもあります。他の学校のそうした人と関わる機会は貴重ですので、話すことがあればお互いに情報交換をしてみましょう。また、実際に入社した時に仲良くなった人がいると、最初から企業に馴染みやすく悩みを相談できる相手として特別な存在になることもあります。

自分が本当にこの業界で働いていくことができるかを判断する

インターンシップを経験することで自分の想像していた業界のイメージとのギャップを埋めることができます。よくある入社してから「こんな仕事だと思わなかった」という経験を入社前にしておくことで、「思ったよりも厳しいけど頑張ってみよう」といった前向きな気持ちや「少しイメージと違うから他の分野でも探してみよう」というように就活の方向転換のきっかけにもなります。

機械系の企業の場合

実習で結果を残せば就職に直結する可能性がある

インターンシップで行われる仕事体験や研修といった実習で優秀な結果を残すことで「センスがある、即戦力になる」という印象を与えることができます。例えば学校でCADの知識を身につけて、インターシップで行われる企業研修の際に素早く操作をしてモデリングや図面を完成させることができれば、当然研修担当者の目に留まります。

使っているCADの種類や重点的に使うコマンドが分かる

CADにはいくつか種類があり、企業によって導入しているものが異なります。これらをインターンシップで使いながら学ぶことで、学校に戻ってから練習する参考になります。また、業界によって頻繁に使うコマンドや定石のようなものが決まっていることがあるため、そうしたものになれる機会でもあります。

IT系の企業の場合

日々の仕事の雰囲気や、一緒に働く人たちの様子を見ることができる

IT系の企業でインターンシップを行うと、その会社の扱っている商品やサービス、それを販売する営業担当、バックエンドエンジニアを統括するディレクターの仕事など、企業の中に入らないと見れないものを多く目にする機会になります。いろんな人の仕事ぶりをみることで、今の自分が目指す働き方から一歩先に進んだ「どんな仕事にステップアップしたいか」「どのポジションになりたいか」を考えるときに参考になります。

必要な言語や身に着けるべき開発アプリを知ることができる

実際に仕事をしていく上で必要なコーディングに使う言語や、開発ツールは何を使っているかを知ることができます。もちろん会社の業務案内などで記載されていることはありますが、関連する知識や会社独自の書き方などに慣れる機会でもあります。そうして学んだことを学校に持ち帰って、調べて自己学習することで、入社した時により早く環境に慣れてスタートダッシュを決める準備ができます。

実践的な開発やコーディングのスキルを知ることができる

IT業界は特に進歩が早く、学校で習う知識だけでは対応できないことが多く出てきています。しかし、インターンシップで学べる実際に業務で使われているスキルは、今まさに世界中の競合他社と闘うための最先端のものです。それに触れることでスキルアップと同時に「常に学習して進歩できないとエンジニアとして働けない」ことを感じると思います。現場のスピード感や技術力を感じられる時間になるでしょう。

電気系の企業の場合

実技では工具の扱い方や緊張感を肌で感じることができる

電気系の企業のインターンシップにはいくつか種類があります。例えば、工具を使った実技を行う場合、学校で使ったことのあるものは分かると思いますが、企業に入るとメーカーや型番違いで微妙に使ったことのない工具や器具に遭遇することがあります。そうした「いつも使っているものではない工具」を使いこなせるようになるべんきょうになります。また、プラントなどの実作業を行う場所を見学できることもあります。こうした場所にいくと作業の大変さや緊張感がわかる貴重な体験ができます。

関連する部品や設計に必要な知識、扱い方を学べる

インターンシップで製品に触れることで、自分が触ったことのある部品だけでなく、それに関連するものの使い方や機能を学べます。設計に関しても学校の勉強では学ぶことができない、製品を作るために必要なルールやノウハウを教えてもらえます。

これだけは知っておきたいポイント

1)中長期インターンシップには積極的に参加して挑戦していくほうがいい

インターンシップに参加する学生を企業はもちろんチェックしています。インターンシップ参加中の勤務態度や技能、コミュニケーション能力は人事の担当者に見られていると思っておいて間違いはないです。積極的に参加して、どんな会社かを経験しながら自分をアピールしていきましょう。

2)現場で働く人に質問できる機会なので事前に知っておくべき知識やスキルの情報を集める

インターンシップでは今働いている社員さんの声を聞く貴重な機会です。会社のことはもちろんのこと、業界や他の企業との関わり、仕事をうまくするためのコツなど様々なことを聞けます。質問責めにしすぎると働いている方の迷惑にもなってしまうので、休み時間やお昼ご飯などのタイミングを見て積極的に質問してみましょう。

3)実際に入社したいという気持ちで取り組むことで、企業側に本気度が伝わる

中長期のインターンシップは企業の採用活動としても行われます。採用担当者は参加している学生の勤務態度や技能、社員とのコミュニケーションの取り方などを見ているので、学生側としてもアピールできるチャンスと言えます。