22卒学生の就職活動の傾向
就職活動の進み方
22卒学生の多くが、修士1年の秋までに志望業界を決定していました。さらに、就活全体を通して、約65%の学生が11社以上の会社説明会や企業イベントにオンラインで参加していることが分かりました。面接に関しては、5~10社面接を受けた学生が全体の約45%となっており、11社以上の面接を受けた学生が、去年に比べ増加していたことから、理系学生の面接参加数が増加していることが分かりました。
就活のオンライン化
コロナにより外出などが制限される中、就活の中心がオンラインとなってきています。会社説明会や1~2次面接に関しては、約8割の学生がオンライン開催を望んでおり、オンライン中心の就職活動を希望する傾向が見受けられます。また、コロナの影響について尋ねたところ、オンライン中心の就職活動への変化はプラス影響の方が大きいことが分かりました。
イベント・会社説明会・面接
オンラインでのイベントや会社説明会に参加する学生は、対面での参加者に比べ圧倒的に多くなっていることが分かりました。さらに、対面形式の会社説明会に1回も参加したことのない学生が、昨年に比べ大幅に増加し、全体の約半分を占めました。また、WEB面接での失敗点として、通信環境の失敗が多かったが、失敗点なしの学生が最も多かったことから、WEB面接への、学生の順応がうかがえました。
アンケート概要
今回のアンケートは、2021年7月21日~2021年7月27日の期間に実施し、22卒の学部生と大学院生を含めた、591名から回答がありました。
就職活動の状況
就職活動における新型コロナの影響
就職活動における新型コロナの影響を複数選択で尋ねたところ、「WEB面接が増えて、やりやすかった(ex.緊張しにくい等)」「旅費、交通費、移動時間を削減できてよかった」の2つを感じている学生が多くなっています。昨年同様に理系就活において、就職活動のWEB化はプラス影響がマイナス影響を上回っています。
志望業界の決定時期
志望業界をいつ頃決めたかを尋ねたところ、学部生は3年の冬と4年の春に決めている学生が多くなっていました。修士進学者の多くは、夏以降に志望業界を決定していることが分かりました。さらに修士1年生の秋までに半数以上が志望業界を決定していることから、それまでに、志望業界の選択肢に入っておく必要があります。
仕事選びへの影響要素
自分の仕事選び(業界、職種)に影響している要素を複数選択で尋ねたところ、昨年同様に、大学での所属・専攻(学習、研究活動)が首位、先輩の就職先(業界・職種)は2位、大学時代の体験(アルバイト、インターン、就職セミナー等)が3位となりました。
理系22卒学生の志向性
絶対にゆずりたくない「必須条件」、必須ではないがあれば嬉しい「希望条件」を複数選択で尋ねたところ、必須条件では「採用配属先と配属職種・仕事内容が決定されている」がTOP、希望条件では「勤務地が希望できる」がTOPとなりました。
理系22卒学生の就活実態
就活初期
WEB開催の会社説明会、企業イベント参加数
WEB開催の会社説明会、企業イベントなどで合計何社の話を聞いたか尋ねたところ、昨年に比べてWEB開催形式での参加数が増加していることが分かりました。さらに、約65%の学生が11社以上の会社説明会、企業イベントに参加していました。
対面開催の会社説明会、企業イベント参加数
リアルで開催の会社説明会、企業イベントなどで合計何社の話を聞いたか尋ねたところ、昨年に比べて、リアルでの会社説明会に全く参加していない学生(0社)が大幅に増加し、全体の約半数を占めました。また、参加数5社以下の学生が約85%となりました。
就活初期に参加しやすい交流のイベントとその理由
企業とのWEBを通しての交流について、就活初期としてはどれが参加しやすく嬉しいのかを尋ねたところ、昨年同様に「匿名性の会社説明会」がTOPとなったが、割合が増加し半数近い学生が選択していました。また、約3割の学生が「個別面談」を希望していることもわかります。
参加しやすいイベントの理由
・匿名性の会社説明会
匿名性の会社説明会に参加しやすいという回答の理由は以下の通りでした。
・丁寧に人事部担当者に対応してもらえる個別面談
丁寧に人事部担当者に対応してもらえる個別面談に参加しやすいという回答の理由は以下の通りでした。
・リクルーターや人事部との小規模座談会
リクルーターや人事部との小規模座談会に参加しやすいという回答の理由は以下の通りでした。
・リクルーターとの個別面談
リクルーターとの個別面談に参加しやすいという回答の理由は以下の通りでした。
・実名制の会社説明会
実名制の会社説明会に参加しやすいという回答の理由は以下の通りでした。
・その他(合同説明会)
その他(合同説明会)に参加しやすいという回答の理由は以下の通りでした。
「この会社には行きたくない」と感じた理由
説明会や交流会に参加して、この会社にはいきたくないと感じた企業はあったか、またその理由や特徴を尋ねたところ、以下のようになりました。
面接、推薦
面接を受けた会社数
何社の面接を受けたか尋ねたところ、5~10社面接を受けた学生が全体の約45%となりました。また、 11社以上の面接を受けた学生の割合が昨年より2~4%増加しており、理系学生の面接参加数が増加傾向にあるとみられます。
推薦の活用状況
学校推薦、学科推薦、教授推薦の就活での活用状況を、選択式で尋ねたところ、自由応募のみが約6割で最多となりました。さらに、自由応募、自由応募+学校推薦までを含めると85%超の水準となりました。
さらに、21卒の同時期回答と比較すると、自由応募のみが約5%増加しています。自由応募が理系学生でもより進んでいることが分かります。
推薦制度についての印象
推薦制度についてどう思うかを、最大3つまでで尋ねてみたところ、昨年同様、推薦制度をメリットととらえる学生が2割程度となり、使いにくさや不信を感じる学生が多い状況でした。
オンラインと対面の希望
インターンシップや会社説明会、職場・工場見学、面接等のイベントにおいて、オンラインと直接訪問を比較するとどちらがいいと感じるかを尋ねたところ、職場工場見学では直接形式を望む声が約85%となり、インターンシップでも7割近くがそう答えました。一方、会社説明会においてはオンラインを望むものが85%超と圧倒的となりました。
1~2次面接はオンラインを望む学生が約8割となり、直接訪問を望む学生は8%でした。最終面接においては50%超が直接訪問を望むものの、25%超はオンラインを望んでいました。
WEB面接での失敗
WEB面接で失敗したこと
WEB面接で失敗した点、物足りないと感じた点を自由回答で尋ね、項目ごとに分類したところ、なしと回答した学生が最多でWEB面接への順応がうかがえました。 2位(なしを除く1位)は通信環境の回答が多くなっていました。
WEB面接での失敗、物足りなかった点
上記のアンケートでの回答理由を項目ごとに紹介していきます。
・通信環境
通信環境と答えた学生の回答の理由は、以下の通りでした。
・コミュニケーション
コミュニケーションと答えた学生の回答の理由は、以下の通りでした。
・雰囲気・表情
雰囲気・表情と答えた学生の回答の理由は、以下の通りでした。
・熱意
熱意と答えた学生の回答の理由は、以下の通りでした。
・目線
目線と答えた学生の回答の理由は、以下の通りでした。
就活で嬉しかったこと
就職活動で嬉しかったこと、気持ちが盛り上がった体験
就職活動で企業にしてもらって嬉しかったこと、気持ちが盛り上がった体験を尋ね、以下の9項目に分類しました。
・フィードバック
フィードバックに関する回答には、以下のようなものがありました。
・個人・個別対応
個人・個別対応に関する回答には、以下のようなものがありました。
・面接
面接に関する回答には、以下のようなものがありました。
・人事部フォロー
人事部フォローに関する回答には、以下のようなものがありました。
・インターンシップ
インターンシップに関する回答には、以下のようなものがありました。
・研究話題
研究話題に関する回答には、以下のようなものがありました。
・リクルーター/エントリーシート
リクルーター/エントリーシートに関する回答には、以下のようなものがありました。
・内定/交通費
内定/交通費に関する回答には、以下のようなものがありました。
・その他
その他の回答には、以下のようなものがありました。
後輩へのアドバイス
もう少しできればよかったと感じた点
後輩へのアドバイスとして、就職活動でもう少しできればよかったと感じる点について尋ねたところ、早めの就職活動が1位、業界研究についてが2位になりました。
具体的な回答内容
上記アンケートでの回答内容について、回答ごとにまとめました。
・早めの就職活動
早めの就職活動に関する回答には、以下のようなものがありました。
・業界研究
業界研究に関する回答には、以下のようなものがありました。
・自己分析
自己分析に関する回答には、以下のようなものがありました。
・インターン
インターンに関する回答には、以下のようなものがありました。
・練習・準備
練習・準備に関する回答には、以下のようなものがありました。
・エントリーシート/その他
エントリーシート/その他の回答には、以下のようなものがありました。
理系22卒学生の就活振り返り
就職先への決め手
就職先に就職しようと決めた決め手を尋ねたところ、昨年同様、1位社風、2位やりがい、3位興味のある業界という順位になりました。
就職活動のスタイル
就職活動のスタイルを選択式で尋ねたところ、昨年同様、素養就職1位、専門就職2位となりました。 上記を合わせると90%超が自身の専門や素養に関係した就職を行っています。
不便だった点
就職活動で煩わしいと感じたり、不便と感じたことを、最大3つまでで尋ねたところ、昨年同様、大量のリクルートメールの煩わしさが第1位、ES記入の手間が第2位となりました。
厳選!理系就活生におすすめサイト
メジャーなナビサイトを始め、企業研究やエントリーシート作成・逆求人サイトまで様々な就活サービスがありますが、それぞれ特徴があります。目的に合わせて各媒体を使い分けるのがおすすめです。
TECH OFFER(テックオファー)
理工系学生に特化した逆求人サイトです。大手企業から中小企業まで、技術系の職種を中心にスカウティング(面談や早期選考案内の声掛け)が活発におこなわれており、オファー理由が明示されるので業界・企業研究、志望動機形成に役立ちます。
OfferBox(オファーボックス)
逆求人サイト最大手で、使いやすさや利用企業数・質ともに非常に優秀なサイトです。エントリー前に、スカウトが届いた企業とチャットを使って話すことができるのが大きなメリットですが、理系採用企業は一部に限られるので注意が必要です。
キミスカ
逆求人サイトとしてこちらも有名です。利用企業数はOfferBoxに劣りますが、企業からの本気度のわかりやすい3種類のスカウトと精度の高い適性検査が魅力のサイトです。無料の適性検査が受けられ、各能力の測定値が出るだけでなくそれぞれの項目に長文のコメントが付き、「よく当たっている」と精度の高さも評判です。ただし、こちらも理系採用企業は多くありません。
「キミスカ」
理系マイナビ
理系学生向けに作られたマイナビの理系版で、進路・就活ガイドブックをはじめ、理系の仕事研究など就活ノウハウがたくさん紹介されています。大きな特徴はスカウト機能があること。自己PRをもとに企業側からスカウトメールが送られてくることがあります。
「理系マイナビ」
理系ナビ
理系学生に特化したインターンシップ、就活情報サイトです。総合的なサイトにはない理系特有の就活情報をもとに、キャリアプランについて考えながら就活を進めることができます。キャリアスクールというイベントは、セミナーやグループワークを通して企業理解や職種理解を深めることができるので有用です。また、キャリア相談を利用することで、就活の方向性が定まっていないという方でもコンサルタントと一緒にキャリアプランを立てることが可能です。
「理系ナビ」
まとめ
1.コロナの影響により、WEB開催形式の会社説明会、企業イベントへの参加数が増加していることが分かりました。また、会社説明会や1~2次面接において、オンラインの方が良いと考える学生が約8割となり、就職活動のWEB化によって、やりやすさや交通費・時間の削減等のメリットを感じる学生が多かったこともデータで確認することができました。
2.面接や会社説明会等ではオンライン開催を望む一方で、インターンや職場・工場見学では企業を訪問したいと考える学生は約7割と決して少なくないことが分かりました。
3.就活のスタイルに関しては、自由応募が昨年に比べ増え、引き続き半数を超えました。理系学生でも、自由応募が進んでいることが分かりました。また、素養就職や専門就職を含め、自身の専門や素養を活かした就職が90%以上となっていることが確認できました。