サントリーが理系採用を進める理由とは?デジタルへの取り組みを解説

缶コーヒーのボス、お茶の伊右衛門、ビールのプレミアムモルツなど、誰もが知るヒット商品を生み出してきたサントリーは、理系採用にも力を入れています。
近年のサントリーでは研究開発や商品開発以外の職種でも幅広く理系採用が盛んです。

本記事ではサントリーが進めるデジタルへの取り組みと理系採用の関係性について解説します。
最後まで記事を読んで頂くと、サントリーがなぜ理系採用に注力しているか、具体的に分かるようになるでしょう。

人気企業サントリー

サントリーはテレビCMや広告でも露出度が高い企業であり、知らない人の方が珍しいかもしれません。

まずはサントリーの概要について、確認してみましょう。

日本を代表する総合飲料水メーカー

サントリーはウイスキーなどの洋酒、ビール、清涼飲料水の製造と販売を行う総合飲料水メーカーです。
「水と生きる」を企業理念として、ユーザーの生活を飲料水で支えています。
生活に不可欠な水は飲料水はもちろんこと、ユーザーの憩いの場所である飲食店とも深い関係があるメーカーです。
多くの飲料水メーカーがある中で、サントリーが一際強い光を放っているのは、「水と生きる」という企業理念をベースに、あらゆる企業文化が根付いているからだといえるでしょう。

理系採用ランキング上位の企業

サントリーは理系人材からも多くの支持を集める企業です。
毎年発表される理系採用の人気企業ランキングでは、常に上位にランクインしています。
私たちの生活の身近な存在であり、「サントリーの商品開発に携わりたい」と思う理系人材も多いでしょう。

サントリーは総合飲料水メーカーの中で、常にリーダーとして業界を牽引しています。
以下の通り、売上高、営業利益ともにライバルであるアサヒとキリンより上回っていることも、理系学生から人気の高い理由だといえるでしょう。

サントリー:売上高2兆5592億円 営業利益2475億円
アサヒ:売上高2兆2361億円 営業利益2119億円
キリン:売上高1兆8216億円 事業利益1654億円

■参考:2021年度各社の売上高と営業利益

https://www.suntory.co.jp/company/financial/index.html
https://www.asahigroup-holdings.com/ir/financial_data/highlights.html
https://www.kirinholdings.com/jp/investors/

サントリーが理系採用を進める理由

多くの日本企業が理系採用に注力しており、理系採用市場の競争は年々激化しています。
サントリーも例外なく理系採用を強化中です。
サントリーが理系採用を進める理由を確認していきましょう。

DXを推進するため

デジタル技術とデータを最大限活用するというDX(デジタルトランスフォーメーション)に、サントリーでは戦略的に取り組んでいます。
リアルとデジタルを掛け合わせることで、より良い顧客体験を提供するのが、サントリーが考えるDXです。

サントリーでは、DXを推進するために以下の職種を募集しています。

  • DXプロデューサー
  • DXディレクター
  • UXデザイナー
  • Webマーケター
  • データマネジメント・サイエンティスト
  • エンジニア

どの職種も単独でDXは推進できません。
それぞれが持ち場で役割を全うすることにより、サントリー全体のDXが推進されるといえるでしょう。

多様化する消費者のニーズに応えるため

インターネットが普及し、SNSが爆発的に成長した現代では、消費者はいつでも情報に触れられるようになりました。
その結果、消費者のニーズは多種多様なものとなっています
ヒット商品が、急に売れなくなるということも珍しくないでしょう。
SNS時代において重要なのが、いかに消費者のニーズを読み取るかということです。

前述したとおり、サントリーではDX人材の採用に力を入れています。
ビッグデータを読み取り、多様化する消費者のニーズを把握し、次の一手を考えるためにも、理系採用は重要だといえるでしょう。

サントリーが進めるデジタルへの取り組み

前述したとおり、サントリーはDX人材の採用に力を入れています。

サントリーはこれまでもIT・デジタル技術の進展に合わせて、最先端の技術を積極的に活用してきました。
DX人材の採用を進めるサントリーが進めるデジタルへの取り組みを確認していきましょう。

あらゆる部門でのデジタルリテラシー向上

DXはデジタル部門だけが取り組んでも成功しません。
これは日本を代表する企業であるサントリーでも同様です。

サントリーではDXを成功させるために、研究・生産・サプライチェーンマネジメント・マーケティング・営業などあらゆる部門でデジタルリテラシーを向上させています。
それぞれの部門が専門性を高めることと同時に、デジタルに関する教養を身に付けて、DXに取り組むことで、サントリー全社のDXが推進されるといえるでしょう。

デジタル技術を活用したUXの向上

「お客様志向」はサントリー創業時から根付いている精神です。
お客様の心に響く商品やサービスを目指すサントリーでは、デジタル技術を活用したUX(User Experience:顧客体験)の向上に取り組んでいます。

UX向上の代表的な例が「TOUCH-AND-GO COFFEE Produced by BOSS」です。
テイクアウト専用のカフェであり、LINEを起点とするモバイルオーダーで事前に注文と決済を完了させるシステムで、店舗では商品を受け取るのみとなります。
オンラインとオフラインを融合した新たなUXで注目されました。

サントリー大学デジタル学部を開設

サントリーには社員が学び続けて成長し続けることができるように、サントリー大学という人材育成プログラムが存在します。

サントリー大学にはデジタル学部が開設され、オンラインによる通信教育を中心としたコンテンツにより、社員誰もが自主的にデジタルリテラシーを習得することが可能です。
2021年からはコンテンツを総合的にパッケージ化して、デジタルの中核を担う社員を集中的にトレーニングする「デジタルチャレンジ」という研修をスタートさせています。
サントリーでは全社でデジタル化に取り組んでおり、DXの意識が高まっているといえるでしょう。

やってみなはれの精神

大ヒット商品であるプレミアムモルツがあり、ビールに強いイメージがあるサントリーですが、実はビール部門が黒字となったのは2008年であり、それまでは46年間ずっと赤字でした。
一般的な企業であれば46年間も赤字であれば不採算事業として、撤退していてもおかしくありません。
それでも可能性を信じて黒字化できた要因には、創業時から受け継がれる「やってみなはれ」の精神があります。
このやってみなはれの精神は、デジタルへの取り組みにも活かされているといえるでしょう。

DXは社内風土をも変革する可能性があるものです。
DXに取り組む企業の中には、途中で反発する部署や社員が出てくる事例もあります。
やってみなはれの精神で、失敗を恐れずにチャレンジを続けるサントリーは、DXが浸透する土台ができあがっているといえるでしょう。

サントリーの理系職種

サントリーではデジタル化を担うDX人材の他にも、さまざまな理系職種を募集しています。
サントリーが募集する理系職種を具体的に確認していきましょう。

基盤研究職

基盤研究職は、サントリーの事業に影響を与える全く新しい技術を確立する役割を担います。
異分野で確立した技術を応用して、新たな領域に挑戦する職種です。
国内外の研究機関と連携することも多く、まさにやってみなはれの精神が大切となるといえるでしょう。
基盤研究職は機能性食品や素材の探索を行い、他社商品と差別化するためのデータ採取、知的財産の確保も行います。

商品開発職

サントリーの理系職種の中でも、商品開発職は花形です。
伊右衛門やボス、プレミアムモルツといったヒット商品を生み出す職種ですが、一つの商品を完成させるために、地道な作業を行う職種でもあります。
中身の開発、新規原料の開発や評価、パッケージの開発など、業務の種類もさまざまです。
新商品を量産化するためには、コストに合った原料を選定し、工場に新たなラインを設ける必要があります。

商品開発職は、単純に商品を開発するだけではなく、原料のコストや工場にある設備についても把握することが重要です。
社内の状況を総合的に判断して、商品設計するスキルが求められる職種だといえるでしょう。

技術開発職

新商品を実際に世の中へ送り出すのが、技術開発職の仕事です。
新商品の中身は開発段階ではうまく製造できても、工場で製造する場合にうまくいかないということも珍しくありません。

技術開発職はラボスケールで設計された中身レシピを工場で再現できるようにスケールアップさせる仕事です。
サントリーのノウハウや知見を総動員させる職種であり、ヒット商品を生み出すためには必要不可欠な職種だといえるでしょう。
技術開発職は新商品開発だけではなく、既存商品の品質改善にも取り組みます。

技術開発職はまさにサントリーの根幹を支える基幹職種です。

まとめ

理系学生からも人気の高いサントリーは、やってみなはれの精神で新たな商品を生み出し続けています。
デジタルとデータを活用するDXも盛んであり、理系人材の採用にサントリーが今後も注力することは間違いありません。
より良いUXの提供を目指し、DXにも力を入れるサントリーは、理系人材が輝くことができる企業だといえるでしょう。