採用稟議書とは? | 必要な理由と書き方、注意点まで徹底解説

採用稟議書について徹底解説

「採用稟議書の作成で困っている」「採用稟議書を作ったけど修正になった」

そんな悩みを抱えている採用担当者は多くいます。採用活動において稟議書は重要です。作り方を間違えると、採用を上手く進められないことがあります。

この記事では採用稟議書の作り方について解説しています。採用稟議書は、誰でも理解できる形で作成しなければなりません。本記事で紹介するポイントを意識するだけで、採用稟議書を作りやすくなるでしょう

採用稟議書が必要なケース

採用稟議書が必要なケースを紹介

採用活動において必ず求められるのが採用稟議書です。企業によって稟議書をどの程度作らなければいけないのかは様々ですが、共通しているのは以下の2つになります。

  • 人材を募集する時
  • 採用したい人材が決まった時

人材を募集する時

人材を募集する時にまず稟議書を作成します。人材採用にかかるコストの妥当性を判断することが目的です。採用活動だと、例えば以下のコストが該当します。

  • 求人メディアへの掲載費
  • 求人メディアへの広告料やサービス利用料
  • 人的コスト
  • 採用工数

これらは必ず記載しましょう。求人メディアの費用を記載することで、どのサービスで採用活動を行うかを示せる効果もあります。

また稟議書を事前に回しておくことで、経営陣が採用状況を把握できます。そのため採用におけるフォローが必要な場合に話を通しやすいことがメリットです。

決裁者には総合的に判断してもらう必要があるため、採用計画の妥当性を中心に作成しましょう。

採用したい人材が決まった時

最終選考が終了した後、内定を出すためにも稟議書が必要です。その際は、以下の点に注意しましょう。

  • 対象者が採用条件をクリアしているか
  • 給与・待遇・配属先が妥当か
  • 入社時期はいつ頃か

これらをわかりやすく記載してください。

選考は人事・採用担当者が主体となって進めますが、内定を決めた人材をどの部署で採用するのかは情報共有が必要だからです。事前に情報共有することで、採用者と部署の認識のズレを防止し、合意を得た上で受入の準備を進められます

また誤って内定通知を出さないチェック機能も果たしてます。正当な理由がない限り、企業からの内定取消は認められていません。企業・求職者ともに大きな損害にしないためにも、重要な稟議書です。

採用稟議書の具体的な書き方

採用稟議書の書き方を解説

ここからは採用稟議書の具体的な書き方について解説します。項目別に書き方の例も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ただし大前提として、社内のフォーマットがあるのならそれを守るようにしましょう。

  • 人材を募集する時
  • 採用したい人材が決まった時

人材を募集する時

人材を募集する時に採用稟議書に盛り込みたいのは、以下の5つです。

  • 採用予定人数・配属先・職種・雇用形態
  • 募集理由
  • 募集期間・入社予定日
  • 応募資格(応募要件)
  • 募集方法・費用

採用予定人数・配属先・職種・雇用形態

求人募集を始めるために、まずどの部署にどれだけの規模の人数を募集するのかを明確にしておきます。具体的には以下になります。

  • 採用予定人数:1人、3~4人、10人程度など
  • 配属先:○○事業部、○○グループ、○○課など
  • 職種:営業色、接客業務、窓口業務など
  • 雇用形態:正社員、契約社員、アルバイトなど

大切なのは、ひと目でどの部署でどんな人を募集するのかがわかる点です。簡潔にわかりやすいかどうかを意識しましょう。

募集理由

なぜ今募集しなければいけないのかを記載します。人を雇うとその分費用が発生するため、意思決定者にその必要性を認識してもらいます。

【新規事業者が出た場合】
○○部で新たに○○の事業を展開する予定です。それにあたり○○のスキルを持った人材が必要となるため、求人募集を希望します。

【退職者が出た場合】

○○月に○○部で○人が退職する予定です。退職者が担当していた業務を引き継ぐために、新たに求人募集を希望します。

このような書き方が一般的です。意思決定者が判断しやすいように、理由を明確にしましょう。

募集期間・入社予定日

募集期間と入社予定日も稟議書に盛り込みます。決める際は、以下を基本として考えてください。

  • いつまでに入社してもらいたいか
  • 入社してもらうにはいつまでに募集しなければならないか

逆算して考えることで、おおよその日数を割り出せます。採用活動は思うように進まないことも多いです。過去の事例を元に、計画的な募集期間を設定してください

応募資格(応募要件)

人材を募集する際に、必要なスキル・経験があれば盛り込みます。中でも以下は定番です。

  • 業務経験
  • 保有資格
  • 未経験可

これらの中から更に限定する場合は、以下のように分けて記載すると良いでしょう。

  • 【リーダー】業界経験3~5年程度
  • 【メンバー】業界経験あれば年数不問

注意したいのが、応募要件を厳しくしすぎないことです。要件を厳しめに設定すると、思うように人が集まらない可能性があります。

そのため募集時は、まず配属先の部署を相談し、妥協できない最低基準を先に設けておくようにしましょう。スムーズに設定できます。

募集方法・費用

採用のための募集方法と費用も記載します。ナビサイトやダイレクトリクルーティングなどから、どのような採用方法を使うのかを書きます。

  • メンバークラスは転職メディア○○を活用(○週掲載で○○万円)
  • リーダークラスは人材紹介○○を活用(成果報酬型で○○万円)

採用にどれだけのコストがかかるかは大切です。意思決定者が判断しやすいように、事前に確認しておきましょう。

採用したい人材が決まった時

採用稟議書は、採用したい人材が決まった時も作成します。この場合、どんな人材を採用するのかに焦点をあてて作成しましょう。

特に以下の項目は重要なので、必ず盛り込んでください。

  • 採用予定者についての情報
  • 採用理由
  • 入社予定日
  • 就業場所・職種・仕事内容
  • 労働条件

採用予定者についての情報

まずはどんな人を採用するのかを記載します。採用する人の情報は履歴書・職務経歴書に書かれてはいますが、稟議書内で簡潔にまとめていくことが理想です。

  • 氏名
  • 年齢
  • 業務経験
  • 保有資格

これらがあれば、採用予定者の必要最低限の情報がわかります。具体的に記載すると以下になります。

  • 氏名:鈴木太郎(30歳)
  • 現職(前職):○○食品株式会社 ○○部
  • 保有資格:普通自動車免許

項目に書き切れない場合は、履歴書・職務経歴書を案内すると良いでしょう。

採用理由

次に採用理由について記載します。なぜ採用したのかに焦点を当ててください。特に採用のポイントとなった、その人なりの強みを書くと良いでしょう。

<参考例>

同業種のでの営業経験があり、営業特性を熟知している

コミュニケーション能力が高く、チームメンバーと協力してプロジェクトを進められると期待できます

このように簡潔でわかりやすいものがベストです。

入社予定日

入社予定日も稟議書に書きましょう。この時、予定日は曖昧にせず具体的に書いてください。入社するまでの研修の準備や指導役の決定など、多くの対応が必要となるからです。

<参考例>

2022年12月1日入社

このようにすることで、意思決定者もイメージしやすくなります。

就業場所・職種・仕事内容

新しい人にどの部署で働いてもらうのかも記載します。意思決定者にとって関心のある部分でもあるため、間違えないようにしましょう。

  • 就業場所:本社、支社など
  • 職種:営業職、経理、商品開発部など
  • 仕事内容:関わってもらう仕事内容、担当してもらうクライアントなど

特に仕事内容は具体的に記載してください。意思決定者がイメージしやすくなり、稟議書が通りやすくなります。

労働条件

労働条件も記載します。文章ではなく、以下のようになるべく箇条書きで書くようにしてください。

  • 就業時間
  • 休日
  • 賃金
  • 手当
  • 加入保険

ひと目で労働条件がわかることが大切です。箇条書きにすることで、理解もしやすくなります。結果的に稟議書を修正する回数を削減できます。

採用稟議書を通すコツ

採用稟議書を通すコツを解説

採用稟議書には通すためのコツがあります。できれば一発で通したいのは誰しも思うことでしょう。この項目では、通すためのコツとして以下の5つを解説します。

  • 重要な部分をわかりやすく提示する
  • 専門用語を多用しすぎない
  • リスクやデメリットに対処できていることを示す
  • 具体的なデータや見積書を用意する
  • 関係者に事前共有しておく

重要な部分をわかりやすく提示する

採用稟議書を作成する際は、重要なポイントをわかりやすく提示してください。何について書いてあるのかわからない稟議書は、承認まで時間がかかる可能性が高いためです。

そのため作成の際は、以下を意識すると良いでしょう。

  • 何を承認してほしいのか
  • 何を見てほしいのか

これらを補う形で添付資料も添付するとなお効果的です。過不足無く情報を盛り込むことで、稟議書が通りやすくなります

専門用語を多用しすぎない

採用稟議書に専門用語を多用しすぎてもいけません。業界用語だと同じ社内でも全く通じないことと同じです。

そのため、採用稟議書はどんな人が読んでも理解できる言葉に置き換える必要があります。どうしても置き換えられない場合は、注釈をつけると良いでしょう。

スムーズな回覧・承認のための秘訣です。

リスクやデメリットに対処できていることを示す

採用稟議書にはメリットだけでなくデメリットも記載します。特に最も重要なのが予算です。
注釈として「総額を超える場合は改めて稟議書を通す」のように対処法を記載しておきましょう。

そうすることで、稟議書の作り直しを防げます。疑問点を潰しこみ、想定していますよとアピールをすることで稟議書を通しやすくなります。

具体的なデータや見積書を用意する

採用稟議書と一緒に添付資料として、具体的なデータや見積書を用意します。採用コストが見合ったものなのかどうかを判断する基準となるからです。

特に採用活動の場合、過去のデータを添付することで比較ができます。事前に見積書を取得できるのなら、添付しましょう。

根拠のある数字を用意することで、稟議書の説得力が増します

関係者に事前共有しておく

稟議書をスムーズに通すためには、あらかじめ関係者に情報を共有しておくことが大切です。

なぜ今採用しなければならないのかを関係者に話しておくことで、稟議書を回した際に承認を得られやすくなります。

上司との会話の中や会議など、タイミングを見計らって発信していきましょう。

採用稟議書を書く時の注意点

採用稟議書を書く時のポイントを解説

採用稟議書を書く時には、意識しておきたい注意点があります。以下の点に気をつけることで、より承認を得やすくなります。

  • 必要な情報を過不足なく伝える
  • 読み手を意識して作成する
  • 社内のフォーマットは必ず守る

必要な情報を過不足なく伝える

採用稟議書は、必要な情報が過不足なく伝えられているかが重要です。フォーマットによっても変わりますが、不要な情報が入らないように意識しましょう。

稟議書に修正指示が出た場合は、情報が不足してるケースが多いのが特徴です。所属部署はもちろん、それ以外の部署の人にも確認してもらうため、ツッコミが入りやすくなります。

当たり前だと思っている情報でも、しっかり記載して回覧者が混乱しないように注意してください。

読み手を意識して作成する

稟議書は多くの人が回覧する文書なので、め読み手を意識して作成しなければなりません。

特に注意したいのが、ダラダラと書かないこと。箇条書きを利用して、簡潔に伝わりやすい文書を心がけてください

同様に専門用語を多用することもNGです。補足説明が必要な用語は、読み手にとって優しくありません。稟議書はプレゼントだと思って、相手が理解しやすい形で提供してください。

社内のフォーマットは必ず守る

一口に採用稟議書といっても、その書き方は様々です。ですが大前提として、社内フォーマットがある場合は、それに則らなれければなりません。独自に作成するのはNGです。

ただし汎用的な稟議書しかない場合は、独自にアレンジする必要があります。

採用稟議書は物品購入や経費などと同じ感覚では作れません。採用に関係する部署も絡んでくるため、情報が不足していると否決される可能性もあります。

もし社内フォーマットがない場合は、ひとりで進めるのではなく相談しながら作成していきましょう。第三者の目から見て足りない部分をチェックすることで、より通りやすい稟議書の作成が可能です。

採用稟議書の作成で困っているなら『TECH OFFER』

採用稟議書は、採用する際に必要になります。採用活動を始める前はもちろん、採用したい人材が決まった時にも作らなければなりません。

両者ともに書き方に違いはありますが、共通しているのはひと目でわかることです。稟議書は多くの人が回覧する書類でもあるため、わかりやすさを意識して作成しましょう

もし稟議書作成の採用方法で迷っているのなら、ダイレクトリクルーティングの『TECH OFFER』がオススメです。オファー機能を使って求める人材に直接アプローチできるため、募集理由や入社予定日などを導きやすくなります。採用稟議書の作成に活かせる採用を探している方は、ぜひお気軽にご相談ください。