化学系や生命科学を専攻している学生にとって、化学メーカーは多くの学生が就職先の選択肢に入れる業界です。
自身の専攻している分野を生かしつつ、更なる成長が期待できる場所として、化学メーカーは最適な選択肢となるからです。
一方でこのまま化学メーカーを目指してよいのか、疑問に感じる部分も少なからずあるでしょう。
自身の条件に合うだけで、化学メーカーに向いているかは別問題なためです。
今回は化学メーカーに向いている人の特徴5選を紹介します。
化学メーカーを目指そうと考えており、自身が向いているのか不安に感じている学生はぜひ参考にしてみてください。
化学メーカーの種類
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化学メーカーへの就職を目指すのであれば、どのような業界なのかを知っておく必要があります。
本章ではあらためて、化学メーカーの種類を解説します。
化学メーカーは以下の3種類に分かれているので、各々チェックしましょう。
- ・総合化学メーカー
- ・誘導品メーカー
- ・電子材料メーカー
総合化学メーカー
総合化学メーカーとは文字どおり、化学製品に関する製造をトータルでおこなっているメーカーです。
基礎原料から最終製品までの製造を、総合化学メーカーではすべておこなっています。
製造をトータルでおこなっていることからも想像がつくとおり、規模の大きさが総合化学メーカーの特徴です。
事業規模が大きいため、入社後にスキルの幅を広げるチャンスは多く、働く場所は国内だけに留まりません。
多様なスキルを身につけたい方や様々なフィールドで活躍したい方には、総合化学メーカーはまさにうってつけの存在といえるでしょう。
誘導品メーカー
誘導品メーカーとは、製品化に必要な部品や材料を製造しているメーカーです。
特定の部品や材料に特化したメーカーもあるため、総合化学メーカーとは対照的なビジネスモデルとなっています。
一方で独自の技術やノウハウを持っているケースも多いため、事業としては安定している企業が多いのも特徴です。
ビジネスモデル上、企業向けにビジネスをしているケースが多いことから、一般的な知名度があまり高くありません。
誘導品メーカーで身につくスキルもビジネスモデルに沿うように、特定の分野に特化していきます。
誘導品メーカーを検討する際には、自身がやりたい仕事なのか、将来像に合致するかなどをよくチェックする必要があります。
電子材料メーカー
電子材料メーカーとは文字どおり、電子材料を製造しているメーカーです。
具体的には半導体や基盤を製造しており、製造に必要な部品や材料は誘導品メーカーなどから購入しています。
デジタル製品に対する需要の多さは年々増加しているため、ビジネスとしては非常に安定しているといっても過言ではありません。
電子材料メーカーを検討する際には、誘導品メーカーと同様に自身が目指す方向性と合致しているか確認した方がよいでしょう。
化学メーカーに向いている人の特徴5選
化学メーカーに向いている人の特徴は以下の5つとなります。
- ・モノづくりが好き
- ・協調性がある
- ・粘り強い
- ・化学が好き
- ・責任が特に強い
化学メーカーを目指す上で、すべての特徴を兼ね備えていないとダメということはありません。
例えば、粘り強さは本人の意識によっても変わる部分です。
粘り強さに少し自信がない方でも、他の特徴を兼ね備えていれば十分化学メーカーに向いているといえるでしょう。
モノづくりが好き
化学メーカーは部品や材料、製品などのモノを作る・生み出す仕事になります。
製造に携わった部品や製品が誰かのため、社会のために役立つことに喜びを感じるのであれば、化学メーカーに向いているといえるでしょう。
またモノ作りに達成感を感じるタイプの方も、化学メーカーに向いているといえます。
協調性がある
化学メーカーでは製品を生み出す過程で、部署やチームを越えて、多くの関係者と協同して仕事をおこないます。
仕事をする過程では、異なる意見や考え方を持った方と働く機会も少なくありません。
目的を達成するために、異なる意見を持つ方と上手に働く能力は必要になります。
協調性を兼ね備えている方は化学メーカーに向いているといえます。
モノづくりを一人で黙々とやるのが好きという方は多いことでしょう。
一方で化学メーカーでは協同しての作業が一般的です。
モノづくりで他人からの横やりを受けたくない方は、化学メーカー向きとは言い難いでしょう。
粘り強い
粘り強さも化学メーカーに勤める上では必要な能力になります。
なぜなら、新製品の開発はもちろん、既存製品の改良なども一筋縄ではいかないケースがほとんどのためです。
学生時代に根気よく物事に取り組んだ経験があり、粘り強さに自信のある方は化学メーカーで働く素養を備えているといえるでしょう。
製品の開発や改良は一朝一夕で上手くいくものではなく、また時間を積み重ねても良い製品ができるとは限りません。
結果が出にくい業務も少なくないため、化学メーカーに勤める上ではいかに粘り強く取り組めるかが重要な要素になります。
化学が好き
化学が好きという純粋な気持ちは、大きなモチベーションになります。
粘り強さの項目でも前述したとおり、化学メーカーでのモノ作りは簡単にはいきません。
思うように仕事が進まなくとも、化学が好きというシンプルな気持ちがモチベーションとなり、取り組みを続けられるのです。
一方で化学が得意という理由で、化学メーカーを選んでしまうと入社後に苦しむケースも少なくありません。
学生時代の得意分野が、就職後もそのまま得意分野とは限らないためです。
学生時代は化学の分野でしっかりと結果をだせていても、化学メーカーに入ると結果が出なくなることがあります。
得意と思って化学メーカーに入社したが、実は得意ではなかったとなると、根幹の部分が崩れてしまいます。
化学が好きで得意なのであれば、問題はありませんが、単に化学が得意というだけで化学メーカーを選ぶ場合には注意が必要です。
責任感が特に強い方
私たちの生活を豊かにする化学製品ですが、対処を誤るとときに大きな事故につながる危険性をはらんでいます。
例えば、四大公害で有名な水俣病は化学工業メーカーが引き起こした事故です。
化学製品はメリットがある一方で、扱い方を誤ると大きな事故となり、強い責任感を持って仕事に取り組む必要があります。
リスクのある仕事であるため、化学メーカーに勤める方は強い責任を持つ方が望ましいでしょう。
化学メーカーで働く上で求められる能力3選
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職種によって必要とされるスキルや能力は千差万別ですが、化学メーカーに勤める上では以下3つの能力が求められます。
- ・論理的思考力
- ・語学力
- ・環境志向
論理的思考力
化学の世界はいうまでもなく、ロジックの世界です。
発生した事象には原因があるため、筋道のたった説明が必要です。
ロジカルな思考ができなければ、化学の世界で生きていくことは難しいでしょう。
論理的思考力の高い方が集まっている分野でもあるため、問題解決やコミュニケーションにも高い論理的思考力が求められます。
語学力
化学メーカーは企業の性質上、取引先が国内だけにとどまらず、海外になるケースも少なくありません。
特に総合化学メーカーは川上から川下まで手広く事業を展開しているため、海外との取引が多くあります。
総合化学メーカーの場合、海外支店で勤務というケースも珍しくありません。
海外とのやり取りや海外で働く上で、語学力が必要となるのはいうまでもないでしょう。
また海外の論文は英語で執筆されるので、最新の理論を読み解くにも語学力は必要です。
環境志向
昨今はSDGsに代表されるような、環境に配慮した取り組みが重要視されています。
例えば、日本は2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにすると宣言しています。
企業側も温室効果ガス削減に対する取り組みが期待されているのは、いうまでもありません。
業務の過程で様々な廃棄物を出す化学メーカーも、当然ながら環境に配慮した取り組みが求められています。
今後、化学メーカーで働く場合には、環境を意識した取り組みができるかも欠かせない素養となります。
化学メーカーで働く上でのやりがい
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化学メーカーで働く上でのやりがいは様々ありますが、代表的なものを3つ紹介します。
- ・社会貢献
- ・モノづくりの喜び
- ・様々な業界や世界を舞台にできる
川上から川下まで化学メーカーの種類はいくつかありますが、今回紹介するやりがいはどのレベルの化学メーカーにも共通しています。
社会貢献
化学メーカーは医薬品や化粧品、電子部品など私たちの生活に欠かせない製品を作っています。
様々な企業が私たちの豊かな生活を支えていますが、化学メーカーによる力も大きいといえるでしょう。
人々の生活に大きく貢献できる点は、化学メーカーで働く上で大きなモチベーションとなります。
モノづくりの喜び
モノづくりの良いところは何といっても、形になって残ることです。
自身が携わった製品が市場に流れていき、多くの人に使ってもらえる喜びを味わえるのは作り手側の特権です。
化学メーカーの場合、製造した製品や部品が目につきやすい場合も多いので、なおさらやりがいを感じるでしょう。
様々な業界や世界を舞台にできる
化学メーカーは様々な業界と取引をおこない、取引先が国境を越えているケースも少なくありません。
限られた環境ではなく、スケールの大きい仕事ができるのは化学メーカーの魅力です。
スケールの大きな仕事は企業や国を越えて、多くの人を巻き込む仕事になります。
多くの人を巻き込みつつ、仕事がしたい方にとっても化学メーカーの仕事は十分にやりがいを感じられるでしょう。
まとめ
社会貢献やモノづくりの喜びを感じられる化学メーカーは、多くの方にとって魅力的な就職先です。
一方で化学メーカーに勤めるのに、向き不向きがあるのもまた事実です。
化学メーカーに向いている方は、以下5つの特徴を持った方になります。
- ・モノづくりが好き
- ・協調性がある
- ・粘り強い
- ・化学が好き
- ・責任感が特に強い方
紹介した特徴に自身が多く当てはまるという方は、ぜひ化学メーカーを就職先の選択肢として加えていただければと思います。