航空中プロジェクトでも成果を出した「宇宙品質」で世界のモノづくりを支える
半導体製造に欠かせないバルブや精密空調でトップシェアを誇る伸和コントロールズ株式会社が、今求めているのはどのような人材なのか。企業の取り組みや入社後のキャリアなど、採用担当者にお話をうかがいました。
伸和コントロールズ株式会社はバルブや精密温調装置のメーカーとして、半導体製造を中心に医療、航空宇宙など、多岐にわたる分野に高い技術力で高品質な製品を提供しています。
公式採用サイト:https://shinwa-cont-recruit.com/
装置事業では半導体製造に関わるチラーや空調装置を主力製品とし、創業から継続するバルブ事業では電磁弁やモータバルブを医療機器分野に提供しトップシェアを占めています。
日本のメーカーを支えるだけでなく、世界レベルのモノづくりをサポートしています。
ーまずは事業内容についてお伺いできますでしょうか?
弊社では大きく3つの事業を行っており、1つがチラーや空調機の開発、設計、販売を行う「装置事業」です。これらの製品は半導体の製造において欠かせない、温度や湿度を精密にコントロールする装置です。世界的な活況を迎えている半導体業界で、これからも技術力、品質を高めることで事業規模の拡大を目指しています。
2つ目は創業時から継続している「バルブ事業」です。
バルブ事業では電磁弁、モーターバルブといった流体の制御を扱う製品を扱っています。現在は特定の医療機器分野でのシェアがナンバーワンを維持しています。また、半導体製造用に開発された流量調整モータバルブも近年絶好調で、大きく売上を牽引してます。これからも弊社の根幹となる事業です。
3つ目は、弊社製品のアフターサービス全般を行う「サービス事業」です。半導体需要の増加にともない半導体製造シーンは世界へと広がり、弊社の装置も世界の多数の半導体製造工場で稼働しています。今もなお半導体の需要が増え続けるなか、半導体製造に欠かせない弊社の装置は停止することが許されません。サービス事業では、世界で稼働する弊社製品の修理、メンテナンス、オーバーホールなどを行い、持続的な半導体製造を支えています。
ー御社はバルブ製品でトップシェアをとっているんですね。
医療機器の分野で活用されている電磁弁が長く支持されており、国内シェアでトップを維持しています。また、ここ数年では半導体製造装置用のバルブを開発し新規顧客を獲得しました。今では高付加価値の弊社主力製品となっています。
ー御社は2018年に宇宙ステーション補給機「こうのとり」のプロジェクトにも携わられていますね。
遡ること2003年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)から引き合いをいただき、当時は人工衛星の姿勢制御で弊社のバルブを使いたいとのことでオファーをいただきました。その後、さまざまなプロジェクトの試験用としてバルブをお使いいただく関係が続いていましたが、10年経った時に、宇宙ステーション補給機「こうのとり」のプロジェクトで、HTV搭載小型回収カプセルが宇宙ステーションから地球に帰還するときの姿勢制御の役割で、弊社のバルブを使いたいと言ってくださったんですね。HTV搭載小型回収カプセルとは、宇宙ステーションでの実験成果物を地球に持ち帰るためのもので、それを無事地球に帰還させるというミッションなので、責任重大だったのです。
プロジェクト開始後は、地上実験からフライト実験まで一生懸命やらせていただきました。何度も何度も試作を繰り返し、品質がみとめられた9つのバルブが採用されました。そして、2018年11月、見事に本番で使用され結果を出すことができました。JAXA様からも成果と認めていただき、本当に嬉しかったですね。
非常に大変なプロジェクトでしたが、航空宇宙産業の発展に貢献できているという面白さも同時にありました。何よりも弊社の技術、製品が「宇宙品質」であるということを証明できたことは、弊社の歴史において大きな勲章となっています。
大切なのは良いところも悪いところも理解してもらえる採用活動
ー御社の採用活動で大事にされていることは何でしょうか?
弊社に入ってよかったと心から納得してもらえるような採用活動をすることです。
そのため、応募してくれる学生には弊社の良いところも悪いところも全て話すようにしています。
やはり弊社の良いところばかりアピールしても、入社した時に「なんか違うな」とミスマッチが起きてしまう可能性が高くなりますよね。
採用活動においては、弊社の魅力も学生に伝えますが、同時に課題も伝えています。
弊社に応募してくれた文系学生で、採用活動中に根掘り葉掘り質問してくれる方がいました。
その方は別の企業と弊社で迷われていましたが、最終的に弊社を選んでくれて現在も活躍を続けてくれています。
私も社長も質問をかなり受けましたが全て真摯に答え、何度も面談して親睦を深めましたね。
その結果、弊社に決めてくれたのは非常に嬉しかったです。
弊社としては学生にちゃんと納得して伸和に入って欲しいため、内定を出してからも学生とコミュニケーションをとる機会を増やしています。
ただ、どうしても大手企業の知名度には及ばないので、もっと弊社の魅力をアピールしていく必要があるなと感じています。
ー御社の学生に向けてアピールしたい強みはありますか?
1つ強みとしては、バルブの制御技術の高さ、そしてバルブで培った制御技術と半導体製造装置を融合し新しい価値を生み出せる点です。
世界的に有名な企業も同じようなバルブを扱っていますが、バルブの質に関しては弊社の製品が非常に高いと考えており、流体をコントロールする機能があるのが弊社製品の特徴です。
また、半導体分野においては、顧客にバルブ単体を提供する前に、弊社のチラーにもバルブをドッキングさせて精度を上げてからバルブを提供しています。
微小な温度コントロールが可能なバルブ、そしてそのバルブを搭載したチラー・空調機という、バルブと装置の融合という点が、他社にはない弊社の強みです。
今後もバルブと装置の品質を高め、世界のさまざまな課題に貢献できる製品開発ができればと考えているので、そうした開発を担う理系学生には積極的にアプローチしていきたいです。
求めるのは“研究に真摯に取り組み、伝えられる学生”
ー新卒の方のキャリアアップについてお伺いできますでしょうか?
まず4月に入社いただいてから、新入社員を対象とした導入教育を2週間行っています。
その後は、仮配属という形で各部門での現場実習を行い、7月から部門配属という流れです。
コロナ禍になってからは色々と形式を変えていますが、コロナ禍以前は川崎の本社で3週間ほど集合研修を行ったあと、長野、長崎の拠点を回り現場実習を行っていました。
部門配属後はOJTを通して先輩のサポートを受けながら業務を行い、1年後には新しい後輩を教えるという立場に変わっていきます。
今後もアレンジを加えながら、弊社の社員として必要な基礎知識、スキルを身につけていただける教育を行っていきます。
ー御社が求める学生や学生に期待することを教えてください。
半導体に全く関係ない研究テーマでも、卒論や修論に対して一生懸命に取り組んでいる学生が弊社の求める学生として挙げられます。
また、昨今エンジニア同士で英語のコミュニケーションを必要とする場面が多いため、英語を得意としている学生も求めています。
そして、考えられる力、具体的にいえば物事を自分なりに咀嚼して理解し、それを意見として伝えられるような力を持った学生は弊社の業務で大きく活躍できると考えています。
面接の場においては、こうした観点で見るようにしていますね。