トップシェアを誇るコネクター製品であらゆるテクノロジーを支える
接続用の電子部品であるコネクター製品であらゆるテクノロジーを支える日本モレックス合同会社が、今求めているのはどのような人材なのか。企業の取り組みや入社後のキャリアなど、採用担当者にお話をうかがいました。
モレックスは接続用の電子部品であるコネクターを製造・販売する会社です。
公式採用サイト:https://www.molexjapanrecruitment.com/
未来を変えるテクノロジーで人々の生活を向上させられる「コネクテッドな世界」を実現するべく、世界40カ国4万人以上の社員が一丸となり、日々イノベーションに取り組んでいます。
スマートフォンや自動車など日常生活に不可欠な製品はもちろん、産業機器や医療など幅広い分野でモレックスの技術が活かされています。
ーまずは事業内容についてお伺いできますでしょうか?
弊社は「コネクター」と呼ばれる接続用の電子部品を製造・販売している会社です。
コネクターは機器における電力や電気信号の流れをつなぐ役割を担っており、パソコンやスマートフォンなどを中心にさまざまな機器で使用されています。
特に近年では、自動運転や、IoT、AIなどによる信号や情報量の増大・高速化とその回路・接続箇所が増加していることから、コネクターの需要が増えてきている状況です。
現在世界のコネクター市場は680億ドル(約7兆円)規模ですが、約60%を上位10社が占めており、その1つであるモレックスの市場占有率は9%となっています。
ー御社はグローバル規模でトップシェアをとっているんですね。
弊社は非常に高いシェアをとっているため、皆さんが手にする電子機器には最低1つ以上は弊社の製品が使われていると思います。
そして、このコネクター市場は2027年までに1070億ドル(約11兆円)にも達すると予想されています。
そのため、弊社は安定して成長を続けるだけではなく、今後もさらに繁栄すべく、着実に市場シェアを拡大していきたいと考えています。
ートップシェアをとっていることで、経営の安定性も高いと伺いました。
おっしゃる通りで、弊社は長年安定した経営を続けられています。
1つ目の理由は、部品メーカーであるという業界構造が要因です。
世の中には非常に多くの企業が存在していますが、弊社は技術や製品をセットメーカーもしくは組立メーカーと呼ばれるBtoC企業に提供しているBtoB企業となります。
一般的な知名度はBtoC企業が非常に高いですが、BtoB企業である弊社はスマホ、医療機器、データセンター、自動車、産業機器などすべての企業を顧客としてビジネスを行っています。
そのため、それぞれの取引規模も大きく、コロナのような社会情勢の変化があっても安定して高い利益を確保しやすいという特徴があるのです。
2つ目の理由は、資本力です。
弊社の正式な商号は「日本モレックス合同会社」といいます。
最近はアップルやアマゾンなども合同会社という形態をとっているため、聞く機会も多いかもしれません。
合同会社は株式会社とは異なり、株主への説明義務などがないため、経営者が「見込みがある!」と判断したビジネスに対して自由に投資判断をできるメリットがあります。
ただし、合同会社として経営を成り立たせるためには、株式による資金調達ができない分、自己資本が潤沢である必要があります。
その点、弊社は2013年よりKochグループとなり、グループ全体の売上規模は12兆円程度と高い財務基盤のもとで経営を行っています。
そのため、合同会社という形態をとることができ、経営基盤の安定にも繋がっているのです。
スキルや能力ではなく、会社の文化や社員とのマッチ度が重要
ー採用活動で大切にされていることは何でしょうか?
弊社の新卒採用で大切にしていることは、スキルや能力にフォーカスするのではなく、会社の文化や社員とのマッチ度がどれだけあるかを判断基準とすることです。
また、新しい視点を持っているかという部分も大切にしており、年齢や性別に囚われず若手として入ったからこそ生み出せる価値があると考えています。
弊社では年齢に関係なく、社員の意見に対しては積極的に取り入れていこうという共通したマインドセットを持っているため、新しい視点という価値提供をしてくれる学生に出会えるような採用活動を心がけています。
そして、企業側だけが学生を選ぶのではなく、学生も企業が自分に合っているのかを確認できるようにすることも大切にしています。
例えば、私たちが入社してほしいと思っていても、学生がやりたいことが弊社になければ、入社しても途中で辞めてしまうでしょう。
そのため、採用がゴールではなく、入社してから5年後、10年後も活躍するところまでを見越しながら採用していくことが大事なので、この部分を見極めるようにしています。
長期的に活躍できるかどうか見極めるためにも、学歴や学部などのバイアスに囚われず、自社の文化や社員とのマッチ度をみているという側面もあります。
ー入社後のキャリアアップについてお伺いできますでしょうか?
入社後は、まず会社文化や組織に対する理解を深めるための全体研修が3日間ほどあります。
その後、弊社では職種別の採用ではありますが、自分の職種以外にどんな部門がありどんな人たちが働いているかなどを知ってもらうために、1ヶ月ほどかけて各部署からのプレゼンテーション等で企業理解を深める機会があります。
そうして企業理解を深めた後は、OJTを通して業務に対する知識や経験を蓄積させていくなど個人に合わせた実践形式の研修を行っています。
やはり、個人によって成長のスピード感や興味のある分野、能力なども異なるため、一定して管理する方式ではなく、1人1人に合わせてカスタマイズした研修プランを提案し、新入社員の方がそれに自分達がやりたいことを追加する形です。
例えば、英語がすでにできる方であれば、弊社の海外にいる社員とコミュニケーションをとってもらうこともできますし、CADを動かしたことがある方であれば、基礎学習を飛ばして先輩社員の実務補佐をするなど、個人の能力などに合わせて研修内容を変えています。
同じ会社ながらも多彩なキャリア選択が可能
ー御社の学生に向けてアピールしたい強みはありますか?
弊社では、同じ企業内にいながらさまざまなキャリアを経験することが可能です。
弊社はKochグループの一員であるため、日本だけではなくグループ会社を含めた全てのポジションにチャレンジできます。
例えば、自分の希望するポジションに空きがあれば、社内公募の制度を使ってチャレンジすることができますし、場所も日本ではなくアメリカで希望することもできます。
そのため、会社を変えるという選択を取らなくても、自分のキャリアを作り上げていくことが可能です。
ただ、社内でのキャリアが変わったとしても、社内的な文化は変わりません。
そのため、業務上での考え方などはずっと共通して保つことができますし、新しく自分をゼロから変える必要もないので、どの仕事をしてもマッチするのではないかと考えています。
また、弊社ではPrinciple Based Managementという考え方を重視しており、会社文化や企業理念というよりかは「1人の人間として大切なことは何か」ということを常に考えています。
例えば、誠実さ、謙虚さ、尊敬などはどの人にも必要なものです。
Principle Based Managementではこうした人として大切なことをベースに、どのビジネスの場においても大切なことを指針として掲げ、国籍や話す言葉が違う人でも共通するビジョンを持てるようにしています。
そして、働き方も柔軟性に富んでおり、在宅勤務やフレックス勤務も自由に取得することが可能です。
会社としては、働く時間の中でどれだけ成果を出せるかを重要視しているため、会社に来なければならないというような固定概念はなく、オフィス出社と在宅を組み合わせ、プライベートとの両立もしやすいと思います。
ー最後に求める学生像や学生に期待されることを教えてください。
求める学生像は、今できることがある学生ではなく、将来何かを成し遂げられる学生です。
多くの学生は即戦力であることをアピールしており、その気持ちは非常に嬉しいですが、それ以上に人とのコミュニケーションを尊敬の念を持ちながら行ったり、失敗から学びを得て次に活かせたりと、将来成功できる素養があるかどうかに注目しています。
そのため、Principle Based Managementの考え方や人間としての大切な考え方を理解してもらえて、なおかつ入社後も継続できるかどうかを面接などを通じて確認しています。