面接の最後に「最後に一言ありますか?」と聞かれることがあります。この瞬間は、面接官に自分の強い意欲やアピールポイントを再度印象づける絶好のチャンスです。短い言葉であっても、しっかりと構成し、感謝の気持ちや志望の強さを伝えることで、面接全体の評価を高めることができます。効果的な「最後に一言」を用意して、好印象を残しましょう。

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面接でなぜ「最後に一言」が求められる?

面接でなぜ「最後に一言」が求められる?

面接の最後に「最後に一言ありますか?」と聞かれることがあります。この質問には、企業が就活生の意欲や適性を確認する重要な意図が隠されています。この章では、その理由を3つの観点から説明します。

就活生の熱意を測るため

企業は、就活生が本当に自社に入りたいのかを知りたがっています。特に「第一志望かどうか」や「長く働いてくれそうか」という点に注目し、採用した後の貢献度を見極めようとしています。ここでしっかりと熱意を伝えることは、内定に近づくための大きなアピールポイントとなります。

就活生のアピール力を把握するため

面接を通じて、就活生が一貫した主張をできているかも企業は重視します。「最後に一言」は、その締めくくりとして、自分の強みや意欲を再度アピールする機会です。面接全体を通してのメッセージが一致しているかどうかも企業の評価ポイントとなります。

就活生の疑問や不安に答えるため

企業は、就活生が自社に抱く疑問や不安をクリアにしたいとも考えています。この場で、企業に対して質問することで、面接中に感じた疑問を解消するチャンスでもあります。この「最後の一言」は、逆質問と同様に、企業と自身の相性を確認する重要なやり取りの一環です。

面接の「最後に一言」は合否に影響する?

面接の「最後に一言」は合否に影響する?

「最後に一言」は、合否にも大きな影響を与えることがあります。なぜ「最後の一言」が面接全体の印象を左右することになるのかを説明します。

就活生の印象を左右する

心理学では、人間は、最初に与えられた情報に影響される「初頭効果」と、最後に提示された情報に影響される「親近効果」の2つの効果を受けることがわかっています。つまり、第一印象と去り際の印象は、面接官の印象に、特に強く影響するということです。

「初頭効果」と「親近効果」のどちらがより強く働くかは、面接官や状況によって差がありますが、面接の終了間際に好印象を残すことができれば、合否に大きく影響する可能性があります。  

うまく構成すれば強い印象が残せる

「エントリーシート」「面接中の発言」「最後に一言」が一貫したメッセージを伝えていれば、面接官に強く印象づけることができます。最初から最後まで同じテーマや強みを、表現を変えたり、具体的な経験を織り交ぜて繰り返すことで、自分の主張がより鮮明に伝わり、面接官の記憶に残りやすくなります。うまく構成された「最後の一言」は、効果的な自己アピールとして機能します。

就活生の人柄を伝えることができる

「最後に一言」で、誠実さや真摯に面接に取り組んでいる姿勢を示すことで、面接官に対して好印象を与えることができます。この場での発言が、単なるアピールだけでなく、自分の人柄や信頼性を表す重要な要素となります。

面接の「最後に一言」で好印象を与える内容は?

面接の「最後に一言」で好印象を与える内容は?

「最後に一言」は、面接の締めくくりとして、企業に好印象を与える絶好の機会です。この場でどのような内容を伝えるべきかは、就活生が何をアピールしたいかによって異なります。ここでは、3つの効果的なアプローチをご紹介します。

企業に対する強い志望を伝える

企業に対して「この会社で働きたい」という強い意志を伝える場合、「御社を第一志望として志望しています」といった明確な言葉で打ち出すことが重要です。このように、志望動機を再確認することで、企業側に熱意や本気度が伝わります。志望理由と絡めて「自分の経験や強みが貢献できる」と付け加えることで、さらに説得力のあるメッセージとなります。

次の記事では機械系企業への志望動機を業界別に説明しています。参考にしてください。

角度を変えた自己PR

「自分の強み」をもう一度アピールしたい場合、同じ内容を繰り返さないように表現を変えることが重要です。面接中に話した内容を少し違った角度から紹介し、「この点が御社で役立つと考えています」と具体的な貢献を示すことで、強い印象を与えることができます。たとえば、エントリーシートでのアピールと異なるエピソードを加えることで、より深みのある自己PRが可能です。同じ言葉や内容を繰り返すとくどく感じられるため、工夫した表現が効果的です。

自己PRの作成方法については次の記事でも紹介しています。

面接の感想とお礼

面接の感想とお礼を伝えることも、礼儀正しさや感謝の気持ちを示す効果的な方法です。面接中に面接官が言った内容を引用しながら「本日の面接を通じて、ますます御社で働きたい気持ちが強まりました」と述べることで、相手に対する関心や感謝を強調できます。このアプローチは、組織の一員として協調性や丁寧さをアピールするうえで有効です。

面接の「最後に一言」の探し方

面接の「最後に一言」の探し方

「最後に一言」で何を伝えるかは、就活生の目的や状況によって変わります。この章では、自分に合った効果的なメッセージの見つけ方を紹介します。

自分の目的をはっきりさせよう

まず、何を伝えたいのか目的を明確にすることが大切です。企業への熱意を示したいのか、自分の強みをアピールしたいのか、それとも感謝の気持ちを伝えたいのか、目的を定めることでメッセージの内容がより具体的になります。

アピールポイントをしぼろう

次に、目的に沿って、自分の強みなら、どんな強みなのか、その強みが企業にどのように貢献できるのか、とポイントを絞って伝えられるように、ぜんたいの流れを考えましょう。あれこれ詰め込むのではなく、面接全体で一貫したアピールができるよう、最も強調したいポイントに絞ることで、面接官に強く印象づけることができます。

反射力がある人におすすめ

「最後に一言」は、面接の流れに応じて即興的に対応する場面でもあります。反射力がある人や機転が利く人は、その場で面接官の反応や質問に合わせた適切なメッセージを選ぶことができます。アドリブが得意な人は、事前に用意した言葉とは異なる強いインパクトを、最後に面接官に伝えることができます。

面接の「最後に一言」の15の文例

面接の「最後に一言」の15の文例

「最後に一言」の文例を5つのパターン別に紹介します。自分自身の「最後に一言」を作成する際の参考にしてください。

志望の強さを訴える文例

「企業に強い魅力を感じている」「強く志望している」ということを強調したい人は、文例を参考に、自分なりに作成してください。

  • 「本日の面接を通して、御社が私の第一志望であり、〇〇の領域で私が必ず貢献できるという思いを再確認いたしました。ぜひ御社の下で〇〇分野の成長と発展に少しでもお役に立ちたいと強く願っています」
  • 「これまでの私の経験を活かし、御社に貢献できると確信しています。〇〇御社で働くことが、私のキャリアの最重要な目標であることを改めて確信いたしました」
  • 「私はこれまで御社で働きたいという思いを胸に学部や専攻を選び、〇〇についての知識を深め、スキルを積んできました。本日の面接を通して御社の一員となりたいという思いがますます強くなっています。御社の下でぜひ私も成長していきたいと考えております」

自己PRの文例

自己PRは面接の中でエピソードを交えて話したことを踏まえ、最後にもう一度強調しましょう。

  • 「これまで培った〇〇の知識とスキルで、御社のプロジェクトに積極的に取り組んでいきたいと考えております。現場の即戦力として貢献できるよう、勉強を続けます」
  • 「今後、グローバルな展開を考えておられる御社で、英語・中国語に対応できる私の語学力は、御社にかならず貢献できると考えております。ぜひその一員として力を尽くしたいです」
  • 「私の強みであるリーダーシップと柔軟な対応力を、御社の新たな挑戦に活かしたいと考えています。貢献できる機会をいただければ嬉しいです」

面接の感想の文例

面接官の話を聞いて、それを最後の一言に織り込むやり方です。面接のプロセスでミスをした場合も、挽回可能です。

  • 「御社のプロジェクトに関するお話を伺い、挑戦的な環境で働けることに非常に魅力を感じました。ぜひ、その一員として貢献できればと思っています」
  • 「本日の面接でのお話をうかがって、〇〇分野でのリーディングカンパニーである御社の地力の一端を垣間見ることができました。御社の下でぜひ私も成長していきたいと考えております」
  • 「本日は貴重なお時間をいただき、御社について深く知ることができました。面接中に私の認識不足をご指摘いただいて、大変感謝しております。ますます御社で働きたいという気持ちが強まりました」

面接のお礼の文例

特に「最後に一言」が思いつかない場合でも、お礼はきちんとしましょう。お礼を心をこめて言うだけでも、好印象につながります。

  • 「本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきありがとうございました。お話を伺い、御社の一員になりたいという気持ちがさらに高まりました」
  • 「本日は面接の機会をいただき、誠にありがとうございました。御社での成長に貢献できる機会があれば、大変光栄です」
  • 「本日は貴重なお時間をありがとうございました。お話を伺い、御社の事業にますます興味を持ちました。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします」

逆質問の文例

面接中に逆質問の時間が設定されなかった場合に、ここで逆質問を行いましょう。

  • 「御社では、新入社員が最も早く成長できるような支援体制はどのように整っていますでしょうか?」
  • 「御社が今後取り組む新規事業について、私がどのように貢献できるかを知りたいです。具体的な方向性があればお聞かせいただけますか?」
  • 「御社でのキャリアアップの具体的な流れについて教えていただけますか? どのようなスキルを身につけることが重要でしょうか?」

逆質問はほかにもさまざまなものがあります。以下の記事でも詳しく説明しています。

面接の「最後に一言」のNG例

面接の「最後に一言」のNG例

面接の最後に、面接官に良い印象を与えるためには、慎重にメッセージを選ぶことが重要です。しかし、間違った対応をしてしまうと、かえって悪い印象を与えてしまう可能性があります。ここでは、避けるべき「最後に一言」のNGポイントを紹介します。

同じことを繰り返してしまう

面接中にすでに述べた内容を「最後に一言」で繰り返すのは避けるべきです。新たな情報やアピールをする場面なので、同じことを繰り返すと印象が薄れ、退屈な印象を与える可能性があります。また、繰り返しによって、面接官に準備不足と見なされることもあるので注意が必要です。

 例:「先ほどお伝えしたように…」と、同じことを繰り返す。  

長々とアピールする

「最後に一言」は、文字通り「一言」なので、あくまで短く簡潔にまとめる必要があります。基本的に伝えるべき「志望動機」や「自己PR」などは、面接の中で聞かれているはずです。「最後に一言」はあくまで「プラスアルファ」ととらえ、面接中のように志望動機や自己PRをすべきではありません。

面接官も時間配分をしながら面接を行っているため、ここで長々と話し続けると、面接官に対して礼儀を欠いている印象を与えてしまいます。また、長時間話しすぎると、要点がぼやけ、結局何を伝えたかったのかが分かりにくくなります。簡潔に、自分の強みや志望の強さを伝えることが大切です。

内容が薄い

「最後に一言」とわざわざ時間をとって言うのであれば、内容のあることを言う必要があります。企業理念や採用ページに書かれているような内容を繰り返す必要はありません。

 例:「御社の『消費者目線に立った問題解決』という理念は私の思いと一緒です。ぜひ御社で共に取り組みたいと考えます」

福利厚生の質問をする

「最後に一言」の場面で、福利厚生や給与に関する質問をするのはNGです。面接の目的は、自分の能力や企業への貢献をアピールすることです。このタイミングで待遇に関する質問をしてしまうと、条件ばかりを重視しているように映り、志望動機が薄いと感じられる可能性があります。待遇に関する質問は、採用が確定した段階で確認するのが望ましいです。

 例:「有給休暇は何か月目ぐらいから取れますか?」

「最後に一言」を伝える際のポイント

「最後に一言」を伝える際のポイント

「最後に一言を伝える際のポイントを3点から説明します。

気持ちをこめる

面接中は冷静で落ち着いた話し方が好まれますが、「最後に一言」では、少し声のトーンを高めて気持ちを込めることが大切です。この瞬間が面接官に強い印象を残す最後のチャンスなので、感情を少し表に出し、熱意をしっかり伝えましょう。

声のトーンを少し高めに

どうしても面接中に話した内容の繰り返しになりがちですが、「先ほど申し上げましたが」や「面接を通じて改めて」などのクッション言葉を活用すると、繰り返しの印象を弱めることができます。こうした工夫で、自然な流れの中で再度アピールすることが可能です。

お礼は面接官の名前を呼ぶ

お礼を言う際には、面接官の名前を呼び、その際にアイコンタクトを取ることが重要です。これにより、単なる形式的な挨拶ではなく、面接官個人に感謝の気持ちを直接伝えていることがしっかり伝わります。また、面接中に面接官が話してくれた言葉を含めると、さらに印象が良くなります。

面接で「最後に一言」を言う場合の注意点

面接で「最後に一言」を言う場合の注意点

面接の「最後に一言」を効果的に活用し、面接官に良い印象を与えるために、以下の注意点を意識しましょう。  

ダブりをなくす

「最後に一言」でのアピールは、どうしても面接中に話した内容と重なってしまいますが、表現や角度を変える工夫が大切です。面接中の話をそのまま繰り返すのではなく、新たな視点や別の言い回しで伝えることで、より鮮度のあるメッセージになります。  

全体の構成を考える

「最後に一言」が、面接全体の流れとバランスを取ることが大切です。これまでのアピールポイントと矛盾しないようにしつつ、面接全体を通じてひとつの一貫したストーリーとして作成できれば、非常に強い印象を残せます。

15秒(90文字~120文字)を限度に簡潔に

「最後に一言」は短くまとめるのが理想です。面接の時間をオーバーしないように、目安として15秒、90〜120文字程度に収めることで、簡潔かつ的確にアピールができます。長々と話すのは避け、要点を絞って伝えましょう。

面接で「最後に一言」を聞かれなかった場合

面接で「最後に一言」を聞かれなかった場合

もし面接で「最後に一言」を聞かれなかった場合でも、落ち着いて対応しましょう。面接官が時間の都合で質問しなかっただけで、特に心配する必要はありません。

その際には、面接終了時にお礼と感謝の気持ちを簡潔に伝えることで、最後の印象を良くすることができます。例えば、「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました」といった一言を加えることで、礼儀正しさをアピールすることができます。

面接の「最後に一言」で好印象を残そう

本記事では面接の終了前に、面接官から「最後に何か一言ありますか?」と言われた場合の伝え方や内容について説明しました。

「最後に一言」は就活生の印象を左右するものです。強調したい内容をもう一度、面接官にプッシュすることで、強い印象を残すことができます。「最後に一言」は聞かれない可能性もありますが、全体の構成を考えて最後の締めとして作成しておきましょう。

また、「最後に一言」は、企業からのオファーの場合にも効果的です。

就職は、自分が企業を探し、応募するほかに、企業の側に自分を見つけてもらい、条件の合う企業からオファーを受けるという方法もあります。

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