就活生にとって一次面接は、志望する企業に選考される最初の機会です。就活生の皆さんは初対面で、しかも年齢の違う面接官からあれこれ質問されます。答えなければならないことに不安やプレッシャーを感じている人も多いのではないでしょうか?

本記事では一次面接で必ず聞かれることや質問と回答例、対策法を紹介します。本記事をを参考に一次面接に備え、準備をしてください。

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一次面接は何が見られる?

一次面接は何が見られる?

一次面接は、企業が就活生の基本的な適性や人柄を確認する最初のステップです。ここでは、企業が一次面接で重視するポイントについて詳しく解説します。

企業にとっての一次面接の役割

企業にとって一次面接は、二次以降、じっくりと話を聞いて評価したい就活生と、そうでない就活生をふるい分ける役割を果たしています。履歴書やエントリーシートではわからない、本人の印象や雰囲気、応答から判断されるコミュニケーション能力、志望に対する強い熱意、企業文化への適応力などが評価されます。

一次面接の形式

一次面接の形式は、企業によって異なりますが、一般的には対面の面接やオンライン面接、グループ面接が行われます。志願者も採用者も多い場合は数人まとめてグループ面接が行われることもあるため、形式に応じた柔軟な対応が求められます。特に理系学生にとっては、専攻・専門について聞かれることも多いため、20秒程度でわかりやすく説明できるようにしておきましょう。

一次面接の面接官

一次面接の面接官は、多くの場合、比較的若手の採用担当者や現場の中堅社員が担当します。現場社員の場合、実際に働くことになる部署のメンバーが面接官を務めることが多く、業務に対する理解や技術的な適性が見られます。そのため、面接前には企業の事業内容や自分が応募する職種について深く理解しておくことが重要です。

一次面接の一般的な通過率

一次面接の通過率は、企業や業界によって異なりますが、一般的に30%〜50%程度といわれています。これは、書類選考を通過した就活生の中から、より詳細な選考を行うためのふるい分けとして機能しているためです。この段階で、基礎的な適性やコミュニケーション能力をアピールできるかが重要なポイントとなります。

初めての面接に臨む人は、次の記事も参考になります。

一次面接と二次面接・最終面接の違い

一次面接と二次面接・最終面接の違い

就職活動の面接プロセスでは、各ステージで求められるものが異なります。特に一次面接、二次面接、最終面接は、それぞれ役割や評価基準が異なるため、段階に応じた準備が必要です。ここでは、各面接の違いについて説明します。

絞り込みが目的の一次面接

一次面接は、応募者を絞り込むための最初のステップです。企業は、この段階で就活生の基本的な適性や人柄、コミュニケーション能力を確認します。特に、企業文化や業務内容に対して大きくかけ離れた人物を見極め、選考対象者を絞り込むことが目的です。技術的な質問や自己PR、志望動機など、基本的な質問が中心となります。

二次面接では自社とのマッチ

二次面接では、一次面接を通過した候補者をさらに絞り込んでいきます。特に、就活生が自社にもとめるものと、就活生のスキルや潜在能力が自社に一致するものかが重視されます。また、現場での具体的な業務に対する理解や、チームでの働き方など、より実務に近い視点での評価が行われます。理系学生の場合、技術的な深掘りが行われることも多く、具体的なプロジェクトや研究内容についての質問がされることもあります。

最終面接では

最終面接は、内定を出すかどうかを決定する重要なステージです。この段階では、主に経営陣や役員が面接官を務め、企業全体とのカルチャーフィットが確認されます。特に、長期的に企業に貢献できる人物か、リーダーシップや将来の成長ポテンシャルがあるかといった点が評価されます。また、企業が最も重要視する価値観や理念に対して、就活生がどれだけ共感しているか、企業カルチャーとの相性も見られます。最終面接では、形式的な質問よりも、より深いレベルでの対話が求められることが多いです。

一次面接で面接官がチェックするポイント

一次面接で面接官がチェックするポイント

一次面接で面接官がチェックするポイントを、5つの点から説明します。

志望動機・意欲

一次面接では、応募者がなぜその企業を選んだのか、どのような意欲を持っているのかが重要視されます。志望動機は、応募者の企業理解やキャリアビジョンの一端を示すものであり、企業とのフィット感を確認する指標になります。エントリーシートと一貫性のある、明確で具体的な志望理由を持ち、業界や企業の強みを理解した上での意欲をアピールすることが大切です。

資質・能力・専門性

企業は、一次面接で応募者の基本的な資質や能力を評価します。特に理系学生の場合、専門知識や技術スキルが問われることが多く、非理系の面接官にもわかりやすく、かつ簡潔に伝えられるかどうかが評価されます。自分の強みやこれまでの研究・プロジェクトの内容を、数十秒間で初心者でも理解できるように説明できるかがポイントです。また、応募した職種に関連する基礎的な理解をしているかどうかも確認されます。

社会人としての基本的な能力

社会人としての基本的な能力も、一次面接では重要な評価項目の一つです。身だしなみや時間を守る、礼儀正しい対応をする、敬語を正しく使えるなどの、社会人としての基本的なスキルが備わっているかどうかが見られます。これらは、企業において信頼できる人材であるかどうかを判断する基準となります。

コミュニケーション力

一次面接では、コミュニケーション力も重要視されます。基本は、聞かれたことに適切に答えることができるかどうか、一言で答えるのではなく、きちんと理由も含めて答えられるかどうか、逆に、だらだらとしゃべりすぎないかどうかも見られています。

適応性

新しい環境で柔軟になじんでいけるか、企業の文化や職場環境に適応できるか、チームでの仕事に向いているかが判断されます。企業は、入社後、すぐに辞めたりしない、自社で成長し長期的な戦力となる就活生を求めています。柔軟性や周囲との協調性、メンタルの強さなどを備えた人物かどうかを、面接の各段階でチェックしています。就活生のこれまでの経験やエピソードを通じて、どのように新しい環境に適応してきたか、苦手な人とどのように接するかなどを具体的に示すことが求められます。

一次面接の質問の傾向

一次面接の質問の傾向

一次面接の質問を細かく見る前に、大まかな傾向を把握しておきましょう。一次面接には大きく2つの傾向があります。

短くシンプルな質問が多い

ひとつ目の傾向は、一次では多くの就活生と面接を行わなければならないため、ひとりあたりにかける時間はどうしても少なくなります。短い時間で就活生の考えを聞かなければならないため、どうしても質問はシンプルになり、回答も短いものが期待されます。想定問答集を事前に作成し、簡潔な回答を用意しておきましょう。

標準的な質問でネガティブチェック

一次面接は「将来活躍しそうな学生」や「光る学生」を見つけるというよりは、「二次面接を行う必要のない学生」をふるい落とすことに主眼点が置かれます。そのため、二次以降の面接で行われるような、個々の就活生に合わせた質問ではなく、標準的な質問をし、就活生の回答の内容や、立ち居振る舞いを見て、一定の基準に満たない、ネガティブな要素がないかどうかがチェックされます。

一次面接でかならず聞かれる質問と回答例

一次面接でかならず聞かれる質問と回答例

ここでは一次面接でかならず聞かれる基本的な質問と回答例を紹介します。各質問に対して事前に具体的なエピソードを交えた回答を用意することで、面接官に印象を残すことができます。

自己紹介

質問例:「自己紹介をお願いします」

回答例:「〇〇大学〇〇学部〇〇学科の△△です。現在、〇〇分野の研究を進めており、特に△△技術に興味を持っています。研究の一環として、現在、〇〇ゼミに所属して△△に関連する技術を、他のメンバーとともに協力しながら高めているところです。本日は御社での業務にどのように貢献できるかお話できればと思います。よろしくお願いします」 

志望動機・自社でやりたいこと

質問例:「なぜ当社を志望されたのですか?また、弊社でどんなことをやりたいですか?」

回答例:「御社を志望した理由は、〇〇業界で最先端の技術開発に取り組んでいる点に強く共感したからです。私はこれまで、〇〇の分野で学んできた知識を活かし、特に〇〇技術の応用に興味があります。御社でのプロジェクトを通じて、〇〇技術の開発や新しい製品の創出に貢献したいと考えています」 

類似の質問として「当社のことをどこで知りましたか?」「当社でどんな仕事がしたいですか?」などがあります。

自己PR

質問例:「あなたの強みやアピールポイントは何ですか?」

回答例:「私の強みは、技術的な課題に対する粘り強い姿勢と、チームで協力して問題解決に取り組む力です。2年生の時、授業でグループワークに取り組み、〇〇という課題に直面しました。リサーチと試行錯誤を繰り返して、最終的には全員の協力で解決し、学期末での発表を終えることができました。この経験を御社の業務にも活かしていきたいと考えています」

類似の質問として、類似の質問として「あなたの自己PRをしてください」「あなたの長所・短所を教えてください」などがあります。

学生時代に力を入れたこと

質問例:「学生時代に特に力を入れたことを教えてください。」

回答例:「私は〇〇サークルに所属し、特にWebサイト制作に力を入れてきました。最初は先輩に教わりながらHTMLやCSSから始めたのですが、他のメンバーからの要望もあってチケットの購入や参加申し込みなどもWebサイトからできるよう、JavaScriptも学びました。特に工夫したのは、誰でも簡単にコンテンツが更新できるようにしたことです。最初は使いやすさ、見やすさを意識するあまり、デザイン面での課題がありましたが、チームと共に他のWebサイトなどを参考にしながら解決策を見つけ、無事に成果を出すことができました。この経験で、技術的なスキルだけでなく、人の心をとらえるデザインの重要性や、チームで取り組むことの意義を学びました。」

類似の質問として「学業面で(学業以外に)あなたが力を入れて取り組んだことはなんですか?」「これまで最も達成感のあったことはなんですか?」「これまでに挫折した経験はありますか?」などがあります。

逆質問

質問例:「何か質問はありますか?」

回答例:「はい、私は御社が進めておられる○○の取り組みに大変興味があります。そのセクションに配属されるためには、今後、どのような分野の知識を身につけておく必要があるでしょうか?」

逆質問では、自分の関心や将来のキャリアについて質問することが好印象を与えます。次の記事では逆質問について、さらに詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

一次面接の対策

一次面接の対策

一次面接で自分を効果的にアピールするためには、しっかりとした準備が必要です。ここでは、一次面接対策として重要な3つのポイントを紹介します。

エントリーシートの確認

まず、面接に臨む前にエントリーシート(ES)の内容を再確認しましょう。エントリーシートは面接官が応募者を理解するための基礎資料ですので、内容に一貫性があることが重要です。面接で話す内容とエントリーシートに記載した内容が矛盾しないようにしましょう。自分の志望動機やアピールポイント、これまでの経験を一貫して説明できるよう、エントリーシートを読み返し、話す内容と整合性を確認しておくことが大切です。 

想定問答の作成

次に、面接で聞かれそうな質問に対する「想定問答」を事前に作成しておくことが大きな助けになります。上記で挙げた質疑応答を参考に、質問とそれに対する回答を作りましょう。特に、自己紹介、志望動機、自己PR、学生時代に力を入れたことなど、基本的な質問は必ず準備しておくべきです。また、会社に対しての「逆質問」も準備しておくことで、面接官に対する関心や意欲をアピールすることができます。事前にしっかりとした回答を考えることで、面接当日に自信を持って話すことができます。

面接練習を重ねる

最後に、実際の面接を想定して練習を重ねることが効果的です。友達や家族に面接官役をしてもらい、模擬面接を繰り返すことで、緊張感に慣れることができます。また、自分の回答を録画して客観的に見直すことで、言葉の使い方や表情、姿勢などを改善することができます。さらに、大学のキャリアセンターやハローワークの面接対策講座を活用して、専門家からアドバイスを受けることも一つの方法です。こうした練習を通じて、自信を持って面接に臨むことができるでしょう。

一次面接を通過できない就活生の特徴

一次面接を通過できない就活生の特徴

一次面接を通過するためには、企業が求めるポイントを理解し、それに沿った自己アピールが重要です。しかし、以下のような特徴が見られる場合、面接での評価が低くなり、通過できないことがあります。模擬面接などを受けて自己評価をしっかり行い、これらの点を改善することで、面接官に好印象を与えることができるようになります。  

意欲が感じられない

面接では、応募者の熱意や意欲が非常に重要視されます。しかし、何を聞かれても表面的な回答しかできず、志望動機も自分の体験や具体的なエピソードと結び付けられていない場合、面接官に「本当にこの会社で働きたいのか?」と疑問を持たれてしまいます。意欲が感じられない応募者は、他の候補者と差をつけることが難しく、次のステップに進むことが困難になります。

雰囲気が暗い

面接では第一印象が非常に大切です。ぼそぼそとしたしゃべり方をしたり、目を合わせようとしないなど、暗い雰囲気を与える就活生は、自社の一員として迎え入れることを、面接官にためらわせてしまいます。明るくハキハキと話し、しっかりとアイコンタクトを取ることで、自信と誠実さをアピールすることが必要です。

清潔感がない

髪がボサボサだったり、服装が乱れているなど、全体的に清潔感がない就活生は、面接官に好印象を与えることができません。企業は社会人としての基本的なマナーや礼儀を重視するため、清潔感のない外見は、それだけで評価を下げる要因になります。服装や髪型を整え、身だしなみに気を配り、保護者や友人にチェックしてもらいましょう。

就活生のマナーや身だしなみについては、次の記事でも詳しく説明しています。

聞かれたことに答えていない

質問に対してズレた回答をしてしまうことも、一次面接で落とされる要因です。例えば「過去の挫折体験」を聞かれているのに「頑張ったこと」について答えてしまうなど、質問に適切に応答できない場合、コミュニケーション能力や質問の意図を理解する力に疑問を持たれます。質問の内容を正確に把握し、求められたことに対して的確に答えることが重要です。

簡潔に話せない

面接では、時間に限りがあるため、結論を先に述べ、簡潔に話すことが求められます。しかし、話の趣旨がわかりにくく、だらだらと話してしまうと、面接官に良い印象を与えることができません。結論ファーストで話し、要点を押さえたコミュニケーションを意識することが重要です。

一次面接の注意点

一次面接の注意点

一次面接の準備をする上で注意したいことをまとめました。

練習は必要、でも暗記はしない

特に真面目な就活生がやってしまいがちな失敗は、念入りに想定問答集を作成し、一生懸命暗記してしまうことです。これだとどれほど流暢に答えられても、面接官には響きません。面接も会話の一形態であることを忘れず、自然な応答ができるまで、練習を重ねてください。

場数を踏む

スポーツやアルバイトの接客などと同じように、面接も経験を重ねるごとに上達します。特に最初のうちは思い通りに話せなかったり、答えに詰まったりすることもあるかと思いますが、過度に落ち込んだりせず、気持ちを切り替えましょう。

振り返りを行う

経験を次に活かすためにも、振り返りは必要です。自分の応答やそれに対する面接官の返事だけでなく、面接官の反応もしっかり思い出しましょう。面接官が自分の話に身を乗り出したようなタイミングはなかったか、逆に自分の話に興味を失ったのはどこだったか、など、ポイントを押さえ、整理することで、次に活かすことができます。

オファーサイトに登録する

就活では、エントリーシートを提出し、通過した企業と面接を受けるという方式の他に、オファーサイトに登録し、自分に興味を持った企業からスカウトを受け、就活を効率的に進めるという方法もあります。

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一次面接突破に向けて準備を始めよう

本記事では一次面接での準備を進めるために、一次、二次、最終と進む採用面接の各フェーズの目的を把握した上で、一次面接では何が聞かれるかを、傾向や質問内容、また実際の質問と回答例など、さまざまな角度から見てきました。また、一次面接で通過されにくい就活生の特徴も見てきました。

一次面接本番で、落ち着いて、スムーズな受けごたえをするためには、何よりも準備が必要です。自分で想定問答集を作り、模擬面接の機会を設け、何度も練習を行ってください。