就活生のほとんどが参加するインターンシップですが、明確な目的を持って参加しないと、「とりあえず参加はしてみたけれど、結局自分が何をしたいのか、はっきりしないままだ」という結果にもなりかねません。

インターンシップにはいくつかの種類があります。自分の目標を定めた上で、種類に合わせて参加を決め、準備を始めましょう。本記事では短期と長期のインターンシップをそれぞれメリット・デメリットの観点から詳しく紹介します。

▼あなたに合った企業の情報が届く▼
TECH OFFERで優良オファーを受け取る

インターンシップの種類と特徴

インターンシップの種類と特徴

2022年6月、経済産業省、文部科学省、厚生労働省の三省から、「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」(三省合意)が出され、インターンシップの型と名称、目的、内容、期間などが明確に定められました。最初に、この三省合意で定められたインターンシップの種類と特徴について、整理しておきましょう。

1dayインターンシップ(オープンカンパニー)

1日で行われるインターンシップです。三省合意では「インターンシップ」が外れ、「オープンカンパニー」として開催されることになりましたが、募集などでは現在も「1dayインターンシップ」の呼称が使われているので、ここでもそれにならいます。。

1dayインターンシップは、実際の就業体験はなく、企業によってはグループディスカッションや職場見学などのプログラムが用意されています。参加できる学年も不問のところが多く、早い段階から企業研究に活用できる取り組みになっています。

短期(汎用的能力活用型)インターンシップ

従来の短期インターンシップに相当するのが、汎用能力活用型インターンシップです。「汎用能力」とは、社会人としてさまざまな仕事に使える能力のことです。例えば、コミュニケーション力や論理的思考力、分析力や発想力などです。

三省合意では、開催期間は5日以上、半分以上の期間を職場で社員とともに就業体験することが定められていますが、端境期の現在では、企業によってグループワークでミッションに取り組むなど、さまざまなプログラムが用意されることが予想されます。

採用選考の一環として行われるケースが多いでしょう。

長期(専門活用型)インターンシップ

2週間以上が定められている専門活用型インターンシップの他、従来からベンチャー企業を中心に行われている、3か月以上にもおよぶ有給のインターンシップも含まれます。

長期インターンシップは、企業の中に入り、社員とともに実際の業務を行います。資料作成や整理などの日常業務から、営業など社員同様の業務まで、企業によってさまざまなものがあります。企業によっては、特に期限が設けられていない場合もあります。

インターンシップの期間による違いは、次の記事でも詳しく説明しています。興味のある方はぜひ参考にしてください。

1dayインターシップに参加するメリット・デメリット

1dayインターシップに参加するメリット・デメリット

上記で紹介した3つのタイプのインターンシップについて、それぞれメリットとデメリットを整理しておきましょう。

1dayインターンシップのメリット

1dayインターンには次のようなメリットがあります。

  • ・短期間で企業研究や業界研究ができる
  • ・職場見学等を通じて企業の内部を知ることができる
  • ・選考がない企業も多く、参加しやすい
  • ・インターンシップ後に、参加者限定のセミナーなどに参加できる

1dayインターンシップのデメリット

1dayインターンシップは、開催時間が短いゆえのデメリットもあります。

  • ・内容の濃いプログラムが少ない
  • ・主体的に目的を持っていないと参加の意義を感じにくい
  • ・特別なことをしない限り、採用担当者の印象に残らない

メリットを活かし、デメリットを回避するには?

1dayインターンシップをより有意義に活用するために、次のようなことに留意しましょう。

  • 事前準備が重要

事前に企業や業界について基本的な知識を身につけておくことで、1dayインターンシップの内容を深掘りしやすくなります。業界研究・企業研究もかねて行いましょう。

  • 質問を用意しよう

事前にプログラムを確認し、個別に質問するなどして、より深い理解を得るよう努めましょう。業務の根幹に関わるような質問や、情勢にタイムリーな質問は、採用担当者の印象に残りやすくなります。また、参加者同士で情報交換を行うことも有益です。

  • 「自分ごと」と考え、主体的に参加しよう

職場見学でも積極的な質問が有効です。短い時間であっても、社員との対話のチャンスを逃さないようにしましょう。集中して参加し、社風や仕事の雰囲気を感じ取り、自分の志望動機に活かしたり、職務への適合度の判断材料にします。

  • 目標を明確にする

参加前に自己分析を深め、自分のキャリア目標や興味領域を整理しておきましょう。

短期インターンシップに参加するメリット・デメリット

短期インターンシップに参加するメリット・デメリット

長期休暇に行われる5日前後の短期インターンシップに参加するメリットとデメリットを整理しましょう。

短期インターンシップのメリット

短期インターンシップには次のようなメリットがあります。

  • ・短期間ではあっても、社員の中に入って実際の業務を経験できる
  • ・論理思考力や分析力、コミュニケーション能力などを実践の場で鍛えられる
  • ・エントリーシート提出や面接など、本採用同様の採用選考を経験できる
  • ・本選考時のプロセスの一部が免除されたり、特別なイベントに招待されるなど、採用に有利になる

短期インターンシップのデメリット

短期インターンシップのデメリットとしては、以下の2つがあります。

  • ・一定期間、拘束されるため、いくつも参加することが難しい
  • ・多くの就活生がエントリーするため、参加したいプログラムがあっても参加できない可能性がある

メリットを活かし、デメリットを回避するには?

短期のインターンシップで最大の効果を上げるためには、次の準備を行いましょう。

  • 主体的に目標を設定する

短期のインターンシップでも、事前に自分の目標や学びたいことをしっかりと設定しましょう。主体的な姿勢が、短い期間でも充実した経験に繋がります。

  • ・志望動機・自己PRを研究する

インターンシップ選考で採用されるために、エントリーシート作成の準備をしましょう。この段階でしっかりしたものを作成しておけば、以降はブラッシュアップすれば良いので、本採用段階でも効率化できます。

  • ・面接練習を行う

多くの就活生にとって、インターンシップ選考の面接が、就活における初めての面接になります。大学のキャリアセンターなどで面接の練習を重ねましょう。

  • 積極的なコミュニケーションを心がける

短期インターンシップは、就業体験があったとしても期間が短いため、即座に印象を残すことが求められます。同僚や先輩との積極的なコミュニケーションを大切にし、自分の存在感をアピールしましょう。

  • 具体的な質問を用意する

現場の雰囲気や業務内容に関する質問を事前に用意しておくことで、より具体的な情報を得ることができます。企業研究にも繋がり、自分の志向に合った企業を見極めやすくなります。

  • 自分の強みをアピール

短期でも自分の強みを的確にアピールできるように心掛けましょう。短期間であっても、自らの特徴を明確に伝えることで印象に残りやすくなります。

  • フォローアップを行おう

インターンシップ後、感謝の意を示すメールや手紙を送ることで、企業側に良い印象を与えることができます。

長期インターンシップに参加するメリット・デメリット

長期インターンシップに参加するメリット・デメリット

企業の一員として実際の業務を行う長期インターンシップは、メリットも大きい反面、デメリットも無視できません。しっかり押さえておきましょう。

長期インターンシップのメリット

長期インターンシップのメリットは、次のようなものがあります。

  • ・企業の中で十分な業務を経験できる
  • ・組織の中で働く経験が得られる
  • ・社会人として必要なスキルを身につけられる
  • ・給与を得ることができる

長期インターンシップのデメリット

反面、次のようなデメリットもあります。

  • ・拘束時間が長いため、実験などで忙しい理系学生は参加が難しい
  • ・複数社のインターンシップには参加できないため、経験の幅を広げることが難しい

メリットを活かし、デメリットを回避するには?

長期インターンシップをより有益なものにするためには、個々の状況に応じて柔軟に対応することが重要です。次のアプローチを検討してください。

  • スケジュールを管理する

拘束時間が長い長期インターンシップでは、スケジュールの管理が重要です。試験期間などを考慮してもらえるので、早めに伝えるようにしましょう。また、普段から効率的な仕事の進め方を学び、忙しい期間には余裕をもって対応する工夫が必要です。

  • 目的を明確にする

1社で長期インターンシップを行う場合、他社の経験が難しくなります。しかし、その分、その企業で深く掘り下げた経験が得られます。目的を明確にし、そのうえで深い専門性を築くことを意識しましょう。

  • ・社員との良好なコミュニケーションを構築する

長期インターンシップでは、企業との関係がより深まります。コミュニケーションを大切にし、将来的なキャリアにつながるような関係を築くことが重要です。

長期インターンシップに関しては、次の記事も参考にしてください。

インターンシップ、自分に向いているのは短期or長期?

インターンシップ、自分に向いているのは短期or長期?

自分に向いているインターンシップを選ぶ際の基準を紹介します。

自分がインターンシップに何を求めているのかを見極める

最初に、自分は何のためにインターンシップに参加し、何を獲得しようとしているのかを明確にします。

さらに、その目的を、数値目標に落とし込みます。「いろいろな企業を知る」のような曖昧な目標ではなく、「最低でも5社の話を聞いて、自分の志望する業界を確定する」「職場見学では、製造プロセスに関して社員に5つ以上の質問をする」のように、振り返った時に「達成できたかどうか」を数値で判断できるような数値目標を設定しましょう。 

企業研究の参考にするなら早い段階で参加してみよう

人によっては、就活といっても、まだ全然ピンとこない、志望企業といっても、自分が働くイメージが持てない、という人もいるかもしれません。

仮にそのような人であっても、焦ることはありません。1dayインターンシップを中心に、積極的にインターンシップに参加し、「働くイメージ」作りに取り掛かりましょう。

働くイメージが想定できるようになったら、業界ごとの違いや、企業ごとの違いに目を向け、どのような点でA社とB社は異なっているのか、なぜそうなのかを調べます。それを第一歩に、比較しながら企業研究を進めていきましょう。

25卒の先輩は、インターンシップにどのように参加しているのかは、次の記事が参考になります。

採用直結を意識するなら入念な準備を

逆に、志望業界、志望企業が明確に定まっているなら、採用直結を意識した短期インターンシップ(汎用的能力活用型・専門活用型インターンシップ)に積極的に挑戦しましょう。

「インターンシップ選考」の準備としてではなく、本選考に臨むつもりで志望動機や自己PRを作成し、面接練習を重ねてください。

研究やサークルが忙しい人の組み立て方

サークル活動で忙しい人は、夏までは1dayインターンシップを中心にし、サークル引退後の秋〜冬インターンシップで短期インターンシップを探しましょう。

また、研究で忙しい、冬インターンシップの時期は試験に集中したい、という人は、1dayインターンシップや、拘束時間のより短いオンラインインターンシップなども活用しましょう。

インターンシップのオファーももらえるTECH OFFERを活用する

時間を効率的に使えるのが、オファー型の就活サイトです。なかでもTECH OFFERは理系学生に特化したダイレクトリクルーティングサービス。登録は無料で、自分の選考や志望にマッチした企業からのオファーを受け取ることができます。

忙しい理系学生は、TECH OFFERからのインターンシップへのオファーを活用してください。

▼あなたに合った企業の情報が届く▼
TECH OFFERで優良オファーを受け取る

26卒インターンシップ、自分に合った期間を選ぼう

本記事では26卒の学生が参加するインターンシップ選びの参考にできるよう、1day、短期、長期に分けて、それぞれのメリットとデメリット、およびメリットを活かし、デメリットを回避する方法を紹介しました。また、自分に合ったインターンシップを選ぶ上で、何を考えなければならないかも説明しています。

「皆が参加するから」という理由でインターンシップに参加しても、得るものはほとんどありません。情報収集や準備と、時間を費やしてインターンシップに参加する以上は、できるだけ大きな成果を得たいものです。そのためには自分の参加目的を明確にし、自分に合ったインターンシップを選びましょう。