こんにちは、理系就活情報局です。

書類をまとめたり、データを入力・処理したり、経費の処理をしたり、など、社内のさまざまな業務の「整理整頓」をし、あらゆる業務を円滑に回していくための軸となるのが事務職の役割です。

理系学生でも、チームで実験を行ったり、サークル活動で経理などを行ったりする中で、事務職に魅力を感じる人もいるのではないでしょうか?

本記事では、理系で事務職を選択肢の1つと考えている人に向け、理系事務職について説明します。

理系事務職はどんな仕事?

理系事務職はどんな仕事?

事務職とはどんな仕事なのか、その中でも理系事務職とはどんな仕事なのかを説明します。

事務職とは?  

事務職は、組織内でシステムを使ったり、書類の処理などで一般的な管理業務を担当する職務です。事務職の仕事は多岐にわたり、以下のような種類があります。

・一般事務

社内をサポートする事務の総称です。書類作成や電話対応を行います。

・営業事務

営業のサポートをする事務職です。見積書の作成や在庫管理・納期調整などを行います。

・経理事務

企業のお金の出入りを管理します。その他、企業によっては給与計算や伝票の処理などを行います。

・人事事務

企業で働く「人」のための事務を行います。採用や社員教育、評価・社会保険手続きなどを行います。

・総務事務

会社を動かすために必要な業務を総合的に支えます。備品管理や防犯・防災など多岐にわたる業務を担います。

これ以外にも、法務事務や医療事務など、企業、組織によってさまざまな種類があります。

理系事務の仕事内容

理系事務の仕事内容は、大きく分けて一般的な管理業務と理系の強みが発揮される専門業務の2つがあります。一般事務と同じ基礎業務も行いますが、技術的なバックグラウンドを活かした業務こそが、理系事務職の真価が問われる部分です。

一般的な管理業務

一般的な管理業務は組織を円滑に運営するための基礎的な業務で、文系・理系問わず事務職として共通して求められるものです。具体的には、以下の業務が一般的な管理業務としてあげられます。

  • ・文書・データ管理:報告書やプレゼン資料の整理・保管、数値データの入力やデータベース管理を行う
  • ・スケジュール・経費管理:会議室の予約や上司のスケジュール調整、出張費や備品購入などの経費精算処理を担当
  • ・電話・メールなどの対外対応:社内外からの問い合わせへの一次対応や来客時の案内などを行う

理系の専門性を活かす業務

理系事務職では、研究生活で培った専門知識や語学力を活かせるような技術部門をサポートする業務が発生します。

業務区分具体的な仕事内容
技術翻訳・英語論文の調査・海外の先行研究や最新技術のキャッチアップ・英語の技術論文、専門誌の読解と要約、研究員への共有・海外拠点向け技術マニュアルの翻訳サポート
特許検索・知財管理・新製品開発に伴う、類似技術の先行技術調査・知財部と連携した特許データベースの検索・整理
技術資料・仕様書の作成サポート・実験データや製品スペックが記載された資料の作成補助・大規模プロジェクトにおけるデータの収集、整理

理系が事務職を志望するメリット

理系が事務職を志望するメリット

理系出身者が事務職を志望する場合のメリットは次の通りです。

専門性が活かせる

製造部門や研究開発部門で事務を行う場合、理系出身者であれば業務内容が理解できるため、よりスムーズにこなすことができます。データ入力や処理のプロセスでも、内容を理解していることで、ミスを減らすことができます。

また、部外者に説明を求められた場合も、専門外の職員と比較して対応できる範囲が広いでしょう。

自分の特色を強みにできる

就活の際に、理系出身者が事務職を希望した場合、ほぼかならず「なぜ理系なのに事務職を志望したのか」を尋ねられます。この質問に、自分の志望動機や企業に貢献できることを踏まえて適切に回答すれば、大きな強みとなるでしょう。

また、実際に仕事が始まれば、理系の勉強や研究でつちかってきた論理的思考力や課題発見力を業務に活かすことで、周囲との差別化を図れます。

理系が事務職を志望するデメリット

理系が事務職を志望するデメリット

理系就活生が事務職を志望する場合のデメリットも押さえておきましょう。

就活に時間が割きにくい 

理系学生の就活が本格化する3年生は、同時に研究室選びや授業などが、非常に忙しくなる時期でもあります。特に理系学生が事務職を志望する場合、比較的時間の融通がつきやすい文系の就活生と同じポストをめぐって争うことになります。

この面で、説明会やインターンシップへの参加、OB・OG訪問など、就活に時間が割きにくいことは、事務職を志望する場合のデメリットといえるでしょう。

情報が入りにくい

事務職を選択する理系就活生は比較的少ないため、大学のキャリアセンターなどでも扱う情報が少ないことがあります。OB・OGも少なく、口コミも入ってきにくいため、情報は自分で主体的に収集しなくてはなりません。

理系事務職が求められる業界・仕事内容

理系事務職が求められる業界・仕事内容

科学的な専門知識や規制に関する理解が求められる業界では、事務職でも理系出身者が優遇される傾向にあります。

理系事務職が求められる業界の特徴と、事務職の主な仕事内容を説明します。

医薬品・化粧品メーカー

【業界の特徴】

人体に直接的に関わる医薬品や化粧品のメーカーは、厳しい基準の下、研究・開発、製造が行われています。そのため事務職も医学的な専門知識が求められ、膨大なデータを収集管理、材料や製品の品質管理や規制関連の事務作業が重要です。

【仕事内容】

製品の品質管理文書の作成や試験データの管理、規制に関する文書の整備、製品ラベルの作成、研究チームとのコミュニケーションサポートが主な仕事です。

化学メーカー

【業界の特徴】

化学メーカーでは多種多様な製品、材料、化学物質を製造しています。そのため研究、製造、品質管理を事務の面からサポートできる化学的な知識を備えている人が求められます。

【仕事内容】

化学製品の製造データの記録と分析、規制関連文書の整備、化学物質の安全データシート(SDS)の作成、環境法規制への準拠文書作成などが主な仕事です。

食品メーカー

【業界の特徴】

食品メーカーは多種多様な食品の製造を行いますが、人体に取り入れるものだけに、食品の品質管理や基準・規制が非常に多く、遵守するための知識が必要です。食品衛生法などの法的な知識も必要ですが、それとともに添加物や遺伝子組み換えなど、生物や化学の知識を持っている理系出身者が求められます。

【仕事内容】

食品の生産記録管理、HACCP(食品の安全性を確保するためのリスク評価プログラム)文書の整備、規制遵守文書作成、原材料の仕入れと管理などの事務作業が主な仕事です。

大学・研究機関

【業界の特徴】

実験や科学的な研究を行う大学や研究機関では、事務職であっても専門知識を備えていることが求められます。

【仕事内容】

主な業務として、研究プロジェクトの管理とアシスタント業務、助成金や予算の管理、研究データの収集と整理、研究プロポーザルの作成、教育プログラムのサポートなどがあります。

理系事務職の年収とキャリア

理系事務職の年収とキャリア

理系事務職として就職を検討する際、具体的な仕事内容と同じくらい気になるのが収入と将来性ではないでしょうか。以下では、理系事務職の平均的な年収相場と「入社後にどのようなキャリアステップを描けるのか」について解説します。

平均年収は350〜500万円がボリュームゾーン

理系事務職は、一般的な事務職よりも理系知識・分析力・システム理解力を活かせる場面が多く、年収は比較的高めです。

得に製造業・医薬・化学・IT系の企業では、技術部門と管理部門をつなぐ専門的な役割を担うケースもあるためです。理系事務職の平均年収は初任給〜30代前半で350〜450万円、30代後半〜40代で450〜500万円前後となります。

また、英語や専門ツールを扱う業務、品質保証や生産管理など工場・研究部門と密接に関わるポジションでは、高めの給与帯になるケースがあります。

一方で、営業事務や一般事務など管理部門寄りのポジションでは理系出身でも年収が横ばいになりやすく職場選びによる差は大きいです。

キャリアは「専門特化型」と「マネジメント型」に大別される

理系事務職のキャリアは、大きく2つの方向に分かれます。

・専門特化型(スペシャリスト)

研究・開発・品質・生産などの技術領域に近いポジションで経験を積み、特定領域の深い知識を持つ人材へと成長するルートです。

特徴としては、資格・専門知識・業界慣習への理解が年収アップに直結しやすい点があります。

・マネジメント型(管理職)

プロジェクト管理、予算管理、部門間調整などを担い、チームをまとめる方向に進むパターンです。

理系的なロジックとコミュニケーション力の両方が求められるなど適した人材も少ないため、40代以降で年収が大きく伸びるケースもあります。

特に、大手企業では課長クラスで700万円〜、部長では900万円超を狙える領域です。

年収を上げるには技術部門とのつながりを強めることが鍵

理系事務職の年収は、単に事務スキルを磨くだけでは大きく伸びにくい傾向があります。そのため、キャリアアップを目指すなら以下3つの方向が効果的です。

①技術部門(研究・品質・生産)と密接に関わる業務を狙う

品質保証、生産管理、R&D管理などは年収レンジが高めです。

②データ分析・統計・システム理解を強みにする

Excelの高度関数・Python基礎・BIツールなどが評価されやすいです。

③英語・ドキュメント作成・規格理解を身につける

グローバルメーカーでは年収に直結します。

特に、メーカーでは「理系知識を持ち、技術者の言葉がわかる事務職」は貴重であり、一般事務との差別化が明確にできます。

理系が事務職を志望する際の注意点

理系が事務職を志望する際の注意点

事務職を選択肢の1つとして検討する人は、なんらかの形で事務の仕事に魅力を感じたからでしょう。しかし、自分が実際に事務職に向いているかどうかは、しっかりと検討する必要があります。

そこで理系就活生が事務職を志望する際に、注意すべき点を説明します。

自己分析を行う

研究職、エンジニア、営業、事務など各職種には向き・不向きがあります。自分の性格や研究生活での行動パターンが、事務職に求められる資質とマッチしているか客観的な視点で自己分析を行いましょう。一般的に求められる資質に加え、理系学生ならではの事務職適性を判断する以下のチェックリストを紹介します。

【理系学生版】事務職の適性チェックリスト

チェック項目(強み・スキル)理系学生特有の習慣・特徴事務職での活かし方
実験ノートの記録・整理が苦ではない(几帳面さ・文書管理)いつ、誰がやっても同じ結果が出るように手順や条件を詳細に記録し、データを整理整頓する習慣がある・文書管理:膨大な書類を体系的に整理できる・マニュアル作成:誰でも業務を再現できる手順書が作れる
参考文献・引用元を徹底的に調べるのが好き(正確性・調査力)論文執筆時に、引用元のファクトチェックや権利関係の確認を緻密に行うことをいとわない・契約書の確認:不備やリスクを細かくチェックできる・知財管理:特許や権利関係の複雑な事務処理に適性がある
数字の違和感にすぐ気づく(計数感覚)実験データの集計中に、外れ値や入力ミスなどの数値のおかしな動きを直感的に察知できる・経理、データ分析:計算ミスや異常値を未然に防ぎ、データの精度を担保できる
「なぜそうなるのか」などの再現性を重視する(論理的思考・業務改善)感覚のみで進めるのではなく、ロジックとプロセスを重視して物事を考える・業務改善:属人化しやすい業務をルール化・標準化し、チーム全体の効率を向上させる

なお、当然ながら以下のような一般的な事務職としての基礎スキルも必要です。

  • ・コミュニケーション能力:技術者や他部署との調整役となるため、相手の意図を正確に汲み取る力が不可
  • ・時間管理能力:複数のタスクや納期を同時に管理し、優先順位をつけて処理する能力が求められる
  • ・ストレス耐性:急な差し込み業務や、地道な作業の繰り返しにも柔軟に対応できるメンタルも大切

仕事内容を深掘りする

事務職に必要なスキルや要件は業界や部署によって異なる場合があるため、具体的な職務内容に合わせた資質の開発も重要です。そのため、事務職を志望する場合は、自分が希望する業界や仕事内容をしっかり研究しましょう。

Webサイトや業界情報誌を見たり、その業界に勤務するOB・OGを訪問したりして、情報を収集し、仕事内容を詳しく把握します。

企業分析のやり方については次の記事で詳しく説明しています。ぜひ参考にしてください。

志望動機を明確にする

理系就活生が事務職を志望する場合、志望動機を明確にすることが求められます。自己分析や仕事理解を踏まえて、次の2点を明確にした志望動機を作成しましょう。

・なぜ自分がその企業の事務職に魅力を感じたのか

・自分は事務職として、その企業に何を貢献できるのか

エントリーシートや面接にも欠かせない志望動機の書き方については、次の記事を参考にしてください。

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よくある質問

よくある質問

理系事務職を目指す理系新卒学生からよくある質問をまとめました。

Q1.理系出身者が事務職を志望しても不利になりませんか?

理系出身者が事務職を志望しても、基本的には不利になりません。

実際には、製造業・医薬・化学などでは理系知識を理解できる事務職を求める企業も多く、技術部門との橋渡しができる人材として評価されるケースがあります。

なお、「なぜ事務なのか」「理系の強みをどう活かすのか」を言語化しておくと選考突破しやすくなります。

Q2.研究経験や実験スキルは事務職でも本当に役に立ちますか?

実験・研究経験は事務職に直接は繋がらなくても、

・データ処理力
・問題解決力
・仮説検証型の思考
・正確性、再現性への意識

のような理系ならではの強みは品質保証、生産管理、技術管理、購買などの技術寄りの事務職で活かせます。

志望業界・志望企業・志望職種と自分の強みがどのようにリンクするのかを考え、志望動機などを考えましょう。

Q3.一般事務との違いがよくわかりません。どんな仕事が多いですか?

理系事務職は企業によって職種名称が異なるため理解しにくいですが、共通する特徴としては、

・技術部門・工場・研究所とのやり取りが多い
・データや仕様書、試験結果などの技術的文書を扱う
・品質管理や生産計画など、ものづくりのプロセスに関わる

の3点があります。

一般事務と比べて、業務の背景に科学・工学の基礎知識が求められる場面が多いのが特徴です。

一方で、管理部門となる総務・人事・経理等では前述した知識はさほど求められません。

理系事務職、理系ならではの強みがカギ

この記事では、理系出身者が強みを発揮できる理系事務職に焦点を当て、仕事内容や求められる業界の特徴、また理系就活生が事務職を志望する際のメリットやデメリット、注意点などを紹介しました。

事務職は、あらゆる企業や組織に欠かせない仕事ですが、反面、地味で文系職というイメージの強い仕事でもあります。理系事務職を志望する人は、理系就活生ならではの強みを活かし、ぜひ内定を勝ち取ってください。