専門性を高めること、またその為にどんな研究室を選ぶかは、理系人材の将来のキャリア形成にとても重要です。
東京工業大学大学院の電気電子系では、電気電子工学に関する幅広い分野を学習できます。
今回は、東京工業大学大学院の電気電子系研究室でどんなことを学べるかが分かる、東京工業大学大学院の電気電子系研究室を10選紹介します。
東京工業大学大学院の電気電子系を目指す方はぜひ参考にしてみてください。
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東京工業大学大学院電気電子系の特徴
東京工業大学大学院電気電子系では、電気エネルギーの発生と制御、電波・通信システムなど幅広い電気電子工学分野の研究を行っています。
電気電子系に進学する場合、学習する領域によって以下4つのコースに分かれています。
- ・電気電子コース
- ・エネルギーコース
- ・ライフエンジニアリングコース
- ・原子核工学コース
自分が専門に研究したい分野がどのコースに属するかを事前に確認し、最適な学習コースを選びましょう。
各コースとも有名企業への就職実績も多く、例えば電気電子コースの学生は以下の企業に就職しています。
【電気電子コースに所属する学生の主な就職先】
JFEスチール / JR東海 / JR東日本 / KDDI / NHK / NTTドコモ / NTT東日本 / キーエンス / キヤノン / サンディスク / セイコーエプソン / ソニー / ソフトバンク / ダイキン工業 / トヨタ自動車 / パナソニック / ファナック / リコー / ルネサスエレクトロニクス / ローム / 古河電気工業 / 三菱重工業 / 三菱電機 / 新日鐵住金 / 村田製作所 / 東京ガス / 日産自動車 / 日本電気(NEC) / 日本電信電話(NTT研究所) / 日立製作所 / 富士通 / 豊田自動織機 / 本田技研工業
各コースごとの就職先実績はホームページに記載されてるので、就職希望の企業があれば確認しておいた方が良いでしょう。
東京工業大学大学院の電気電子系研究室10選
ここでは東京工業大学大学院の電気電子系研究室を以下10選紹介します。
- ・庄司研究室
- ・河辺研究室
- ・白根研究室
- ・赤塚研究室
- ・宮本研究室
- ・石橋研究室
- ・浦壁・堀口研究室
- ・伊藤治彦研究室
- ・間中研究室
- ・中川茂研究室
上記以外にも多くの研究室があるので、気になる方はホームページでチェックしておきましょう。
庄司研究室
庄司研究室では、フォトニクスやスピントロニクスに関わる数々の研究に取り組んでいます。
具体的な研究テーマは以下の通りです。
- ・光集積回路
- ・高機能光スイッチングデバイス
- ・AIアクセラレータ用の光演算回路
- ・光導波路を用いた可視光デバイス
半導体を中心とした電子回路部品に関する研究開発に取り組んでおり、半導体分野を専門的に勉強したい方にはおすすめの研究室です。
庄司研究室URL:http://www.wave.ee.e.titech.ac.jp/
河辺研究室
河辺研究室は、再生可能エネルギー導入と電力システムの安定稼働を両立させる研究を行っています。
具体的な研究テーマは以下の通りです。
- ・広域制御技術を用いた過渡安定性の安定化制御手法の開発
- ・コンバータを用いた周波数・電圧安定性の安定化制御手法の開発
- ・再エネの予測外れに対処可能な電力系統の運用計画手法の開発
再生可能エネルギーは供給体制が課題となっており、いかに安定的に供給するかが重要視されています。
今後エネルギー分野の道を目指す方にとっては、面白い研究室と言えるでしょう。
河辺研究室URL:http://www.pwrsys.ee.titech.ac.jp/index.html
白根研究室
白根研究室は、宇宙で使われる無線通信や無線電力伝送に役立つ集積回路の研究を行っています。
2022年4月1日に発足した新しい研究室です。
具体的な研究テーマは以下の通りとなります。
- ・6G時代の超小型衛星コンステレーション搭載に向けた無線機
- ・高放射線耐性無線ICの研究
- ・電源不要の5G無線通信回路
宇宙空間で必要とされる高度な通信技術の研究がメインですが、今後も日常生活で深く関わり続ける技術でもあります。
通信分野の知見を深めたいと考える方には最適な研究室と言えるでしょう。
白根研究室URL:https://shirane-lab.ee.e.titech.ac.jp/index.html
赤塚研究室
赤塚研究室では、プラズマと原子分子を中心に研究を行っています。
具体的な研究テーマは以下の通りです。
- ・原子・分子過程のモデル化と電子温度・密度の発光分光計測法開発
- ・分子性プラズマの発光分光計測~熱構造・反応性ラジカル密度計測
- ・超音速希薄プラズマの特性計測と数値モデリング
- ・原子炉廃止措置工学
- ・大気圧非平衡プラズマの計測
プラズマは集積回路の製造に使われており、さまざまな産業でプラズマの技術が応用されています。
集積回路の開発に携わりたい方にはおすすめの研究室です。
宮本研究室
宮本研究室では、省電力で高速に動作する電子デバイスに関する研究を中心としています。
具体的なテーマは以下の通りです。
- ・化合物半導体によるMOSトランジスタ
- ・へテロ構造を持った縦型FET
- ・Hf系二次元半導体材料によるFET
- ・GaN HEMTの高性能化
- ・新構造を導入した極微細ヘテロ接合バイポーラトランジスタ
- ・固体半導体中でのホットエレクトロンを用いたヤングのダブルスリット現象観測
- ・有機金属気相成長法
- ・電子ビーム露光法
近年IT機器が広く普及するとともに、その消費電力も増大しています。
各IT機器メーカーでも省電力化が重要なポイントとなっており、今後注目される技術と言えるでしょう。
宮本研究室URL:http://www.pe.titech.ac.jp/Furuya-MiyamotoLab/
石橋研究室
石橋研究室では、ナノテクノロジーを活用した新規電子・光デバイスの研究を行っています。
具体的な研究テーマは以下の通りです。
- ・量子ドットを用いた量子ナノデバイスと電荷・スピンのコヒーレント制御
- ・マイクロ波回路共振器と量子構造の相互作用
- ・超伝導体/常伝導体ハイブリッド構造
- ・原子・分子スケール高機能ナノ構造と応用
ナノテクノロジーは素材、IT、バイオなど広範囲の分野で活用される技術で、多くの産業で基盤技術として活用されています。
ナノテクノロジーに関する知見を深めたい方にはおすすめの研究室です。
石橋研究室URL:http://www2.riken.jp/lab/adv_device/index.html
浦壁・堀口研究室
浦壁・堀口研究室では、パワーエレクトロニクスを中心に研究を行っています。
具体的な研究テーマは以下の通りです。
- ・SiCパワー半導体デバイスモデルの開発
- ・パワー半導体素子直列駆動技術の研究
- ・機械学習を用いたパワエレ機器の異常診断技術に関する研究
パワーエレクトロニクスとはモーターの最適駆動や電源の安定化に貢献できる技術で、数多くの電動機器に使われています。
電動機器の分野に興味がある方にはおすすめの研究室と言えるでしょう。
浦壁・堀口研究室URL:http://www.dmdl.ee.e.titech.ac.jp/index.html
伊藤治彦研究室
伊藤治彦研究室では、アトムフォトニクスの研究を行っています。
具体的な研究テーマは以下の通りです。
- ・原子誘導路
- ・原子偏向器
- ・原子ファネル
- ・原子検出器
- ・スピンクラスター
- ・近接場光と原子の相互作用
アトムフォトニクスとは、光の粒子であるフォトンを利用した技術で、ディスプレイや光通信など光を活用したさまざまな製品に使われています。
光技術に興味がある方にとっては、おすすめの研究室と言えるでしょう。
伊藤治彦研究室URL:http://www.ito.ep.titech.ac.jp/index.html
間中研究室
間中研究室は、有機エレクトロニクスに関する研究を行っています。
具体的な研究テーマは以下の通りです。
- ・MDC-SHGスペクトロスコピー技術の開発
- ・ナノ界面の帯電現象の評価およびその電子的構造単電子トンネル素子への応用
- ・ナノ界面のエネルギー構造とパターン構造
- ・光学的手法による有機FETのチャネル電界分布測定
有機エレクトロニクスとは、有機半導体をベースとした電子工学分野のことで、有機ELテレビや小型ディスプレイなどさまざまな製品に活かされています。
有機エレクトロニクスに興味のある方には、おすすめの研究室と言えるでしょう。
間中研究室URL:http://www.pe.titech.ac.jp/IwamotoLab/top.html
中川茂研究室
中川茂研究室では、電子スピンに着目した次世代材料・デバイスの開発を目的とした研究を行っています。
具体的な研究テーマは以下の通りです。
- ・対向ターゲット式スパッタ(FTS)法
- ・垂直異方性を持ったハーフメタル強磁性体薄膜
- ・応力アシスト磁化反転とピエゾエレクトロニック磁気抵抗デバイス
電子スピンの技術を活用することで、電力デバイスの省電力化などに貢献できます。
新規電力デバイスの開発に興味のある方にはおすすめの研究室です。
中川茂研究室URL:http://www.spin.pe.titech.ac.jp/index-j.html
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これだけは知っておきたいポイント(まとめ)
東京工業大学大学院の電気電子系では電気電子工学に関する幅広い技術が研究されています。
現在広く普及しているITデバイスにも深く関わる技術が多く、企業との共同研究も多いのが特徴です。
今回の内容を参考に、自分の興味がある分野を研究する最適な研究室を選びましょう。