こんにちは。理系就活情報局です。
志望する会社を決めるとき、何を基準に判断するかは人によって様々ですが、理系学生の場合は「自分の専門性と合致するか」「研究を活かせる職場か」を最初に見るのではないでしょうか?
確かに、自分がやりたい仕事ができる会社なのかを見極めることは重要です。
ですが、仕事内容だけを見て企業選びをすると、入社後に後悔してしまう可能性があります。
そこで、本記事では、「理系学生が入社後も後悔しない企業選び」というテーマで説明していきます。
入社後に「しまった……」と後悔したくない理系就活生の方は、是非参考にしてみてください!
企業選びで専門性だけを重視するのは危険
自己分析をしたことで、志望する企業を選ぶ基準が定まってきたと思います。
その基準には、何が含まれているでしょうか? まず思い浮かぶのは、業界の立ち位置や業務内容といった「やりたい仕事ができる会社なのか」という基準ですよね。
しかし、理系学生は専門性という強みがある分、「専門性を活かせる会社か」の確認を優先しすぎてしまいがちです。
以下では、理系学生が陥ってしまいがちな企業選びの失敗として、気をつけたいポイントを解説します。
やりたい仕事と良好な職場環境はセットではない可能性もある
企業探しにおいて、やりたい仕事を第一に優先するのは当然のことです。
ただし、志望する企業を探すときは、必ず「やりたい仕事内容」に加えて「働きやすい職場環境」を条件に加える必要があります。
就活生の立場だと、「職場環境についてはあまり気にならない」「どこの会社も基本的な部分は同じなのではないか」と感じている人も多いと思います。
しかし、それは現実的な考えではありません。
たとえ有名な大手企業であったとしても、必ずしもあなたにとって働きやすい環境ではないのです。
もしあなたが今検討している会社の労働条件に疑問を覚えていないのなら、同業他社の求人と比較してみてください。仕事内容以外の労働条件だけに注目すると、様々な違いが見えてくることと思います。
「やりたい仕事」と「良好な職場環境」は、必ずしもセットではありません。
何故かといえば、会社に求める「働きやすさ」は人によって様々だからです。
将来後悔しないためには、この前提を押さえた上で志望する企業を選ぶ必要があります。
会社はあなたの人生に責任を持ってくれない
そうは言っても、自分にとっていったいどんな会社が働きやすいのか、具体的にイメージすることが難しい人もいるでしょう。
ですが、忘れてはならないことが一つあります。
会社はあなたの人生の一部となる場所かもしれませんが、人生に責任を持ってくれません。
今後の長い人生においては、様々なライフイベントが起こります。
結婚や出産、子育てだけでなく、中には病気や介護といった予告なしに起こりうるものもあります。
自分の人生に何か変化が起こったとき、充分に応えてくれる会社なのか?
一度、自分のキャリアビジョンと照らし合わせて「もしこんなことが起こったとき、会社としてどのような対処をしてほしいか」を考えてみてください。
働きやすい会社を見極めるポイント
ここまで、志望する企業を探す上で「自分にとって働きやすい職場環境」であるかを見極める重要性について説明しました。
次からは、実際に「自分にとって働きやすい職場環境」を見極めるポイントについて解説していきます。
残業時間・有給取得率・3年後離職率
まずチェックしたいポイントは、「残業時間」・「有給取得率」・「3年後離職率」の3点です。
この3点については、「就職四季報」や企業の公式サイトなどで調べることができます。
残業時間は、ワークライフバランスを見るのに最適です。
いくら給与が高くやりたい仕事ができたとしても、プライベートに割く時間が少なすぎると、心身のバランスを崩してしまうことにも繋がります。
人生を占めるのは仕事だけではありません。プライベートの時間が確保できるのか、心身共に健康的に働けるのかを見極めることは重要です。
ワークライフバランスを見る上では、残業時間と併せて有給取得率を確認しましょう。
有給は、おおむね20日前後が支給されることになっています。
労働基準法では、年に10日以上有給休暇を付与されている労働者には、必ず5日取得させることが義務づけられています。(参考:厚生労働省「年次有給休暇取得促進特設サイト」)
付与日数は一定であっても、付与された有給をどれだけ取得できるかといった点は企業によって異なるため、必ず確認しておきましょう。
中には、データ上では有給取得率が高くとも、「5日以上の有給取得は遠慮するという暗黙の了解がある」など、社風や職場の雰囲気によって有休取得がしづらい会社も存在しています。会社の評判を見ることができる口コミサイトも併せて確認することをお勧めします。
3年後離職率は、その企業が人材の定着しやすい環境なのかを知るのに最適です。
たとえ人気の大手企業であっても、3年後離職率が他社に比べて高い場合は、注意が必要です。人材が離れていくことには、必ず理由があります。
この場合も、口コミサイトをチェックして実際にその会社で働いた経験を持つ人の声を参考に見てみましょう。
福利厚生
次にチェックしたいポイントは、その企業がどんな福利厚生を設けているかという点です。
法律で義務づけられている福利厚生は、「健康保険」・「介護保険」・「雇用保険」・「労災保険」・「厚生年金保険」です。
これらの「法定福利厚生」が設定されていない企業は違法となります。
そのため、差が出てくるのは企業が独自に行っている「法定外福利厚生」の部分になります。
法定外福利厚生には、「交通費」・「家族手当」・「住宅手当」・「育児手当」・「特別休暇」・「資格取得手当」などがあります。
当然のように支給されると思われがちな「交通費」も、実は法律では支給が義務づけられていないのです。この点だけを見ても、福利厚生をチェックすることがいかに大切なのかをお分かりいただけたと思います。
法定外福利厚生として、「アニバーサリー休暇」や実家への帰省費用を一部負担する制度など、会社独自かつユニークな制度を導入している企業も増えています。
会社の規模が働きやすさを示している訳ではない
理系就活生が一度はエントリーを検討する大手企業は、基本的な労働環境や福利厚生が充実している傾向にあります。
会社の規模や安定性も大事ですが、必ずしも会社の規模=働きやすい会社ではありません。
「自分が会社に望む労働環境」や「福利厚生」に照らし合わせてみると、いいなと思っていた企業の見え方が変わってくることもしばしばあります。
少なくない時間と労力を投資して就職した後、「こんなはずじゃなかった……」と落ち込まないためにも、様々な方向から企業を検討しましょう。
働きやすい会社が探せるランキング
ここまで、「企業選びで専門性だけを重視するのは危険」ということから「働きやすい会社を見極めるポイント」まで説明してきました。
就職活動をする中で、理系就活生の方は様々なランキングを目にしてきたかと思います。
毎年就職活動に関わるデータは蓄積されており、様々な視点でのランキングが作成されています。
「ランキング=人気企業を把握するためのもの」と思ってしまいがちですが、ランキングは働きやすい会社を探す上でも有用です。
そこで、次は、数々のランキングの中から、働きやすい会社を探す上で併せて見ておきたいランキングをご紹介します。
就職希望企業ランキング
まず見ておきたいのは、理系就活生が一番目にするだろう「就職希望企業ランキング」です。
(引用:キャリタス就活「発表!2023年卒の就活生が選ぶ人気企業とは?~就職希望企業ランキング:総合編~」)
就活生から人気を集めた企業が一覧化されているので、上から順に企業の採用サイトを見ていけば、「大手であるという以上に、どうしてこの企業が人気なのか」という理由が見えてきます。
もし、まだ自分にとって働きやすい会社の条件がはっきりしていないのであれば、前述した「働きやすい会社を見極めるポイント」をもとにランキング上位の企業をチェックしてみましょう。そうすれば、自ずと曖昧だった条件が定まってきます。
ホワイト企業ランキング
就活生なら、誰もが一度は「ホワイト企業」という言葉を耳にしたことがあると思います。
ホワイト企業とは、働きやすい企業を示す言葉です。
ホワイト企業の条件としては、「残業時間の少なさ」や「離職率の低さ」、「福利厚生」に
「有給の取りやすさ」などが挙げられます。
そうしたホワイト企業の調査を行っているホワイト企業総合研究所は、毎年「新卒で入りたい一流ホワイト企業ランキング」を公表しています。
(引用:ホワイト企業総合研究所「2023年卒版 新卒で入りたい一流ホワイト企業ランキングTOP100」)
ランキングには、理系就活生の就職希望先として人気の企業も多く名を連ねています。
「ホワイト企業ランキング」にランクインしている企業は、一定以上の労働環境が整えられています。あとは、「自分に合った福利厚生があるか」といった細部を確認していきましょう。
こちらのランキングは厚生労働省の統計データをはじめ、信頼性の高い情報をもとに集計されていることが明記されており、安心して参考にできるのも嬉しいポイントです。
転職人気企業ランキング
最後に、転職人気ランキングをご紹介します。
「就活生なのに?」と思われるかもしれませんが、転職では、前の会社よりもいい条件の会社を探します。
つまり、転職先として人気を集める企業は、自ずと「働きやすい会社」を意味することになるのです。
(引用:転職・求人doda「社会人が選ぶ“働きたい企業”第1位は?転職人気企業ランキング2021<業種別>」)
引用元のランキングでは、業種別の情報を見ることができます。
ぜひ一度、自分の志望する業種のランキングを確認してみましょう。
ランキングと併せて見ておきたい!働きやすさの指標
これまで、「働きやすい会社を見極めるポイント」を押さえた上で「働きやすい会社が探せるランキング」をご紹介しました。
最後に、「ランキングと併せて見ておきたい!働きやすさの指標」について、解説します。
人生のターニングポイントに寄り添う「家庭と仕事の両立支援推進企業」
東京都では、「家庭と仕事の両立支援推進企業」という制度が設けられています。
この制度は、「育児と仕事の両立」・「介護と仕事の両立」の2点について企業を評価するもので、企業の取り組みや実績に応じてマークが付与されます。
育児や介護は、性別関係なく存在する人生のターニングポイントです。
「家庭と仕事の両立支援推進企業」一覧では、実際にその企業がどんな取り組みをしているのかという情報を知ることができます。
「一般的にどんな制度があるのかも分からない」という方も、一度覗いてみることをオススメします。
子育て支援企業がわかる「くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマーク」
(引用:厚生労働省「くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて」)
もし将来的に子供を設けたいと考えているのなら、厚生労働省が認定している「子育てサポート企業」の証である「くるみんマーク」を取得しているかチェックしてみましょう。
「くるみん認定」及び「くるみんマーク」は広く周知されているため、大手を中心に取得している企業も増えています。
男性の育児企業取得に取り組む「イクメン企業宣言」
現代社会では、男性も育児休暇取得を望むことが普通になりつつあります。
しかし、まだ会社によっては制度が整えられていない場合もあり、育児休暇を取得したことでキャリアを断念したというニュースが話題になることもあります。
厚生労働省が立ち上げた「イクメンプロジェクト」の一環である「イクメン企業宣言」では、男性が働きながら安心して子育てができる環境作りを行っている企業を知ることができます。
子供を望んでいる・望まないに関わらず、子育て支援の有無は「企業が社員の人生をどのように考えているのか」を知る一助です。
働きやすさの指標として、ぜひ参考にしてみてくださいね。
これだけは知っておきたいポイント(まとめ)
この記事では、「【理系の就職活動】入社後に後悔しないためにはランキングを上手に活用しよう」について解説してきました。
重要なポイントをおさらいします。
・企業選びで専門性だけを重視するのは危険!
・働きやすい会社を見極めるポイント
➀残業時間と有給取得率
②福利厚生
③3年後離職率
④会社の規模が働きやすさを示している訳ではない
・働きやすい会社が探せるランキング
①就職人気企業ランキング
②ホワイト企業ランキング
③転職人気企業ランキング
・ランキングと併せて見ておきたい!働きやすさの指標
①人生のターニングポイントに寄り添う「家庭と仕事の両立支援推進企業」
②子育て支援企業がわかる「くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマーク」
③男性の育児企業取得に取り組む「イクメン企業宣言」
・活用するべき逆オファーサイト
理系の就活に特化した「TECH OFFER」なら、働きやすい優良企業からオファーが届く!
➀TECH OFFER(テックオファー)
②OfferBox(オファーボックス)