信越化学工業は、半導体シリコン事業を中心に世界でもトップシェアを誇る化学メーカーです。
就活生からも非常に人気のある企業ですが、信越化学工業がどのような企業か詳しく知らない方も多いのではないでしょうか?
信越化学工業は世界トップシェア以外にも、高い営業利益率など多くの就活生から人気を集める理由があります。
今回は信越化学工業に関して事業領域や選考対策まで詳しく解説します。
信越化学工業に興味があり、応募を検討している理系学生はぜひ参考にしてみてください。
信越化学工業とは?
信越化学工業は、汎用化学品から機能性化学品、電子材料など幅広い分野で高いシェアを獲得している化学メーカーです。
特に自動車やヘルスケアなど幅広い分野で使われる「シリコーン」は国内でトップシェアを誇ります。
信越化学工業の概要は以下表の通りです。
会社名 | 信越化学工業株式会社 |
所在地 | 東京都千代田区丸の内一丁目4番1号 |
設立 | 1926年9月16日 |
資本金 | 119,419百万円 |
代表者 | 代表取締役社長 斉藤 恭彦 |
従業員数 | 24,954人 |
上記の通り、従業員数24,954人で資本金は119,419百万円と大規模な企業で、世界の化学メーカー全体で時価総額ランキングは第5位につけています。(2022年5月末時点)
グローバルでの販売比率も74%と高く、日本を代表するグローバル企業です。
安定した高収益や従業員への待遇の良さもあり、例年就活生から高い人気を誇っています。
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信越化学の事業領域
ここでは信越化学工業の事業領域について以下の4領域を解説します。
・半導体シリコン事業
・塩ビ・化成品事業
・シリコン事業
・機能性化学品事業
信越化学工業を目指す方は、それぞれの事業について理解を深めましょう。
半導体シリコン事業
半導体シリコン事業では、半導体に使われるシリコンウエハーを中心に製品開発・販売を行っています。
自社で製造するシリコンウエハーは世界シェア1位を獲得しており、信越化学の中でも中心事業の位置付けです。
シリコンウエハーとは半導体シリコンとも呼ばれ、スマートフォンや家電・自動車などあらゆる製品に使われる半導体の基盤となる材料のことです。
特にスマートフォンなどモバイル端末の需要が急増しており、シリコンウエハーの需要も同時に高まっています。
AIやIoTデバイスなど最先端技術も大きく伸長していることから、今後も成長が期待される事業領域と言えるでしょう。
塩ビ・化成品事業
塩ビ・化成品事業では、塩化ビニル樹脂(塩ビ)を中心に製品開発・販売を行っています。
塩ビはプラスチック素材の中でも燃えにくく耐久性にすぐれているなどさまざまな特徴があり、上下水道や電線などのインフラから住宅、生活用品まで幅広く使われている素材です。
信越化学の塩ビは世界シェア1位を獲得しており、半導体シリコンと同様に同社の中心事業となっています。
プラスチックの多くは石油から作られていますが、近年石油は高騰が続いており、資源の枯渇も不安視されています。
そんな中、塩ビは塩を原料に作られており、上記の懸念点を払拭できることから今後も需要が増えていく素材と言えるでしょう。
シリコーン事業
シリコーン事業では、シリコーン樹脂を中心に製品開発・販売を行っています。
シリコーン樹脂とは、ケイ素から生み出される合成樹脂のことで耐熱性や絶縁性にすぐれており、自動車部品やコンタクトレンズなどさまざまな分野で使用される材料です。
同社のシリコーン樹脂は国内でNo.1のシェアを誇り、工場の生産体制に多額の投資を行っているなど事業として非常に好調です。
高齢化社会に伴う医療用ロボットの普及により、新たな領域でも使われるようになっており、他事業と同じく今後も成長が期待できる事業領域と言えます。
機能性化学品事業
機能性化学品事業では、セルロースや合成フェロモンなどすぐれた特性をもつ化学材料を製品開発・販売しています。
信越化学ではさまざまな機能性化学品を開発していますが、中でも医薬品に使われるセルロースは世界2位、害虫防除剤として使われる合成性フェロモンは世界1位のシェアを獲得。
開発する金属ケイ素や塩酢樹脂、液状フッ素エラストマーも幅広く使われており、安定した事業領域と言えます。
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信越化学がすごい理由
ここでは信越化学がすごいと言われる理由について、以下3つの観点から解説します。
・高い営業利益率
・グローバルで高いシェアを獲得
・年収など従業員への待遇もいい
信越化学を検討している方は、上記の点だけでなく企業理念などもチェックしておきましょう。
高い営業利益率
信越化学が就活生から人気を博す理由として、高い営業率が挙げられます。
信越化学は2022年3月期において、売上高・営業利益額・営業利益率は以下の通りです。
・売上高:20,744億円
・営業利益額:6,763億円
・営業利益率:32.6%
上記のように、営業利益率が32.6%と非常に高い数値を記録しています。
業界によって異なりますが、一般的に営業利益率は10%を超えれば優良企業とされており、他の大手化学メーカーと比較しても高い営業利益率です。
また、投資家からの評価も非常に高く、時価総額は2022年5月末時点で7兆6,395億円と化学メーカーの中で世界第5位につけています。
自己資本比率も82.1%と他製造業と比較しても高く、高い収益性と健全な財務体制から安定した経営ができている企業と言えるでしょう。
グローバルで高いシェアを獲得
信越化学は数多くの製品においてグローバル規模で高いシェアを獲得しています。
信越化学の製品で高いグローバルシェアを獲得しているものとして、以下の製品が挙げられるでしょう。
・塩化ビニル樹脂:世界1位
・半導体シリコン(シリコンウエハー):世界1位
・シリコーン:世界4位
・合成石英(液晶用フォトマスク基盤):世界1位
・フォトレジスト:世界2位
・先端品フォトマスクブランクス:世界1位
・合成性フェロモン:世界1位
・メチルセルロース:世界2位
上記のように数多くの化学材料で世界のトップシェアを獲得しています。
また、この高いグローバルシェア側もわかる通り、信越化学は海外での販売比率も非常に高く、その数値は74%です。
近年さまざまな産業で国内需要の縮小が叫ばれている中、海外の売上比率が高いことは国内需要の影響を受けにくく安定した経営ができます。
グローバルでのシェア獲得を多くの企業が目指している中、すでに海外のシェア獲得を達成している信越化学は競争優位性の高い企業と言えるでしょう。
年収など従業員への待遇もいい
信越化学は年収など従業員への待遇も良いのが特徴です。
信越化学工業の有価証券報告書によると、2022年3月31日時点での従業員の平均年間給与は854万5千円となっています。
同業界の中でも高い水準であり、高い利益率や安定した財務基盤から、従業員に高給与として還元できているのでしょう。
こうした従業員の大群の良さも、就活生から人気を博す理由の1つと言えます。
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信越化学の選考対策
ここでは信越化学の選考対策を以下の2点から解説していきます。
・ES対策
・面接対策
信越化学を目指す方はぜひ参考にしてみてください。
ES対策
ESには研究内容や自己PRなどさまざまな項目を記入しますが、どの項目も「結論から伝え文章を組み立てること」が重要です。
結論から文章を書き始める方法として「PREP法」があり、以下の順序で記載します。
・Point(結論):最も伝えたい結論を最初に伝える
・Reason(理由):結論の根拠や理由を説明する
・Example(具体例):根拠や理由を裏付けるエピソードを示す
・Point(結論):全体を総括し結論を再度伝える
結論から文章を書き始めることで、どのようなテーマか一目でわかり、話の内容を理解しやすくなります。
また、具体例は自身の体験や経験に基づくエピソードを示すことで、自分らしさを伝えられる魅力的なESにしやすいでしょう。
下記に信越化学1次選考通過者のES例が掲載されていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
関連記事:信越化学工業株式会社技術職採用選考一次選考通過のES
面接対策
面接対策は面接官の質問に適切に回答できるよう事前の準備が大切で、主には以下の対策が挙げられます。
・想定質問に対する回答の準備
・面接をイメージし、用意した回答を口に出して練習する
・模擬面接を行う
面接では主にESに記載された内容を聞かれますが、特に以下の項目はよく聞かれます。
・「志望動機」
・「自己PR」
・「ガクチカ(学生時代に頑張ったこと)」
・「長所・短所」
上記の項目で質問されそうなものは事前に回答を用意し、口に出して読む練習や模擬面接を繰り返しましょう。
これだけは知っておきたいポイント(まとめ)
信越化学は、グローバルでの高いシェアや高い収益性から安定した経営ができている優良企業です。
就活生からの人気も非常に高く、ES対策や面接対策もしっかりと準備する必要があります。
今回の内容を参考に、信越化学への企業理解を深め、万全な体制で選考に臨みましょう。