「衣食住」の言葉のとおり、衣服は生活をする上で欠かせない物品です。

繊維業界は衣服の素材となる原糸や生地を製造していることから、農業や建築業などと同様に生活を支えている業界といっても過言ではありません。

理系就活生の中にも、繊維業界の重要性に魅力を感じて、志望している学生も多いのではないでしょうか。

一方で、現在の繊維業界は大きな変革を求められています。繊維業界を目指す場合には、現状を正しく把握できる業界研究が選考突破のカギです。

今回は繊維業界の現状や将来性、業界の大手企業など、業界研究に必要な情報・データを解説します。

繊維業界を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

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変化が求められる繊維業界を知るためには業界研究は必須

変化が求められる繊維業界を知るためには業界研究は必須

日本は古くから繊維産業が盛んであり、繊維業界で活躍している企業は歴史ある企業ばかりです。

一方で、昨今では繊維業界にも環境問題への配慮が強く求められるなど、取り巻く環境に変化が生じています。

繊維業界を目指すにあたり、現在の状況を知らなければ、ESや面接などの選考に対応するのが難しくなるでしょう。

就活に業界研究は欠かせませんが、繊維業界を志望する場合には業界研究の重要性はより高まっています。

繊維業界のビジネスモデルと魅力

繊維業界のビジネスモデルと魅力

繊維業界のビジネスモデルは、クライアントが要望する素材を集め、原糸や生地を製造し、アパレルメーカーや小売業者に販売して収益をあげるのが一般的です

裁断や縫製など実際に衣服を作り上げる工程は、ファッション・アパレル業界に属する企業がおこないます。

繊維業界から供給する原糸や生地から衣服が生み出されるため、より高機能な繊維が開発できれば、人々のライフスタイルを一変させることも可能です。

生活に直結する業界のため、影響力の大きさが魅力です。

繊維業界の業種と特徴

繊維業界の業種と特徴

繊維業界の業種は以下の2業種になります。

  • ・繊維メーカー:原料から原糸や生地を製造して、アパレルメーカーなどに販売
  • ・繊維商社:海外から原糸や生地を輸入して、アパレルメーカーなどに販売

どちらも繊維を取り扱う点は共通していますが、取引先への供給方法などに違いがあります。

入社後の役割も異なるため、どのようなキャリアを描きたいかで繊維メーカーか繊維商社を選ぶとよいでしょう。

繊維業界の職種と仕事内容

繊維業界の職種と仕事内容

業種の数は少ない一方で、業界内で働く方の職種は数多くの種類があります。

各業務で高い専門性が求められるため、職種の細分化が進んでいます。

以下は繊維業界で代表的な職種と仕事内容です。

  • ・研究開発:繊維の機能性や耐久性の向上を目指して研究をおこなう
  • ・商品開発:市場やクライアントを分析して、新たな商品の開発をおこなう
  • ・生産管理:原糸や生地の製造ラインの管理やトラブルシューティングをおこなう
  • ・営業:既存製品や新製品の販路拡大や新規の顧客獲得に向けた活動をおこなう

繊維業界における現状と市場規模:堅調・低迷気味

繊維業界における現状と市場規模:堅調・低迷気味

繊維業界における国内の市場規模は、経済産業省が2022年に発表したデータによると、基本的に横ばいの傾向にあります。2018年から2020年の落ち込みは新型コロナウィルスによる影響であり、一過性の減少です。国内の市場規模は拡大する兆しはない一方で、マイナス要素となる外部要因がなければ基本的に横ばい傾向が続く見込みです。

一方で、海外市場に目を向けると海外の市場規模は拡大が見込まれるため、海外市場にいかに食い込むかが今後の成長のカギを握ります。生地の輸出額は減少傾向にある一方で、衣料品は増加傾向にあります。

参考:経済産業省 2030年に向けた繊維産業の展望

繊維業界における今後の課題・将来性:非繊維化と脱炭素

繊維業界における今後の課題・将来性:非繊維化と脱炭素

国内の市場規模は拡大の兆しがないため、繊維業界が成長していくためには、新たなビジネスに挑戦する必要があります。現在、繊維業界では繊維製造で培った高い技術力を生かして、光化学フィルムや樹脂、医療品などの非繊維製品の開発を進めています。今後はさらに非繊維化が進み、売上の向上を目指す企業が増えてくるでしょう。

また、昨今では企業活動にも環境への配慮が強く求められるようになっており、繊維業界も例外ではありません。

製造過程で発生するCO2をいかに削減するか、原料の消費をいかに減らせるかなどの取り組みが大手企業を中心に期待されています。

今後入社する学生には高い生産性はもちろん、環境へ配慮するメンタリティーも求められます。

繊維業界・メーカーで知っておくべき大手5社一覧

繊維業界・メーカーで知っておくべき大手5社一覧

原糸や生地などを効率的に製造するには、大きな設備投資が必要となるため、資本力のある大手企業が有利な業界になります。

業界研究・企業研究を進めるにあたり、大手企業の名前は必ず目にするため、今のタイミングで覚えておきましょう。

以下の企業が繊維業界の大手企業になります。

  • ・三菱ケミカルグループ株式会社
  • ・東レ株式会社
  • ・旭化成株式会社
  • ・帝人株式会社
  • ・東洋紡株式会社

繊維業界のランキング:売上・利益・利益率

繊維業界のランキング:売上・利益・利益率

本章では先ほど取り上げた繊維業界の大手企業の売上・利益を解説します。

繊維業以外の売上も含まれますが、三菱ケミカルグループ株式会社の売上と利益は群を抜いた数字になっています。

企業名売上利益
三菱ケミカルグループ株式会社4兆3,872億1,784億円
旭化成株式会社2兆7,848億円901億円
東レ株式会社2兆4,645億円595億円
帝人株式会社1兆327億円155億円
東洋紡4,142億円69億円

参考:三菱ケミカルグループ株式会社 有価証券報告書 2023年度
参考:旭化成株式会社 有価証券報告書 2023年度
参考:東レ株式会社 有価証券報告書 第143期
参考:帝人株式会社 有価証券報告書 2023年度
参考:東洋紡株式会社 有価証券報告書 166期

繊維業界が求める人材

繊維業界が求める人材

ESや面接の志望動機・自己PRの内容は、一定のレベルで企業が求める人物像に合致する必要があります。

企業が求める人材でなければ、採用するメリットが少なく、また採用後にミスマッチが発生する可能性が上がるためです。

本章では選考対策に必要な繊維業界が求める人材を解説します。

アイデア力がある方

現在の繊維業界は衣料品に限らず、技術力を生かして、さまざまな分野に進出しています。

今後も非繊維化の流れは進むため、技術力を生かせるフィールドを思いつくアイデア力のある方のニーズが高いです。

また、昨今では衣料品に高い品質以外に、さまざまな機能性が期待されています。原料である繊維が衣服の品質や機能性のカギを握る状況です。

新しい機能性を持った繊維の開発はもちろん、既存の製品をどのように生かすかも重要になるため、アイデア力がある方が求められています。

トレンドをいち早く掴める方

トレンドに乗ったアイテムは売れやすいことから、繊維業界ではユーザーや世の中のニーズをいち早く掴める力は重要です。

代表的な例でいえば、ファッション・アパレル業界の旬のアイテムです。

旬のアイテムはニーズの高さから、平時以上に素材となる原糸や生地の供給が求められます。

トレンドを掴んでいれば、不足する前に必要な素材を収集・供給できるため、売上の機会を逃すことはありません。

トレンドを掴むにはニュースやネットの情報はもちろん、周囲の方を観察する洞察力も必要です。

繊維業界を志望する志望動機例

繊維業界を志望する志望動機例

本章では、繊維業界の企業へエントリーする際に使える志望動機を解説します。具体的な例文は以下の通りです。

私が御社を志望する理由は、大学での研究成果が最も生かせる企業と考えたためです。

私は大学で環境に優しい化学繊維の研究をしております。

研究に取り組むようになったきっかけは、趣味の釣りで釣り糸に絡まった動物に出会ったことがきっかけです。

釣り糸に絡まり苦しんでいる動物の姿に衝撃を覚え、将来は自然に優しい繊維を作り上げようと思い、現在の分野に進みました。

昨今の情勢を受けて、多くの繊維メーカーが環境に配慮した製品作りをしています。

なかでも、御社は古くから環境対策に力を入れており、業界でも最も予算を投じていると伺い、御社を志望しました、

御社に入社後は大学での研究成果を生かして、環境に優しい繊維作りに邁進してまいります。

繊維業界を目指すならスカウトサービスを利用しよう

繊維業界を目指すならスカウトサービスを利用しよう

繊維業界に限らず、企業への応募は就活ナビサイトから応募する方がほとんどでしょう。

もちろん就活ナビサイトも悪くはありませんが、スカウトサービスを併用した就活もおすすめです。

スカウトサービスは逆求人サービスとも呼ばれ、企業が学生をスカウトするサービスです。

スカウトは、学生の登録したプロフィールや研究実績などを基におこなわれます。

スカウトサービスは数多くある中で、理系学生におすすめしているのが理系学生に特化した『TECH OFFER』です。

『TECH OFFER』は理系学生の採用を目指す企業が利用しており、繊維業界の企業も利用しています。

『TECH OFFER』に登録すれば、繊維業界の企業からスカウトが貰える可能性は十分にあります。

会員登録はたったの5分でおこなえるため、ぜひこの機会に『TECH OFFER』に登録してみてはいかがでしょうか。

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まとめ

今回は繊維業界の現状や将来性、業界の大手企業など、業界研究に必要な情報・データを解説しました。

今回解説した内容をまとめると以下のとおりです。

  • ・繊維業界は変化が求められている業界
  • ・繊維業界の現状は堅調・低迷気味
  • ・アイデア力のある方とトレンドをいち早く察知できる方が繊維業界で求められている

繊維業界は歴史ある業界であり、私たちの生活を支える点も魅力の業界です。

一方で、非繊維化など変化が求められている業界でもあります。繊維業界を目指す方は、ぜひ本記事で繊維業界への理解を深めてきましょう。