こんにちは。理系就活情報局です。
理系学生の中には、工学部の専攻や優位性を生かした就活をしたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
工学部出身の学生は専攻にもよりますが、幅広い業界・業種への就職を果たしており、キャリアパスや職種選択には大きな可能性を秘めていると言えるでしょう。
「工学部出身者の就職事情について知りたい」
「工学部で就職する場合、どんな選択肢があるのか知っておきたい」
この記事では、工学部の就職について傾向や業界、職種などについて最新事情を解説します。これから就活を考えている工学部の学生はぜひ参考にしてみてください。
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工学部新卒の就職事情とは?
工学部の特徴
工学部学生の就活は、その専門性ゆえに文系学生とは異なる特徴があります。ここでは、主な専攻ごとに、特徴を見てみましょう。
・電気電子工学系
電力、自動車、情報通信など幅広い業界で需要が高く、研究開発や設計、生産管理など多様な職種があります。またソフトウェア開発、組み込みシステム開発など、電気電子知識を活かせる分野が豊富です。大学院進学を目指す学生も少なくないでしょう。
・機械工学系
自動車、機械メーカーの設計、生産技術、品質管理など、モノづくりの全工程に関わる仕事や、プラントメーカーでエネルギー、化学プラントの設計、運転、メンテナンスなどを目指す学生が多くなります。
IT企業では、ロボット開発、自動化システム開発など、機械学習との融合も選択肢に入ります。
・情報工学系
IT企業でソフトウェア開発、システムエンジニア、データサイエンティストなど、最先端技術に関わる仕事が多くなります。また、金融機関でシステム開発、情報セキュリティなど、ITを活用した業務改革を推進する仕事も選択肢になります。
・物理学系
メーカーの中でも半導体、ディスプレイ、材料開発など、基礎研究から製品開発まで幅広く活躍しています。中には、金融機関でクオンツなど、高度な数学知識を活かした仕事を目指す方もいます。
・化学工学系
化学メーカーで新素材開発、プロセス設計、品質管理など、化学製品の製造、食品メーカーで 食品の製造プロセス開発、品質管理などが多くなります。
また、環境関連企業で、環境問題解決のための技術開発、環境アセスメントなどにつく方もいます。
・土木工学系
建設会社: 道路、橋梁、建築物などの設計、施工管理、コンサルタント会社でインフラ計画、都市計画など、社会インフラ整備に関わる仕事が多くなります。
また、国家公務員として国土交通省や地方自治体などで、公共事業に関わるケースも考えられます。
・建築学系
建設会社で建築設計、施工管理、監理など、建物の設計から完成までに関わったり、設計事務所で建築設計、インテリアデザインなど、クリエイティブな仕事も考えられます。
不動産業界に進む方も多いでしょう。
工学部に人気の業界
工学系学生に人気の業界は、大きく分けて以下の3つに分類できます。
・製造業
自動車、機械、電気電子、化学など、モノづくりの中核を担う業界。安定した大企業が多く、新卒採用も盛んです。
・IT業界
ソフトウェア開発、システムエンジニアリング、データサイエンスなど、技術革新が激しい業界。スタートアップ企業も多く、高い成長が見込めます。
・インフラ・建設業界
道路、鉄道、橋梁などの社会インフラ整備に関わる業界。社会貢献性の高い仕事が多く、安定した雇用が期待できます。
近年では、環境問題への関心の高まりから、再生可能エネルギーや環境エンジニアリングといった分野も人気を集めています。また、AIやIoTの進展に伴い、これらの技術を駆使した新たな製品やサービス開発に関わる企業も注目されています。
専攻にもよりますので、卒業生の進路をキャリアセンターで調べてみるといいでしょう。
工学部に人気の職種
工学系学生に人気の職種は、専門分野によって異なりますが、以下のようなものが挙げられます。
・研究開発職
新しい製品や技術の開発に携わる仕事で、高い専門性と創造性が求められます。
・設計開発職
製品やシステムの設計、開発を行います。
・生産技術職
製品を効率的に製造するための技術開発や改善を行います。
・品質管理
製品やサービスの品質を確保するための活動を行います。
・システムエンジニア
情報システムの設計、開発、運用を行います。
近年では、AIやIoTなどの技術革新に伴い、データサイエンティストやAIエンジニアといった新たな職種も人気を集めています。
工学部新卒が就職活動を始める前に知っておくべきこと
自己分析の重要性
自己分析は、就活をする上でベースとなる大切な作業です。自己分析がうまくできていない場合、業界や職種・企業選択だけでなくESや面接でも苦戦することになりかねません。
時間をかけて丁寧に行いましょう。
工学部特有の強みを知っておく
工学部の強みとして、専攻を生かした専門性や論理的思考力などが評価されやすい傾向にあります。
希望する業界や職種にもよりますが、企業が求める人材像と自分の強みをマッチングさせるようにしておくことが大切です。
就活のスケジュール
就活のスケジュールは、インターンへの参加も含めたトータルで把握し、行動することが成否を分けることになります。
理系学生はどうしても研究室や実習などで学年が上がるごとに学業が忙しくなるため、インターンなどを後回しにする学生もいます。
しかし、インターンの重要性は増していますので、必ず参加することを前提にスケジュールを把握しましょう。細心のスケジュールは、大学が開催する就職ガイダンスやセミナーに参加し、情報収集することをおすすめします。
必要な資格やスキルの準備
資格を取得する場合、研究室などの学業と両立できるよう計画立てて準備することが重要です。特に英語力を証明するTOEICや、情報処理能力を証明する基本情報技術者など、低回生の頃から準備しておきましょう。
企業が求める工学部新卒のスキルとアピールポイント
技術スキル・専攻内容
まずは大学の専攻で身につけたスキルや知識などを重視するケースが多くなります。
特に技術職・研究職など専門性が高い企業や職種を選択した場合、特定の専攻の学生が優遇されるケースもあります。
一方で、事務や企画など、文系も多く配属される仕事では技術スキルや専攻を問われず、理系の優位性が弱まることを認識しておきましょう。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力も、重視される能力の一つです。
この能力は文系・理系問わず求められますが、理系ならではの研究室でのチームワークや仲間と協力し、実験などを進めるためのコミュニケーションという点で評価されやすいでしょう。
問題解決力・論理的思考力
理系は、専攻内容にもよりますが課題や問題点を見つけ、解決するための試行錯誤や論理的に物事を考え、実行する力が文系より問われる科目が多くなります。
それらの経験で身につけた能力を分かりやすくアピールしてみましょう、
演習経験やインターンシップ
演習経験やインターンシップで互い額の学生やインターン先の社員と協力し、成し遂げた経験などをアピールすることも有効となります。
自分なりに学んだことや経験から得たことを、しっかりと可視化しましょう。
評価されやすい志望動機・自己PRの作成法
理系学生だからこそ評価されやすい志望動機や自己PRの傾向を知り、作成について知ることも大切です。
キャリアセンターで、先輩たちの事例を探したり、OB・OG訪問で卒業生に会ったりして、どんな点で理系が評価されやすいのか、どのようなことを期待されているのかリサーチしましょう。
テックオファーにも登録して窓口を広げておこう
テックオファーのようなスカウト型サイトに登録し、窓口を広げておくことも重要になります。
その理由は、新卒学生では調べられる範囲に限界があり、特に忙しい理系学生にとって効率的に就活を進める上で有効なツールとなるからです。
新卒学生が知ることができる企業は、どうしても世間的に名の知れている企業が中心となり、ニッチでも優良な企業などを知る機会はあまりありません。
企業からアプローチしてもらうことで効率的に企業を知り、選択肢を広げておくことは今後のキャリアでも役立つでしょう。
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工学部新卒に人気の企業・分野
企業選びのポイント
まず、自分の専攻を生かした業界や企業を目指す場合は、キャリアセンターで先輩の進路実績を見るといいでしょう。特に自分と同じ選考の先輩たちが、どこで活躍しているのかを知ると、企業選びの際に役立ちます。
また、研究室の教授推薦があるかどうかも確認しましょう。
また、企業研究についてもキャリアセンターを利用しつつ、研究室の先輩の話を聞いたり、大学の理系向け学内セミナー、インターンに積極的に参加したりして、見分を増やしていくことで自分なりの見方ができるようになります。
人気企業例
人気企業例として、いくつかの企業をピックアップしました。
・トヨタ自動車
言わずと知れた世界トップクラスの自動車メーカーです。
技術職・事務職と大枠で募集しており、採用後各部署へと配属されます。
技術系は理系中心に募集していますが、場合によっては工学系だけでなく文理問わず様々な大学生・大学院生だけでなく高専卒の学生や高卒の学生とも一緒に働くことになります。
・日立
日本を代表する家電メーカーです。
理系学生に対しては「ジョブマッチング」という独自の採用形式を採用しており、希望する事業分野で働く社員との面談を通じて、希望マッチング単位の仕事内容と採用ニーズを相互に確認(=マッチング、いわば「お見合い」のようなもの)だと説明されています。
内定と同時に配属される部署も決まるため、やりたいことがはっきりしている学生にとってはうってつけの企業だと言えそうです。
・ソニーグループ
日本を代表するエンターテイメントやゲーム・ソリューション企業です。
工学系をはじめとする様々な分野の募集があり、ジョブ型採用に近い形式で自分のやりたい仕事(コース)を選択して選考を受けます。
人気が特に高い企業の一つのため、インターン募集からレベルの高い大学の学生や留学生も多くエントリーしてくるでしょう。
・パナソニックグループ
家電を中心とする総合メーカーです。
事業部ごとに選考を行い、初期の採用では配属される職種と事業領域が確約されます。
ただし、その後のキャリアについては希望通りとならないこともあり得るため、その点を踏まえた上でのエントリーを考えることも大切です。
業界別の分野の紹介
・自動車業界
自動車業界では設計・開発エンジニアなどが人気です。特に工学系の知識を発揮しやすいことから、就職先として検討する学生も多くいます。
・IT業界
システムエンジニアやデータサイエンティストが人気です。
また、AIを利用したエンジニアも求められており、近年需要が高まっています。
・エネルギー業界
プラントエンジニアなど、工学部の知識を使うだけでなく世界の産業の基盤を整える仕事として規模の大きな仕事がしたい学生に人気です。
企業が求める人材像
企業ごとにどのような人材を求めているかは社風や事業内容・職種によっても違います。
理系学生が技術職や開発・研究職を目指す場合は、専攻の内容だけでなく、その中でどのように取り組んできたのか、どのような役割を果たしてきたのか、性格や志向を見られます。
志望企業がどのような人材を求めていて、自分とどのような部分がマッチングするのか、冷静に分析して志望動機や自己PRでアピールしましょう。
成功する工学部新卒の就職活動のポイント
エントリーシート
エントリーシートは文理問わず重要です。
特に理系の場合、技術職や開発職の場合は自分の専攻や強みとうまくリンクさせてアピールしなければ選考通過できません。
なぜその仕事をしたいのか、どう成長していきたいのかを考えて企業に会った内容を書くことが大切です。
適性検査や技術プレゼンなどの対策
一般的な適性検査やSPIの対策だけでは足りない場合があります。
技術職や開発職・研究職の場合はその職務内容に特化した適性検査やグループディスカッションなどで実際のプロジェクトについて質問される場合があるためです。
演習科目や研究室でどのような研究をしてどのような成果を挙げたのか、またその成果や学んだことをどう生かしたいのか企業にあわせてしっかりプレゼンできるようにしましょう。
また、新卒ではあまりありませんが実際にプログラミングなどをおこなって適性を見る検査をする企業もあるようです。事前に志望企業の試験対策をしておきましょう。
グループディスカッション対策
工学部生の強みである論理的思考やリーダーシップをどうアピールしたらいいのかを考え、冷静にふるまえるようにしましょう。
グループディスカッションは、どうしても一緒に受ける学生の影響を受けやすく、その場に応じてアピールできる役割を切り替えなければならないこともあるでしょう。
アピール方法はいくつか準備しておくと安心です。
企業ごとの選考プロセスの特徴
新卒の採用フローは、企業ごとに違います。
職種別採用の企業もあれば、コース別採用で大まかに技術職と事務を含めた総合職といった形で選考を進めるケースもあります。
また、インターンに参加することで早期選考に呼ばれたり、インターンでの様子も加味した選考を行ったりするケースも出てきました。
企業の選考内容を事前に確認し、それぞれに応じた選考対策を練ってください。
工学部新卒のキャリアパスと将来展望
工学部出身者のキャリアパスの多様性
工学部出身者のキャリアは多様です。
企業内での昇進だけでなく、技術専門職として極めるキャリア、または管理職となって企業の幹部になるなど、多様なキャリアパスが想定されます。
特に、専門性を極めたい場合は、技術職などのコース選考を受けてみるといいでしょう。
適性のある分野や分野
工学部は、専攻内容にもよりますが多彩な分野に適性があります。
特に今後重要となってくるAI、ロボティクス、再生可能エネルギーなど、将来性のある技術分野や業界とも親和性があり、企業選択の幅が広がることが予想されます。
グローバルな活躍の場
工学部出身者は、海外での活躍や、グローバル企業で働くなど国際的に活躍できる可能性も充分あります。
専攻内容を生かすほかにも、コンサルタントとして幅広く活躍するなど、給与が高い職種への転換やチャレンジも可能です。
まとめ
以上、工学部出身者の就職事情について解説しました。工学部は専攻内容を生かした就活ができるという意味で優位性があり、安定した企業にも就職しやすいメリットがあります。
その反面、成績や専攻内容なども問われるため、しっかりとした対策も必要です。
ぜひ、工学部の強みを生かした就職を考えている方は参考にしてください。
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