エントリーシートを記載する際、文章の表現方法によって採用担当者の印象を大きく変えてしまいます。なかでも、「ですます調」か「である調」のどちらで記載すべきか悩んでいる就活生も多いでしょう。
エントリーシートで記載する文体では、「ですます調」「である調」のどちらを使っても問題ありません。大切なのは、志望企業・職種などに応じて「ですます調」「である調」を適切に使い分けられるかどうかです。
今回は、エントリーシートの「ですます調」「である調」について、具体的な例文を用いながら詳しく解説します。本記事を読めば、「ですます調」「である調」を状況に応じて適切に使い分け、エントリーシートの完成度を高められます。採用担当者に好印象を与えられるエントリーシートを作成し、志望企業の早期内定獲得を目指しましょう。
エントリーシートで「ですます」「である」はどちらを使っても問題ない

エントリーシートを書く際、「ですます調」と「である調」のどちらを使っても基本的には問題ありません。どちらを選ぶかは、応募する企業や職種の雰囲気に合わせることがポイントです。なお、「ですます調」と「である調」が採用担当者に与える印象の違いは、以下のとおりです。
- ・「ですます調」:柔らかく丁寧な印象を与える
- ・「である調」:論理的で堅実な印象を与える
例えば、接客業などで親しみやすさをアピールしたい場合は「ですます調」が適しています。一方で、専門職や技術職で知識や信頼性を強調したい場合は「である調」が効果的です。上記のように目的に応じて適切な文体を選べば、エントリーシートの印象をより良くできます。
どちらの場合も語尾を統一させることが重要
エントリーシートでは、「ですます調」や「である調」を選んだら、最後まで語尾を統一するのが非常に重要です。文体が途中で混ざると、読み手に違和感を与え、文章全体の信頼性が低下する恐れがあります。
例えば、前半は「ですます調」で書いているのに、後半で突然「である調」に変わると読む側は一貫性のなさを感じます。また、統一された文体は文章をスムーズに読み進めやすくし、内容の伝わりやすさを高められる点もメリットです。文章の統一性を意識するためには書き上げた後に必ず全文を読み返し、不自然な文末や語尾の混在がないか確認しましょう。
「ですます調」「である調」の違いを実際の例文で比較

本項では、実際の志望動機の例文を使い、「ですます調」「である調」の違いを比較していきます。
ですます調で記載した志望動機
ですます調で記載した志望動機の例文は、以下のとおりです。
私は、貴社の掲げる「お客様第一」の理念に強く共感しています。これまでアルバイトで接客の経験を積む中で、ただ商品を提供するだけでなく、お客様一人ひとりに寄り添うことの大切さを学びました。この経験を活かして、貴社に貢献できると考えております。 特に、貴社の新規事業であるオンラインサービスには大きな成長可能性を感じています。私自身、大学では情報システムの開発に携わっており、IT分野の知識も活用できると思いました。これからもお客様目線を忘れずに、常に新しい挑戦を続けていきたいと考えております。 入社後は、貴社の一員として信頼を築きながら成長し、長く貢献できる社員を目指します。お客様に愛されるサービスの提供に、誠心誠意尽力してまいります。 |
上記の例文を読むと分かるように、読み手側に対して丁寧・誠実な印象を与えられます。
である調で記載した志望動機
一方で、である調で記載した志望動機の例文は、以下のとおりです。
私が貴社を志望する理由は、「お客様第一」の理念に共感したためである。これまでアルバイトでの接客業務を通じて、単に商品を提供するだけでなく、顧客一人ひとりに寄り添う姿勢の重要性を学んだ。この経験は、貴社の企業姿勢と一致していると考える。 また、貴社が展開している新規事業であるオンラインサービスには、大きな成長の可能性を感じる。私は大学で情報システムの開発を学び、IT分野の知識を深めた。この知識を活かし、貴社のオンライン事業の発展に貢献できると確信している。 入社後は、顧客に信頼されるサービスの提供に尽力しつつ、自らも成長を続ける所存である。貴社の一員として長期的に貢献し、企業の成長に寄与したいと考える。 |
ですます調とは異なり、読み手側に対して自信の強さをアピールできます。
エントリーシートを「ですます調」で記載するメリット

本項では、「ですます調」を使うことで得られる具体的なメリットについて詳しく解説します。相手への配慮や文章の読みやすさ、さらに「一緒に働く姿」を想像しやすくなる点が具体的なメリットとしてあげられます。
相手に不快感を与えにくい
エントリーシートを「ですます調」で書けば、読み手に不快感を与えるリスクが低くなります。特に「です」「ます」といった敬語表現は、日本のビジネスマナーにおいて基本的な礼儀です。礼儀正しさをエントリーシートを通して伝えられるため、応募者の社会性やコミュニケーション能力を間接的に印象づけられます。
「である調」は客観的で論理的な印象を与える反面、強い断定口調になるため、読み手によっては「堅苦しい」「押し付けがましい」と感じるケースが多いです。「ですます調」を選べば、応募者の丁寧な姿勢が自然と伝わり、採用担当者の心証を良くする効果が期待できます。
文章として読みやすい
「ですます調」で書かれた文章は、エントリーシートを読む採用担当者にとって非常に読みやすくなります。「ですます調」は日常会話でもよく使われる文体であり、柔らかく自然な印象を与えるとともに、長文でもストレスなくスムーズに読み進められます。
一方、「である調」は論文などで使われることが多いため、エントリーシートでは少し堅苦しい印象を与える場合があります。特に、初対面の人に向けた自己PRや志望動機の文章では、自然で親しみやすい表現のほうが受け入れられやすいです。
一緒に働くイメージを想像しやすい
「ですます調」は、応募者が職場に馴染む姿を採用担当者に想像させやすい点もメリットです。採用担当者はエントリーシートを通じて、「この人と一緒に働きたいか」「職場の雰囲気に合うか」を判断しています。柔らかく丁寧な印象を与える「ですます調」で記載すれば、採用担当者は応募者の人柄をより親しみやすく感じられます。
特に、営業職や接客業など人とのコミュニケーションが重視される職種では、丁寧な言葉遣いができる人は好印象を持たれやすいです。「ですます調」で記載すれば、実際の業務でも丁寧な対応ができる人だと想像してもらいやすくなります。
エントリーシートを「ですます調」で記載するデメリット

エントリーシートを「ですます調」で記載するメリットは多いものの、注意すべきデメリットも存在します。本項では「ですます調」のデメリットについて具体的に解説し、エントリーシートを書く際に注意すべきポイントを紹介します。
文章が単調になりやすい
「ですます調」の大きなデメリットは、文章が単調になりやすい点です。特に、エントリーシートでは自分の経験や志望動機を長文で述べます。そのため、「〜です」「〜ます」といった同じ語尾が続くと文章に変化がなくなり、読みにくくなるケースが多いです。
たとえば、「私は〇〇に興味があります」「そのため、〇〇を学びます」「今後も〇〇に挑戦します」など同じ語尾が続くと、単調で退屈な印象を与えてしまいます。上記のような文章は採用担当者の記憶に残りにくくなるため、エントリーシート全体の印象が薄くなってしまう可能性が高いです。
上記の事態を防ぐためには、接続詞を工夫したり、表現をバリエーション豊かにするのが重要です。「〜と考えています」「〜を目指したいと考えている所存です」といった語尾の使い分けを意識し、リズム感のある文章を目指しましょう。また、短い文章ばかりでなく、時には一文を長めにして単調さを緩和するのも効果的です。
文章が長く文字数が増えやすい
「ですます調」は、文章が長くなりやすいデメリットがあります。「である調」と比べて丁寧な言い回しが増えるため、同じ内容でも文字数が多くなり、簡潔にまとめるのが難しくなるケースがあります。
たとえば、「この経験を活かしたい」という内容を「私はこれまでの経験を活かし、貴社に貢献したいと考えております」と表現すると、文字数が大幅に増えます。文字数が増えると1つの項目に多くの情報を詰め込みすぎてしまい、読みにくい文章になる可能性が高いです。
特に、エントリーシートには限られた文字数の制限がある場合が多いため、文字数が増えて他に伝えたい内容を削らなければならなくなる場合もあります。上記の問題を避けるためには余計な修飾表現を削り、簡潔で明確な表現を心がけるのが大切です。たとえば、「〜することができました」を「〜しました」に短縮するだけでも、文章はすっきりとした印象になります。
敬語の使い方が難しい
「ですます調」を使う際に注意すべき最大のポイントは、敬語の使い方が難しい点です。特に、ビジネスシーンでは「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」を適切に使う必要がありますが、敬語の使い分けは意外と難しいです。
たとえば、「〜させていただきます」という表現は丁寧に聞こえる一方で使いすぎるとくどい印象になります。また、「拝見させていただきました」「ご覧になられました」など、間違った二重敬語を使うと、かえってマナーがなっていないと思われます。
上記のようなミスがあると、せっかくのエントリーシートも台無しになってしまうのが懸念点です。上記のデメリットを避けるためには敬語表現を使う際に基本ルールをしっかりと理解し、必要以上に丁寧になりすぎないよう心がけましょう。
エントリーシートを「である調」で記載するメリット

エントリーシートを「である調」で記載することには、効率的に内容を伝えられるなどのメリットがあります。本項では、「である調」の具体的なメリットについて詳しく解説します。
字数制限があるなかでも多くの文章を記載できる
「である調」の大きなメリットは文字数を節約しながら、より多くの情報を伝えられる点です。「ですます調」に比べて敬語表現や丁寧な言い回しが少ないため、簡潔な文章にしやすいのが「である調」の特徴です。結果として、字数制限があるエントリーシートでも内容を削らずに記載できます。
たとえば、「私は大学でマーケティングを学びました。そこで、実際の企業事例を用いて、消費者行動について深く理解することができました」という「ですます調」の文章を考えてみましょう。「である調」にすると「大学でマーケティングを学び、企業事例から消費者行動を理解した」と文章を短縮できます。上記のように、同じ内容を伝える場合でも言い回しを工夫して文字数を削減できるのが「である調」の強みです。
特に、限られた文字数で多くの情報を詰め込む必要がある場合、「である調」は非常に有効です。冗長な表現を避けて簡潔に記述すれば、読み手が必要な情報を瞬時に理解できる文章が完成します。
説得力が強い
「である調」は、論理的な文章を構成する際に説得力を高める効果があります。主張をストレートに述べる文体であるため、要点が明確になり、読み手に強い印象を与えられます。特に、志望動機や自己PRにおいて意見や考えをしっかりと伝えたい場合、「である調」は非常に効果的な文体です。
たとえば、「私はこれまで、〇〇というスキルを習得しました。その結果、実務においても応用することができました」という「ですます調」の表現を考えましょう。「これまで〇〇を習得し、実務でも応用した」という「である調」の表現にすると、より力強く簡潔な文章になります。ただし、強い主張を連続すると押しつけがましく感じることもあるため、適度な柔らかさを加える工夫が必要です。
エントリーシートを「である調」で記載するデメリット

エントリーシートを「である調」で記載すれば、簡潔かつ説得力のある文章を書けますが、注意すべきデメリットもあります。本項では、エントリーシートを「である調」で記載する際に注意すべきデメリットについて解説します。
上から目線に感じられるリスクがある
「である調」の大きなデメリットは、読み手に上から目線だと感じさせるリスクがある点です。「である調」は断定的な言い回しになるため、場合によっては威圧的な印象を与えるケースがあります。採用担当者が「この応募者は自信過剰なのではないか」と感じてしまうと、せっかくのアピール内容も効果が薄れてしまいます。
たとえば、「私は貴社に大きく貢献できると考える」といった表現は、自信をアピールしているつもりでも、読み手によっては「上から目線」と捉えられる可能性が高いです。上記のような場合、「〜と考えております」と柔らかい表現にするほうが丁寧な印象を与えられます。
堅い印象を与える可能性がある
「である調」は、文章に堅苦しい印象を与える可能性があります。特に、エントリーシートでは自分の人柄や柔軟性を伝える必要があるため、過度に堅い文章は逆効果になる場合があります。「である調」は論文や報告書など客観性を重視する文章に適していますが、エントリーシートのように自分をアピールする文章では親しみやすさも重要です。
たとえば、「私は御社の理念に共感し、入社後は〇〇に貢献する所存である」といった表現は、少し硬すぎる印象を与えます。一方、「ですます調」で「私は御社の理念に共感しており、貢献したいと考えております」と記載すると、柔らかく丁寧な印象に変わります。
特に、接客業や営業職など、人と接する機会が多い職種では堅苦しい文章は応募者の柔軟性や親しみやすさを伝えにくくなるのがデメリットです。また、「である調」は業界によっては適していない場合もあり、クリエイティブな業界やベンチャー企業では柔軟性や発想力が重視されるため、堅い文章がマイナスに働く可能性があります。業界の特性に合わせて文体を選び、堅苦しさを感じさせないように注意しましょう。
エントリーシートでの「ですます調」「である調」の使い分け方

エントリーシートを書く際に「ですます調」と「である調」のどちらを使うべきか悩む人も多いでしょう。どちらにもメリット・デメリットがあるため、一概にどちらが正解とは言えません。
しかし、エントリーシートの内容や状況に応じて、効果的に文体を使い分けるのが重要です。本項では具体的な使い分けの基準として「字数制限」と「志望業界・企業」に注目し、どのように使い分けるとよいかを解説します。
字数制限で使い分ける
エントリーシートにおける「ですます調」と「である調」を使い分ける基準は、「字数制限」です。エントリーシートには文字数制限が設けられている場合が多く、限られた文字数でいかに内容を伝えるかがポイントです。
文字数の制限がある場合、「ですます調」と「である調」のどちらを選ぶかで記載できる情報量が大きく変わります。「である調」では字数制限が厳しい場合に、より多くの内容を簡潔に盛り込める点がメリットです。たとえば、「私はこの経験を活かして貴社に貢献したいと考えております」という文章を「この経験を活かし貴社に貢献したい」と記載すれば、文字数を大幅に削減できます。
一方で、字数制限に余裕がある場合には「ですます調」を使って、より丁寧で親しみやすい印象を与えられます。特に、志望動機や自己PRの文章は相手に好印象を与えることが重要であるため、字数に余裕があるときは無理に短縮せず丁寧な表現を心がけましょう。
志望業界・企業で使い分ける
エントリーシートでは、志望する業界や企業の雰囲気に合わせて「ですます調」と「である調」を使い分けるのも重要です。企業ごとに求める人物像や社風は異なるため、適した文体を選べば、より企業にフィットする印象を与えられます。
たとえば、接客業やサービス業など顧客対応が重視される業界では、柔らかく丁寧な「ですます調」が適しています。上記の業界では応募者のコミュニケーション能力や人柄の良さが求められるため、「ですます調」で親しみやすさや礼儀正しさをアピールするのが効果的です。一方、金融業界やコンサルティング業界など論理性や正確さが重視される業界では「である調」を使って専門性や責任感を強調できます。
また、企業の規模や文化によっても文体を使い分けるのもおすすめです。歴史のある大手企業や官公庁の場合は、堅実でフォーマルな印象を与える「である調」が好まれるケースがあります。一方、ベンチャー企業やクリエイティブ業界で柔軟な発想や親しみやすさが求められるため、「ですます調」のほうが企業の文化に合う場合があります。
エントリーシートで企業が評価するポイント

エントリーシートで企業が評価するポイントは、以下の3点です。
- ・企業が求める人物像にマッチしているか
- ・志望度が高いか
- ・論理的思考力があるか
上記のポイントを意識して、好印象を与えられるエントリーシートを作成しましょう。
企業が求める人物像にマッチしているか
企業がエントリーシートを通じて最も重視するのは、応募者が自社の求める人物像にマッチしているかどうかです。企業ごとに必要とするスキルや価値観、働き方のスタイルは異なります。そのため、エントリーシートでは企業の採用ニーズを意識して、自分がふさわしい人材である点をアピールする必要があります。
たとえば、チームワークを重視する企業に対して「私は個人で成果を上げることが得意です」とアピールしても評価されにくいです。代わりに、「これまでの経験で培った協調性を活かし、チームに貢献したい」と伝えれば、企業の求める人物像に合致している点を強調できます。
企業の求める人物像に合わせるためには、事前の企業研究が欠かせません。企業の理念やビジョン、過去の採用事例を確認して自分の経験や強みがどのように企業のニーズに合致するかを考えましょう。
志望度が高いか
エントリーシートでは、応募者の志望度の高さも重要な評価ポイントです。企業は単に能力が高い人材よりも、自社で長く活躍してくれる意欲のある人材を求めています。そのため、エントリーシートには、応募者の本気度が伝わるような内容を記載するのが重要です。
志望度の高さを伝えるためには、他の企業ではなく「なぜこの企業なのか」を具体的に述べることが必要です。例えば、「御社の理念に共感しました」といった抽象的な理由では説得力に欠けます。「御社の〇〇という取り組みが、私の〜な経験・価値観に共通するため」といった形で、企業の独自性に触れて共感したと言及すれば、志望度の高さを伝えられます。
また、志望動機だけでなく入社後のビジョンについても触れると志望度がさらに伝わります。「入社後は、〇〇の分野で専門性を高め、御社の成長に貢献したい」といった未来志向の内容を盛り込むと、「この応募者は本気で入社したいと思っている」と感じてもらえます。
論理的思考力があるか
企業は、エントリーシートを通じて応募者の論理的思考力も評価します。論理的思考力とは物事を筋道立てて説明し、相手に分かりやすく伝える能力です。論理的思考力があるかどうかは、文章の構成やエピソードの展開から判断されます。
エントリーシートでは、単に結論だけを述べるのではなく「なぜそう考えるのか」を明確に説明するのが重要です。たとえば、「貴社の〇〇に魅力を感じました」と書くだけでは不十分です。上記の理由として「これまでの経験で〇〇の重要性を学び、それが貴社の取り組みと一致したため」と言及し、論理的な根拠を示す必要があります。
また、エピソードを紹介する際も、時系列に沿って分かりやすく展開すれば、論理的な文章になります。具体的には「課題に気づいた→行動した→結果が出た」の流れで書くと、読み手にとって理解しやすい文章が作成可能です。
エントリーシートで「ですます調」「である調」よりも気をつけるべきポイント

エントリーシートを書く際、「ですます調」と「である調」のどちらを使うかは重要なポイントですが、文体選びよりもさらに重要な点があります。本項では、特に気をつけるべき3つのポイントを詳しく解説します。
敬語・書き言葉の使い方を間違えない
エントリーシートを書く際に、敬語や書き言葉の使い方を間違えると採用担当者に悪い印象を与えてしまいます。特に、「拝見します」「ご覧になられる」といったよくある敬語の誤りは注意が必要です。正しい敬語の使い方を知らずに記載すると、社会人としての基礎力が不足していると判断される可能性があります。
また、「やらせていただく」「〜するつもりです」といった曖昧な表現も避けるべきです。代わりに、「〜いたします」「〜と考えております」といった断定的な敬語表現を使えば、文章にしっかりとした印象を与えられます。
さらに、書き言葉としてふさわしくない口語表現を避けることも大切で、「〜とか」「〜っていう」といった話し言葉はビジネス文書では使用しません。エントリーシートは採用担当者との初めてのコミュニケーションの場であるため、正しい敬語を使い、基本的なビジネスマナーが身についている点をアピールしましょう。
空白・「特になし」で提出しない
エントリーシートの設問欄に空白のまま提出したり、「特になし」と記載したりするのは絶対に避けるべきです。空白や「特になし」の回答は採用担当者に「やる気がない」と受け取られる可能性が高く、書類選考で不合格となる大きな要因です。
たとえば、「学生時代に力を入れたこと」や「志望動機」の欄が空白だと応募者が自分の経験を振り返って考える姿勢が欠けているように見えます。また、限られたスペースを空白のまま提出するのは、「この人は与えられたチャンスを活用できない人」という印象を与えてしまいます。たとえ、すぐに思いつくエピソードがなくても過去の経験をしっかり振り返り、自分なりの回答を記載するのが大切です
強みをアピールする場合はエピソードを記載する
エントリーシートで自分の強みをアピールする際には、必ず具体的なエピソードを添えましょう。単に「私はコミュニケーション能力があります」と述べるだけでは、説得力に欠けます。強みを裏付ける経験を紹介すれば、採用担当者に「この人は本当にその能力を持っている」と信じてもらえます。
たとえば、「私は大学のゼミでリーダーを務めました」と書く場合、具体的にどのような場面でコミュニケーション能力を発揮したのかを説明しましょう。「意見が対立した際に、双方の意見を丁寧に聞き取り、合意形成を図った」など具体的な行動を記載すれば、強みがより明確になります。
また、「その結果、ゼミの発表会で高評価を得た」といった形で成果を記載すると採用担当者に対して強い印象を与えられます。エピソードが具体的であればあるほど信憑性が増し、説得力のあるエントリーシートが作成可能です。
まとめ
エントリーシートを作成する際、「ですます調」と「である調」のどちらを使うべきか悩む人は多いですが、実は文体選びよりも重視すべきポイントがあります。まず、企業が求める人物像にマッチしているかが重要で、企業研究を行い、自分の経験や強みがどのように貢献できるか具体的に記載しましょう。さらに、志望度の高さを伝えることも大切で「御社で働きたい」という意欲が伝わらなければ、選考を突破するのは難しくなります。
また、敬語や書き言葉の誤りは避け、強みをアピールする際には具体的なエピソードを記載する点もポイントです。採用担当者に「この人と一緒に働きたい」と思わせるためには、文体だけでなく、内容の一貫性・丁寧さ・論理性を意識するのが成功への近道です。採用担当者に好印象を与えられるエントリーシートを作成し、志望企業の早期内定獲得を目指しましょう。