理系学生は従来から、研究職や技術職のような大学で学んだ内容が直接活かせる理系職種に就職する学生が大半です。

しかし、近年では企業も人材の多様性を重視しており、営業職や企画職のような文系職種に就職する学生も増えています。

理系学生は就職で有利だという噂もありますが、理系学生が文系職種で有利となるのか気になる方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、理系学生の文系就職が有利となるかについて、就活の実態や成功させるポイントを解説していきます。

理系学生で文系就職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

理系学生の理系就職・文系就職とは?

ここでは、まず理系学生の理系就職や文系就職がどのようなものかについて解説していきます。

理系就職

理系就職とは、理系学生が自分の専攻である理系学問に関連のある企業や業界に就職することを指します。

理系就職をおこなうメリットは、自分が学んだ内容を直接活かして業務にあたることができるため、企業で活躍できる可能性が高いということです。
また、企業からも自社の業務と親和性が高いと判断されやすいため、内定の確率もぐっと高まります。

自身の研究をさらに深く追求するために、大学院へと進学し、企業や研究所の研究開発職として就職するケースも少なくありません。

さらに、理系就職では、大学の推薦応募を利用して企業に就職することも可能です。
推薦応募では、自由応募よりも内定を取れる確率が高いため、就活が成功しやすいというメリットもあります。

文系就職

文系就職とは、理系学生が文系職種に就職することを指します。

文系職種としては、具体的に営業職や事務職、企画職やマーケティング職などが挙げられ、バックオフィスの職種まで含めると幅広い職種への就職が可能です。

業界としては、銀行や証券会社といった金融業界、商社やマスコミ、コンサルティングなどの業界が人気となっています。

理系の文系就職は有利なのか?

ここでは、理系学生の文系就職は有利なのかという点について解説していきます。

結論から言うと、理系学生と親和性の高い文系職種においては有利といえるでしょう。
具体的には以下の職種が理系学生との親和性が高いといえます。

・アクチュアリー・アナリスト
・メーカーの営業職(セールスエンジニア)
・コンサルタント
・MR

アクチュアリーやアナリストは金融業界の職種ですが、数値計算やデータ分析を業務の中で多様するため、理系学生には親和性の高い職種と言えるでしょう。

メーカーの営業職は、文系学生が就職するケースが多くありますが、最近では製品に関するより高度な専門知識を提供するセールスエンジニアと言う職種も存在します。
理系学生は大学で専攻している分野では専門的な知識を有しているため、こうしたセールスエンジニアとも相性が良いです。

コンサルタントも、業務内で論理的な思考力や課題解決力などが求められるため、理系学生の就職先としても近年注目を浴びています。

MRは、製薬会社で医薬品に関する情報を医療機関等に提供する職種ですが、薬学や医薬を専攻している学生からは非常に人気の高い職種です。

理系学生が文系就職するメリット・デメリット

ここでは、理系学生が文系就職するメリット・デメリットについて解説していきます。

メリット

まずメリットですが、主に以下の2点が挙げられます。

・理系の専門知識が活かせる
・理系学生が希少である

理系学生の専門知識が活かせる点に関しては、例えば営業職に就職した場合、顧客から自社の製品やサービスに関してより詳細な情報を知るために深掘りした質問がされるケースがあります。
そうした場合、理系学生が自社製品に関する専門的な知識を有していれば、相手の納得しやすい回答を論理的にできるでしょう。

自分が専攻していた分野での就職が前提となりますが、理系ならではの専門知識を活かすことで、文系職でも大きなアドバンテージを得られます。

また、文系職種に応募する理系学生は全体の応募数から見ると少数となります。
そのため、企業側からは印象に残りやすく、ライバルとの差をつけやすいとも言えるでしょう。

理系学生であることの強みを企業側にしっかりとアピールできれば、内定の確率も高くなります。

デメリット

一方でデメリットもあり、主に以下の2点が挙げられます。

・就活に当てられる時間が文系と比べ少ない
・情報収集において不利になりやすい

理系学生の場合、3年になると大学での講義に加え自身の研究活動も行わなければなりません。
大学での活動と並行しながら、インターンや選考に参加しなければならないため、文系学生と比べると就活に当てられる時間が少なく、理系学生は不利になりやすいです。

さらに、理系学生が文系就職を目指す場合、周りに文系就職を行う学生が少ないため、学生同士の情報交換や共有がしにくいため、情報収集においても不利になりやすいでしょう。

こうしたデメリットも払拭するためにも、いかに就活を効率的に進められるかがカギとなります。

理系学生が文系就職を成功させるポイント

ここでは、理系学生が文系就職を成功させるポイントについて解説していきます。

具体的には以下の4つのポイントが重要です。

・理系特有の強みを整理しアピールする
・なぜ文系職種なのかに答えられるようにする
・研究内容をわかりやすく説明できるようにする
・スケジュール管理など就活を効率化する

理系特有の強みを整理しアピールする

1つ目のポイントは理系特有の強みを整理してアピールできるようにすることです。

文系学生は主にコミュニケーション能力などを面接時にアピールするケースが多いですが、文系学生との差をつけるためにも、理系学生だからこそ企業に貢献できる能力をアピールした方が良いでしょう。

特に理系学生の場合は、研究活動を通して論理的思考力や仮説検証力、課題解決力などを身につけていますが、こうした能力はどのビジネスにおいても活かせる汎用的な能力となります。

企業側も理系学生は論理的思考や数値計算・データ分析が得意であるという印象を持っているため、こうした能力を活かして企業での業務にどう役立てるかをアピールすれば、内定の確率もぐっと高くなるでしょう。

なぜ文系職種なのかに答えられるようにする

2つ目のポイントは、なぜ文系職種なのかという質問に答えられるようにすることです。

採用する企業側からすると、理系学生がなぜ文系職種に応募してくるのかは単純に気になるものです。
文系職種における面接でも、「なぜ理系学生なのにこの職種に応募したのですか?」と聞かれる可能性は高くなります。
こうした質問には面接官に納得してもらえるような回答を行えば問題ないでしょう。

研究内容をわかりやすく説明できるようにする

3つ目のポイントは、研究内容をわかりやすく説明できるようにすることです。

理系学生がアピールできる学生時代の活動内容としては、自身が行ってきた研究活動に関してが多くのウェイトを占めます。
また、採用側も理系学生が学生時代に取り組んできたことには興味があるため、文系職種の面接と言えども質問される可能性があるでしょう。

そうなると、企業側は学生の研究内容に関する知見を深く持ち合わせていない場合も多いため、一般の人でもわかるように研究内容を説明する必要があります。

ポイントとしては、難しい専門用語などはあまり使わず、身近なものに例えて説明するなど相手にイメージしやすい形で伝えることが大切です。
研究内容をわかりやすく相手に伝えることができれば、コミュニケーション能力も高いと判断され、選考でのプラス評価につながります。

スケジュール管理など就活を効率化する

4つ目のポイントがスケジュール管理などをしっかりと行い就活を効率化させることです。

理系学生の場合は、文系学生と比べて研究などの大学での活動も行わなければならず、就活に充てられる時間が少なくなってしまいます。
文系職種への応募となれば、文系学生との競争にもなるため、就活に充てられる時間が少ないなど不利な面が浮き彫りになりやすいです。

就活に充てられる時間が少ないというデメリットを解消するためにも、就活を効率化させ、少ない時間で最大限成果を出せるようにする必要があります。
具体的な方法としては、スケジュール管理を徹底し、どのタイミングでどの活動をすべきかを明確にさせ、就活を成功させるためにやるべきことを確実にこなせる仕組みづくりが大切です。

また、逆求人型の就活サイトを活用することも就活の効率化につながります。
逆求人とは、自分のプロフィールをサイトに掲載することで、企業から採用選考などのオファーが届くサービスのことです。
企業側からアプローチしてくれるため、応募などに費やす時間も削減でき、就活の効率化につながります。
さらに、自分に興味がある企業からアプローチをもらえるため、企業とマッチする可能性も高いのが大きなメリットと言えるでしょう。

これだけは知っておきたいポイント!(まとめ)

理系学生が文系就職をする際は、理系学生であることの強みを活かした就活が可能です。
とはいえ、十分に対策をしていないと、他の文系学生との競争になるため、内定を取れる確率も下がってしまいます。

なぜ文系就職を選んだかなど想定される質問に対しての対策はもちろん、就活を効率化させる工夫も行い、理系学生の文系就職の成功確率を高めていきましょう。