就職活動の中でも、最近多くの企業や学生が取り組んでいるのが「インターン」です。

このインターンは就職活動においてさまざまなメリットがありますが、理系の方は大学での研究活動もあり、なかなかインターンの時間を捻出するのが難しいものです。

実際に、無理してインターンに参加するほどのメリットがあるのか、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、理系学生がインターンに参加すべきかと言う点について、インターンに参加するメリットやインターンの現状も含めて解説していきます。

理系学生の方で、インターンを受けるか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。

そもそもインターンとは?

インターンとは、学生が興味のある企業で実際に働いたり、訪問するなどの就業体験のことを指します。

企業での業務や職場環境を実際に体験することで、企業における業務や働くことへの理解を深めることを目的としており、多くの企業で取り入れられています。

インターンは学生側だけでなく企業側にも多くのメリットが存在し、最近では大学側もインターンの実施を推奨している場合も多いです。

インターンには1日単位の短期的なインターンから、3ヶ月や半年といった長期的なインターンまでさまざまな種類が存在します。
主に大学の春休みや夏休みといった長期休暇の時期に実施されるケースが多いですが、長期のインターンとなると、平日に行われるケースもあります。

インターンを実施することで、就職活動を有利に進めることができ、経験を積むことで自身の成長にもつなげることができます。

コロナ禍における理系学生インターンの現状

近年では、コロナ禍における影響からか理系学生におけるインターンの現状が従来と比べて変化しています。

まず、最近のインターンシップはオンラインが主流となっています。

株式会社テックオーシャンが行った23卒の理系学生を対象とした調査によると、オンラインでのインターンに「4社以上」参加した学生が半数を超えたのに対し、対面でのインターン参加は「0社」「1社」と回答した割合が8割を超えており、オンラインでの参加率が非常に高かったことがわかります。

【引用】PR TIMES【コロナ禍“第三期”の理系就活】23卒は安定重視からのスタート!?4分の3が大手志向、「専門性を活かしたい」約6割

そして、同社の調査によると、理系学生には短期のインターンシップが人気で、下記のアンケートでは、「2〜3日タイプ」が最も人気が高く4割以上、「半日・1日タイプ」と合わせると、約8割の学生が短期インターンを望んでいることがわかりました。

【引用】PR TIMES【コロナ禍“第三期”の理系就活】23卒は安定重視からのスタート!?4分の3が大手志向、「専門性を活かしたい」約6割

また、実際に参加してよかったと感じるインターン形式としては、「対面型での実務経験」のようで、以下のアンケート結果でも他の実施内容や形態と比べて突出して満足度が高い形となりました。

【引用】PR TIMES【コロナ禍“第三期”の理系就活】23卒は安定重視からのスタート!?4分の3が大手志向、「専門性を活かしたい」約6割

このように、インターンへの参加自体はコロナ禍の影響もあり、オンラインが多いものの、実際に参加してみると対面型のインターンの方がより就業イメージをつけやすいようです。

また、理系学生は学内での研究もあり忙しいことから短期的なインターンが現状人気のようです。

理系と文系ではインターンの状況が違う?

理系と文系ではインターンにおける状況が大きく異なってきます。
具体的には以下の3点の違いが挙げられるでしょう。

・理系学生は研究との両立が難しい
・選択肢は理系の方が豊富である
・情報は入手しづらい

理系学生は研究との両立が難しい

まず理系学生は文系学生と違い、インターンと研究との両立が難しくなります。

理系学生の場合、卒業に求められる単位が多いことに加えて、3〜4年生となると研究室に入り、実験や研究に本格的に取り組む必要があるためです。

また、学校の研究が就活のスケジュールを考慮したものでないことも多く、就活に当てられる時間が非常に限られてしまう傾向にもあります。

選択肢は理系の方が豊富である

ただし、理系学生ならではの特徴もあり、就職先やインターン先も理系の方が選択肢が豊富です。

まず、理系では自身の学習していた専門分野がそのまま企業の業務に通ずる部分も多いため、専門分野への就職やインターンが可能です。
ただし、選考も専門性が高くなり、研究内容やスキルを確認するタイプの面接が行われる場合もあるため、対策が必要となります。

また、文系では理系分野への就職やインターンは難しくなりますが、理系が文系職へのインターンに参加することは可能です。

近年では、文系職に理系学生が就職するケースも増えています。

特に理系学生であれば、商品の技術や使用に関しては専門的な知識を得ているため、営業職などを行っても非常に大きな強みとなります。

このように、文系と比較しても就職やインターンで取れる選択肢が多いことが伺えるでしょう。

情報は入手しづらい

理系学生はインターンを含めた就活における情報を入手しづらい環境にあります。

時間的な制約が多いという点もそうですが、人脈面においても文系と比べて不利なケースがあります。

例えば、文系学生の場合、OB・OGを含めてさまざまな人脈から情報を収集することができます。
また、同じ学部内にさまざまな志望業界や進路がある人がいるため、多種多様な情報を得やすい環境にあります。

一方で、理系の場合は研究室や専門分野を勉強している学生が周りに多いため、志望業界や進路が偏ってしまい、情報を得にくい環境にあると言えるでしょう。

そのため、積極的に外部から情報を入手するような工夫が必要となります。

インターンに参加することのメリット

理系学生がインターンに参加するメリットについて解説しますが、具体的には以下の4点が挙げられるでしょう。

・自分にあった仕事か判断しやすい
・他の就活生と差をつけやすい
・企業や選考に関する情報を入手しやすい
・選考に有利になる場合も

自分にあった仕事か判断しやすい

まず、自分にあった仕事か判断しやすいと言う点が挙げられるでしょう。

就活をする上で、内定を取ることも大事ですが、その企業での仕事内容や企業自体に適性があるかどうかを判断することは非常に重要です。

適性がない仕事についてしまうと、やりがいを感じられず成果を上げにくくなってしまう可能性があるからです。
成果が上がらなければ当然企業内でも昇給や昇格などは難しいでしょう。

もし長期的に成果を出してキャリアを充実させたいと考えた場合、企業や仕事に適性があるかどうかは非常に大切です。
そして適性を見極めるためには、実際にその仕事を行ってみることが一番効率的です。

そのためにもインターンは非常に重要となります。
実際の就業体験を通して、自身がその仕事に適性があるかどうか判断しやすくなるからです。

他の就活生と差をつけやすい

就職までにやるべきことが分かるという点もインターンの大きなメリットです。
特に長期インターンの場合は、企業内での実務を経験できます。
そしてこの実務を通して社会で求められる知識やスキルを取得することが可能です。

例えば、インターンでプログラミングの実務を経験した場合、 プログラミングスキルはもちろん、どの職種でも必要なコミュニケーションスキルを会得できます。

社会で求められる知識やスキルをインターンを通して身につけておけば、他の就活生との差別化をはかることができます。
インターンでの経験をアピールすれば内定を獲得しやすくなるでしょう。

企業や選考に関する情報を入手しやすい

インターンに参加することで企業や選考に関する情報を入手しやすくなります。

インターンに参加し就活前に企業との接点を持てることは非常に大きなメリットです。
企業との接点を持てれば、インターンからの選考枠を獲得できたり、インターン参加生だけに送られる企業説明会や本選考に関する情報を受け取れたりする可能性が高くなるからです。

このように企業選考に関する情報を入手しやすくなることもインターンに参加するメリットと言えます。

選考に有利になる場合も

インターンに参加することで採用選考で有利となる場面もあります。

インターンに参加している学生は、ある一定程度企業が属している業界や仕事内容に対して関心が高く、専門的な知識も有していると採用担当者に捉えられる可能性があるからです。

さらにインターンに参加した企業の選考を受ける場合は、インターンに参加していない学生と比較したときに志望度が高い就活生として良い評価につながりやすいでしょう 。

また、人気企業の場合はそもそもインターンに参加していないと採用選考に参加できない企業も存在しています。

このようにインターンに参加することで、選考で有利になるほか、インターンの参加を条件とした選考に進めるなどのメリットがあります。

これだけは知っておきたいポイント(まとめ)

理系学生はインターンに参加するメリットは多いものの、 大学内での研究と両立する必要があるため、なかなかインターンに充てる時間を取りづらいと言う現状があります。

しかし、近年ではオンラインでの参加や短期的なインターンも実施している企業が多いため、比較的時間をかけずにインターンに参加することも可能です。

ただ、インターンでの経験を就活でアピールしその後の選考を有利に進める目的であれば、長期的なインターンに参加することも選択肢の1つとなるでしょう。
その場合は、スケジュール管理をうまく行う必要があります。

自分自身の目的に合わせて適切なインターンに参加し、就活を有利に進めていきましょう。