こんにちは。理系就活情報局です。
「化学メーカーに就職したいけど、業界のことがよくわかっていない……」
「本格的に業界研究に取り組む前に、化学業界の一般的な知識を頭に入れておきたい」
そんな理系就活生のために、今回は化学メーカーの就職動向や業界の仕組みを徹底解説します!
化学メーカーで就職先を探している方は、ぜひ参考にしてみてください!
化学業界のビジネスは川の流れに例えられる
原料を製造する「川上」
化学業界のビジネスモデルは、川の流れに例えられます。
「川上」と呼ばれる企業は、石油・石炭・天然ガス・鉱石などから素材の原材料となる化学品を生産します。
ナフサ・エチレンなどの基礎科学製品を製造するほか、原油・天然ガスを精製することで得られた製品を販売する会社です。
製造工程の「川上」にあたる企業の多くは、総合化学メーカーです。
総合化学メーカーは、川上・川中・川下を一貫して行えます。
原料を加工して製造する「川中」
川上で生産された原材料を加工・製造して最終製品の素材を作るのが、「川中」と呼ばれる企業です。
「川中」と呼ばれる企業は、ポリエチレン・プラスチック・合成ゴム・合成繊維などの中間製品を生産します。
川中企業が作る製品は専門的なため、優良企業であっても一般的な認知度は低い場合があります。広く知られていないだけで、高いシェア率を誇る製品を持っている企業もあるので、隠れた優良企業が見つかるかもしれません。
最終製品を製造する「川下」
「川下」と呼ばれる企業は、中間製品を原料として一般消費者向けに販売される最終製品を生産します。
化学品としての最終製品には、電子部品・車のタイヤ・洗濯洗剤・医薬品・化粧品類・日用品などがあります。生産する最終製品によって事業内容は異なり、それぞれが専門とする分野に事業内容に注力しています。
化学業界の職種
研究開発
研究開発職の仕事は、以下の2つに分けられます。
①新しい発見や仮説の検証を行ない、新規開拓を行う基礎研究
②基礎研究で得た成果をもとに行う、製品化につなげるための応用研究
化学メーカーの研究開発職は、新しい技術や商品の研究開発や、既存商品の見直し・製品化をめざすための応用研究など、担当する業務内容は多岐にわたります。
新しい製品を作り出す職種のため、修士を採用する企業もあります。研究開発職をめざすなら、専門性やスキルを磨きましょう。
調達・購買
調達・購買は、原料やパーツの発注・納品対応を担当します。
ほかにも、新しい発注先の選定・取引条件の交渉・物流の管理にも携わる仕事です。
原料を国外の企業から調達する場合、ビジネスレベルの英語力やコミュニケーション能力があれば、より活躍できるでしょう。
社内外の人と関わるため、人と接することが好きな人に向いています。
製造・生産技術開発
製造・生産技術開発は、製品製造に必要な技術や生産方法の開発を担当する仕事です。
研究開発職が作った新製品や改良した製品の生産体制を整え、原料の加工から生産コストの管理まで、生産に関わる工程に幅広く携わります。
製造・生産技術開発職は関係部署との連携を取りながら仕事を行うため、コミュニケーションスキルは必須と言えます。
品質管理
品質管理の仕事は、製品が規定の基準を満たしているかを検証し、業務の改善や予防を目指すことです。
製品の検査をして関係部署へフィードバックするなど、社内外とのやり取りを担当します。企業によっては、生産体制の管理やクレーム対応を行うこともあります。
品質管理は、自社の製品についてしっかり理解した上で、課題や解決策について言語化することが大事です。品質管理の現場では分析測定などを行うため、大学で学んだ内容に加えて幅広い知識が求められます。
営業
化学メーカーの営業は、顧客に自社製品を魅力的にアピールするために、深い製品知識や理系の素養が求められます。
専門知識が活かせる上に、仕事の成果が目に見える形で現れるため、やりがいを感じやすい仕事です。
コミュニケーション能力はもちろん、顧客に新規契約を提案するプレゼンテーション力や資料作成力も重要です。
化学業界を目指す上で知っておきたいこと
海外進出も視野に入れておく
建築業界以外で就職先を検討する時は、業界研究を念入りにしましょう。
大学で学んだ専門知識が直結しづらい業界で就職活動をする時、必ず「なぜ建築を学んだのにうちの会社を志望しているのか?」という質問を受けるでしょう。
どの業界でも、志望動機がしっかり固まっていなければ採用担当者は「本当にうちに就職したいのか?」と疑問に思います。
建築業界以外を志望する方は、自分なりの考え方で志望動機をアピールできるように、業界研究を行ってみてください。
IoT技術のニーズは高い
IoT(Internet of Things)とは、あらゆるモノとインターネットを繋げる技術のことです。
近年注目を集めるIoT技術は、化学業界では生産プラントの制御や設備保全などに活用できます。
製品化の効率化や従業員の安全のためにIoTやビッグデータの解析を活用すれば、人間の判断による細かな微調整をすることなく自動化がスムーズになります。
IoT技術について学んだ理系就活生の方は、化学メーカーを検討してみてください。
脱炭素社会と環境問題は必須課題
環境や社会に対して取り組みをする必要性が強く叫ばれるようになった今、SDGsやESGといった環境への取り組みは、企業にとって必要不可欠なものとなりつつあります。
環境汚染を未然に防ぎ、より良い地球環境を守ることが企業が求められる時代になったことで、化学メーカーも、脱炭素社会や環境問題の改善を目指してさまざまな取り組みを行っています。
志望企業を選ぶ際には、その企業がどのように環境問題に取り組んでいるのかチェックしてみましょう。
化学業界を目指すならチェックしたいポイント
これまで、「化学業界のビジネスは川の流れに例えられる」から「化学業界を目指す上で知っておきたいこと」まで解説してきました。
これから化学業界を検討する方に向けて、最後に化学業界を目指すならチェックしたいポイントを解説します。
業界の動向を把握する
化学業界を目指す場合、業界の動向は常に把握するようにしましょう。
新しい技術や製品の開発状況や最先端の研究など、ニュースや論文で得られる情報は、志望動機の材料になったり、面接の場であなたの助けとなってくれます。
志望業界の最新ニュースを積極的に収集することは、入社後も引き続きしていくことです。学生のうちから習慣づけて、基礎知識を固めておきましょう。
まとめ
本記事では、化学業界を志望する理系就活生の方を対象に、ビジネスモデルから業界の動向まで広く紹介しました。
現在の化学業界に触れたことで、業界研究や企業研究の意欲も湧いてきたと思います。
普段から関心を抱いている業界でも、業界研究や企業研究を疎かにすることはできません。
進みたい道を決めたなら、志望業界への理解を深めましょう!