大学の授業を受けていると「この講義は社会人になってから使うのだろうか」と不安になることはありませんか?

でも安心してください、実は大学の講義で学ぶ内容は「あの時習ったのはこれだったのか!」と使える場面が多いのです。今回はそうした知識を紹介していきます。

大学での授業はどのくらい社会に出てから役立つのか

では実際に大学で学ぶ知識はどんなものが役立つのでしょうか。大きく分類分けをすると「実習やものに触れて学んだこと」「法則や計算式」「ディスカッションや考え方、物事に取り組む力、考える力」の3つです。

実習や実際の物を使って学んだ知識は貴重

仕事でも勉強でも実際に手を動かして作業をすることは、頭で理解する以外に感覚を身につけることができる上、視覚的な記憶に刻むことができます。

しかし、社会人になると最初は座学や研修などが中心になり、なかなか物に触れることができません。そこで役立つのが大学で実際に物を使って学んだ作業内容です。

この経験のおかげで、社会人になってからの研修で効率よく知識を吸収できるようになります。

物の考え方や計算式は覚えておくと感覚的に掴みやすい

機械やプログラミングなど、何かを動かすにあたって「感覚」は非常に重要です。

実際の物を知っていれば常識的に考えて無理な設計や、行動パターンを組み込むことはありませんが、そうした知識がないと「机上の空論」のような答えを導き出してしまいます。

これが社会人になってからでは「常識を知らない」と思われてしまい、場合によっては危険な物を生み出してしまいます。

物事をうまく考えてアウトプットする力

ディスカッションや論文は一つの課題に対して自分なりに考え、順序立ててアウトプットする力を養います。もちろん研究室での活動もそうしたことに繋がります。

研究を通して、仮説検証能力や、課題発見力、論理的思考力、プロジェクト遂行能力(PDCA回しの力)などが身につきます。

研究では「仮説を立てて検証する」の繰り返し、試行錯誤を行いますがこの過程で自身で周辺分野の論文を調査したり自分の頭で組み立てをしてじっくりと考えて取り組むということで培われるアウトプット能力は非常に重要です。

実物を見ながら、触りながら学ぶと何を得られるのか(ex.工学:機械系の場合)

物に触れて学ぶことで具体的にどんなことが得られるのでしょうか。ここでは機械系の場合を例にして説明していきます。

機械の構造を知ることで、設計者の意図が分かる

機械の内部構造やスペースの使い方には設計者の意図が必ず含まれています。

一見機能的に最適な部品配置でなかったとしても、部品の生産をしやすくしていることや、組み立て工数の削減や作業のしやすさへの配慮がなされているかもしれません。

そうしたことは見ているだけではわかりません。実際に手を動かして組みてたり分解することで発見できます。

工具などの使い方が分かる

作業では様々な工具を使用します。社会人になってから現場で教わることも可能ですが、そうした初歩の知識が備わっている人には教える手間が省け、より実践的な内容を学ぶ時間が増えます。

材質や表面処理を見たり触ることで覚えられる

機械系で用いられる金属の材質や表面処理は画像や資料で見てもイマイチわかりにくく、なぜその材質や処理が必要なのかが分かりません。

そこで実物を見たり触ったりすると、必要な軽さや強度、触った時の感覚、見栄えをはっきりと実感できます。

この知識は後々、自分で部品を設計する際に「どの材質でどんな表面処理を図面で指示するのか」を決定する手掛かりになります。

座学的な知識はどこで使うのか

実習などの講義について有用性を紹介してきましたが、一方で大学の講義で多くのウェイトを占める一般的な座学はどれほど実務で役立つのでしょうか。

設計段階で構造上問題ないかを感覚的に分かる

計算式やプログラミングの基礎知識や考え方を覚えておくことで、実務でアイデア出しや開発を行う際に、数値を見るだけで感覚的におかしい部分や不具合が起こっている箇所がわかるようになります。

覚えるべきことを暗記のようにその場しのぎで覚えているだけではわからないことですので、普段の勉強からしっかりと「なぜこうなっているのだろう」と疑問に思ったことは調べておくクセをつけましょう。

パソコンのない現場などで計算ができる

機械系の現場の場合、どこでも計算用のパソコンや計算機が使えるとは限りません。

そうした場面で簡単な計算は手計算でサッとできると自分の作業の効率化にもつながり、他の人からもいざというときに頼られる存在になれるでしょう。

新製品や機能のアイデアに繋がる

アイデアやひらめきは自分の持っている知識から生み出されることが多いため、座学の知識を豊富に持っておくことで、その引き出しが増えることに繋がります。

社会人になってからはそうしたアイデアは特許や自社の強みとして重宝されることが多いため、常に関連する知識を溜め込んでおきましょう。

理系就活は研究室での経験は重要視される

大学の学部4年生や大学に寄っては学部3年生の時から本格的に取り組む研究室の活動や論文作成は、ESでも重要なアピールポイントです。

ここでは研究内容の選び方やメリット、ES上でのアピール方法を紹介します。

自分の目指す企業や仕事内容により近い研究内容を選ぶことが大切

研究室は大学で学ぶ中でも大きな知識と経験を得ることのできるものです。

講義とは違い研究室では最新の技術や論文に触れることができるため、社会人になってからも生かせる経験ができます。

現場を知っている教授の経験や知識を深く学ぶチャンス

工学部、工学系においては研究室の担当教授の中には企業での就業経験がある方も多く、そうした教授からは実際の仕事で使えるテクニックや知識を学ぶことができます。

教授のほとんどは何かしらのプロフェッショナルと言える方ですので、自分の目指すキャリアプランと一致している研究室に入れた場合には、研究内容だけでなく実際に勤務していた時代の話なども伺っておくと、後のES作成や面接で役立ちます。

物事に取り組む際の柔軟性を高めることができる

研究室での課題はゴールや目標が決まってはいますが、そこに向かうための過程は研究室全体で決めて進むことが多いです。

これは社会人になってからの仕事の進め方と同じであるため、目標に対して柔軟性や協調生を持って取り組む練習にもなります。

これだけは知っておきたいポイント(まとめ) 

1)大学での勉強は単位習得のためだけではなく、社会人になってから使える物が多い

大学で学ぶことの多くは社会人になってから役立つものが多いため、卒業するための勉強と思わず、知識として使えるようしっかり吸収しておくこと。

2)どんなことも好奇心を勉強することで、試験の成績も上がり、仕事でも武器にできる

ただ覚えようとすると難しいことも多いですが、自分が今勉強していることが実務でどんなことに使われているかなどを調べながら学ぶことで、イメージしやすく好奇心が湧きます。

3)ESや面接では自分が熱心に取り組んだ実習や研究室での課題をアピールすることが大切

就活でアピールすべきポイントは「熱心に取り組んだこと」です。熱心に勉強したことはあなたの武器となっており、採用担当者には伸び代がある部分として伝わります。