面接で多く聞かれる「大学でどんな活動をしてきましたか?」という質問に困る人も多いのではないでしょうか。
自主的にどんなことに取り組んできたかを見るために聞かれている質問なので、ただやってきたことを述べるだけではアピールになりません。
そこで今回はこの質問に対して困ってしまう大学生活3パターンを例に挙げながら、どのように答えればよいかを紹介していきます。
理系就活の時期になってから、過去の活動を聞かれても困りますよね
たくさん勉強や研究はしたけど、その他に何もやってきていない人
大学は勉強や研究が本分です。もちろんそこに一生懸命になることは大切なのですが、いざ「大学で何をしてきましたか?」と改めて聞かれても困ることも多いはず。そういった場合でも客観的に自己分析してみるといろんなことが見えてくると思います。
大学の勉強に着いていくのが精一杯だった人
単位の取得や課外授業、卒論研究などに手一杯だった人は「自主的に勉強をがんばった」というよりも「やらないとだめな状況になってしまっていた」ということもあるでしょう。そうした状況の先で「何をしてきたか」と聞かれると「自分は勉強に追われるばかりで何かアピールできるのだろうか」と不安になります。
なんとなく過ごしてしまい、焦る人
大学を卒業するまでの過程を無難に過ごしてきて、友人と遊んだりアルバイトをしてみたりしたけど、いざ聞かれるとどう言えばアピールになるのかわからないこと、あると思います。そんな時でも落ち着いて振り返ってみると誇れることもあるはずです。
理系就活生で自分で勉強をたくさんした人はその取り組みや方法をアピールしてみる
理工系の大学では実習も多く、授業外での取り組みがあれば強みになる
理工系の大学では教室で行う講義以外にも実習など、社会に出てから使える知識を学ぶ機会が多くあります。そこで得た知識を自分でさらに高めるための勉強をしていれば、アピールポイントになります。工学系の機械の材質や機構に関する内容や、情報系のプログラミング、電子系の工具の扱いといった内容に関心を持って取り組んでいればよいでしょう。また、研究室での活動もポイントの一つ。研究内容だけでなく、後輩の指導や研究室内でのコミュニケーションや役割、研究室旅行などのイベントでのエピソード、学会での若手の会の活動などの経験もあればアピールしましょう。
ただの趣味に思えることも、分野的に使えればアピールする
勉強と言っても大学の講義には直結しないような、自分の好奇心でいろいろなことを調べることが好きな人もいるでしょう。勉強していた内容によっては「単位や卒論には使えないからアピールにはならないかもしれない」と思ってしまう人もいるかもしれません。しかし、そうした勉強をできる人こそが社会では必要とされます。
理工系の仕事では資格の勉強が必要になることもあるので、自分で勉強ができる人は魅力的
理工学系の仕事に就いた場合、資格が必須であることや持っておくことで人事評価の対象になる場合があります。こうした資格取得のための勉強は、会社でできるものではありません。自宅で自分で勉強する必要があるため、勉強熱心な人は自分なりの勉強方法やコツを利用してスムーズに資格取得ができる可能性が高いです。そうした人の方が採用されやすいです。
理系就活生で単位の取得で精一杯だった人
自分がなぜその単位を選んだかを考えてロジックを明確にする
単位を取るための勉強で精一杯だった人も、講義や進路の選択では、ある程度自分のやりたいことや目指したい方向を考えて決めてきたはずです。なので「どうして自分がこの科目・講義を選んだのか」ということを考えれば、自分がなんのために大学で勉強してきたかが見えるでしょう。そこから繋げて自分がやってきたこと、勉強してきたことを洗い出しをしてみると、自分の勉強に対するロジックが明確になります。
学んだことが仕事に活かせそうなら、使用した文献の関連書籍などを今から読む
大学の講義で使用する書籍を読んだというだけではアピールにはなりません。しかし、関連書籍を自分で探して勉強に使った、ということであれば話は別。講義で使用した書籍の著者が出している本を調べることや、同じ分野を扱う書籍を購入して勉強に役立てたという経験は「知識の拡大」をするために大きく貢献します。そうした自発的なことがアピールポイントになるため、すでに購入して読んだ経験があればそこを掘り下げましょう。もし何もない場合でも今から用意して読んでおきましょう。
勉強プラスアルファで学び、実際の仕事に役立てるようにしようとしている姿勢を見せる
単位の取得のためだけに勉強していた印象はマイナス要素ですが、その中でも「ここは実際の仕事でも役立つと思ったので重点的に勉強しました」といったアピールができれば巻き返しができます。つまりなんとなく言われたものだけを学んだのではなく、そこから自分にとって必要になることを考えて勉強してきたことにすればいいのです。「実習は意欲を持って取り組んだということ」や、「理解に手こずった分野でも先のことを考えてしっかり身につくようまとめノートを作った」などの工夫もあればアピールに盛り込みましょう。
理系就活生でなんとなく過ごして来てしまった人
アルバイトや友人との旅行、趣味などどんなことでもいいので自分がしていたことを洗い出してみよう
質問をしている面接官は勉強のことだけを聞いているわけではなく、自分で考えてどんな大学生活にしていたかを求めています。なのでアルバイトで頑張ったことや友人との日々のコミュニケーション、趣味のことまでテーマはなんでも大丈夫です。自分で熱心にやってきたことを洗い出してみれば何か見えてくるはずです。
人と関わることが多かった気がするなら「コミュニケーション能力」や「人脈」が備わっている
いろいろ思い出す中で「他人と関わることが多かったな」と感じた方はコミュニケーション能力が秀でている可能性があります。自分が気づかないだけで、他人にいい印象を持たれていることや一緒にいて楽しい存在だと感じてもらえているのかもしれません。「自分は何もしていない」と思うのではなく「他人からはどう見えているのだろう」と視点を変えてみてもいいかもしれません。場合によっては関わった人たちに今一度どんなことをしてきたか一緒に考えてもらうのも一つの手です。
一人で趣味などに没頭していたなら、何かについて熱意を持っている
特にコミュニケーションをとって何かした記憶がなくても、一人の時間を充実したものにしていたなら特定の分野に強いものがあるのではないでしょうか。
趣味や興味の中でもパソコン関連や自動車、プログラム、精密機器、電子機器に関わることであれば、それをアピールしてみましょう。例えば「自作パソコンをしていた」「ゲームでより強くなるためにアルゴリズムやプログラムを解析していた」「時計や家電が壊れた時に修理した」というような内容です。
ただし、あまりゲームや漫画、アニメ関連の内容ばかり熱く語ると「オタク趣味でコミュニケーション能力に欠ける」といった印象を与えるかもしれないため、なるべく仕事に関連する分野の技術的な観点に繋げてアピールするようにしましょう。
どうしても見つからないなら今から何かしよう!
これは最終手段ですが、こうした質問をされることを踏まえた上で今から何かすることも解決策と言えます。
アルバイトやサークル、ボランティア活動といったアクティブなことは大きなアピールになりますが、趣味や資格取得に向けた勉強などでもかまいません。「○年生までは大学の勉強を中心に取り組んでいましたが、今後の就職や自分のやりたいことを実現するために〜を始めました。」と話せば、自発的に何か取り組む意欲のある姿勢を見せることができます。
どのパターンにおいても重要なことは「自分で考えて、何かを始めることができる」というアピールをすることです。その内容が些細なことでも人に自慢できることでなくてもかまいません。自分自身の大学生活を振り返りながら、自分で考えて取り組んできたことを見つけてください。