理系学生が知っておきたい、2種類のコミュニケーション能力と論理的思考力とは?

目次

  • 論理的思考力とは?
  • コミュニケーション能力は2つに分けられる
  • 論理的思考力、コミュニケーション能力の鍛え方
  • これだけは知っておきたいポイント(まとめ) 

採用にあたって企業の担当者が重視する就活生の能力とは何でしょうか?経団連が行ったアンケートによるとコミュニケーション能力が16年連続1位となっています。

仕事は上司、同僚、部下と相談しながら進めるため、当然の結果と言えます。

一方で、実行力や協調性に比べると重要度が低い結果ですが、論理的思考力が5位となり、論理的思考力の有無が問題解決能力につながるため、特に理系社員には求められている状況です。

コミュニケーション能力、論理的思考力、両方とも聞かれたことはあると思いますが、具体的にどういった能力であるか、考えたことはありますでしょうか?

この2つの能力を改めて理解し、理系社員にとって重要視される能力をPRできるようにしましょう。

論理的思考力とは?

因数分解

新システムの設計、既存サービスの改良には問題が付きものです。問題を一つづつ解決し、次に進むことが理系社員の仕事ですが、問題解決には論理的思考力が欠かせません。

そのため面接・レポートでは論理的思考力の有無が問われることになります。論理的思考力は簡単に言うと、「因数分解」と「グルーピング」を用いて問題を解決する能力です。

まずは因数分解について見ていきましょう。

因数分解は解決すべき問題の発生源を特定するために使います。

例えばアパレル店の来客数が減ったという問題を想定しましょう。論理的思考をせずにこの問題を解決しようとした場合、やみくもに安くして対処するかもしれません。

しかし価格以外に問題があれば根本的な解決策にはなりません。

こういう時には因数分解で考えられる原因を分解し、整理していきます。

例えば、①商品の品質低下、②ライバル店の進出、③流行の変化に分解します。

この中で①、②ではなく③の可能性があると判明した場合、さらに③を分解します。

流行の変化を「色・形・大きさ」に分けて分析し、自社商品の色が流行の色とマッチしていないことが判明すれば、問題解決へと進むことができます。

グルーピング

グルーピングは因数分解で整理した問題の根源に関して、共通する部分をまとめて整理することです。例えば自社の開発した新システムが売れないという問題を想定しましょう。

①価格が他社より高い、②価格のわりに機能が少ない、③実績が無いため信用が無い、…というように、因数分解の結果10個も原因があるとします。

問題解決のためには10個全てを解決するのが理想ですが、限られた時間・人員のなかで全てを処理することはできません。

この際、共通点を見つけて整理するのがグルーピングです。この場合は①、②は同じ価格面の問題とすることができます。

グルーピングの結果、10個の原因を「価格面が4つ、性能面が2つ、デザイン性が2つ、その他2つ」と分類することができた場合、価格面に関する問題が一番多いため、これを重点的に解決すれば良いことになります。

グルーピングは問題解決の優先度や共通点を見つけ出すために使います。

因数分解×グルーピング

もう一度、整理しましょう。問題解決に必要な能力が論理的思考力であり、因数分解による原因の整理と、グルーピングによる共通点の把握というアプローチを使うのが論理的思考です。

製品やサービスの設計・保守を担当し、日々問題解決に勤しむ理系社員には欠かせない能力ですので、理系就活では必ず問われることになるでしょう。

しかしアカデミアの研究でどのように論理的思考を用いて問題を解決したのか、その全てを面接の場で伝えることはできません。

そのため論理性の有無は面接やエントリーシートの中で筋道を立てて説明できるかどうかによって判断されるでしょう。

研究の目的、内容、考察のつながりを矛盾なく説明できれば論理性を有していると思われます。

一方で上手くつながらない場合は研究における問題を整理できていないと判断されてしまうかもしれません。

全てを因数分解×グルーピングの形に合わせて説明する必要はありませんが、面接の場で発表する研究の目的から考察までの流れに矛盾は無いか見直しましょう。

コミュニケーション能力は2つに分けられる

対人コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は採用担当者を対象としたどのアンケートでも常に1位にくる、採用において重要視されている能力です。

最近は1位になることが当たり前なのでアンケートから外され始めたくらいです。

単純に受け答えをしっかりできる、仲良くできるといった能力ではなく、コミュニケーション能力は2つに分けて考えることができます。

その1つ目が対人コミュニケーション能力です。

これは喜怒哀楽の表現や雑談に関する能力と言えます。理系の仕事は営業職よりも専門的知識が必要となる仕事ですが、仕事をする上で自分の考えを伝える相手はロボットではなく人間です。

どんなに知識があっても喜怒哀楽の表現に乏しければ、話の内容を自分が理解していないと思われてしまいます。

また、自分が相手にとって会話をしたい相手であり、雑談の進む相手であれば、仕事の話も円滑に進むかもしれません。

対人コミュニケーション能力は直接仕事に関わる能力ではありませんが、仕事のための潤滑油となるでしょう。

論理的コミュニケーション能力

2つ目は論理的コミュニケーション能力です。
論理的コミュニケーション能力は理系社員にとって最も重要な能力であり、これが無ければ仕事は全く進まないでしょう。

この能力を発揮するにはまず大前提として論理的思考(ロジカルシンキング)ができる必要があります。前述の通り問題の原因を探り、整理することで解決につなげる能力です。

そして、会社でロジカルシンキングを行うのは机上だけではありません。

自分の論理と上司・同僚の論理を伝え合うロジカルコミュニケーションによって、より論理性の高い解決法を編み出すのが理系の仕事の特徴です。

論理的コミュニケーション能力はすぐに身に付く能力ではありません。

前提となる論理的思考力が苦手であれば、普段の細かな問題を因数分解×グルーピングを使って筋道立てて考えられる癖をつけるように取り組みましょう。

論理性があっても伝えるのが苦手という方は発表練習のように言葉にする練習から初めてみましょう。

会社のタスクは集団行動

会社の仕事は集団で行う仕事です。入社して直後は自分と直属の上司の間の双方向のやり取りが多いですが、経験を積むにつれ、部下や他部署と関わるようになり、集団で一つの問題に関わることになります。

昇進するほどより多元的なコミュニケーションをとる事になるでしょう。

理系社員はロジカルコミュニケーションを通じて様々な人の考えをまとめ、より優れた解決策を考える必要があります。

こうしたやり取りを円滑にするためにも仕事以外の会話も重要となり、対人コミュニケーション能力も欠かせません。

面接の場では受け答えによってコミュニケーション能力が判断されますが、それ以外にも趣味や過去の経験によっても問われることになります。

例えばアカデミアの研究を一人で黙々とこなしていたと伝えるとコミュニケーション能力が苦手と思われるかもしれません。

人と関わることで解決できた過去の経験があれば面接官の印象は良くなるでしょう。

論理的思考力、コミュニケーション能力の鍛え方

こんな場面で求められる

論理的思考力やそれを使ったロジカルコミュニケーションは会社の内外問わず必要になるでしょう。

技術職であれば自分の担当する開発・改良検討が行き詰った際に上司に意見を求めるかもしれません。

この時、自分に論理的思考力が無ければ相手の論理性を理解できないでしょう。

また、顧客に新製品・サービスの良さを伝える場面でも論理性が必須となります。

既製品と比較してなぜ良いのか、どのような問題を解決できるのか、相手に理解されなければなりません。

どんなに実験が上手く、論理性の優れたレポートを書けたとしても、それを伝える能力が求められます。

対人コミュニケーション能力は営業職に比べて必要な場面は少ないかもしれません。

しかし会社で昇進の早い人を見ると、こうした能力が優れているという共通点が見られます。会社は範囲の決まった人間社会です。完全能力主義ではありません。

論理的思考力を鍛えるには?

論理的思考力が欠けているな、という方は簡単な問題で因数分解をやってみましょう。

解決すべき問題は科学的なものである必要はなく、例えば「商店街の衰退が進む問題」でも構いません。

①大型ショッピングモールの進出、②自動車の普及による店舗の郊外進出…というように問題の原因を思いつく限りで並べ、考える癖をつけましょう。

就活では論理性をPRする必要がありますが、限られた時間内で披露することは難しいと思います。単純に論理性がありますと伝えたとしても面接官に実感は湧かないでしょう。

論理的思考力をアピールするには「結論を最初に伝えて、考えを順序だてて説明する」ことがおすすめです。

例えば志望理由を聞かれた際に、自分の能力・状況から企業の専門性・求める人材に上手くつなげることができれば、よく考えていると思われるかもしれません。

また、「●●は2つあります。ひとつは●●、もう一つは○○」という説明の仕方は論理的です。

あるいは、結論を先に述べて、その理由を後から補うという話し方なども論理的です。

さらには、「はい、いいえ」で答える質問には、まずは「はい」「いいえ」「どちらでもない」ということで回答をして、そのうえで理由を補うというような答え方も意識しましょう。

全般的に、質問の意図をしっかりと受け止めて、論点をずらさずに回答ができると論理的な会話ができるというPRとなります。

コミュニケーション能力を鍛えるには?

コミュニケーション能力を鍛えるには本人の性格が関係するでしょう。

就活直前で急に能力を高めるには難しいですが、少しでも改善できれば就活で良い結果をもたらすかもしれません。

コミュニケーション能力が欠けている人には雑談が苦手という共通点が多く見られます。

こうした能力にはやはり経験が必要です。例え必要性の無い会話だとしても、率先して話しかけるようにしてみましょう。

就活でコミュニケーション能力をPRするにはまず挨拶と声量が重要です。

無理に喜怒哀楽を表現しなくても良いですが、ぼそぼそ話さずはっきり聞こえるように話しましょう。

そして面接の最初と最後における挨拶もしっかりとしておきましょう。会社によっては待合室における志願者同士の会話からコミュニケーション能力を問う場合もあります。

軽い会話程度はした方が良いかもしれません。また、自分の趣味を聞かれた際、スポーツなどの必ず人と関わる趣味を伝えた方がコミュニケーション能力のある人と思われやすくなります。

これだけは知っておきたいポイント(まとめ) 

1)論理的思考力は因数分解×グルーピング

2)「対人」と「論理的」、2つのコミュニケーション能力が重要

3)よく考える人、人と関わる人、という印象で2つの能力をPRできる

  • 監修
    株式会社テックオーシャン
    人工知能やビッグデータを駆使し、理工系人材領域における採用ベストマッチングを生み出すHR Tech企業です。 理工系学生専門のオファーがもらえる就活サービス「TECH OFFER」と、大型イベントから1on1面接まで、気軽に企業と出会えるカジュアル就活サービス「TECH MEET」を運営しています。