工学系の企業への就職を目指す場合の面接では、よく聞かれる質問があります。

どの分野でもこうしたことはありますが、工学系でもしっかり対策を練っておくことで選考の通過率が上がります。

事前に考えておけば、他の質問でも応用が効くため、自己分析と一緒に考えておきましょう。

理系就活で聞かれる内容は大まかに分けて4種類

自分のできることや知識について

この質問では自己分析能力と自分の能力からどんな仕事をイメージできるかといった応用力を問われています。まずはあなたが今現在どんなことができて、どのような知識があるのかを客観的に答えましょう。

もちろん大学で学んだことが中心になるため「こんな仕事ができる」といった即戦力的な答えは難しいと思います。面接官もそこまでは想定していないため、自分ができる範囲で、仕事に繋げられそうなスキルや知識を答えるとより印象が良くなります。

将来についてどこまで考えているか

将来についての質問はかなり重要視されるポイントです。今のあなたがどこまでを見据えて仕事について考えているか、どんなポジションを狙っているのかをしっかり答えましょう。

できる限り下調べをし、企業にはどのような部署があり、何年在籍するとどのようなポジションで働けるか、といったことをリサーチしておくと自分の未来のこともイメージしやすくなります。

数ある企業の中でどうしてその会社を選んだのか

愛社精神や他社と比べてどこに魅力を感じたかをアピールできる質問です。

この質問の難しいところは、第一・第二希望といった優先度の高い企業の場合は答えやすいのですが、そうでなくなってくると魅力や惹かれたポイントが薄くなってきます。

質問している企業の面接官もある程度そうした気持ちはわかっていますが、その中で熱意を見せることが大切な場面です。

自分の性格について

この質問も自己分析能力を判断されますが、客観的に他人からどう見られているか、すなわち他人とのコミュニケーションがうまく取れているかもテストされます。

そのため、自分の思考や思いを伝えるだけでは足りません。家族や仲の良い友人、大学の教授などあなたを知る人に事前にヒアリングをしておくとヒントが得られるかもしれません。

「あなたは大学でどんな勉強をしてきましたか?」

ただやってきたことを述べるだけでは不十分

「○○の授業を受けて成績は××でした。」「〜〜教授の研究室でこのような研究をしました。」という答えは求められていません。

そうしたことは大学や学部を見ればわかるので、もし自分が好成績を残したものがあればESに書いておく程度に留めておきましょう。

学んだことで何ができるかしっかりとビジョンを持つ

「○○を専攻し、××の知識を得たので〜〜といった分野の仕事に役立てることができると思います。」というように自分の学んだことが具体的にどんなことに使えるかを調べておきましょう。

そうすることで、「勉強に目標を持って取り組んでいるのか」「入社してからの働き方も調べているのだな」という印象を与えることができます。

CADや製図法、プログラミングなど、現場ですぐに活躍できる知識はESに記載しておく

授業で学んだことの中でも、CADや製図法、プログラミング、コーティングなどの実践的なスキルはESにまず記載しておきましょう。

そうすることで、面接の際に担当者の目につき、「具体的にどんなことですか、どこまで学びましたか?」と興味を惹くことに繋がります。

「あなたはこの会社でどんなことがしたいですか?」

自分の目指すポジションを明確にしておく

ボジションと言っても社長や部長といった役職ではありません。「機械設計のスペシャリスト」「金属材質の専門家」「ビックデータを管理する管理責任者」といった自分の進みたい分野で何を極めていきたいか、といったことです。

仕事は目標を持って日々取り組むことで、毎日の業務に意味を見いだせるようになります。つまり、仕事に対してどんなやりがいや頑張るための原動力を持っているかをアピールしましょう。

具体的な製品の改善などは多少盛り込む程度にする

この質問への失敗の回答して「御社の○○という商品を愛用しており、××の部分で改善の余地があると感じるため、そうした仕事をやってみたいです。」といった内容が挙げられます。

本人としてはきちんと製品を使ったことがあり、会社のファンであることをアピールしたいと考えたのかもしれませんが、受け取り方によってはクレームのように捉えられます。

どの製品も企業努力の上で、様々な人が考え抜いて世に送り出されています。

そうした企業で働きたいと考えているのであれば、製品を見て「ここがダメだ」と思うのではなく、「こうしたほうがいいはずなのに、どうしてこうなっているのだろう」と一歩踏み込んで考えるようにしておくと、物の見方が変わってきます。

エンジニアといってもどの分野でスペシャリストになるかで進み方が変わってくる

「エンジニア」という言葉は広い意味で使われることがあります。「機械設計エンジニア」でも機械自体が自動車や工業用ロボットなど様々です。

「サーバー管理エンジニア」も同様でネットに接続されているサーバーなのか、車内のメインフレームに関わるサーバーなのかで学ぶことが変わってきます。

安易に「エンジニア」という言葉を使わず、具体的な業務内容や関わりたいものを述べましょう

「どうして当社を選んだのですか?」

競合他社との比較を行い、しっかりと下調べを行なう

あなたがその企業に応募しようと思った際には、必ず他者と比較して見つけた決め手があるかと思います。その部分を膨らませてアピールポイントにしましょう。

しかし自分で探して応募したわけではなく、誰かの紹介や優先順位の低い企業ではなかなかそうしたポイントが見つからないかもしれません。そういった時はどうすればよいかも考えていきましょう。

その企業の良さを見つけてファンになっておく

今回の質問に答えやすくなるカギは「ホームページや広告」にあります。

こうした場所には企業が他社との差別化を図るためにアピールしている商品やサービス、取り組みが書かれていることが多いです。

まずはこうしたものから調べていくと自ずと「この企業はこんな部分で優れていてすごい企業なのか」とファンになることができます。

他社を下げるようなことは言わないようにする

具体的に他社の名前を出すことは問題ありませんが、その上で他社を下げるようなことは言わないほうが良いです。

あくまでも今面接に来ている企業の良い部分や感銘を受けた部分だけで志望理由を作るようにしましょう。

「あなたは自分がどんな性格と考えていますか?」

正しい答えはないが、自己分析がきちんとできているかを試されている

どんな性格が正しいということはありませんが、自分を客観的に見てどんな人間かを説明しましょう。自分が仕事をしているイメージをし、「どんな思考で物事に取り組むか」「進め方はどのようにするか」という2つで考えてみましょう。

例えば「とにかくいろんなことをやってみることが好きで、考えてもわからないことはまずトライする性格です。」でも間違いではないですし、「しっかりと計画を立ててから物事を進める性格で、マニュアルなどを事前に確認することも大切にしています。」でも問題ありません。

「コツコツしたことが得意」といった下積みの仕事もできることをアピールできると良い

工学、工業系の仕事では入社してから数年は下積みのような派手さのない仕事をすることも多いです。こうした仕事も投げ出さず、コツコツしたこともできる性格であることを盛り込んでおくと好印象を与えられます。

周りの人に自分のことを聞いてみるのも良い

自己分析だけではアピールポイントが足りない場合は周りの友人や家族、教授などに聞いてみるとヒントを得られます。

「友人からは〜〜と言われます」というように聞いてみたエピソードも盛り込むと「周りとのコミュニケーションを取れているんだな」と高評価になることもあります。

これだけは知っておきたいポイント(まとめ) 

1)暗記したものではなく、熱意で答えることが大切

面接での回答は事前に暗記するのではなく、あらすじを立てる程度に留め、当日言いたいことや相手の反応を見て発言しましょう。もちろん熱意を込めることも忘れずに。

2)相手の目を見て、落ち着いて話すことを意識する

これが一番難しいですが、目が泳いでいると情緒不安定な印象や嘘をついているように見られがちです。相手の目、もしくは鼻の辺りを見ながら落ち着いて話しましょう。

3)楽しいことは楽しく、感情を出して応対する

感情の起伏も良い印象を与えるポイントです。自信のあるエピソードや楽しかったことはハキハキと、自信のないことは難しい顔をして話しましょう。すべてが完璧にできる人はいません。できないことは「頑張ってみます」と努力することをアピールしつつ、少し不安げな顔をする位は問題ありません。