―初めまして、本日はよろしくお願い致します!
―学科の名前が新しくて上手くイメージできないのですが、大学ではどんなことを学ばれているのですか?
そうですよね。地域創生科学研究科と言われてもすぐ想像できないですよね…(笑)
もともとは、工学と農学と建築学で分かれていたのですが、私の代からそれらが同じ学部にまとまり、地域創生科学研究科という学科になりました。広く他の分野のことも知っていこうというような学部で、工学の知識を農学や建築学に応用するようなイメージだとわかりやすいと思います。
私は化学系なので、新しい物質をつくったり、その新しい物質を使って何かを測定するというようなことをしています。私の場合ですと、新しい物質の測定をするのに何で測定するのかということを考えた時に、例えば生物学的な知識が必要だったり、農学部の栄養学系の知識が必要だったりするので、そういったところで上手く繋げられるような学部になっていますね。
―面白い学部ですね!なんでこの学部に進もうと思ったのですか?
特に深い理由はないのですが、受験の時に化学が面白いなというのが頭の中でぼんやりとありました。高校で化学の授業を受けていて、身の回りで知らないことがたくさんあったのが面白くて、その面白いと思ったことを自分で調べたりするのが好きだったので、化学系の学部に進んでみようかと思いました。例えば、携帯のディスプレイの材料も色んな種類の材料が使われていて、機能が変わる度にその材料が変わっていたりしてというのが面白くて、どんな風に変わっているのだろう?と興味を持ちました。
化学というと白衣を着て実験をしているイメージくらいしかなかったのですが、受験して受かり、国立ということもあり、この大学に決まりました。
大学院に進んだのは、学部だけだと実験が1年しかできなくて個人的に物足りなかったのでもう少し続けたいと思い、院進学することを決めました。
―そうだったのですね!
では早速ですが、就活についてお話を伺いたいのですが、軽く就活の流れを教えていただけますか?
はい。最初は修士1年の夏頃に、そろそろ就活に向けて準備をしないといけないと思い、色々なサイトで就活サービスなどを調べました。夏は学会があったので全然動けていませんでした。実際に登録を始めたのは9月、10月頃です。10月からは大学で行われている説明会などにも参加をして、12月にかけてテックオファーでオファーがきた企業を調べていました。
1月からはTECH OFFER経由で1dayのインターンに3社ほど参加をしました。2月末~3月はエントリーシートの提出や面接を行い、3月末に内定をいただいたという流れです。
―内定まで早かったのですね!コロナウイルス感染拡大の影響は受けませんでしたか?
いえ、普通に影響はありました。エントリーは10社ほどだったのですが、それから実際にエントリーシートの提出をしてくださいという連絡があったのは6社ほどでした。他の4社はまだどうなるか分からないので待って欲しいという感じでした。
合同説明会などもコロナの影響ですべて中止になってしまったので、企業情報はネットで調べたり、資料などは郵送で送ってもらったりしました。
結構コロナの影響が大きかったので、企業側も早めに内定を出すのではと考えていました。ですので、最初に3月末に内定をいただいた時点で他の企業の選考は辞退しました。
―そうだったのですね。TECH OFFERで様々な企業からたくさんオファーがきたと思うのですが、企業選びはどのように行っていましたか?
そうですね。まずは自分が興味があるかというところをみていました。福利厚生などは後回しで考えていたので、勤務地や常務内容から自分がその企業で働くイメージができるかや、面白いと思えるかなどを重視していました。面白いというのは、例えば扱っているものだったりに対して、新鮮さや興味を持てるかという自分の感性がどうかということを大切にしていました。
あまりこの業界がいいというような決め方はしませんでした。
オファーがきた企業はすべて調べました。そして少しでも興味があると思ったらオファーを承諾しました。
―何社も受ける中で、最初に1社から内定をもらった後、他の選考を辞退したとおっしゃっていましたが、なぜ最初に内定をくれた企業にしようと思っていたのですか?
たまたま最初に内定をくれた企業が第一希望だった企業というだけです。コロナの影響もあり動きづらい所もあったので、第一希望の企業だし、もう就活を終えようと思いました。
もう少し見てみようとか、後悔みたいなものはありませんでした。
内定先の会社に対する志望度が高かったからだと思います。インターンに参加した際に自分の研究がガラス関係で、その研究が直結していたということが大きく、また、選考の際の人事の方や社員の方がとても丁寧にやり取りをして下さり、好印象を持ちました。
選考が早かったのはTECH OFFERからの流れだったからだと思います。TECH OFFERでオファーのきた企業は、自分の行っている研究などを知っていて、自分と合っている企業なので、話が早かったのではないかなと思います。
―なるほど。今振り返ってみて、なぜ内定をもらえたと思いますか?
そうですね。アピールポイントが良かったというのと、あとは縁があったのだろうと思います。
アピールポイントは、例えば塾講のアルバイトをやっていた際の責任感や、研究を進める際の計画性をアピールしていました。
―研究と就活の両立はどのように行っていましたか?
研究は先が読めないところがあるので、就活の予定を先に入れるようにしていました。就活の予定がない時間がある時に、集中して研究を進めていました。結構きつきつなスケジュールになることもありましたが、自由に時間配分をしてどちらも進められたので、しっかり両立はできていたと思います。
―就活のときに苦労はありましたか?
一番大変だったのは移動です。宇都宮だと都市圏に出るのにとても時間がかかってしまいます。面接の度に移動するのですが、その連絡が一週間前にきていたのでとても慌ただしかったです。
内定先の最終面接は富山県だったので、富山までもとても遠くて大変でした。面接が午前中ったのですが、宇都宮からだと始発に乗っても間に合わないので、前泊して最終面接に臨みました。
―地方の学生さんはそこが一番つらいですよね。
就活を振り返ってみて何かやっておけばよかったことなどはありますか?
そうですね。私はESの添削を誰にもしてもらわなかったので、誰かに見てもらえばよかったなと思います。ESは年末など時間がある時に、自分に関するキーワードなどを出し、大枠を決めていました。その後ESを書く際にその企業ごとに形を変えて作っていました。学会での発表で自分の研究を文にして説明することはやっていたので、自分の研究の説明もそんなに準備しなくてもできていました。
ただ、人の意見を聞くことは大事なので、余裕があれば添削をしてもらう方が良いと思います。
―自己PRで工夫した点などはありますか?
工夫したのはポジティブに書くということです。具体的なエピソードを入れ、例えば、アルバイト先での失敗についていう時も、失敗したけれどそこから改良を加えて改善することができたというような責任感のあることをアピールできるエピソードにしました。その出来事から、どう考え、何を学んだのかを入れるようにしていました。
―なるほど。他に企業とのコミュニケーションで意識したことや気を付けたことはありますか?
私は地方大学の学生なので電話をする機会が多かったです。その際に失礼のないように気を付けていました。例えば、わからない事や聞きたいことがある時に、その度に電話するのではなく、一度の電話で用が足りるように心がけました。また、ストレートに聞きたいことを端的に聞くことも気を付けました。
自分が塾講師のアルバイトをしていた時に、生徒が休む際連絡をもらうのですが、その時こちらも多分お休みの連絡だろうと思って電話に出ているのに、そこで言い訳を長く言われても、休むことには変わらないので早く言ってほしい!という気持ちになりました。
その経験があったので、相手に迷惑をかけないということに注意をしていました。
―相手のことを考えて行動するのはとても大事ですね。
最後に就活を控えている学生にアドバイスをお願いします!
同じ化学系の人だと研究に力を入れている人が多いと思うのですが、それを頑張ることが大切だと思います。自分で考えて努力をすることを続ければ、それをそのままESに書いたり、面接で言いことができ、それが自分の強みになるからです。
終活どうしようと悩んだら、とりあえず目の前の研究を頑張ってみてください。
そうすれば、結果そのことは自分の糧になっていると思います!