ー 初めまして!本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。H.D.さんの学生生活やどういった就職活動を送ってこられたのか、そしてTECH OFFERを使ってみてどうだったなど、詳しくお話聞けたらと思います。よろしくお願いします!
ー それでは始めに、所属されている大学・大学院を選ばれた理由をお伺いしてもよろしいでしょうか。そして、どのようなことを学ばれていましたか。
東京農工大学を選んだ要素は2つあります。1つ目は、大学が実家から近かったからです。そして2つ目は、理系の大学であったことです。大学に入る前に、なんとなく、ものづくりやロボットに関わりたいと思い、工学に携われる東京農工大学を志望しました。中でも、機械に行かなかった理由として、大学受験の際に勉強した物理が大きく影響しています。この勉強を通して、物理が基礎となって機械工学などの他の学問が成り立っていることを知り、さらにその原理が知りたくなったため、物理を専攻しました。
現在、工学部の物理システム工学専攻というところに所属しています。大学4年生の時も、物理システム工学科というところにいて、そのまま大学院に進んだ形になります。学部の時代は、主に、物理学を網羅する感じで広く学んでいました。研究室に入ってからは、それを活かしながら、より工学的に社会に貢献できるような技術の開発に携わっています。
ー 通学の時間や労力を省きつつ、興味のある物理に関する学科を提供している大学に通いたい、という想いが強かったのですね。通われている大学が、自分に合っているな、と思ったことはありましたか。
大学の良さで言うと、学部が2つしか無いため、部活動での交流が盛んでした。他学部の人は、とても面白い人が多くて、「BBQしよう!」とか言ってくれるとても個性豊かな人がいるんです。工学部は、しっかりしているのですがオタク気質なので、話してみると引き出しが多い人がたくさんいました。
高校生の時に、200人くらい生徒がいる中で、理系が10人ほどしかいなかったんです。理系が少ない環境だったため、数学や物理の質問をし合ったりする仲間が少なかったです。大学に入ると、学科内に、物理を専攻していて数学も出来る、いわゆる、話の合う人がたくさんいたので良かったです。
ー そういったところが、大学、そして学部の良さなのかもしれませんね!因みに、これまでの大学・大学院生活で、一番興味のあった講義などはありましたか。
統計力学に一番興味がありました。学部時代は、特にこの分野に力を入れて勉強していました。統計力学というのは、物理現象を統計的に扱う学問です。それが、僕には面白かったんです。確率や統計で物理を扱う概念が、高校から大学で違う部分だったため、一番面白かったなと思います。
ー 統計力学に興味があったんですね!次は、H.D.さんの研究について教えていただけますか。
超音波を使用した鉄鋼製品の非破壊検査をやっています。例えば、橋や車のボディーなどの鉄鋼が使われたものに対して、「どこが壊れやすいのか」を、超音波を使って測定します。残留応力という指標を測定するのですが、残留応力が大きいと、その部分から破損に繋がるリスクがあります。研究でやっているのは、対象物に超音波を当て、返って来る電磁波を測ることで非破壊に残留応力を評価するというものです。
ー そうだったんですね!非破壊検査を使用して、建造物や鉄鋼製品に傷をつけずに必要な検査が出来るのは画期的ですね。所属されている研究室に入ろうと思った理由やきっかけはありますか。
元々、車やロボットなどの鉄鋼を使ったものに関わりたいという想いがありました。ただ、物理学科に所属しているので、ロボットや機械を作る部分では携われませんでした。そんな中でも、所属している研究室では、それの安全性を確かめることなどが出来る場所だったため、間接的にですがそういった分野に貢献できると考え志望しました。
ー なるほど!「ロボット」という部分をかなり重要視しているのかなと思ったのですが、ロボットがお好きなのが理由なのでしょうか。
大学に入る前に、変形ロボット玩具を題材にした映画を観たのがきっかけです!この映画を観て、「ロボットを作りたい!」と思い、理系に行ったというのが理由です。なので、自分の中でなんとなく、「変形するロボットを作れたらかっこいいな」と今でも思っています。
ー 続いて、H.D.さんのプライベートな部分を聞いていきたいのですが、サークルやアルバイトなどはしていましたか。
約10年間やっているバドミントン部に所属していました。中学生の頃に始めたのですが、楽そうなスポーツだと思ったのがきっかけです。当時やっていた水泳を続けて行きたかったのですが、対人で点を取り合うバドミントンの沼にハマっていってしまいました。一方、アルバイトは、某コーヒーチェーンで5年間働いていました。元々コーヒーをなんとなく飲むぐらいだったのが、大学の先輩に「大学の近くにコーヒーショップが出来る」と言われ、応募したところ見事受かったのがきっかけです。「お客様に喜んでもらえるサービスをしたい」といった部分で、企業のカルチャーにも共感できたため、志望しました。
ーどちらも長年やられていたのですね!バドミントン、アルバイトに学業と忙しいなかで、息抜きや趣味はありましたか。
コーヒーを淹れることが好きですね。集めた抽出器具を使って、コーヒーを色々な方法で抽出して、どうしたら味が変わるかなどの変化を毎日楽しんでいました。ハンドドリップにもいくつか種類があるのですが、ドリッパーの変更、豆の挽き具合・種類、淹れるスピードなどの違いが、どう味に変化をもたらすのかを少し調べていました。「今日はこれが美味しかったな」「今回はこうやって淹れてみよう」といった感じにするのが趣味でした。
ー 違う淹れ方でどうコーヒーの味が変わるのかを調べるのが趣味のひとつなんですね!新しい発見があるたびにワクワクする感じがいいですね。次は、H.D.さんの就職活動について色々お聞かせください。
はい!まず、インターンシップに行き始めたのは修士1年生の夏頃でした。あと一年半で卒業すると思った時に、就活まで時間が無いなと思ったのが始めたきっかけです。インターンに参加しようと思った理由も、「どのような企業に行きたいのか」「将来何をしたいのか」「どのような適正があるのか」を、ちゃんと向き合う必要性を感じたのが大きいです。就活を始めた当初は、自分の興味のある部分で企業を調べていました。例えばメーカーであれば、自分が作りたい製品から派生して様々な部品やメーカーの企業に視野を広げて見ていきました。そのなかでも、自分の技術がマッチしているところを重点的に探していました。
ー 周りと比べると早い段階で就活を始めたのですね。就活意識の高いH.D.さんは、どのような就活の軸を持っていましたか。
最初は、「人々の生活に貢献できる」と「自分が興味のあるもの」の2軸で就活を行っていました。「人々の生活に貢献できる」というのは、アルバイトに影響されています。「自分が作ったもので、お客様を笑顔にしたい」といった部分で、社会に貢献しているのを自分の目で実感できるようなメーカー等に行きたいなと思っていました。「自分が興味のあるもの」という部分で、自動車やアパレルのメーカーも受けていました。最終的に後者の軸は、「車を運転したい」「ジャケットを着るのが好き」といっただけで、仕事にするのは難しいことに気づきました。6月辺りには、「お客様の生活に貢献できる」と「自分の専門性を少しでも活かせる」という風に軸は変わっていきました。
ー 技術が活かせることと、お客様に喜んでもらえるという点が最終的な軸だったんですね。因みに、就活と研究の両立は大変だったと思いますが、就活中で辛かったことなどはありましたか。
まとまった時間がとれず研究活動に集中できなかったことです。例えば、インターンシップで月曜日から木曜日まで拘束されている場合、金曜日に行ったことを一週間の実績として報告書を書かなくてはいけませんでした。そういうときは、土日も研究室で作業をしたりしていました。
ー 研究だけでなく、報告書を提出しなければいけなかったのですね。次の質問ですが、TECH OFFERを使ってみた感想などはありますか。
3月頃に、研究室にTECH OFFERのチラシが置いてあったのをみて、登録しました。就活エージェントとかに登録していなかったので、「理系に特化している」という部分で使ってみようと思いました。実際に使ってみると、自分の使っている技術や自分に興味をもってくれる企業が沢山あることを知りました。就活のモチベーションが上がって、嬉しかったです。そして、色々な会社を知ることができて、視野が広がりました。
ー ありがとうございます!H.D.さんは、就職先の株式会社構造計画研究所さんからオファーを貰った時は、どう思われましたか。そして、入社を決めた理由は何でしょうか。
A: 最初オファーを頂いたのが3月頃だったと思うのですが、その時は色々と忙しくてチェックできていませんでした。6月頃にオファーを見返した際に、「面白そうな企業からオファーがきているな」と思い、アポイントを取りました。その後は、約1ヶ月程で三次面談まで終えました。入社を決めた理由は、自分の就活の軸にマッチングしていたからです。エンジニアコンサルタントという職種で、お客様の課題に対して解決できる部分を提案する点が、自分に合っていました。
ー 入社の決め手は、就活の軸である「お客様の生活に貢献できる」という点とすごく合った企業さんだったからなのですね。
では最後に、23卒の後輩に向けて就活のアドバイスをお願いします!
やはり、自分の就活の軸を早めに確立することです。特に理系の学生に伝えたいのは、「自分の好きなことを仕事にしたい」ということがどういうことなのかを考えてほしいです。なぜなら、自分の好きなことは「製品を使うことが好き」であって、本当に作る方に興味があるとは限らないからです。それを考えていくと、自分の専攻とマッチしている仕事の方が、やりがいがあるんじゃないかなと思います。
ー 早い段階で就活の軸を確立するのが、その後の就活で大切になってくるんですね。
本日は、貴重なお話をしていただきまして、ありがとうございました!