登録者情報
ニックネーム:チャン
東北大学 環境科学研究科 / 23卒

選考企業情報
企業名:古河電気工業株式会社
職種:技術系
インターン参加:参加していない
最終選考結果:2次選考通過

エントリーシート

あなたがこれまでに興味を持った学問または研究テーマについて、その内容・なぜそれに興味を持ったか・その中で自身が工夫したこと・そこからどのようなことを学んだかについて、専門外の人にも分かるように説明して下さい。

研究では、がん細胞の酸素消費量測定を行っている。測定方法は、電極先端を細胞付近にセットし、電圧を印加しながら電極を上下させるというものである。電極先端では、酸素の還元で生じた電子により電流が流れる。ここで、細胞付近では細胞の呼吸により酸素が消費されるため、電流値は小さくなり、反対に細胞から離れた位置では電流値が大きくなる。この電流値の変化から細胞付近と細胞から離れた位置にかけての酸素濃度勾配を計算し、酸素消費量を求めることができる。私がこのテーマに興味を持ったのは、複数分野の知見が得られそうだと感じたことである。電気化学による反応を測定原理としているが、細胞の代謝など、生化学的な現象を測定対象としており、無機・物理化学と生物学両方に関して理解を深めることができるため、自身の視野をより広くすることができると感じた。本測定を行う上で、測定精度の向上に向け、電極の微細加工や新たな測定容器の設計・開発、実用化に向けた素材検討やシミュレーションに力を入れてきた。これらの工夫から、一口に精度向上と言っても様々な角度からのアプローチがあると感じ、選択肢を広げることの重要性を学んだ。また、継時的な測定により、個々の細胞集団の成長や酸素消費量変化のばらつきの評価やそれらの相関の検討にも力を入れている。この電気化学による患者由来がん細胞の代謝測定の展望として、薬剤耐性がんの特定がある。がん細胞の中には、酸素供給が少ない環境に適応したがん細胞があり、この種のがん細胞は薬剤耐性をもつ。そのため、薬剤耐性のあるがん細胞を特定し、それをターゲットとした薬剤の開発が重要となっている。患者由来がん細胞凝集塊の酸素消費量を継時的に測定し、薬剤耐性のあるがん細胞を早期発見できると考える。また、酸素消費量だけでなく、糖代謝についても検討予定である。これに関し、電極に糖代謝酵素を修飾することで実現を期待している。さらに、がんの活動状態と代謝活性の関連性を探りたいと考えている。具体的には、がんが組織で増殖している状態と血管等で転移している状態それぞれを再現する環境を整え、活動状態と代謝形態の違いについても探る予定である。

あなたが大学(大学院)時代に経験した最も大きな失敗(トラブル)を教えて下さい。また、その失敗(トラブル)から何を学び、それを現在どのように活かしているかも教えて下さい。

大学祭での展示内容の変更がある。大学祭でプラネタリウムのドーム周辺の展示を担当していた。従来はドームの上下左右に囲いを設置し上から黒紙で遮光していたが、ドームの材質を変更して周囲の囲いを撤廃することで、外からプラネタリウムのドームを見ることができ、より本格的にプラネタリウムの雰囲気を感じることができると判断し、準備を進めた。しかしながら、従来の囲いはドームの遮光に加え、他の客、特に幼児などがドームに接触して事故が起こるのを防ぐという意味合いもあり、安全面も配慮された展示方式であったと気づいた。展示の外観、安全面、そして残された期間での実現性を考慮し、小規模の囲いを左右に置くという処置を施し、上記の問題を解決した。この経験を通し、物事に対し一つの面だけを見て考えるのではなく、多面的に考えることの重要性を学んだ。これは、研究で一つの課題を様々な角度で検討することに活かしている。

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私は幼少期からモノづくりに興味を持ってきた。発明工夫展での作品を施設に寄付した際には利用者から好評で、大きな達成感を覚えた。また、研究活動においても、新規の測定器具開発に尽力し、実用に至るまでの過程での充実感が大きかった。これらの経験から、人々に役立つ製品を直接自らの手で生み出したいと考えるようになった。御社ではトップシェアを誇る情報システム商品をはじめ、自動車、医療など幅広い領域で人々の生活に貢献でき、さらにはライフサイエンスなど次世代への動きも積極的である点に心惹かれた。電気化学をはじめ、これまで大学で学んできた化学の知見を活かしつつ、またクイズ研究会や天文の学祭準備で学んだ「視野を広げる」力をもとに、お客様の潜在的なニーズを満たせるような開発に取り組みたい。