こんにちは。理系学生情報局です。
文系に比べ、理系学生が少ない営業職。皆さんのなかには、営業職に就くことをためらっている方がいるのではないでしょうか。しかし、営業職での就職時に注意すべき点はありますが、実は理系ならではの強みが活きる部分も沢山あります。準備をしておけば理系でも問題なく活躍できる職種です。
本記事は、理系学生が営業職に就くことの強みや弱みを理解したうえで、将来に向けた対策を行える内容です。営業職に不安を感じている理系学生の方は、ぜひご参考ください。
理系が営業職に就職するメリット
営業職において理系の強みを活かせる部分は、非常に沢山あります。それを踏まえたうえで、理系学生が営業職に就職するメリットのうち、4つの代表的なものを解説します。
論理的思考を活かせる
理系学生が数学などを通して養ってきた、論理的思考はビジネスにおいても強みとなります。事実の積み上げで解答を証明していた作業を、営業職では数字以外の事実で行なえば良いだけのこと。仮説思考を用いながら、顧客のニーズを探ることにも応用は可能です。
数値を基にした提案ができる
文系の営業が最も苦手とする、データなどを用いた提案ができる点も大きなメリットです。特に法人相手の営業職である場合は、データを提示しながらの営業・プレゼンは必須事項。先方の担当者は上司に対して同様にプレゼンする必要があるので、細かいデータをわかりやすく伝えることで成果にも繋がりやすくなります。
また、業種によっては自身で調査しながらデータを取得し、取得したデータを基に提案をする場合もあります。このようなデータ取得が必要となる業務でも、調査・研究・検証を経験している理系学生なら、問題なく作業を行なえるはず。理系の少ない企業であれば、他の社員にはない強みにもなるでしょう。
理系営業職をキャラクターにできる
理系の営業職が少ない企業であれば、理系であることをアピールすれば、顔を覚えて貰うきっかけにできます。初めはどんなことでもいいので顔を覚えて貰い、話しかけられる人物になることが大切。理系出身であることがイメージとして浸透すれば、そのうち得意分野を任せて貰えるチャンスがくることも。クライアント企業に対して理系キャラクターが印象づけば、他社よりも早い関係性作りができるでしょう。
専門性を活かした営業が可能
専門的な知識が要求される製品を扱う場合は、営業職に就くことで強みを存分に発揮できます。例えば建築を専攻していて、既に建築構造などを理解している場合は、不動産や建築に関する営業をした際には、提案の説得力には大きな違いがでるものです。
在学時に研究をしていた場合でもまったく同じ。研究経験のあるものを扱う業界へ入社すれば、営業だけでなく商品の改良や改善に協力することも可能です。理系の武器である専門性を活かせる企業であれば、どんな分野でもアドバンテージがあると言えるでしょう。
理系が営業職に就職するデメリット
次に、理系が営業職に就くデメリットについて解説します。あくまでも一般的な理系学生の傾向を基にした内容なので、全員に当てはまるものではありません。理系ならではの傾向を理解したうえで、バランスをとるための参考として活用してみてください。
対話能力が不足している場合がある
理系学生は文系学生に比べ、対話能力が不足し営業に向かない傾向にあります。営業職は特定のサービスや商品を、相手が理解できるカタチにして伝えることが重要です。そのため、対話能力が他の営業よりも劣っている場合は、当面はかなり苦戦することが予想されます。成果を出していくためには、独自の努力が必要になるでしょう。
専門性を活かしづらい場合もある
専門性を強みにした営業を志していても、まったく関わりのない部署に配属されることもあります。専門性を活かせない場合は、強みを活かせないストレスを感じることもあるでしょう。特に大手企業では若手育成の観点から、あえて不得意な部署への配属をすることもあります。企業側の意図をしっかりと把握したうえで、困難に立ち向かう覚悟が必要です。
論理的でなく根性が必要な場合もある
営業職では理系が得意とする論理的な言論だけでなく、想いや根性などをベースとした言論が必要になることもあります。そのため、理系出身者には理解できない面もあるはずです。どんなに調査や準備をしていても、相手に伝わらなければ成果になりづらいのが営業の仕事。一方で、感情に訴える提案が得意なライバルの方が成果をあげる場合も充分にありえます。理系営業の場合は仕事の特性を踏まえたうえで、表現方法の幅を増やす必要があるでしょう。
代表的な営業職の種類
では、理系学生はどんな種類の営業職に就けばよいのでしょうか。
より自身に合った営業職を見つけるため、代表的な営業職の種類を解説します。それぞれ営業ごとの特徴を把握したうえで、企業研究を進める際の参考にお使いください。
個人営業と法人営業
営業は大きく分類すると、BtoC営業とBtoB営業とにわけられます。BtoCは個人・一般消費者向け営業で、BtoBは企業向け・法人営業という意味です。個人営業の例としては、ネット回線や教材などの戸建て訪問営業、生命保険・不動産営業など。主に生活に関わる商材を扱い、家庭ごとや個人ごとの契約を取得することがミッションとなります。
また、法人営業の例としては、メーカー営業や広告、不動産から金融営業まで業種もさまざま。クライアント企業のニーズを把握したうえで、魅力をわかりやすく伝えるプレゼン能力が必要とされます。個人営業は個人プレーに近い業務ですが、法人営業はチームプレーの要素も多く、組織としての姿勢や対応を表現することも必要です。個人営業に比べ、スケールの大きな提案に携われることが、法人営業の魅力だと言えます。
新規営業とルート営業
営業の実際の業務では、新しい顧客獲得を目的とする「新規営業」と、既存顧客との関係性を保つための「ルート営業」があります。一連のイメージとしては、新規営業で獲得した顧客に対してルート営業でコミュニケーションを重ねることで、長い関係性を築いていくという流れ。新規営業は初対面の方に対する営業活動が中心なので、自己紹介や営業目的・商品紹介を明確で簡潔に行なう必要があります。新規営業は大変な面もありますが、営業の基本スキルを養える業務なので、入社後に任されることも多い業務です。
またルート営業は、関係性を太く長く築けるよう、信頼を重ねることが求められます。普段の会話からクライアントの要望を汲み取って提案することなど、親身になった対応が信頼される秘訣。他社競合からの勧誘に負けない提案と、確かな信頼が求められる業務です。
無形商材・有形商材
物質的な形のない商材を扱う「無形商材」営業と、形のある商材を扱う「有形商材」営業、大きく分けて2つの種類があります。無形商材はサービスや金融、情報や人材サービスなどが中心。有形商材は不動産や自動車、日用品や食品などが代表的な例です。
無形商材は、将来得られる効果や利益を提案しますが、カタチがないだけに主にデータ等に基づいた納得感のある訴求が求められます。一方で、有形商材は扱う商品の有効性や利便性を、目に見える形で提案することが可能。どちらも信頼性が基盤となるので、無形・有形に関わらず誠実な営業が成果への近道だと言えます。
自社製品営業と代理店営業
メーカーなどが自社で生産した商品を扱う「自社製品営業」と、販売委託などを受けて複数メーカーの商品を取り扱う「代理店営業」があります。自動車で例えるのであれば、トヨタ自動車での営業は「自社製品営業」。トヨタを含めた複数メーカーの販売を行なう自動車販売代理店が行なっているのが「代理店営業」です。
この営業方式は保険や金融、食品や化粧品など、さまざまな業種において運用されていますので、志望する企業がどちらに当てはまるかを事前確認しておけばわかります。一般には企業規模などによっては「自社製品営業」の企業が安定していると言われていますが、近年では、WEBを介した代理店営業で大きな利益をあげているケースもあるので一概には言えません。営業分類の方法として、一旦理解しておく程度で問題ないでしょう。
理系営業職として就職するうえで大切なこと
最後に、理系営業職が就職するうえで、覚えておくべき心得を解説します。ちょっとしたことですがどれも大切な内容です。ぜひご参考ください。
強みを活かせる企業なら有利に
就職後の仕事を有利に進めたい場合は、自身が専攻した分野や学んだことを活かせる企業を選択するのが良いでしょう。理系営業職のアドバンテージは、やはり専門性の高さ。理系分野の営業なら、当然成果もだしやすいはずです。
しかし、やりたい分野や挑戦したい気持ちがあれば、まったく別の業界でも問題はありません。大学で学んだことは、巡り巡ってどこかで役に立つものです。別の業界に就職しても、これまでに学んだことが無駄になることは一切ありませんので、フラットに企業選定することが大切です。
企業や業務内容を深く知る
企業によっては、まったく別分野の業務を任されることもあります。また、製品自体は素晴らしくても営業の仕組みが確立されておらず、自己成長を感じにくい組織も少なくはありません。企業の特性や業務の内容は、組織によってそれぞれ大きく異なるのが実情。自分が思っているような業務内容や社内の雰囲気であるか、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
企業説明会やインターン時に機会があれば、自身の得意分野が活かせる環境であるか直接聞くことも良策です。思い違いによって後悔することのないよう、充分に企業や業務内容を知る努力をしましょう。
日常の会話を増やす
理系学生でコミュニケーション能力が不足していると感じる方は、日常の会話を増やすことがおすすめです。営業職では、特に相手の知らないものを丁寧にわかりやすく伝える能力が必要となります。友人との会話の中で話し方を意識したり、伝え方を研究してみると日々発見があるもの。日頃の会話を通してゆっくりと準備しておくと、不安なく入社を迎えられるでしょう。
営業職を通して目指す未来を明確にする
営業職では、「社会やお客様をどうしていきたいか」や「自分自身がどのような社会人になりたいのか」について、事前に目標を立てておくことがおすすめです。営業職は数字に追われることも多く、上手く行かないことも本当に多くあります。
そんな時に将来の目標があれば、不調からの回復も早くなり、意欲を継続できる効果があるもの。仕事はもちろんのこと、プライベートでの目標とリンクさせて、より現実的な目標設定を立てることが大切です。簡単な目標でも構いませんので、まずは一つ目標を設けることから始めてみてはいかがでしょうか。
これだけは知っておきたいポイント(まとめ)
本記事では「理系が営業職に就職する利点や注意点、就職するうえで大切なことを」を解説しました。理系学生だって営業職で充分にやっていけることをご理解頂けたのではないでしょうか。ぜひ就活の参考にお役立てください。
・理系が営業職に就職するメリット
①論理的思考を活かせる
②数値を基にした提案ができる
③理系営業職をキャラクターにできる
④専門性を活かした営業が可能
・理系が営業職に就職するデメリット
①対話能力が不足している場合がある
②専門性が活かしづらい場合もある
③論理的でなく根性が必要な場合もある
・代表的な営業職の種類
①個人営業と法人営業
②新規営業とルート営業
③無形商材・有形商材
④自社製品営業と代理店営業
・理系が営業職に就職するうえで大切なこと
①強みを活かせる企業なら有利に
②企業や業務内容を深く知る
③日常の会話を増やす
④営業を通して目指す未来を明確にする