こんにちは。理系就活情報局です。

VRやAR、MRといったXR技術は、ゲームやエンターテインメントだけでなく、製造業や医療、教育、建設などさまざまな産業で活用が広がっています。メタバースやデジタルツインといった新しい概念の登場により、XR分野に参入する企業も増え、市場は急速に拡大しています。

「VR・AR・MRは何が違うのか」
「XR分野にはどんな企業があるのか」
「理系学生が活躍できる企業はどこなのか」

と疑問を感じている方向けに、今回はVR・AR・MRの基本から業界のビジネス構造、代表企業、市場規模までを解説します。

XR業界を志望している理系就活生の方はぜひ参考にしてください。

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VR・AR・MRとは?

VR・AR・MRとは?

VR(Virtual Reality/仮想現実)とは

VR(Virtual Reality)は「仮想現実」と呼ばれ、コンピューターによって作られた仮想空間を体験できる技術です。
専用のヘッドマウントディスプレイを装着することで、ユーザーは360度の仮想空間の中に入り込んだような体験ができます。

VRはゲーム分野で急速に普及しましたが、現在ではさまざまな産業で利用されています。例えば製造業では作業訓練のシミュレーション、建築分野では設計確認、医療分野では手術トレーニングなどに活用されています。

VR分野の代表的な企業にはMeta、Sony、HTCなどがあります。特にMetaはVRヘッドセット「Quest」シリーズを開発し、VR市場の拡大を牽引しています。SonyもPlayStation VRを展開し、ゲーム分野で強い存在感を持っています。

AR(Augmented Reality/拡張現実)とは

AR(Augmented Reality)は「拡張現実」と呼ばれ、現実世界の映像にデジタル情報を重ねて表示する技術です。
スマートフォンやARグラスを通して、現実空間に3Dモデルやテキスト情報を表示できます。

ARの代表例としてはスマートフォンゲーム「Pokémon GO」が知られています。
現実の風景の中にポケモンが現れる仕組みはAR技術によって実現されています。

産業分野でもARは活用が進んでいます。製造現場では作業手順をARで表示する作業支援システム、建設分野では設計図を現場に重ねて確認する技術などがあります。ARは現実空間を活かした情報提示ができるため、業務効率化のツールとしても注目されています。

MR(Mixed Reality/複合現実)とは

MR(Mixed Reality)はVRとARの特徴を組み合わせた技術で、「複合現実」と呼ばれます
現実世界と仮想空間を融合させ、仮想オブジェクトを実際の空間に存在するかのように操作できる点が特徴です。

例えば机の上に3Dモデルを表示し、手の動きで回転させたり拡大したりできます。
MicrosoftのHoloLensはMRデバイスとして知られており、設計や遠隔作業支援などの分野で利用されています。

MRは設計レビューや産業トレーニングなど、実務に近い用途での活用が期待されている技術です。VRよりも現実環境との連携が強いため、産業用途での可能性が高い技術として注目されています。

VR、AR、MRの総称がXR

VR、AR、MRといった技術をまとめてXR(Extended Reality)と呼びます
XRは現実世界と仮想世界を拡張する技術の総称であり、近年のデジタル産業の重要なテーマの1つです。

XRはメタバースやデジタルツインといった新しい概念とも密接に関連しています。
企業が仮想空間上に製造設備や都市を再現するデジタルツイン技術はXRを活用した代表的な事例です。

このようにXRは単なる娯楽技術ではなく、産業インフラの一部としても注目されています。そのためXR技術者の需要は今後さらに高まると考えられています。

SR(Substitutional Reality/代替現実)

SR(Substitutional Reality)は「代替現実」と呼ばれる技術で、現実の映像と過去に記録された映像を組み合わせることで、ユーザーに異なる現実を体験させる技術です。

例えばユーザーが現在見ている映像の中に、過去に撮影された映像を自然に挿入することで、本人が気づかないうちに別の体験をしているように感じさせられます。

SRはまだ研究段階ですが、人間の知覚や認知の研究などで注目されている技術です。
VRやARと比べて一般向けのサービスは少ないものの、XR技術の可能性を広げる分野として研究が進められています。

VR・AR・MR・XR・SRの比較・特徴まとめ

各技術の主要な特徴や代表的なデバイス、理系学生が注目すべき主な活用シーンを以下の比較表にまとめました。

技術名称特徴代表的なデバイス主な活用事例
VR仮想現実100%デジタルで作られた仮想空間に没入するMeta Quest, PlayStation VR2ゲーム、製造業の作業訓練、医療トレーニング
AR拡張現実現実世界の映像にデジタル情報を重ね合わせるスマートフォン、ARグラスPokémon GO、現場での作業支援、建設設計図の投影
MR複合現実現実世界と仮想世界を融合させ、相互に操作可能にするMicrosoft HoloLens, Apple Vision Pro設計レビュー、遠隔作業支援、産業トレーニング
SR代替現実現実の映像に過去の映像を重ね、錯覚を引き起こす研究用特殊システム心理学・認知科学の研究、実験的な知覚体験
XR共通の総称VR、AR、MRなどの先端技術を包括する概念上記すべてのデバイスメタバース、デジタルツイン、産業DX全般

VR・AR・MR業界のビジネス構造

VR・AR・MR業界のビジネス構造

デバイス開発企業

デバイス開発企業はVRヘッドセットやARグラスなど、XR体験のためのハードウェアを開発する企業です。ユーザーが仮想空間に没入するためのディスプレイ、センサー、光学技術などを設計する役割を担います。

代表的な企業としては、VRヘッドセット「Quest」を開発するMeta、PlayStation VRを展開するSony、XRデバイス「VIVE」を提供するHTCなどがあります。
さらにAppleも空間コンピューティングデバイス「Vision Pro」を発売し、XR市場への参入を強めています。

XRデバイスの開発ではディスプレイ技術、センサー技術、半導体、通信技術などが重要です。そのため電気電子系や機械系のエンジニアが活躍する領域としても注目されています。
これらのグローバル企業は、光学、半導体、センサー技術など高度な専門性を求めており、理系新卒採用を極めて積極的に行っています。

特に、電気電子系や機械系の学生にとっては、ハードウェアの根幹に関われる「ものづくり」の最前線として、非常に人気の高いキャリアパスです。

プラットフォーム企業

プラットフォーム企業は、XRコンテンツの開発や配信を支えるソフトウェア基盤を提供している企業です。XR体験を構築するための開発環境や仮想空間サービスを提供し、XR産業の基盤となる役割を担っています。

代表的な企業は、3D開発環境「Unity」を提供するUnity Technologies、リアルタイム3Dエンジン「Unreal Engine」を開発するEpic Gamesなどです。これらのツールはゲーム開発だけでなくXRコンテンツ制作にも広く利用されています。

国内企業ではHIKKYがVRエンジン「Vket Cloud」を開発し、スマートフォンやPCから利用できるVR空間を提供しています。

同社は世界最大級のVRイベント「バーチャルマーケット」を主催しており、企業やクリエイターが仮想空間で商品展示や交流を行う場を提供しています。
また2023年には秋葉原でリアルとバーチャルを融合させたイベント「リアルバーチャルマーケット」を開催するなど、XRイベントの新しい形を提案しているのが特徴です。

UnityやEpic Gamesのような基盤提供企業は、数学的知識やアルゴリズムに強い理系学生を高く評価します。
また、国内スタートアップのHIKKYなどは、インターンシップや新卒採用を通じて、新しい仮想空間の形を共に創る若手エンジニアの獲得に力を入れています。

3D開発環境に触れた経験がある学生にとって、自身の技術力をダイレクトに製品に反映できる環境です。

コンテンツ制作企業

コンテンツ制作企業はVRゲームやメタバース空間など、XR体験そのものを制作する企業です。XR技術は体験型のメディアであるため、魅力的なコンテンツの存在が市場の拡大に大きく影響します。

ゲーム会社や映像制作会社がこの分野に多く参入しており、日本ではバンダイナムコやスクウェア・エニックスなどがXRコンテンツの開発を進めています。またNianticはARゲーム「Pokémon GO」を開発し、AR市場を世界的に広げました。

XR分野のスタートアップとしては、バーチャルクリエイティブスタジオのambrも注目されています。
ambrは仮想空間を活用したサービスを開発する企業であり、メタバースプラットフォーム「xambr(クロスアンバー)」などを展開中です。
企業やブランドが「xambr」上で独自の仮想空間を構築できるため、同プラットフォームはXRを活用した新しいビジネスの基盤として利用されています。

バンダイナムコやスクウェア・エニックスなどの大手ゲームメーカーは、技術と表現を融合させる「テクニカルアーティスト」などの職種で理系学生を求めています。
ambrのような新進気鋭のスタジオも、「技術で新しい体験を届ける」という志を持つ新卒層に注目している状況です。

そのため、プログラミングスキルだけでなく、エンタメへの熱意を持つ学生には大きなチャンスです。

ソリューション企業

ソリューション企業はXR技術を企業の業務に導入し、業務効率化や新しいサービスの開発を支援する企業です。近年はDXの推進に伴い、XRを活用した業務システムの需要が高まっています。

例えばナーブは企業向けVRコンテンツ配信プラットフォーム「ナーブ・クラウド」を提供しています。同社の「VR内見」は、不動産店舗でVRを使って物件を内見できるサービスで、移動時間の削減や業務効率化につながる仕組みとして導入が進んでいます。

医療分野ではジョリーグッドが高精度VRと行動解析AIを組み合わせた医療教育ソリューションを開発しています。同社の「臨床教育VR」は名医の手技をVRで再現し、医療従事者のトレーニングに活用されるケースも豊富です。

またポケットクエリーズはVRと5G通信を組み合わせた遠隔研修サービスを提供しています。遠隔地でも集合研修が可能な「VR遠隔支援」や、360度映像を使った研修コンテンツ作成ツール「iVoRi 360トレーニング」などを開発し、企業の人材教育を支援しています。

このようにXRソリューションは不動産、医療、教育、製造など幅広い産業で導入が拡大中です。

ナーブやジョリーグッド、ポケットクエリーズといったソリューション企業は、社会課題を技術で解決するDXの旗振り役です。
実社会への応用に興味がある理系学生のニーズが高まっており、BtoB(企業向け)ビジネスに特化しています。

そのため、安定した技術基盤の上でキャリアを積みたい学生に適しています。

VR・AR・MR業界の市場規模と成長性

VR・AR・MR業界の市場規模と成長性

XR市場の世界市場規模

2022年12月、調査会社IDCは「世界のAR・VR支出ガイド(Worldwide Augmented and Virtual Reality Spending Guide)」を発表しました。世界のAR/VR関連支出は、2026年には509億ドル(約6.9兆円)へ拡大する見込みです。2022年からの4年間で3.7倍となり、年平均32.3%の大きな成長が予測されています。

2023年1月にデロイト・トーマツ・ミック経済研究所が「ビジネス向けXRソリューション市場の現状と展望 2022年度版」を発表しました。同資料によると、国内市場は2022年度に324億円になる見込みです。2026年度までは年平均成長率34.3%で推移すると予測されています。

XRは今後、エンターテインメントだけでなく産業用途でも普及が進むと考えられています。設計シミュレーション、遠隔作業支援、教育トレーニングなどの分野で活用が広がり、XR市場の成長を支える要因となっています。

引用元:世界のXR市場規模は約1.8兆円、今後も年30%以上の成長予測 IDC

日本市場の成長性

日本でもXR関連市場は拡大傾向にあります。
通信企業やIT企業がXR技術を活用した新しいサービスを開発しており、企業向けソリューションとしての導入も増加中です。

政府もデジタル産業の競争力強化を目的にXR技術の研究開発を支援しています。メタバースやデジタルツインなどの分野は今後の産業基盤として期待されており、大学や企業による研究開発が進められています。

2021年9月に日本政府はデジタル庁を開設し、総務省が策定する「自治体DX推進計画」の中にXR(VR・AR・MR)を含めている状況です。「テレワークの推進」の項目に「遠隔コミュニケーション-スマートグラスやVRを活用した遠隔支援」を盛り込んでいます。

現在、企業向けにXRを含むDXに対する政府の補助金が複数存在します。例えば、デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)などです。また、東京都は「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」などを設けています。

日本企業はゲームやアニメなどのコンテンツ分野で強みを持っているため、XRとエンターテインメントを組み合わせたビジネスにも可能性があるといわれています。

政府による「自治体DX推進計画」や数々の補助金制度も2026年時点で着実に浸透している状況です。特に中小企業のデジタル化支援が加速したことで、大手企業だけでなく地方や中堅企業におけるXRソリューションの導入事例が激増しており、理系学生の活躍フィールドは日本全国へと広がっています。

5G・DX・メタバースの影響

XR市場の拡大を支えている要因の1つが5G通信の普及です。
XRコンテンツは高解像度の映像やリアルタイムのデータ通信が必要になるため、高速通信環境が重要です。

企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、XRを業務に活用する取り組みも増えています。例えば、製造業ではデジタルツインによる設備管理、建設業ではARを活用した設計確認などが導入されています。

さらにメタバースの登場により、仮想空間を活用したビジネスモデルも増えている状況です。
「メタバース」は「メタ(meta/超越した)」と「ユニバース(univers/宇宙)」の合成語で、ネットワーク上に構築された仮想空間と、そこで提供されるさまざまなサービスの総称です。

メタバースは参加者が仮想空間の中で3Dの「アバター」になり、他者とコミュニケーションをとったり、生産活動、経済活動に参加できます。つまり「同時性」「ライブ性」「経済性」を兼ね備えているのが、メタバースのコンテンツです。

三菱総合研究所は2022年11月に発表した調査レポートで、広義のメタバースの応用領域の国内市場規模は2030年には約24兆円規模に拡大すると予測しています。
同レポートでは、本格的なメタバース経済圏の発展は2030年代中頃から後半以後としています。最終的には数十億人を超えるユーザーを持つ巨大市場が新たに形成される予測です。

参考:三菱総合研究所「2030年代、メタバースの産業利用が社会課題を解決

VR・AR・MRの主な活用業界

製造業

製造業においても、XR技術を活用した設計シミュレーションや作業支援が加速中です。
仮想空間上に設備や製品の3Dモデルを再現し、製造前の設計確認や作業手順の検証を行うケースが増加しています。

例えば、VRを活用した溶接トレーニングでは、熟練技術者の作業を仮想空間で再現し、複数の研修者が同時に学習できる仕組みを構築。
これにより技術習得のスピードが向上し、技能レベルのばらつきを抑える効果が実証されました。

また、ARを利用した設備導入のシミュレーションでは、工場の設置場所に装置の3D画像を表示させながらレイアウトの検証が可能です。

さらにMRのホログラム技術を使えば、設備の保守点検時に作業マニュアルを空間上に表示できるため、作業精度や効率の大幅な引き上げに貢献できます。

参考:イマクリエイト「ナップ溶接トレーニング

不動産

不動産業界で急速に普及しているのが、VRを利用した物件内覧サービスです。
建物が完成する前であっても室内の空間や内装をリアルに体験できるため、購入検討者の重要な判断材料として機能します。

例えば、東急不動産と日本ユニシスが提供する「VRモデルルームXR体験サービス」は、マンション完成後の様子をVRでシミュレーションできる画期的な取り組みです。
室内の質感や奥行き、朝昼夕方における日当たりの変化まで確認できるだけでなく、3DCGを用いた家具や人物の配置イメージの再現も可能です。

ヘッドマウントディスプレイを装着し、実際に物件内を歩き回るような感覚で見学する「バーチャルツアー」も体験できます。

こうしたXR内覧は、遠方からの物件確認を容易にし、不動産販売の効率化に大きく貢献していると言えるでしょう。

参考:東急不動産「VR体験は新時代へ 日本ユニシスと東急不動産

医療

医療分野ではVRを活用したトレーニングやシミュレーションの研究が進んでいます。
仮想空間で人体モデルや手術手技を再現することで、安全な環境で医療教育を行えます。

特に救急医療や高度な手術では、実際の現場で経験を積む前にVRでシミュレーションを行うことが有効です。リアルな映像や操作体験によって、医療従事者の技能習得をサポートできます。

XR技術は今後、遠隔医療や手術支援などの分野でも活用が期待されています。AIによるデータ解析や3D医用画像と組み合わせることで、医療の高度化につながる可能性があります。

参考:ジョリーグッド「OPEcloud VR

教育

教育分野でも、VRやメタバースを利用した体験型学習の導入が進むようになりました。
仮想空間を活用すれば、通常の授業では実施が難しい実験やプレゼンテーションを疑似体験できるのが大きなメリットです。

具体的な事例として、立命館大学の「プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)」におけるXR技術の活用が挙げられます。
同プログラムでは、NTTが開発した「NTT XR Space WEB(DOOR)」を用いて仮想空間を構築。学生が作成したポスターや3Dオブジェクトが多数展示されています。
授業中、学生は自身のアバターを操作して空間内を移動し、英語でのプレゼンテーションを実施します。

大学の正課授業としてXR空間を取り入れたこのケースは非常に珍しく、教育現場における最先端の活用事例と言えるでしょう。

参考:立命館大学「メタバース上で英語プレゼン テクノロジーと英語教育を融合させた取り組み」「プロジェクト発信型英語プログラム

観光・エンタメ

観光やエンターテインメントの分野でも、XR技術の活用が広がっています。
仮想空間を利用した観光体験やイベントは、場所の制約を超えて多くの人が参加できる新しいサービスとして注目の的です。

例えば、富士急行が運営する遊園地「富士急ハイランド」では、VRを活用したアトラクションを提供しています。
絶叫マシンの体験をVR映像で再現した「ほぼドドンパ」や「ほぼFUJIYAMA」などのアトラクションが導入され、臨場感あふれる体験を楽しめます。

さらにmVR映像と4Kゴーグル、振動を再現するMX4Dシートを組み合わせたライド型アトラクション「幻影劇場」では、人気アニメ「NARUTO」の世界観を体験できるなど、見どころが満載です。

このようにXRは、レジャー産業でも新しい体験型コンテンツを生み出し続けているのです。

参考:富士急ハイランド「ほぼドドンパ / ほぼFUJIYAMA」「幻影劇場

VR・AR・MR業界の今後の課題

ハードウェアの制約とコスト面

XR技術の普及を進めるうえで、大きな課題の1つがデバイスの性能と価格です。
VRヘッドセットやARグラスは高精度なディスプレイやセンサーを必要とするため、一般消費者にとってはまだ高価な製品も多くあります。

また重量やバッテリー持続時間など、ハードウェアの制約もあります。長時間装着することを考えると、軽量化や快適性の向上は重要な開発テーマです。

XRデバイスメーカーは、より小型で高性能なデバイスの開発を進めています。
半導体技術や光学技術の進歩により、今後はより使いやすいXR機器が登場すると期待されています。

健康と安全・プライバシーへの懸念

XR技術ではユーザーが仮想空間に没入するため、健康面への影響が議論されることがあります。
VR酔いと呼ばれる映像酔いや、長時間使用による視覚疲労などが代表的な課題です。

またXR空間ではユーザーの視線や行動データなど、多くの情報が取得される可能性があります。そのためデータの管理やプライバシー保護も重要なテーマとなっています。

企業はユーザーの安全性を確保するため、利用時間の制限やガイドラインの整備などを進めています。XRが社会に広く普及するためには、こうした安全性への配慮も不可欠です。

通信インフラの整備

XRコンテンツは高解像度の映像やリアルタイム通信を必要とするため、安定したネットワーク環境が重要です。特にクラウド型XRサービスでは高速通信が不可欠になります。

5G通信の普及によりXRサービスの利用環境は改善されつつありますが、地域によって通信環境に差があることも課題の1つです。

XRがより多くの人に利用されるためには、通信インフラの整備が欠かせません。
今後は5Gだけでなく次世代通信技術の発展によって、より高品質なXR体験が可能になると期待されています。

VR・AR・MR業界に向いている人

最新技術への強い好奇心がある人

XR業界では、新しい技術を積極的に学び続ける姿勢が重要です。

XR分野は比較的新しい技術領域であり、日々新しい研究や製品が登場しています。
VRヘッドセット、ARグラス、メタバースプラットフォームなど、技術の進歩によって市場環境も大きく変化しています。

新しいツールや開発環境を試したり、技術トレンドを調べたりすることが好きな人はこの分野に向いているといえるでしょう。
特に3D技術やゲームエンジン、空間コンピューティングなどに興味がある理系学生にとって、XR分野は魅力の大きい業界といえます。

大学での研究テーマが以下の分野に該当する場合、その専門性はXR業界で即戦力として高く評価されます。

  • ・画像処理・コンピュータグラフィックス: 描画の最適化やリアルタイムレンダリング技術。
  • ・ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI): 視線、ジェスチャー、音声による新しい操作インターフェースの研究。
  • ・通信プロトコル・ネットワーク: 5G/6Gを活用した低遅延な大容量データ通信技術。
  • ・センシング・ロボティクス: 空間認識(SLAM)や触覚フィードバック(ハプティクス)技術。

これらの研究を通じて培った論理的思考や実装力は、まさに「明日から使える」強力な武器になります。

自主的な学習能力がある人

XR開発ではさまざまな技術が組み合わさるため、自分で知識を広げていく姿勢が求められます。プログラミング、3Dモデリング、UI設計など、複数の分野を理解する必要があります。

例えばXRコンテンツの開発ではUnityやUnreal Engineなどのゲームエンジンを利用することが多く、これらのツールを独学で学ぶ学生も増えています。こうした自主的な学習経験はXR業界を目指すうえで大きな強みになります。

大学の研究活動や個人開発などを通して技術を学び続けている人は、XR分野でも活躍しやすいといえるでしょう。

また、プログラミングや3Dモデリングだけでなく、「自分の研究成果がどのようにユーザーの体験(UX)を変えるのか」を言語化できる能力も重要です。

数値や理論を扱う理系学生にとって、自身の専門技術が「仮想空間での没入感」や「現場の作業効率」という具体的な価値に変換されるプロセスを理解することは、志望動機の強固な裏付けとなり、選考官に深い納得感を与えます。

コミュニケーションスキルがある人

XRプロジェクトでは、エンジニア、デザイナー、企画担当など多くの専門職が協力して開発を進めます。そのためチーム内での情報共有や意見交換が重要です。

例えばXRコンテンツの開発では、エンジニアがシステムを構築し、デザイナーが3Dモデルを制作し、企画担当が体験設計を行うなど、複数の役割が連携します。こうしたチーム開発ではコミュニケーション能力が不可欠です。

XR業界では技術力に加えて、チームでプロジェクトを進める力を持つ人材が求められています。

VR・AR・MR業界についてよくある質問

VRの仕事に必要な資格は?

VR開発に必須の資格は特にありません。

VRコンテンツ開発ではプログラミングや3Dグラフィックスの知識が求められることが多く、関連スキルを身につけておくと有利です。

例えばUnityやUnreal EngineなどのゲームエンジンはVR開発で広く利用されています。また3Dモデリング、コンピュータグラフィックス、UI設計などの知識も役立ちます。

大学の研究や個人開発でXRコンテンツを制作した経験があると、企業の選考でも評価されやすいでしょう。

ARの大手企業は?

ARの代表的な大手企業は、Apple、Google、Metaなどの世界的IT企業です。

日本企業ではSonyやNTT、KDDIなどがXR関連事業に取り組んでいます。またXRソリューションを提供するスタートアップ企業も増えており、HIKKY、ambr、ジョリーグッドなどもXR分野で注目されています。

XR業界を志望する場合は、IT企業だけでなくゲーム会社、通信企業、メーカーなども含めて企業研究を進めることが重要です。

MR職に向いている人は?

MR開発では空間認識技術、3Dグラフィックス、ソフトウェア開発など複数の技術が利用されます。そのため情報工学やコンピュータグラフィックス、ロボティクスなどの知識を持つ学生と相性の良い分野です。

またMR技術は設計シミュレーションや遠隔作業支援など産業用途でも利用されるため、機械工学や電気電子工学の知識が活かせるケースもあります。

XR分野では専門分野の異なるエンジニアが協力して開発を進めるため、技術への興味とチーム開発への理解を持つ人が活躍しやすいといえるでしょう。

VR・XR業界の企業ランキング(大手企業)は?

世界的には「Quest」を展開するMeta、PlayStation VRのSony、そして「Vision Pro」で参入したAppleが市場を牽引するトッププレイヤーです。国内では、通信インフラを持つNTTやKDDI、コンテンツ力に強みを持つバンダイナムコなどが存在感を示しています。

理系就活生が企業研究をする際は、単なる売上規模だけでなく、各領域で「世界一」や「国内初」を目指しているかに注目すると志望動機がより深まります。

XRスタートアップの年収や魅力は?

XRスタートアップの年収は、スキルや経験によって幅がありますが、市場が急成長しているため、技術力の高いエンジニアには高待遇を提示する企業が増えています。

スタートアップで働く最大の魅力は、技術の社会実装を最速で経験できる点です。

例えば、医療教育のジョリーグッドや仮想空間構築のHIKKY、ambrなどは、大手企業と連携しながら新しい産業インフラを創り出しています。

2030年には国内市場が数十兆円規模に拡大すると予測されており、初期メンバーに近い形で参画することは、キャリア形成において大きな資産となるでしょう。

まとめ

VR・AR・MRなどのXR技術は、ゲームやエンターテインメントだけでなく、製造業や医療、教育、不動産などさまざまな分野で活用が広がっています。
XR業界はハードウェア開発、プラットフォーム開発、コンテンツ制作、企業向けソリューションなど複数の領域で構成されています。

XR業界を志望する理系就活生は、自分の専攻や研究テーマがどの分野で活かせるのかを意識して企業研究を進めることが重要です。

XR関連企業はまだ数が限られているため、自分で企業を探すだけでは見つけにくい場合もあります。XR分野に関わる企業を効率よく知りたい理系就活生には、スカウト型就活サービスの活用もおすすめです。

TECH OFFERでは、研究内容や専攻を登録することで企業からスカウトを受け取ることができます。
XR関連企業を含む理系採用企業が研究テーマをもとに学生へオファーを送るため、自分では気づかなかった企業と出会える可能性があります。

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